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【ep.08】大切な人を守りたいから
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聞こえた声はノアから発せられた。
本当にノアなのかと言う位の野蛮な声と共にノアはモンスターを殴るように短剣を振り回していく。
周りを見ずに走り回って、まるでノアがモンスターになってしまったかの様にして短剣を振り回す。
一瞬の内に辺りにいたモンスターを退治して、倒れているモンスターを強く睨んだ後私の隣にいるリュシーに顔を向けた。その顔はいつもの王子様の様な笑みが浮かんでいて、心配そうにこちらに駆けて来た。
「リュシー!!」
「平気よ。それよりその癖を……」
「平気なものか! 今すぐ傷の手当てをしないと」
「ただのかすり傷よ。だからその我を忘れる癖を直しなさい……って聞いてない」
ノアはリュシーの前に立つと、リュシーの頬を包んで傷を見る。この世の終わりみたいな顔をして。
慌てて荷物の中を探り始めて、私はノアの隣に立ってリュシーの傷を見る。リュシーの言う通りかすり傷だ。だけど顔に傷があるのはなんとかしてあげたい。
「少しじっとしてて」
私はリュシーの頬の傷を両手で覆うと目を閉じて思い切り念じる。私の手から光が溢れた後、光は収まった。
「これ位なら私が治せるよ」
「……エマ……あんた何をしたの?」
「え? えっと、魔法で傷を治したんだけど……?」
「……治癒術、ね。それは昔から?」
「うん。私これしか使えなくて……。他の魔法も使えるようになれるかな?」
純粋な疑問をリュシーに投げかけると、リュシーは口元に手を当てて真剣に考え始めていた。そんなに難しい事なのかと落ち込んでいると、マリアが私の隣に寄って来た。
「やはりエマは強いですわね」
「ううん、ノアとリュシーがいたからだよ。2人に並べるようにもっと強くならなきゃ……!」
「剣の扱いなら少しは教えられるよ。進みながら話をしようか」
「ノア……! うん、ありがとう!」
私は嬉しくてスキップするようにノアの隣を歩き始める。その少し後ろをマリアが歩く。遅れてリュシーもマリアの隣に並びながらまだ考えている様だった。
ノアが扱うのは短剣と弓だけど、ノアの戦い方はとても参考になる。
マリアの事は勿論だけど、ノアとリュシーの事も守れるくらいに強くなりたい、と腰にある長剣に優しく触れながら歩いて行く。
そうして何日もかけて、私たちは目的のダンジョンへたどり着いた。
入り口の前で気合を入れて、ダンジョンの中へ入っていく。
ノアと私がランプを照らしてもダンジョン内は暗くて、マリアは私にくっつきそうな位に近くを歩いている。
初めてダンジョンに入った時は私もすごく怖かったのを思い出した。
「大丈夫だよ。絶対に守るから」
「……はい。心強いですわ」
マリアに微笑みかけるとマリアの緊張した顔が少し綻ぶ。
はぐれない様に手を握れば、握り返してくれた。私はマリアの手をしっかりと握りながら、先を歩くノアとリュシーに続く。
「それにしても、モンスターがいないのは不気味だ」
「ここはそういう所よ。前に教えたでしょ?」
「……そうか、なら気を引き締めていかないと」
「そうして頂戴」
ノアとリュシーの会話の意味は解らなかったけど、ここが普通のダンジョンでない事は理解できた。
少しだけマリアの手を強く握って、奥へと進んで行く。
狭かった道を抜けるとそこは広場の様な場所で、何があるのかランプを照らす。
「あんたたち、武器を構えなさい」
リュシーはそう言って広場の奥を睨む。
何かが動いたのを捉えると、一瞬で広場の壁に火が付いて行く。
明るくなった広場を見渡せば、奥にいるその存在に私は目を見開いて冷や汗を垂らす。
長剣を構えて、マリアを守るように前に立った。
ゆっくりと動きだしたその存在は、私たちを踏みつぶせる位大きなドラゴンだった。
本当にノアなのかと言う位の野蛮な声と共にノアはモンスターを殴るように短剣を振り回していく。
周りを見ずに走り回って、まるでノアがモンスターになってしまったかの様にして短剣を振り回す。
一瞬の内に辺りにいたモンスターを退治して、倒れているモンスターを強く睨んだ後私の隣にいるリュシーに顔を向けた。その顔はいつもの王子様の様な笑みが浮かんでいて、心配そうにこちらに駆けて来た。
「リュシー!!」
「平気よ。それよりその癖を……」
「平気なものか! 今すぐ傷の手当てをしないと」
「ただのかすり傷よ。だからその我を忘れる癖を直しなさい……って聞いてない」
ノアはリュシーの前に立つと、リュシーの頬を包んで傷を見る。この世の終わりみたいな顔をして。
慌てて荷物の中を探り始めて、私はノアの隣に立ってリュシーの傷を見る。リュシーの言う通りかすり傷だ。だけど顔に傷があるのはなんとかしてあげたい。
「少しじっとしてて」
私はリュシーの頬の傷を両手で覆うと目を閉じて思い切り念じる。私の手から光が溢れた後、光は収まった。
「これ位なら私が治せるよ」
「……エマ……あんた何をしたの?」
「え? えっと、魔法で傷を治したんだけど……?」
「……治癒術、ね。それは昔から?」
「うん。私これしか使えなくて……。他の魔法も使えるようになれるかな?」
純粋な疑問をリュシーに投げかけると、リュシーは口元に手を当てて真剣に考え始めていた。そんなに難しい事なのかと落ち込んでいると、マリアが私の隣に寄って来た。
「やはりエマは強いですわね」
「ううん、ノアとリュシーがいたからだよ。2人に並べるようにもっと強くならなきゃ……!」
「剣の扱いなら少しは教えられるよ。進みながら話をしようか」
「ノア……! うん、ありがとう!」
私は嬉しくてスキップするようにノアの隣を歩き始める。その少し後ろをマリアが歩く。遅れてリュシーもマリアの隣に並びながらまだ考えている様だった。
ノアが扱うのは短剣と弓だけど、ノアの戦い方はとても参考になる。
マリアの事は勿論だけど、ノアとリュシーの事も守れるくらいに強くなりたい、と腰にある長剣に優しく触れながら歩いて行く。
そうして何日もかけて、私たちは目的のダンジョンへたどり着いた。
入り口の前で気合を入れて、ダンジョンの中へ入っていく。
ノアと私がランプを照らしてもダンジョン内は暗くて、マリアは私にくっつきそうな位に近くを歩いている。
初めてダンジョンに入った時は私もすごく怖かったのを思い出した。
「大丈夫だよ。絶対に守るから」
「……はい。心強いですわ」
マリアに微笑みかけるとマリアの緊張した顔が少し綻ぶ。
はぐれない様に手を握れば、握り返してくれた。私はマリアの手をしっかりと握りながら、先を歩くノアとリュシーに続く。
「それにしても、モンスターがいないのは不気味だ」
「ここはそういう所よ。前に教えたでしょ?」
「……そうか、なら気を引き締めていかないと」
「そうして頂戴」
ノアとリュシーの会話の意味は解らなかったけど、ここが普通のダンジョンでない事は理解できた。
少しだけマリアの手を強く握って、奥へと進んで行く。
狭かった道を抜けるとそこは広場の様な場所で、何があるのかランプを照らす。
「あんたたち、武器を構えなさい」
リュシーはそう言って広場の奥を睨む。
何かが動いたのを捉えると、一瞬で広場の壁に火が付いて行く。
明るくなった広場を見渡せば、奥にいるその存在に私は目を見開いて冷や汗を垂らす。
長剣を構えて、マリアを守るように前に立った。
ゆっくりと動きだしたその存在は、私たちを踏みつぶせる位大きなドラゴンだった。
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