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番外編~リュシー&ノア編~「拾った貝殻は宝石だった」
【Extra ep.01-1】子供が落ちてたから育ててみる事にした
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あたしはリュシエンヌ。不老不死の魔女よ。
不老不死というのは永遠に生き続けなければならない存在。魔女の希少な一族で遺伝により不老不死は受け継がれているの。
100年前にあたしは両親の元を離れてスローライフを満喫していた。だけど100年以上経てば色々と経験し尽くして飽きてしまう事が多い。
世界中を回ってギルドで依頼を受けてその収入で生活をしていれば、最高ランクの依頼も簡単になってしまってお金も有り余ってしまっているのが現状。
いつもの様にギルドで報酬を受け取って中身を確認しながらあたしは宿屋へ歩いている。
――ドガンッゴロゴロ
いけない。前を見て歩いていなかったから何かを蹴飛ばしてしまったみたいで、蹴飛ばしたものを確認するとそれはあたしを睨んでいた。
「子供……? ごめんなさいね、ケガをさせてしまったわ。今手当てをするから」
「ッ!!」
蹴飛ばしただけにしてはボロボロの子供の傷を見ようとしたら、警戒しながら唸り声を上げた。
見た所5歳位かしら。でもこの子は言葉を上手く話せないのね。
あたしを睨み続けながらも子供は動かなかった。あたしはその理由がすぐに解かった。この子は物を盗んで生きているのだと。
敵を見る様に睨み続ける視線を見下ろして、あたしは面白くなって笑ってしまった。
「あんたの事あたしが拾ってあげるわ」
「……ッ!?」
警戒される前に子供を脇に抱えて歩いて行く。
宿屋はキャンセルしましょう。高速移動であたしは草原にある家へと向かった。
*
家に帰って来てあたしは子供を洗いに風呂場へ直行した。
風呂の中で逃げ回ってしまって、広くするのも考え物ねなんて思いながら、子供の汚れを落とす。
ドライヤーも嫌がってしまったから、諦めて夕食の準備をする。勿論逃げられない様に結界を張った部屋に閉じ込めておきながら。出来上がった料理を子供のいる部屋に持って行って、荒れ果てた部屋を見渡してため息を吐いた。
部屋の中では自由にさせていたから、子供は窓を開けて逃げようとして呆れながらテーブルに食事を置くと、子供を抱えて椅子に座らせてあたしも隣の椅子に座る。
「あんた、ろくなもの食べてないでしょ? 今日からあたしが3食作ってあげるわ」
「……っ」
見た事もない物を見る様に料理を見ている子供の口端からよだれが垂れているのを見て、あたしは小さく笑って自分の皿から一口食べる。毒を入れる怖い魔女にはなりたくないもの。
子供はそれを見て決心がついたのか、スプーンを持って恐る恐る料理を口に運ぶ。一口食べた次の瞬間には勢いよく食べ始めて、あまりの勢いに呆然とその姿を見つめてしまった。
「ぁ……」
「おかわりあるわよ?」
「!!」
「待っていなさい」
空になった皿を見つめていた子供の皿を取ってキッチンへ向かう。少し多めに入れて持って行くと、また勢いよく完食して、満足そうにあたしを見た。
「今日からあんたはあたしの子よ。名前は……そうね、ノアにしましょう」
卵からかえったばかりの雛の様に、まっすぐに向けられる視線は悪くないと思った。
*
それから数年後。
カーテンが勢いよく開いて、あたしは眩しくて目を覚ます。
ベッドの傍に来たその子は楽しそうに私に笑いかける。
「リュシー朝だよ。ほら、起きて。朝食が冷めてしまう」
「……いつもだけど、もっと丁寧に起こしなさいよ」
「これでも丁寧に起こしたさ。ほら起きれるかい?」
「ん……」
目の前にはあたしより背が高くなったノアがいた。
手を差し伸べていて起きるだけで大げさだと思いながらも、手を取ってベッドから立ち上がる。
リビングに行くとパンの焼けた匂いがして、テーブルに用意された朝食の前に座ると、ノアはキッチンから飲み物を注いで隣に座った。
焼きたてのパンとスクランブルエッグの味は何度食べても美味しいとしか言えなかった。
「どこで料理の腕を磨いたのかしらね……」
「それはリュシーに笑顔になって貰いたい一心でね」
「……そう?」
「うん。だから料理は僕に任せて、リュシーは笑顔を見せてくれると嬉しいな」
遠回しに料理をするなと言われた気がした。
なんとなくあたしは料理が下手なんだと思っていたけど、この子が美味しく食べてくれたからそうじゃないんだと思い始めたのに。この子が大きくなっていくにつれキッチンに立たせてくれなくなったから流石に理解したわ。
「美味しい」
親心というものは複雑だと思いながら、ノアに聞こえない様に小さく零した。
*
ノアは朝食が終わって家事をすると、毎日外に出かけていた。
止める理由もなかったし好きな様にさせていたのだけど、今日は帰りが遅くて心配になってしまう。
もうすぐ日が暮れてしまうので、探しに行こうと家のドアを開ける。
「あら、遅かった……」
「……ただ、いま……」
「……まったく、お転婆なんだから」
開いたドアの先にはノアがいて、帰って来るなり倒れるのだから驚きながらノアを支える。随分大きくなったなと思いながら、傷だらけのノアをベッドに運んで手当てを始めた。
不老不死というのは永遠に生き続けなければならない存在。魔女の希少な一族で遺伝により不老不死は受け継がれているの。
100年前にあたしは両親の元を離れてスローライフを満喫していた。だけど100年以上経てば色々と経験し尽くして飽きてしまう事が多い。
世界中を回ってギルドで依頼を受けてその収入で生活をしていれば、最高ランクの依頼も簡単になってしまってお金も有り余ってしまっているのが現状。
いつもの様にギルドで報酬を受け取って中身を確認しながらあたしは宿屋へ歩いている。
――ドガンッゴロゴロ
いけない。前を見て歩いていなかったから何かを蹴飛ばしてしまったみたいで、蹴飛ばしたものを確認するとそれはあたしを睨んでいた。
「子供……? ごめんなさいね、ケガをさせてしまったわ。今手当てをするから」
「ッ!!」
蹴飛ばしただけにしてはボロボロの子供の傷を見ようとしたら、警戒しながら唸り声を上げた。
見た所5歳位かしら。でもこの子は言葉を上手く話せないのね。
あたしを睨み続けながらも子供は動かなかった。あたしはその理由がすぐに解かった。この子は物を盗んで生きているのだと。
敵を見る様に睨み続ける視線を見下ろして、あたしは面白くなって笑ってしまった。
「あんたの事あたしが拾ってあげるわ」
「……ッ!?」
警戒される前に子供を脇に抱えて歩いて行く。
宿屋はキャンセルしましょう。高速移動であたしは草原にある家へと向かった。
*
家に帰って来てあたしは子供を洗いに風呂場へ直行した。
風呂の中で逃げ回ってしまって、広くするのも考え物ねなんて思いながら、子供の汚れを落とす。
ドライヤーも嫌がってしまったから、諦めて夕食の準備をする。勿論逃げられない様に結界を張った部屋に閉じ込めておきながら。出来上がった料理を子供のいる部屋に持って行って、荒れ果てた部屋を見渡してため息を吐いた。
部屋の中では自由にさせていたから、子供は窓を開けて逃げようとして呆れながらテーブルに食事を置くと、子供を抱えて椅子に座らせてあたしも隣の椅子に座る。
「あんた、ろくなもの食べてないでしょ? 今日からあたしが3食作ってあげるわ」
「……っ」
見た事もない物を見る様に料理を見ている子供の口端からよだれが垂れているのを見て、あたしは小さく笑って自分の皿から一口食べる。毒を入れる怖い魔女にはなりたくないもの。
子供はそれを見て決心がついたのか、スプーンを持って恐る恐る料理を口に運ぶ。一口食べた次の瞬間には勢いよく食べ始めて、あまりの勢いに呆然とその姿を見つめてしまった。
「ぁ……」
「おかわりあるわよ?」
「!!」
「待っていなさい」
空になった皿を見つめていた子供の皿を取ってキッチンへ向かう。少し多めに入れて持って行くと、また勢いよく完食して、満足そうにあたしを見た。
「今日からあんたはあたしの子よ。名前は……そうね、ノアにしましょう」
卵からかえったばかりの雛の様に、まっすぐに向けられる視線は悪くないと思った。
*
それから数年後。
カーテンが勢いよく開いて、あたしは眩しくて目を覚ます。
ベッドの傍に来たその子は楽しそうに私に笑いかける。
「リュシー朝だよ。ほら、起きて。朝食が冷めてしまう」
「……いつもだけど、もっと丁寧に起こしなさいよ」
「これでも丁寧に起こしたさ。ほら起きれるかい?」
「ん……」
目の前にはあたしより背が高くなったノアがいた。
手を差し伸べていて起きるだけで大げさだと思いながらも、手を取ってベッドから立ち上がる。
リビングに行くとパンの焼けた匂いがして、テーブルに用意された朝食の前に座ると、ノアはキッチンから飲み物を注いで隣に座った。
焼きたてのパンとスクランブルエッグの味は何度食べても美味しいとしか言えなかった。
「どこで料理の腕を磨いたのかしらね……」
「それはリュシーに笑顔になって貰いたい一心でね」
「……そう?」
「うん。だから料理は僕に任せて、リュシーは笑顔を見せてくれると嬉しいな」
遠回しに料理をするなと言われた気がした。
なんとなくあたしは料理が下手なんだと思っていたけど、この子が美味しく食べてくれたからそうじゃないんだと思い始めたのに。この子が大きくなっていくにつれキッチンに立たせてくれなくなったから流石に理解したわ。
「美味しい」
親心というものは複雑だと思いながら、ノアに聞こえない様に小さく零した。
*
ノアは朝食が終わって家事をすると、毎日外に出かけていた。
止める理由もなかったし好きな様にさせていたのだけど、今日は帰りが遅くて心配になってしまう。
もうすぐ日が暮れてしまうので、探しに行こうと家のドアを開ける。
「あら、遅かった……」
「……ただ、いま……」
「……まったく、お転婆なんだから」
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