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【ep.06】魔女にとっての弟子
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リュシーの家で生活を始めて2週間、今日も私はリュシーにフラれていた。
毎日リュシーに弟子入りしたいとお願いし続けても、リュシーの答えは決まって「NO」だった。
ソファで項垂れる私を慰めるマリアも2週間変わらずで、私に寄り添ってくれる優しさが心に染みる。
「そんなに落ち込まなくてもエマは強いですわ」
「マリア……」
うつぶせになっている私の隣に座っているマリアの顔が見たくて、私は仰向けになってマリアを見つめた。
マリアの優しい微笑みは私を癒してくれる。
「エマ、少し力を抜けますか?」
「え、うん」
身体を脱力するとマリアは私に近付いてから私の頭を持ち上げた。頭に触れる太ももの感触とマリアとの距離が近くなった事で私は目を大きく開く。鼓動が大きくなるのを感じながら、真上にいるマリアに見惚れてしまう。
「エマはそのままのエマで十分ですわ」
「マリア……」
太陽の様な優しい表情。何度見ても胸が温かくなる位の大好きな表情に私は頬が熱くなるのを感じながら目を離せないでいた。
「あ……だめです……こんな事してもらう権利は私にない……」
「わたくしを令嬢でなくしたのはあなたですわ。それにわたくしはもっとエマと近い関係でいたいのです」
マリアの瞳が少しだけ細くなって、ほんのり頬が色づいた気がした。マリアの背中から外の光が照らしていて、その光が私の瞳の中で揺れる。
マリアは私の事をどう思ってるのだろう。
私はマリアの事が好きだ。
それは崇拝にも似た憧れの存在として。だけど、最近はなんだか特別に感じる位にこの気持ちが大きくなっている気がしていて。
この気持ちをなんて例えるのが正しいのか、私の中でまだ定まらない温かな気持ち。
似た様な温度をマリアの瞳から感じて、その瞳を向けられる事に戸惑ってしまう様な感覚になって。
でもその瞳を向けられているのが心地いいとも思ってしまって。
ただじっと、マリアの微笑みに夢中になってしまう。
――バン! ドン!
ドアから大きな音が聞こえて、私は驚いて起き上がる。マリアも驚いて私の背中を支える様にして私の後ろに隠れていた。
「……はぁ……はぁ……、」
ドアを開けて1歩入って来たのは、王子様の様な人。
服がボロボロで、体にも傷がたくさんある。
助けを求めて入って来たのだと気付いて、私は慌ててソファから足を下ろす。
「あら、早かったじゃない」
「……リュシー……ッ!!」
2階から降りて来たリュシーは、ドアに歩いて行きながら驚いた様な声を上げていた。
リュシーを見た王子様は勢いよくリュシーに抱き着いて、リュシーの胸に顔を埋めている。身長差もあってかリュシーは受け止めきれずに床に倒れて、そのまま王子様の頭をあやす様に撫で始めた。
「会いたかった……、リュシーのいない日々は地獄だったんだ」
「そんな目に遭いたくないならあたしの言う事はちゃんと聞くのがいいって分かったでしょ?」
「うん……。だからちゃんと付けて来たよ」
「……あなた、左手の薬指に指輪を付ける意味を知っているんでしょうね?」
「ん?」
リュシーは盛大にため息を吐きながら視線を逸らしていて、私と目が合うと、思い出した様に王子様ごと起き上がって私たちのいるソファの前に来る。
「紹介するわ。この子はノア。あたしの弟子よ」
「初めまして、僕はノア。リュシーのヒーローだよ」
「そういうのはあたしより強くなってから言うものよ」
ノアと名乗る王子様は、とても格好良い。だけど胸元にある膨らみで女性だと判断できた。疑ってしまう位の格好良さは王子様と言うのが相応しい。
そんなノアはリュシーの弟子だと告げられた。リュシーが私の弟子入りを頑なに断っていた理由が判って、少し安心した。でも折角のチャンスだったから悲しい気持ちに嘘はつけない。
「あの、ノアさんは傷だらけですけれど、モンスターに襲われたりしたのですか……? 手当をしないと……」
「この子のは自業自得だから放っておいていいの」
「リュシー……でも……」
「いいのよ。だってこの家に装備品を置いて行ったのはこの子なんだから」
「装備品……ですか?」
不思議そうにするマリアにノアは左手を出した。薬指にはめている指輪を見せて、マリアは更に不思議そうな表情の後、理解した様に笑顔になった。
「まあ、お二人ご結婚されていらっしゃるのですか!」
マリアのその言葉にリュシーはどこか不機嫌になって、ノアの指から指輪を外す。そのまま右手の薬指につけ直した。
「あたしたちはそういうのじゃないわ。こんな子供に興味なんてないもの」
そう言うリュシーの方が幼く見える事に私もマリアも疑問に思って首を傾げる。
リュシーは面倒くさそうにため息を吐いた後、ソファに音を立てて座った。
「あたしは魔女よ。不老不死の魔女」
そう言ってリュシーは自己紹介の様に話し始めた。
毎日リュシーに弟子入りしたいとお願いし続けても、リュシーの答えは決まって「NO」だった。
ソファで項垂れる私を慰めるマリアも2週間変わらずで、私に寄り添ってくれる優しさが心に染みる。
「そんなに落ち込まなくてもエマは強いですわ」
「マリア……」
うつぶせになっている私の隣に座っているマリアの顔が見たくて、私は仰向けになってマリアを見つめた。
マリアの優しい微笑みは私を癒してくれる。
「エマ、少し力を抜けますか?」
「え、うん」
身体を脱力するとマリアは私に近付いてから私の頭を持ち上げた。頭に触れる太ももの感触とマリアとの距離が近くなった事で私は目を大きく開く。鼓動が大きくなるのを感じながら、真上にいるマリアに見惚れてしまう。
「エマはそのままのエマで十分ですわ」
「マリア……」
太陽の様な優しい表情。何度見ても胸が温かくなる位の大好きな表情に私は頬が熱くなるのを感じながら目を離せないでいた。
「あ……だめです……こんな事してもらう権利は私にない……」
「わたくしを令嬢でなくしたのはあなたですわ。それにわたくしはもっとエマと近い関係でいたいのです」
マリアの瞳が少しだけ細くなって、ほんのり頬が色づいた気がした。マリアの背中から外の光が照らしていて、その光が私の瞳の中で揺れる。
マリアは私の事をどう思ってるのだろう。
私はマリアの事が好きだ。
それは崇拝にも似た憧れの存在として。だけど、最近はなんだか特別に感じる位にこの気持ちが大きくなっている気がしていて。
この気持ちをなんて例えるのが正しいのか、私の中でまだ定まらない温かな気持ち。
似た様な温度をマリアの瞳から感じて、その瞳を向けられる事に戸惑ってしまう様な感覚になって。
でもその瞳を向けられているのが心地いいとも思ってしまって。
ただじっと、マリアの微笑みに夢中になってしまう。
――バン! ドン!
ドアから大きな音が聞こえて、私は驚いて起き上がる。マリアも驚いて私の背中を支える様にして私の後ろに隠れていた。
「……はぁ……はぁ……、」
ドアを開けて1歩入って来たのは、王子様の様な人。
服がボロボロで、体にも傷がたくさんある。
助けを求めて入って来たのだと気付いて、私は慌ててソファから足を下ろす。
「あら、早かったじゃない」
「……リュシー……ッ!!」
2階から降りて来たリュシーは、ドアに歩いて行きながら驚いた様な声を上げていた。
リュシーを見た王子様は勢いよくリュシーに抱き着いて、リュシーの胸に顔を埋めている。身長差もあってかリュシーは受け止めきれずに床に倒れて、そのまま王子様の頭をあやす様に撫で始めた。
「会いたかった……、リュシーのいない日々は地獄だったんだ」
「そんな目に遭いたくないならあたしの言う事はちゃんと聞くのがいいって分かったでしょ?」
「うん……。だからちゃんと付けて来たよ」
「……あなた、左手の薬指に指輪を付ける意味を知っているんでしょうね?」
「ん?」
リュシーは盛大にため息を吐きながら視線を逸らしていて、私と目が合うと、思い出した様に王子様ごと起き上がって私たちのいるソファの前に来る。
「紹介するわ。この子はノア。あたしの弟子よ」
「初めまして、僕はノア。リュシーのヒーローだよ」
「そういうのはあたしより強くなってから言うものよ」
ノアと名乗る王子様は、とても格好良い。だけど胸元にある膨らみで女性だと判断できた。疑ってしまう位の格好良さは王子様と言うのが相応しい。
そんなノアはリュシーの弟子だと告げられた。リュシーが私の弟子入りを頑なに断っていた理由が判って、少し安心した。でも折角のチャンスだったから悲しい気持ちに嘘はつけない。
「あの、ノアさんは傷だらけですけれど、モンスターに襲われたりしたのですか……? 手当をしないと……」
「この子のは自業自得だから放っておいていいの」
「リュシー……でも……」
「いいのよ。だってこの家に装備品を置いて行ったのはこの子なんだから」
「装備品……ですか?」
不思議そうにするマリアにノアは左手を出した。薬指にはめている指輪を見せて、マリアは更に不思議そうな表情の後、理解した様に笑顔になった。
「まあ、お二人ご結婚されていらっしゃるのですか!」
マリアのその言葉にリュシーはどこか不機嫌になって、ノアの指から指輪を外す。そのまま右手の薬指につけ直した。
「あたしたちはそういうのじゃないわ。こんな子供に興味なんてないもの」
そう言うリュシーの方が幼く見える事に私もマリアも疑問に思って首を傾げる。
リュシーは面倒くさそうにため息を吐いた後、ソファに音を立てて座った。
「あたしは魔女よ。不老不死の魔女」
そう言ってリュシーは自己紹介の様に話し始めた。
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