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第九章 深まる疑問
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次の書類は隣のビルが宛先だった。特にフロアも部屋番号も書いていない。ビルに入ると書いていないのもごもともだ。1階のフロアの奥に堂々とした受付があり若い女性が座っていた。大企業のようだ。大企業ならば会社名ぐらいどこかにあるだろうし、受付嬢も名札ぐらい着けているだろう。
「いらっしゃいませ。」
受付嬢は愛想よく出迎えてくれた。
「書類をお持ちしたのですが。」
「ご苦労様です。こちらでお預かりいたします。」
受付の背後を見た。普通、本社の受付の背後には、社名、ロゴ、社章などがあるものだ。たしかに社章らしきプレートはあった。それに記載されているのは「お客様が第一、笑顔であいさつ」どう考えても社名ではない。
「あの、宛先を書き忘れてしまって大変失礼しました。御社を宛先名に書きますので正式社名を確認させていただけますか。」
「大丈夫です、こちらでお預かりいたします。」
受付嬢の名札を確認した。書かれているのは「Q06」名前のわけはない。
「それじゃ、申し訳ありませんが、受け取られる方の名前を確認・・・」
「大丈夫です、こちらでお預かりいたします。」
「でも、間違いがあっても困りますから。」
「大丈夫です、こちらでお預かりいたします。」
やはり、受付嬢の表情が無くなってきた。
「会社名だけでもお教えいただけないでしょうか。」
「大丈夫です、こちらでお預かりいたします。」
「社名がわからないのでは、こちらが困ります。」
「大丈夫です・・・」
消滅してしまった。こんどは、受付から背後のパネルまですっかり消滅してしまった。単に巨大なテナントビルの1階ロビーになってしまった。
次の会社も、その次の会社も最初に会った女性とやり取りをしているうちに消滅してしまった。
書類を届けるなんてどうでもよくなってきた。書類は会社と一緒に消滅してしまったからだ。書類自体は何が書かれているのだろうか。見積書とか言っていたが。
最後に一つだけ残った封筒を何の迷いもなく「厳」とゴム印の押してある封を開け書類を取り出した。誰でも知っている童謡の歌詞カード、組み立て式収納ボックスの組み立て方、中華料理屋のメニュー表の3枚だった。いくらなんでも馬鹿らし過ぎる。念のためその封筒に書かれたビルを訪ねてみた。ビルはあったが、記載されたフロアは倉庫になっていて、書かれた部屋番号の部屋などなかった
午前中のうちに全ての「お客様」を消滅させてしまって、何とあの小うるさい女性に説明したらいいのだろうか。言い訳をいろいろ考えながら、すごすごとオフィスに戻ってきた。ガラス張りの8階建てのビルは何事もなかったように建っていた。階段で2階に上がった。201、202、203と廊下の片側に事務所が並んでいた。203が最も広かった。203号室のスチール扉をそっと開けた。あの初老の女性がいない。トイレにでもいったのだろうか。廊下に出て女子トイレをのぞいた。個室の壁がないトイレは全部見渡せたが誰もいなかった。給湯室にも誰もいなかった。
203号室に戻り見渡した。雰囲気が違う。パーテーションの向こう側には同じように事務机が並んでいる。手前には2つの事務机が向い合せにある。朝と同じだ。しかし、手前の事務机には何も置いてなかった。朝は崩れ落ちるほどの書類が山積みになっていたのに。机の引き出しを開けてみた。何も入っていなかった。あの女は全部どこかに持っていったのだろうか。
あの女の座っていた椅子に腰かけ日が暮れるまで待った。結局部屋に入ってくる人は誰もいなかった。私が書類を確認したために、この会社も消滅してしまったのだ。
あきらめて夕暮れの街に出た。昨日なけなしのお金を払ってスーツを買ってしまったので、もう現金は持っていなかった。念のためATMにお金を下ろしにいくと、どういうわけか1ヶ月分の給与が振り込まれていた。あの女のいた会社からだろうか。でももう行く場所もない。
「馬鹿か、お前は。」
ATMを出ると、突然罵声を浴びせられた。リーダーだった。
「また同じことを繰り返すのか。」
「しかし、いくらなんでも会社名も名前も何もわからない相手と会話ができるわけないし。」
「お前はわかってきているはずだ。あののっぽの娘と話し合ったのじゃないのか。」
「・・・」
「この世界の目に見える範囲のものがどういうものだかということを。」
「少しは・・・」
「わかっていながら壊してしまうということは、お前にはここで暮らしていこうという意思がないってことだぞ。我々の好意がわからんのか。」
思いきり殴られた。リーダーのパンチは久しぶりだった。道に倒れた私をリーダーはブーツの足で蹴り上げた。
蹴り上げるリーダーのスカートの中が、ほんの一瞬私の目に入った。殴られた痛みにも係らず、衆目の前で倒され蹴られ、私のスカートも捲れ覗かれているという羞恥にもかかわらず、リーダーの下半身を一瞬でも垣間見たという嬉しさで頬は赤くなり、下半身は湿った。
「お前は変態だな。お前の捩じれた情欲はよくわかった。」
「そんなことは・・・」
「私の下半身をのぞきこみ、欲情に駆られているということに気が付かないわけがないだろう。」
「・・・」
「わかった。お前の意識がどんなものか。お前好みの仕事を用意してやろう。明日朝7時、お前のマンションの前から連れて行ってやる。遅れるなよ。」
リーダーは立ち去っていった。
「いらっしゃいませ。」
受付嬢は愛想よく出迎えてくれた。
「書類をお持ちしたのですが。」
「ご苦労様です。こちらでお預かりいたします。」
受付の背後を見た。普通、本社の受付の背後には、社名、ロゴ、社章などがあるものだ。たしかに社章らしきプレートはあった。それに記載されているのは「お客様が第一、笑顔であいさつ」どう考えても社名ではない。
「あの、宛先を書き忘れてしまって大変失礼しました。御社を宛先名に書きますので正式社名を確認させていただけますか。」
「大丈夫です、こちらでお預かりいたします。」
受付嬢の名札を確認した。書かれているのは「Q06」名前のわけはない。
「それじゃ、申し訳ありませんが、受け取られる方の名前を確認・・・」
「大丈夫です、こちらでお預かりいたします。」
「でも、間違いがあっても困りますから。」
「大丈夫です、こちらでお預かりいたします。」
やはり、受付嬢の表情が無くなってきた。
「会社名だけでもお教えいただけないでしょうか。」
「大丈夫です、こちらでお預かりいたします。」
「社名がわからないのでは、こちらが困ります。」
「大丈夫です・・・」
消滅してしまった。こんどは、受付から背後のパネルまですっかり消滅してしまった。単に巨大なテナントビルの1階ロビーになってしまった。
次の会社も、その次の会社も最初に会った女性とやり取りをしているうちに消滅してしまった。
書類を届けるなんてどうでもよくなってきた。書類は会社と一緒に消滅してしまったからだ。書類自体は何が書かれているのだろうか。見積書とか言っていたが。
最後に一つだけ残った封筒を何の迷いもなく「厳」とゴム印の押してある封を開け書類を取り出した。誰でも知っている童謡の歌詞カード、組み立て式収納ボックスの組み立て方、中華料理屋のメニュー表の3枚だった。いくらなんでも馬鹿らし過ぎる。念のためその封筒に書かれたビルを訪ねてみた。ビルはあったが、記載されたフロアは倉庫になっていて、書かれた部屋番号の部屋などなかった
午前中のうちに全ての「お客様」を消滅させてしまって、何とあの小うるさい女性に説明したらいいのだろうか。言い訳をいろいろ考えながら、すごすごとオフィスに戻ってきた。ガラス張りの8階建てのビルは何事もなかったように建っていた。階段で2階に上がった。201、202、203と廊下の片側に事務所が並んでいた。203が最も広かった。203号室のスチール扉をそっと開けた。あの初老の女性がいない。トイレにでもいったのだろうか。廊下に出て女子トイレをのぞいた。個室の壁がないトイレは全部見渡せたが誰もいなかった。給湯室にも誰もいなかった。
203号室に戻り見渡した。雰囲気が違う。パーテーションの向こう側には同じように事務机が並んでいる。手前には2つの事務机が向い合せにある。朝と同じだ。しかし、手前の事務机には何も置いてなかった。朝は崩れ落ちるほどの書類が山積みになっていたのに。机の引き出しを開けてみた。何も入っていなかった。あの女は全部どこかに持っていったのだろうか。
あの女の座っていた椅子に腰かけ日が暮れるまで待った。結局部屋に入ってくる人は誰もいなかった。私が書類を確認したために、この会社も消滅してしまったのだ。
あきらめて夕暮れの街に出た。昨日なけなしのお金を払ってスーツを買ってしまったので、もう現金は持っていなかった。念のためATMにお金を下ろしにいくと、どういうわけか1ヶ月分の給与が振り込まれていた。あの女のいた会社からだろうか。でももう行く場所もない。
「馬鹿か、お前は。」
ATMを出ると、突然罵声を浴びせられた。リーダーだった。
「また同じことを繰り返すのか。」
「しかし、いくらなんでも会社名も名前も何もわからない相手と会話ができるわけないし。」
「お前はわかってきているはずだ。あののっぽの娘と話し合ったのじゃないのか。」
「・・・」
「この世界の目に見える範囲のものがどういうものだかということを。」
「少しは・・・」
「わかっていながら壊してしまうということは、お前にはここで暮らしていこうという意思がないってことだぞ。我々の好意がわからんのか。」
思いきり殴られた。リーダーのパンチは久しぶりだった。道に倒れた私をリーダーはブーツの足で蹴り上げた。
蹴り上げるリーダーのスカートの中が、ほんの一瞬私の目に入った。殴られた痛みにも係らず、衆目の前で倒され蹴られ、私のスカートも捲れ覗かれているという羞恥にもかかわらず、リーダーの下半身を一瞬でも垣間見たという嬉しさで頬は赤くなり、下半身は湿った。
「お前は変態だな。お前の捩じれた情欲はよくわかった。」
「そんなことは・・・」
「私の下半身をのぞきこみ、欲情に駆られているということに気が付かないわけがないだろう。」
「・・・」
「わかった。お前の意識がどんなものか。お前好みの仕事を用意してやろう。明日朝7時、お前のマンションの前から連れて行ってやる。遅れるなよ。」
リーダーは立ち去っていった。
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