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~神聖ザカルデウィス帝国 旅禍篇~

~神聖ザカルデウィス帝国後編~ 怒涛

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 アルティスは本陣へと辿り着いた。その速度は人間のそれとは比べ物にならず、いくら一騎当千と言えど、人間のやる所業とは思えなかった。その力は凄まじく、魔導巨神を破壊する際の、アルティスの攻撃の威力は地形を変えるほどであった。それでもアルティスは、まだまだ全力を出していなかった。とにかく、アルティスはソーンと合流した。周囲はエクスキューショナーが巡回しており、侵入する者を警戒していた。アイゼンがミカエラが滞空待機している方向へと加速していく。アイゼンの旗艦型の戦艦、オベロンが。そして青竜騎士団が。このままだとミカエラが落とされるかも知れないとも考えたが、何故か、大丈夫だと感じた。ミカエラ自体はどうなのかは定かではないが、気にしなくてもいいと感じていた。ミカエラにルシファーがいるとは誰も予想していなかったが、その存在感を隠す事はできなかったようである。ルシファーがいると分かっていなくとも、ミカエラは大丈夫だと思わせていた。アイゼンと青竜騎士団が束になっても、ミカエラは落ちないと確信に近いものがある。いや、これは確信である。神聖ザカルデウィス帝国に凄まじい存在が出現して、波状攻撃を耐えきったのだろう。そう考えれば、ミカエラが今まで落とされなかったのに合点がいくのだ。アルティスは、そう考えていた。ゼイフォゾンと同じ予感を得たアルティスは、本陣までの道が空いているのを確認した後、狼煙を上げた。増援を求めたのである。黒竜騎士団はエアラルテに全て割いているので、期待はできなかったが、ミカエラからの増援を期待していた。とは言っても、エクスキューショナーが来るだけではあったのだが。それでもいいから、この本陣を完全に占領しないといけない、あまり時間をかけてはいられないのである。元帥ギルバートの本隊がやってくるまでには、陣営を整えないと、良くない事が起きる。

 瞬間、空間が揺れ始めた。その揺れ方は尋常ではなく、何か、人間ではないものがやってきたのは間違いなかった。竜であろうか、だが竜であれば、単なる竜であれば空間が歪むほど揺れはしないはずである。しかし、アイゼンの乗る聖竜王ズフタフはミカエラの方向へ向かった。それは間違いない。アルティスはこの威圧は竜王とも言えないであろうと感じていた。この揺れの正体はいったい何なのであろうか。揺れているのは空間だけではない、この空間に充満する魔力因子も震えていた。この状態は、何かに似ていた。そう…帝王ゴーデリウス一世が戦場へ赴くとき、このように空間が揺れていた。それだけではない、アルティスがかつて修行していたタオの国と呼ばれる場所も、七英雄に滅ぼされている。その様は凄惨という言葉が生温くなるほどの蹂躙であった。この揺れの正体も、まさか七英雄ではないのか。でなければこの状態は説明のしようがない。アルティスは一種の恐怖と戦い始めた。七英雄に匹敵する者なら知っている。そういう者たちは空間に出現しようが、空間までは揺れはしない。この状態は明らかに異常である。何か、出鱈目な、理不尽な、絶望的な力を見せつける者がやってくる。人間の及ばない何かが。しかし、その奥から現れたのは、元帥ギルバートただ一人であった。艦隊は後方に控えていて、待機しているようであった。この艦隊は何もしてこない。それだけは分かった。だが、この空間の揺れを引き起こせるのは、あの男ではない。他に何か潜んでいるはずである。

 そして、その空間の揺れの正体が元帥ギルバートの後方に降り立った。それは竜であった。それも巨大で、それでいて他の竜王が霞むほどの威厳を誇る存在。翼は虹色に輝き、その外皮はガドラムよりも堅そうに思えた。鱗は更に堅そうであった。それもしなやかで、何よりも柔軟な動きをする。凄まじい存在である。ソーンは、一種の絶望感に苛まれていた。アルティスは、何故か闘気が溢れ出していた。こんな強大な相手は、初めてである。この竜王が七英雄に匹敵するのなら、相手にしたい。この戦い、本当に壮絶なものになるであろう。アルティスの細胞一つ一つが烈火のように燃え立つのが分かった。自分でも理解していた。アルティスはこの血の高まりを抑えられなかった。


「アルティス、あれが覇界の大帝エクスマギアクレアよ。人類では決して到達できない力を持っている。どうするの……あれと戦う気?そんな事はやめて、命の無駄よ。ギルバートに勝ったとしても、エクスマギアクレアに勝てる存在なんていないわ」

「ところがな……楽しみで仕方ないんだよ。あれと戦えると思った瞬間、恐怖もあったが、それを乗り越えてくるものがあったのさ。これが武芸者の本懐という奴なんだろうな。全くよ、この戦馬鹿は血液に至るまで戦いの事しか考えていないようだぜ。困ったもんだな」

「アルティス、ダメ……死なないで。貴方が死んだらこの軍は……」

「死なねぇよ。まあ見てろ、俺はこの時を目一杯楽しんでやるぜ。この戦場を、あれを倒す事で支配できるんならやってやるよ。俺は不敗、数多くの戦において不敗、あらゆる絶望を希望に変えるジ・オードの次兄、アルティス・ジ・オードだ。この絶体絶命、見事に乗り越えてやる。やばいな……無窮の鬼神たるこの俺が身震いしてやがる。いっけねぇな、うずうずしてきたぜ」


 飽くなき強者への渇望、武人だからこその、骨の髄まで武人だからこその渇望である。アルティスは、この竜を目の前にして、その渇きを満たしてくれると判断したのだ。その判断が正しかったのか、そうでなかったのかは、分からない。少なくともこの実力差で、圧倒的な闘気の違いで、この竜はやってきた。国が一つ二つあっても足らない、小さい大陸ならば簡単に木端微塵にできそうな存在、この竜は明らかにおかしい。そういう存在である。アルティスの力量で、この存在を倒せるのだろうか。そう、ゼイフォゾンの副官ルシファーもこういう存在感を放っている。ゼイフォゾンにそういう副官がいるのは、皇国レミアム内では秘匿とされていた。知っているのは帝王ゴーデリウス一世とゼウレアーだけである。何故ならば、ルシファーは、魔界の皇帝という立場。帝王ゴーデリウス一世に比肩する者である。ルシファーの存在は、皇国レミアムの領内でも伝説、または神話の中にのみ登場する存在という話で通っている。ルシファーの実在を確認したのは帝王ゴーデリウス一世とゼウレアーだけであり、彼らはルシファーという存在を切り札とする事で合意していた。ゼイフォゾンがソード・オブ・オーダーになった頃、表向きに切り札となるゼイフォゾンに、更なる特記戦力を保有させる事を目的にして、ルシファーを副官に就かせたという事情があった。ルシファーはゼイフォゾンを主として認めたようだが。

 アルティスは帝王ゴーデリウス一世が戦場に赴いた時の状況しか知らない。ルシファーが戦場に赴いた事など知る由もない。しかし、こういった理不尽な力を持った存在の事は、よく分かっていた。あの竜がどれほどの力を保有しているのかなど考えるだけ無駄。戦闘能力という言葉が表面に出てくるようでは、ああいった存在には勝てない。そう、人間であるアルティスもそうであった。人間がどうあがいても及ばない領域に踏み込んでいるアルティスには、同じ人類など相手ではなかった。ラーディアウスという例外を除けばではあるが。人類最強の称号を得た男は、初めて自分の限界を突破できるかもしれない、この状況に愉悦すら感じていた。この目の前にいる超越した存在を屠れるのならば、この身が砕けてもいいと感じていた。


「覇界の大帝エクスマギアクレア……これがそうか!ギルバート!」

「その通りだ。この前みたいにはいかない。お前はこのクレアを目の前にして絶望する事になる。この真のドラゴンロードの力を目の前にして何もできなくなるぞ。この俺の覇道を阻む者は、全力を以て消し去る。アルティス・ジ・オード、お前はこの場で死ね!」

「断るね。お前の頼みなんか聞かないね、俺はこの場で生きて帰る事をゼイフォゾンに約束した。その竜がどんな力を持っていようが関係ないのさ。俺が何もできなくなるだと?俺の全力を、全霊を見た事もないのに?そんな事がよく言えたな。俺はこの歴史、このコル・カロリの世界の歴史のなかでも不敗、俺の武は、肉体は無類無敵だ。燃え盛る炎も、濁流の如き水の圧も、奔る風の衝撃も、大地の怒りも俺には届かない。全てを超え、最強の称号を得た人間の力をなめるなよ!」

「言ったな……クレア!蹂躙しろ!あの男を叩き殺せ!」

「良いだろう。アルティス・ジ・オード、恨みはないが、ここで死んでもらうぞ。儂は手加減できんのでな」

「加減されたらこっちがたまんないね。っていうより、お前百年戦争にもいなかったか?お前の姿、どこかで見た事があるんだけどな」

「さてな……さぁ、往くぞ」

「来い!お前の鱗と外皮をもらっていくぜ!」

「何の話じゃ?」

「何でもないね!」


 カオウスとゲンドラシルは、エアラルテの本陣を目指して艦隊と魔導巨神を落としていった。その数は凄まじく、魔導巨神とは言え、新型の見た事もない魔導巨神を繰り出していたので、この戦場を簡単に突破させてくれるほど生易しいものではなかった。クウォルザワートの被害はあまりなかったが、黒竜騎士団と赤竜騎士団の消耗が激しく、時折、竜を休ませる必要があった。兵士たちも殺す戦いではなく、生かす戦いには慣れてはおらず、悪戦苦闘していた。そのせいか、進み方は遅かった。ゲンドラシルと赤竜騎士団を加えたとは言え、あまり状況は好ましいものではなかった。数においては五分だが、魔導巨神の数が違う。エアラルテの陣営はその軍備の増強の仕方が尋常ではなかった。凄まじい物量で襲い掛かってくる。疲れ知らずの魔導巨神と戦艦の砲撃が続く。このままではこちらが持たないと感じるほどの波状攻撃を仕掛けてきたが、その砲撃をダーインスレイヴがうまく受け止めていた。山のような巨体を誇り、その外皮と鱗は竜王らしく頑強なので、多少の事ではビクともしなかった。その戦艦の両翼と魔導巨神は、黒竜騎士団と赤竜騎士団が破壊していき、このまま進めば、エアラルテの本陣まであともう少しのところまで来たが、その考えは甘かったように思える。エアラルテはある秘匿最終決戦兵器を建造していた。その影はまだ見えなかったが、このまま進めばそれに遭遇するのは確実であった。エアラルテの騎士団である黄竜騎士団が出てきた。その行軍速度は神聖ザカルデウィス帝国最速を誇る。攪乱されたら厄介である。カオウスは黒竜騎士団を攻撃に集中させ、赤竜騎士団は防御に集中させた。五大竜騎士団同士の闘争は激化の一途をたどっていた。互いに消耗し合う、この戦いは誰かが死ななければならないものになっていた。しかし、それでもカオウスとゲンドラシルは諦めなかった。この死中のなかに活を見出すには、それくらいの覚悟が必要であった。騎士団同士の金属がぶつかる音、竜の肉を切り裂く音、竜の爪が空を切る音が鳴り響く。この戦場は竜同士の地獄のような音楽が支配していた。

 このままではクウォルザワートが落とされかねない。ただ殲滅するなら簡単だ。邪竜王グラムと灼竜王ダーインスレイヴのブレスを放てばいいだけである。それさえすれば全てスッキリする。そういう戦いなら楽でいい。しかし、誰も殺してはならない。だからこその難しい戦闘なのである。だが、あえてこの過酷な選択をしたゼイフォゾンに応えたい。黒竜騎士団と赤竜騎士団の騎士たちは必死になって黄竜騎士団の騎士たちを説得した。友を殺したいとは誰も思わない。ましてや、長の思想の違いに付き合わされる戦いなど、それも内乱である。こんな思いをして誰が喜ぶであろうか。この戦争行為は明らかに間違っている。彼らは必死になって自分たちの気持ちを伝え続けた。瞬間、地上にいた魔導巨神全てが爆発した。そして、一点に向って吸収されていくのが見えた。その先には重力がそこで崩壊していく様が見て取れた。この技術は、神聖ザカルデウィス帝国では禁じられているもので間違いなかった。この重力崩壊を引き起こしている原因はすぐに理解できた。それは、旗艦型の戦艦がいくつ並んだところで届かないほどの巨大な、ダーインスレイヴさえも問題にならないほど巨大な機械の竜であった。その竜が魔導巨神たちを吸収したのであった。その機械の竜を操っているのが、エアラルテであった。自らを生体コアとなって、動かしているのである。黄竜騎士団の騎士たちは、分かってはいても、エアラルテの狂気が心の底から理解できていなかった。この力の使い方は間違っている。それは人間なら誰もが分かっている事であった。


「こんなになってまで、お前は何がしたいのだ!エアラルテ!お前は革命に身を投げ出し、そしてこのような力を得てまで何がしたいのだ!答えろ!」

「この神聖ザカルデウィス帝国をギルバートという闇から解き放つのだ!お前たちも同じではないのか!こうして戦っているのは、それが目的なのではないのか!カオウス、ゲンドラシル!お前たちは力の使い方を間違えている。こうして強大な力でギルバートを屠り、その上で、私が神聖ザカルデウィス帝国の元帥となり、新たな覇道を……」

「力によって勝ち取られた時代は、力によって制されていくのだ!お前は神聖ザカルデウィス帝国の未来を取ったのではない。国の力に全てを捧げている!」

「僕の声を訊け!エアラルテ!僕は神聖ザカルデウィス帝国に失望し、絶望した。そして全てを諦めていた!」

「それはお前が弱いからだ!」

「違う!神聖ザカルデウィス帝国は本来、話し合いのテーブルで決着をするべき国なんだ!思想は違っていても、それを議論しなければならない!戦争という手段による解決は、決して取るべき手段じゃないんだ!いいか、この戦争は何よりも悲しい……」

「ならその悲しみの中で死ね!」

「カオウス、あの男を縛っているのは、あの男を力に憑りつかせているのはあの竜だ。あれは破壊しなければいけない。これからはブレスを使っても構わない。あの過ぎたる兵器を徹底的に破壊するぞ!」

「分かったよ、ゲンドラシル。やるよ……グラム。全力だ」

「青二才の軍略が通用するものか。ダーインスレイヴ、あれを焼け」


 二匹の竜が、機会の竜めがけてブレスを放った。大地を灰にし、海を抉るような威力のブレスが、機械の竜を破壊していく。しかし、それでも微々たるダメージであった。機械の竜はまだ健在、それも損傷は軽微。まだまだ動ける状態であった。ここに来て攻撃力が不足するとは思わなかった。このままでは埒が明かないのは明白であった。それを覆すには、更なる波状攻撃が必要になってくる。クウォルザワートのブリッジはミカエラに連絡を取った。ミカエラは現在、ルシファーと共にアイゼンの艦隊と、青竜騎士団を相手にしていた。ルシファーの圧倒的な力で、それを完封する事に成功していたが、ここでクウォルザワートから連絡を受けるとは思っていなかった。その連絡の内容は、ミカエラの切り札の超々長距離援護砲撃による攻撃であの機械の竜に効果的なダメージを与えて欲しいという内容であった。それは遠方からでもその機械の竜が目視できるからに他ならなかった。オメガは展開した原理の力のシールドを解除するように命令した後、ミカエラを機械の竜の方向に転進させた。


「オメガ艦長代理、艦首の砲撃しかないですが……艦首超大型集束波動砲とあります」

「それでいい。使えるものは使おう、発射シークエンスを行う!」

「了解!シールド解除、発射シークエンスへ移行!チャージ開始!」

「射線上への味方、認められない!重力ブレーキ作動!」

「総員、耐衝撃、閃光防御!」

「発射まであと3、2、1……!」

「艦首超大型集束波動砲!発射!」


 ミカエラの艦首から、膨大な原理の力を集束させた砲撃が発射された。この艦首超大型集束波動砲は、宇宙から地上へ撃つと生命体の半数以上が死滅するほどの殲滅力と攻撃力を持った究極の兵器である。この砲撃が、機械の竜に向けて放たれた。黄竜騎士団の騎士たちは、変わり果てたエアラルテを守る気などなかった。だから、こんな機械の竜など破壊されればいいと思っていた。射線上にいなかったのはその為である。砲撃が戦場を一閃していく。そして、機械の竜に直撃した。その破壊力は凄絶の一言に尽きる。そこから、グラムとダーインスレイヴがブレスを加えた。機械の竜は、流石にこの攻撃力の前ではどうする事もできず、甚大な損傷を負った。動くのもやっとである。機械の竜は、悶えていた。そして、その口から更に大きい重力崩壊を引き起こすブレスを放ってきた。どうやらエアラルテも諦めるつもりはないらしい。この重力崩壊のブレスは巨大で、着弾した場所からブラックホールが生み出されて全てを吸収する凶悪極まりないものであった。そのブレスを受け止めたのが、ゼイフォゾンであった。ゼイフォゾンはアルティスが心配であったが、引き返してきたのだ。この機械の竜の巨躯を見て、ただ事ではないと判断したのだ。カオウスとゲンドラシルは、ゼイフォゾンが生きていた事に喜びを感じていた。ブレスを天高く弾き返したゼイフォゾンは、神剣エデンズフューリーを召喚した。


「御伽噺の真っ白な行間……!」


 神剣エデンズフューリーの刀身が白く輝き、そこから扇状に広がっていく原理の力の熱線が機械の竜を襲う。それから続けてグラムとダーインスレイヴがブレスを放つ。この攻撃が決定打となり、機械の竜は爆発を繰り返した。その中央から、エアラルテが落ちていくのが確認できた。そのエアラルテを、煌竜王アスカロンが受け止めた。アスカロンは、エアラルテを主と認めた竜王である。その様子を見ていたカオウスとゲンドラシルは、少し安心していたように思える。エアラルテの陣営は、これで終わりを迎えた。もう戦う力は残されていない。後は、元帥ギルバートの陣営である。ゼイフォゾンは神術で転移した。カオウスとゲンドラシルは、ミカエラを援護するべく、クウォルザワートを転進させた。この戦い、まずは皆で生きて帰る事ができた事を喜ぼうと思ったのだが、次の相手は元帥ギルバートである。一筋縄ではいかないであろう。

 アルティスは、そのギルバートとエクスマギアクレアと対峙していた。機械の竜が爆発した轟音はここにも響いていた。アルティスは、きっとゼイフォゾンたちがうまくやったのだろうと確信していた。しかし、目の前にいるのは、覇界の大帝エクスマギアクレアである。この竜王がもたらす絶対の死を前にして立っていられるかは分からないが、それでも良かった。アルティスは、エクスマギアクレアを倒す気でいた。もとより勝利する気でいた。不敗の誇りがある限り。それは矛盾なく、時間が無情にも過ぎていった。
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