【完結】私の妹を皆溺愛するけど、え? そんなに可愛いかしら?

かのん

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八話 エルの真実

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 この世界は、私の為に存在しているの。

 ただ、私の生まれは最悪であった。

 貧民街の隅っこ。こんなところでは贅沢には暮らせないし、私を大切にしてくれる人がいなければ不幸でしかない。

 ただ、私には前世の記憶があり、自分は愛されるべき存在ということが分かっていた。

 だから、公爵家の前へと貧民街の母親に運ばせて、そこに公爵家の馬車が帰ってくるタイミングで置かせた。

 母親は泣いていたけれど、私が幸せになるためですからしょうがないわ。

 貧乏な母親なんて必要ないの。私に必要なのは、きらびやかで優雅で、美しい屋敷と美しい両親。

 みすぼらしい母親なんて必要なかった。

 実の母親は私が公爵家の息子のクリストフが連れていくまでずぶぬれで木の陰で泣いていたけれど、そんなこと私には関係なかった。

 まだ赤ちゃんだった私が出来るのは、私を愛してもらえるようにすることだけだった。

 だから、公爵家の人間皆に私が世界で一番かわいくて、愛さなくてはいられないようにって願ったわ。

 私の願いは届いて、皆が私を愛した。

 ただ一人、クリストフの妹のシーラだけは私のお願いが効かないみたいだったけれど、別にどうでもよかった。

 お父様はすぐにシーラを別館へと追いやってくれたし、皆私を愛してくれた。

 けれど、大きくなるにつれて、家族の愛情だけでは私には物足りなくなった。

 お金は本当にあればあるほどに幸せを運んでくれる。宝石も、ドレスも、本当にきれいで可愛くて、私は世界で一番幸せだって思っていた。

 けれど、シーラの婚約者のレオ様を見た瞬間に、私はすごく嫌な気持ちになった。

 私も美しくてかっこいい婚約者が欲しくて、欲しくてたまらなくなった。けれど、お父様にいくらお願いをしてもお前には早いよと諭されるばかり。だから、直接レオ様に会うことにした。

 ほら、会って願えばやっぱりレオ様も私のことを愛してくれる。

 ふふふ。私は世界で一番かわいくって、世界で一番美しいんだもの。皆が愛さないわけがないわ。

 今度、デビュタント前の令嬢の集まるお茶会が開かれるとレオ様が言っていたから、お父様には内緒でレオ様に連れて行ってもらうの。

 お父様は過保護だから外に出してくれないんだもの。前まではお願いすればすぐにいいよって言ってくれたと思うのだけれど、最近は、お前は可愛いから外には出したくないんだって、言うことを聞いてくれないことが増えてきたの。

 何故か、お父様だけじゃなくて、お兄様やお母様まで……。

 私のお願いの力がだんだん弱くなっているような気がするのは気のせいかしら?でも、レオ様は私のことを誰よりも愛してくれる。

 だから、もしも、もしも私の力が弱くなっているのなら、レオ様だけは離さないようにしなきゃって思って婚約破棄をお姉様としてもらった。

 これでレオ様は私だけの物。

 ふふふ。大丈夫よ。いざとなったらお父様もお母様もお兄様も必要ないわ。レオ様さえいれば大丈夫。だってレオ様はお金持ちだし、かっこいいいし。

 私を愛してくれるもの。

 あぁ、王城のお茶会が楽しみだわ。
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