19 / 31
第十九話 光の正体とは
ユグドラシルは内心ガジェラルが自身の仲間になってくれたことに心からほっとしていた。
敵になったならば、これほど恐ろしい存在はいないと物語を思い出して思う。
主人公らを物語至上一番追い詰めたのは恐らくガジェラルだろう。
そんな事を思いながら、ユグドラシルはルシフェルを肩に乗せてガジェラルに森を案内してもらっていた。
森の中はほとんど光の届かない暗闇であり、そこかしこからガサガサと何かが蠢めいている音が聞こえてくる。
「それで、ユグドラシルよ。あの光は一体何なのだ?我々も森の中はくまなく調べたのだ。だが、その正体も、どこから生まれ出のかもわからなかった。お前にはそれが分かるのか?」
その言葉にユグドラシルは苦笑を浮かべた。
この森にいては、あの光の正体には気づけないだろう。
何せ、あの森の本当の正体はこの森の中にはないのだから。
そしてユグドラシルは目的地であった、森の中を通る川へも通じている小さな泉へとたどり着くとガジェラルに言った。
「ねぇ、貴方にはこの泉がどう見えるの?」
「ん?俺の事はガジェラルと呼べ。貴方とかと呼ばれると、むずがゆいわ。あと、色は、黒だな。聖女と昔川も泉も黒色に決めた。その方が人間は入りずらいだろう?」
にやりと笑っていうガジェラルにユグドラシルは頷いた。
その様子にルシフェルは内心、ユグドラシルは全く黒い川にもひるむことなく泳いでいたがな!と内心突っ込みを入れていた。
「そう。黒い。だから、底が見えなくなったのよ。」
「ん?まさか。」
ユグドラシルはにっこりと笑うと泉を指差して言った。
「この泉の中にあの光の根源が居座っているの。ガジェラル、水の色を少しの間元に戻せる?」
「あぁ。俺達だけに普通に見えるようにしよう。」
そう言ってガジェラルが川の水に手を入れて魔力を流した。
その一瞬にして水の色は透明で美しい川へと姿を変えた。
そしてそれを見た瞬間にガジェラルもルシフェルも目を丸くした。
「こ、こいつは。」
「まさか。」
泉の中には、丸い卵のようなものに入った一匹の竜が居た。
ユグドラシルは眠る竜を見つめると言った。
「あの光は、この子の夢。水と一緒に流れ、土の中を通って森の中へと広がって言っていたの。そして、この子が大きくなればなるほどに、夢も増えていく。」
その言葉にルシフェルは驚いたように言った。
「夢竜か。まさか・・・まだ存在していたのか。」
竜と言う生き物はその数を年々減らしており、今ではほとんど目にすることのなかった生き物だ。
夢竜は特にその生態が分かっておらず、その個体をほとんど見なくなったことから絶滅したのではないかと言われていた。
ユグドラシルは言った。
「この子は最後の生き残りでしょうね。」
ガジェラルは頭を押さえると、驚きを隠せない声で言った。
「夢竜か・・・・本物を初めて見た。なるほど、こりゃあ分からないはずだ。だが、こいつは困ったな。」
「そうだな。夢竜はうかつには動かせない。」
夢竜の放つ光の夢は、人には害があるものではないが、魔物にとっては聖なる光に似たものである。数が少なければまだ害はないかもしれないが、光の数が増えれば増えるほどにその力は増し、魔物にとっては凶器となっていく。
だからこそ、ここには置いておけないのだが、夢竜は厄介な生き物でもあった。
寝ている時にそれを邪魔されると、大暴れするのである。
これはどうしたものかとガジェラルとルシフェルが眉間にしわを寄せていると、ユグドラシルはにっこりとした笑顔で言った。
「大丈夫。私、どうやって起こせばいいか知っているから。」
その言葉に、ガジェラルもルシフェルも目を丸くするのであった。
敵になったならば、これほど恐ろしい存在はいないと物語を思い出して思う。
主人公らを物語至上一番追い詰めたのは恐らくガジェラルだろう。
そんな事を思いながら、ユグドラシルはルシフェルを肩に乗せてガジェラルに森を案内してもらっていた。
森の中はほとんど光の届かない暗闇であり、そこかしこからガサガサと何かが蠢めいている音が聞こえてくる。
「それで、ユグドラシルよ。あの光は一体何なのだ?我々も森の中はくまなく調べたのだ。だが、その正体も、どこから生まれ出のかもわからなかった。お前にはそれが分かるのか?」
その言葉にユグドラシルは苦笑を浮かべた。
この森にいては、あの光の正体には気づけないだろう。
何せ、あの森の本当の正体はこの森の中にはないのだから。
そしてユグドラシルは目的地であった、森の中を通る川へも通じている小さな泉へとたどり着くとガジェラルに言った。
「ねぇ、貴方にはこの泉がどう見えるの?」
「ん?俺の事はガジェラルと呼べ。貴方とかと呼ばれると、むずがゆいわ。あと、色は、黒だな。聖女と昔川も泉も黒色に決めた。その方が人間は入りずらいだろう?」
にやりと笑っていうガジェラルにユグドラシルは頷いた。
その様子にルシフェルは内心、ユグドラシルは全く黒い川にもひるむことなく泳いでいたがな!と内心突っ込みを入れていた。
「そう。黒い。だから、底が見えなくなったのよ。」
「ん?まさか。」
ユグドラシルはにっこりと笑うと泉を指差して言った。
「この泉の中にあの光の根源が居座っているの。ガジェラル、水の色を少しの間元に戻せる?」
「あぁ。俺達だけに普通に見えるようにしよう。」
そう言ってガジェラルが川の水に手を入れて魔力を流した。
その一瞬にして水の色は透明で美しい川へと姿を変えた。
そしてそれを見た瞬間にガジェラルもルシフェルも目を丸くした。
「こ、こいつは。」
「まさか。」
泉の中には、丸い卵のようなものに入った一匹の竜が居た。
ユグドラシルは眠る竜を見つめると言った。
「あの光は、この子の夢。水と一緒に流れ、土の中を通って森の中へと広がって言っていたの。そして、この子が大きくなればなるほどに、夢も増えていく。」
その言葉にルシフェルは驚いたように言った。
「夢竜か。まさか・・・まだ存在していたのか。」
竜と言う生き物はその数を年々減らしており、今ではほとんど目にすることのなかった生き物だ。
夢竜は特にその生態が分かっておらず、その個体をほとんど見なくなったことから絶滅したのではないかと言われていた。
ユグドラシルは言った。
「この子は最後の生き残りでしょうね。」
ガジェラルは頭を押さえると、驚きを隠せない声で言った。
「夢竜か・・・・本物を初めて見た。なるほど、こりゃあ分からないはずだ。だが、こいつは困ったな。」
「そうだな。夢竜はうかつには動かせない。」
夢竜の放つ光の夢は、人には害があるものではないが、魔物にとっては聖なる光に似たものである。数が少なければまだ害はないかもしれないが、光の数が増えれば増えるほどにその力は増し、魔物にとっては凶器となっていく。
だからこそ、ここには置いておけないのだが、夢竜は厄介な生き物でもあった。
寝ている時にそれを邪魔されると、大暴れするのである。
これはどうしたものかとガジェラルとルシフェルが眉間にしわを寄せていると、ユグドラシルはにっこりとした笑顔で言った。
「大丈夫。私、どうやって起こせばいいか知っているから。」
その言葉に、ガジェラルもルシフェルも目を丸くするのであった。
あなたにおすすめの小説
元社畜悪役令嬢、辺境のボロ城を全自動ボタニカル美容スパに大改造して引きこもる ~前世コスメで冷徹公爵を完治させたら溺愛されました~
季未
恋愛
「貴様のような悪逆非道な女は、極寒の辺境へ追放だ!」
建国記念の夜会で王太子から婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロッテ。
しかし、彼女の中身は前世でブラック企業に殺された過労で過労死したマーケターだった!
(激務の王妃ルート回避!? しかも辺境は誰にも邪魔されないブルーオーシャン! 最高のフリーランス生活の始まりじゃない!)
理不尽な追放を究極のホワイト・スローライフへのパスポートだと歓喜した彼女は、あてがわれた辺境のボロ城を、前世の「DIY・スマートホーム知識」と「土・水魔法」を駆使して爆速で大改造!
隙間風の吹く部屋は、一瞬で「床暖房完備の全自動温水スパ」へ。
辺境に自生する雑草からは「極上ボタニカルコスメ」を開発し、自らも絶世の美女へと変貌していく。
さらに「お前には干渉しない」と白い結婚を突きつけてきたはずの、呪いで顔に火傷を負った氷の公爵に特製マッサージと美肌治療を施したところ……。
「お前が作ったこの空間と、お前自身が……俺のすべてだ」
冷徹だったはずの公爵様が、極上の癒やし空間と彼女の手技で完全に骨抜きにされ、異常なまでの過保護・溺愛モードに突入!?
現代マーケティングと美容チートで辺境を超高級スマート・リゾートへと再生させ、かつて自分を追放した王太子たちを大後悔させる!
爽快&極甘な、異世界リゾート経営×溺愛ファンタジー、堂々開幕!
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
転生者と忘れられた約束
悠十
恋愛
シュゼットは前世の記憶を持って生まれた転生者である。
シュゼットは前世の最後の瞬間に、幼馴染の少年と約束した。
「もし来世があるのなら、お嫁さんにしてね……」
そして、その記憶を持ってシュゼットは転生した。
しかし、約束した筈の少年には、既に恋人が居て……。
元の世界に帰らせていただきます!
にゃみ3
恋愛
淡い夢物語のように、望む全てが叶うとは限らない。
そう分かっていたとしても、私は敵ばかりの世界で妬まれ、嫌われ、疎まれることに、耐えられなかったの。
「ごめんね、バイバイ……」
限界なので、元いた世界に帰らせていただきます。
・・・
数話で完結します、ハピエン!
悪役令嬢に転生したけれど、とりあえず放置していいですか?
シエル
恋愛
私、ベアトリスは5歳の時に前世の記憶が蘇った。
そして、どうやら自分が転生したらしいと気付くが、何やら自分の顔に見覚えがあるような、ないような…。
けれど、王族主催のお茶会で王子を見た瞬間、この世界が前世の妹が激推ししていた乙女ゲームの世界だと気付く。
あまり内容は覚えてないけれど、自分が悪役令嬢で王太子の婚約者になり、そして処刑される運命……ということだけは思い出した。
処刑されるなんて…とりあえず、まだ先の話だし後回しでいいかな?
※中世ヨーロッパ風の架空の世界です。
※作者のご都合主義ですので悪しからず……。
※気分転換の為、不定期更新になりますのでご了承くださいませ。
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
「つかれてる」と彼氏に拒まれる金曜の夜
唯崎りいち
恋愛
大好きだった彼は、最近私を「つかれてる」と拒絶する。
職場で無視され、家でも冷たく突き放され、ついに私は限界を迎えた。
涙とともに眠りについた、ある金曜日の夜。
変わり果てた二人の関係は、予想もしない結末を迎える。
冷酷王子に嫌われているはずが、なぜか毎晩呼び出されます
すみひろ
恋愛
王城の大広間が、静まり返っていた。
誰もが息を呑み、視線を集める先――そこには、第一王子レオンハルト殿下と、その婚約者である私、リリアーナが立っている。
「リリアーナ・エヴァンズ。君との婚約を破棄する」
冷え切った声だった。
まるで氷を削ったような、感情のない声音。
周囲からざわめきが広がる。
けれど私は驚かなかった。
だって、この日が来ることはずっと前から分かっていたから。