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記録二十:平原拠点〜主のヘソ
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日は完全に沈み、タツノオ平原を夜闇が支配しました。
野営の準備をしてから、さらに3匹のドラゴンが襲いかかってきましたが、全てキノクニの戦鎚の餌食になりました。
さすがのドラゴン達も参ったのか、気配はすれども襲っては来ません。
マリアンは緊張し過ぎて一瞬たりとも眠れませんが、キノクニは静かに目の無い目を閉じ、テントの入り口にもたれかかっています。
ルークは気絶しっぱなしでした。
「……あの、キノクニ様…」
「…」
「その……わたくし、実は……謝り…たくて…」
「…何をだ。」
「わたくし……貴方を見下し、簡単に勝てると思っていましたわ。
こんな旅人風情にと…しかし、蓋を開けてみれば、貴方の圧勝。
わたくしは忘れていたのです。
いくらわたくしが強くなろうと、SSS級の冒険者になろうと、上には上がいる。
わたくしはそれが恥ずかしくて…やり切れなくなって……貴方の強さが頭からから離れなくて………それで思わず貴方を見かけた時、貴方を追いかけてしまっていましたの。
貴方にとっては迷惑以外の何者でもありませんわよね……。
それにそもそもが無礼でしたわ…。
全てを含めて、謝罪致します。
本当に、申し訳ありませんでした。」
マリアンは言い切ると、立ち上がり、キノクニに頭を深く下げます。
金色の髪が顔にかかり、伺い知れませんが、肩は震え、身が縮こまっていること、何より声が上ずっていたことからも、泣いているのだと分かります。
キノクニはまっすぐにマリアンを見つめ、立ち上がります。
「…顔を上げろ。魔導師。」
「えっ…きゃあっ?!」
マリアンが顔を上げた時、そこには編笠もフードも取り払った、顔の無い男が…キノクニが立っていました。
「それはっ…一体…?!」
「私には顔が無い。記憶も。
それらの理由を探すため、何より記憶を取り戻すため、あらゆる情報を集め、あらゆる戦場に身を置き、万回を越して死にかけて来た。
…しかと私を見ろ。それが、私が強いと、お前が思った理由だ。
だが、お前も言った通り、上には上がいる。私の力など、過程にすぎぬ。
私に固執するな。
そうすればお前は遥かに高みに至れよう。」
「そんな…では…生まれた時から顔が無いのですか…?」
マリアンは無意識にキノクニの顔に触れ、なぞっています。
キノクニはそれを振り払わずに答えます。
「その記憶も無い。故に探しているのだ…」
「…そう…ですか…」
「…私のことを吹聴したくばすれば良い。もとより都に長居する必要は無い。…お前の勝手だ。」
「…なぜわたくしに、顔を見せたのですか?」
「…お前は強さを学びたいと言っただろう。お前は謝ってきたが、結局、言っている事は同じだった。
…強さを求める者として、戦士として、同胞には強さを求める理由から説明せねばならないと思った。それだけだ。」
「…戦士……?…同胞…?…それって…」
「…お前のことだ。魔術師。」
「えっ……」
「お前は正直に理由を述べた。私を追って来た理由を。
それは、戦士であり冒険者たる者にとっては至極真っ当で正当な本能とも言うべき欲求だ。
"強さ"…それを求める者に、私は義を惜しまない。」
「……あ…ありがとう…ございます…」
「…力を抜け。楽にしろ。眠れる時に眠っておけ。」
「…良いんです。わたくしも、キノクニ様と一緒にドラゴンを退治しますわ…そのために来たんですもの…!」
しかし、その言葉とは裏腹に、本心を吐き出して安心してしまったマリアンは、いつの間にか眠ってしまいました。
「…なんや、やっぱお前ツンデレやんなあ。」
「何の事だ。」
「いやな。あの嬢ちゃん…マリアンちゃんが素直な気持ちを吐き出して、それをお前はきちんと受け止めたやろ?そういう時はデレるなぁて思てな…顔まで見せたしなぁ…」
「ふん…本心をさらす者には、こちらも本性で対峙せねば、それは弱味に、弱さに繋がる。…魔導師の娘に顔をさらして、それが他の者にバレたとしても…」
「…としても?」
「その時はその結果を受け入れ、皆殺しにするだけだ。」
キノクニから、一瞬凄まじい殺気が漏れ出します。
遠くからガサガサとドラゴンが慌てる音が聞こえました。
「…つまりお前には後悔っちゅうんが無いんやろうな。常に突き進んどる…1度進めば止まれない、核魔法みたいなやっちゃな…」
「…強さに後悔は邪魔なだけだ。」
そういうとキノクニは戦鎚に手をかけ、立ち上がります。
今晩4度目の襲撃が、始まろうとしていました。
結局キノクニはその後1人で6度の襲撃に耐え、その全てでドラゴンを倒しました。
気がついた時には空が白み、夜が明けていました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……あっ!?わたくし眠って…きゃああ?!!」
マリアンが目を覚ますと、そこにはドラゴンの死屍累々です。
一際大きなドラゴンの死体の上に、戦鎚を担いだキノクニが腰を下ろしていました。
「キノクニ…様…」
「今日中に主を仕留める。付いて来たくば好きにしろ…それと、もし来るならば、そこの阿呆の世話をしっかりしろ。」
「…はいっ!了解ですわリーダー!」
「何だそれは…」
「キノクニ様のことですわ!わたくしとキノクニ様、2人パーティーですけど…キノクニ様の方が強いですし、リーダーはキノクニ様ですわ!!」
「ふん…呼び方などどうでもいい…」
「ふふっ…好きにしますわ!」
「おいおいマリアンちゃん?!オレもおるからな?!2人と1冊な?!忘れんといてや!!もう!」
「あ…申し訳ありませんわ。」
マリアンは本気でグリモアを忘れていたようです。
グリモアは落ち込んでしまいました。
ルークは昨夜、途中から、キノクニの竜殺しをまじまじと見ていたのでしょう。
顔は青ざめ、血の気が引いています。
「……」
「さ、ルーク様。出発いたしますわ…」
「いっ…嫌だ!!あんな無茶苦茶な奴……ぼっ…僕はもう帰る!!君も帰ろう!な?!僕と一緒に…」
「…わたくしはまだ、キノクニ様から学びたいことがたくさんありますわ。帰れません。」
「きっ…きっと今に後悔するぞ!?うわあああああ……!!」
わめくだけわめいたルークは、ドタバタと来た道を戻っていってしまいました。
「キノクニ様…あの…ルーク様がすいません…」
「役に立たぬ荷物が減った。これならば午前中には狩りを終えられるだろう。」
「はっ…た…頼もしいですわね……貴方なら本当に成し遂げてしまいそうですわ……!」
「いや、そうじゃなくて多分成し遂げるでこいつ。」
「は…ははは…」
こうして、ルークが離脱したキノクニ一行は、主を狩るために出発しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
道中ではやはりドラゴン達が襲いかかって来ます。
「ぬえりゃあ!!」
「"ウォール"!」
マリアンは、キノクニがドラゴンを叩き潰し易いように、火の息を魔力の壁で反らしたりしていました。
「お前も前衛に加われ。」
「へっ?…はっ…はい!」
キノクニの言葉をきっかけに、前衛で戦い始めたマリアンですが、てんやわんやです。
「常に魔力の壁を四方に張れ。」
「体も常に魔力の鎧で覆うのだ。」
「思った瞬間に魔法を撃て。式は大雑把に構築しておくのだ。慣れろ。」
「魔法の間隔に杖の打撃を混ぜろ。実益はなくとも撹乱できる。」
「肘は曲げすぎず伸ばし過ぎるな。常に中距離、近距離に対応できるようにしろ。自分の手と一体化させるのだ。」
ドラゴンとの白兵戦という死と隣合わせの状況で、さらにキノクニの助言を聞きつつ動くため、戦闘を終える度に疲労が積もりに積もります。
「はぁ…はぁ…」
「…お前は魔法に頼り過ぎる傾向がある。もっと体を使え。
急所を見極め突けば、その杖でも十分に致命傷を与えられる。」
「む…難しい…息が……」
「基礎体力が足りない。魔導師は遠距離攻撃が定石。
手っ取り早いのは走って距離を取ることだ。
最低でも30分は走れる体力と脚力を付けろ。」
「は…はい…はぁ…はぁ…」
マリアンは初対面の印象とは打って変わって素直になっていました。
全てを実践し、話を聞いていました。
そうして実戦を繰り返しつつ進み…
昼前には、平原の中心、"主のヘソ"と呼ばれる、ドラゴンの巣に辿り着きました。
しかし、あの主たる火竜の姿は見えません。
一体どこにいるのでしょう?
続きは次回のお楽しみです。
野営の準備をしてから、さらに3匹のドラゴンが襲いかかってきましたが、全てキノクニの戦鎚の餌食になりました。
さすがのドラゴン達も参ったのか、気配はすれども襲っては来ません。
マリアンは緊張し過ぎて一瞬たりとも眠れませんが、キノクニは静かに目の無い目を閉じ、テントの入り口にもたれかかっています。
ルークは気絶しっぱなしでした。
「……あの、キノクニ様…」
「…」
「その……わたくし、実は……謝り…たくて…」
「…何をだ。」
「わたくし……貴方を見下し、簡単に勝てると思っていましたわ。
こんな旅人風情にと…しかし、蓋を開けてみれば、貴方の圧勝。
わたくしは忘れていたのです。
いくらわたくしが強くなろうと、SSS級の冒険者になろうと、上には上がいる。
わたくしはそれが恥ずかしくて…やり切れなくなって……貴方の強さが頭からから離れなくて………それで思わず貴方を見かけた時、貴方を追いかけてしまっていましたの。
貴方にとっては迷惑以外の何者でもありませんわよね……。
それにそもそもが無礼でしたわ…。
全てを含めて、謝罪致します。
本当に、申し訳ありませんでした。」
マリアンは言い切ると、立ち上がり、キノクニに頭を深く下げます。
金色の髪が顔にかかり、伺い知れませんが、肩は震え、身が縮こまっていること、何より声が上ずっていたことからも、泣いているのだと分かります。
キノクニはまっすぐにマリアンを見つめ、立ち上がります。
「…顔を上げろ。魔導師。」
「えっ…きゃあっ?!」
マリアンが顔を上げた時、そこには編笠もフードも取り払った、顔の無い男が…キノクニが立っていました。
「それはっ…一体…?!」
「私には顔が無い。記憶も。
それらの理由を探すため、何より記憶を取り戻すため、あらゆる情報を集め、あらゆる戦場に身を置き、万回を越して死にかけて来た。
…しかと私を見ろ。それが、私が強いと、お前が思った理由だ。
だが、お前も言った通り、上には上がいる。私の力など、過程にすぎぬ。
私に固執するな。
そうすればお前は遥かに高みに至れよう。」
「そんな…では…生まれた時から顔が無いのですか…?」
マリアンは無意識にキノクニの顔に触れ、なぞっています。
キノクニはそれを振り払わずに答えます。
「その記憶も無い。故に探しているのだ…」
「…そう…ですか…」
「…私のことを吹聴したくばすれば良い。もとより都に長居する必要は無い。…お前の勝手だ。」
「…なぜわたくしに、顔を見せたのですか?」
「…お前は強さを学びたいと言っただろう。お前は謝ってきたが、結局、言っている事は同じだった。
…強さを求める者として、戦士として、同胞には強さを求める理由から説明せねばならないと思った。それだけだ。」
「…戦士……?…同胞…?…それって…」
「…お前のことだ。魔術師。」
「えっ……」
「お前は正直に理由を述べた。私を追って来た理由を。
それは、戦士であり冒険者たる者にとっては至極真っ当で正当な本能とも言うべき欲求だ。
"強さ"…それを求める者に、私は義を惜しまない。」
「……あ…ありがとう…ございます…」
「…力を抜け。楽にしろ。眠れる時に眠っておけ。」
「…良いんです。わたくしも、キノクニ様と一緒にドラゴンを退治しますわ…そのために来たんですもの…!」
しかし、その言葉とは裏腹に、本心を吐き出して安心してしまったマリアンは、いつの間にか眠ってしまいました。
「…なんや、やっぱお前ツンデレやんなあ。」
「何の事だ。」
「いやな。あの嬢ちゃん…マリアンちゃんが素直な気持ちを吐き出して、それをお前はきちんと受け止めたやろ?そういう時はデレるなぁて思てな…顔まで見せたしなぁ…」
「ふん…本心をさらす者には、こちらも本性で対峙せねば、それは弱味に、弱さに繋がる。…魔導師の娘に顔をさらして、それが他の者にバレたとしても…」
「…としても?」
「その時はその結果を受け入れ、皆殺しにするだけだ。」
キノクニから、一瞬凄まじい殺気が漏れ出します。
遠くからガサガサとドラゴンが慌てる音が聞こえました。
「…つまりお前には後悔っちゅうんが無いんやろうな。常に突き進んどる…1度進めば止まれない、核魔法みたいなやっちゃな…」
「…強さに後悔は邪魔なだけだ。」
そういうとキノクニは戦鎚に手をかけ、立ち上がります。
今晩4度目の襲撃が、始まろうとしていました。
結局キノクニはその後1人で6度の襲撃に耐え、その全てでドラゴンを倒しました。
気がついた時には空が白み、夜が明けていました。
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「……あっ!?わたくし眠って…きゃああ?!!」
マリアンが目を覚ますと、そこにはドラゴンの死屍累々です。
一際大きなドラゴンの死体の上に、戦鎚を担いだキノクニが腰を下ろしていました。
「キノクニ…様…」
「今日中に主を仕留める。付いて来たくば好きにしろ…それと、もし来るならば、そこの阿呆の世話をしっかりしろ。」
「…はいっ!了解ですわリーダー!」
「何だそれは…」
「キノクニ様のことですわ!わたくしとキノクニ様、2人パーティーですけど…キノクニ様の方が強いですし、リーダーはキノクニ様ですわ!!」
「ふん…呼び方などどうでもいい…」
「ふふっ…好きにしますわ!」
「おいおいマリアンちゃん?!オレもおるからな?!2人と1冊な?!忘れんといてや!!もう!」
「あ…申し訳ありませんわ。」
マリアンは本気でグリモアを忘れていたようです。
グリモアは落ち込んでしまいました。
ルークは昨夜、途中から、キノクニの竜殺しをまじまじと見ていたのでしょう。
顔は青ざめ、血の気が引いています。
「……」
「さ、ルーク様。出発いたしますわ…」
「いっ…嫌だ!!あんな無茶苦茶な奴……ぼっ…僕はもう帰る!!君も帰ろう!な?!僕と一緒に…」
「…わたくしはまだ、キノクニ様から学びたいことがたくさんありますわ。帰れません。」
「きっ…きっと今に後悔するぞ!?うわあああああ……!!」
わめくだけわめいたルークは、ドタバタと来た道を戻っていってしまいました。
「キノクニ様…あの…ルーク様がすいません…」
「役に立たぬ荷物が減った。これならば午前中には狩りを終えられるだろう。」
「はっ…た…頼もしいですわね……貴方なら本当に成し遂げてしまいそうですわ……!」
「いや、そうじゃなくて多分成し遂げるでこいつ。」
「は…ははは…」
こうして、ルークが離脱したキノクニ一行は、主を狩るために出発しました。
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道中ではやはりドラゴン達が襲いかかって来ます。
「ぬえりゃあ!!」
「"ウォール"!」
マリアンは、キノクニがドラゴンを叩き潰し易いように、火の息を魔力の壁で反らしたりしていました。
「お前も前衛に加われ。」
「へっ?…はっ…はい!」
キノクニの言葉をきっかけに、前衛で戦い始めたマリアンですが、てんやわんやです。
「常に魔力の壁を四方に張れ。」
「体も常に魔力の鎧で覆うのだ。」
「思った瞬間に魔法を撃て。式は大雑把に構築しておくのだ。慣れろ。」
「魔法の間隔に杖の打撃を混ぜろ。実益はなくとも撹乱できる。」
「肘は曲げすぎず伸ばし過ぎるな。常に中距離、近距離に対応できるようにしろ。自分の手と一体化させるのだ。」
ドラゴンとの白兵戦という死と隣合わせの状況で、さらにキノクニの助言を聞きつつ動くため、戦闘を終える度に疲労が積もりに積もります。
「はぁ…はぁ…」
「…お前は魔法に頼り過ぎる傾向がある。もっと体を使え。
急所を見極め突けば、その杖でも十分に致命傷を与えられる。」
「む…難しい…息が……」
「基礎体力が足りない。魔導師は遠距離攻撃が定石。
手っ取り早いのは走って距離を取ることだ。
最低でも30分は走れる体力と脚力を付けろ。」
「は…はい…はぁ…はぁ…」
マリアンは初対面の印象とは打って変わって素直になっていました。
全てを実践し、話を聞いていました。
そうして実戦を繰り返しつつ進み…
昼前には、平原の中心、"主のヘソ"と呼ばれる、ドラゴンの巣に辿り着きました。
しかし、あの主たる火竜の姿は見えません。
一体どこにいるのでしょう?
続きは次回のお楽しみです。
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