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第一章
シオンとシェーラ 92
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シオンは、シェーラに呼び出され柊の樹の下でまぶたを閉じ待っていた。
足音が聞こえ、シェーラが来たのだなと思ったが、声がかからずまぶたを開けるタイミングを逸してしまった。
シェーラは、眠るシオンの横に座ると顔を覗き込んだ。
白い肌に、まつ毛の長い瞳。眠っていると人形のようだ。
思わず、その頬に手を伸ばし温かさを確かめてしまう。
柔らかい頬にシェーラは温もりを感じほっと息を漏らす。
シェーラは周りに誰もいないか確かめると頭をシオンの、肩に傾け寄り添うように引っ付いた。
もう少し温もりが感じたくてシオンの腕をぎゅっと抱き締めると、とても居心地が良い。
「ふふっ。」
可愛らしく笑い声を小さく漏らすシェーラにシオンは内心悶絶していた。
なんであろうか。この可愛らしい行動は。
こちらの理性を試そうとしているのであろうか。
抱き締められている腕から伝わる熱に、シオンは顔を赤くするとまぶたを開けた。
それにシェーラはビクリとして慌てて手を離そうとしたがシオンはその腕を引き自分の胸の中へと引き入れて抱き締めた。
胸の中へと収めたシェーラの髪の毛をすくいあげ、撫でる。
シェーラは顔を真っ赤にすると言った。
「ご、、、ごめんなさい。」
それにシオンはクスリと笑い声を立てた。
「シェーラなら何をしてもいいよ。キスしてくれても良かったのに。」
「シオン様!からかわないで下さいませ。は、、離して下さい!」
少し怒ったような口調も可愛らしい。
シオンは名残惜しそうにシェーラを離した。
「それで、今日はどうしたの?」
シェーラはその言葉に恥ずかしそうにカバンからリボンのついた包を取り出した。
そしてそれをシオンに差し出した。
「これは?」
「み、、、皆で一緒に作りましたの。良かったらどうぞ。」
シオンは包をうけとリボンを解いた。
中に入っていたのはクッキーで、香ばしい甘い匂いがした。
「シェーラが作ったの?」
「えっと、、皆で作りましたの。」
「ふふ。そう。皆でね。でもシェーラも作ったのんだよね?」
「は、、、はい。」
シオンはクッキーを見つめその中から一番形の歪な物を手に取った。
そして、にっこりと笑った。
「これ、何の形?」
シェーラは満面の笑みになると答えた。
「ユニコーンですわ!それは私が作りましたの!」
シオンは笑った。
「だと思った!シェーラの作った物はすぐに分かるね!」
「え?」
「ふふ。」
昔からシェーラの不器用さがシオンは好きであった。
下手くそなのに諦めないし、下手くそなのに、難しいものに挑戦するのである。
本人は至って真面目に出来上がると、どうだ!とばかりに自信気な表情を浮かべる。
その諦めない根性も、出来栄えどうであれ一生懸命に作ったものに対して自信を持つ姿勢も、シオンは好きだった。
シオンはクッキーを口の中に入れた。
到底ユニコーンとは誰が見ても分からないが、それでもとても美味しかった。
「美味しい。ありがとうシェーラ。」
「良かったです。」
シオンは微笑みを浮かべたまま、魔法を使い自分たちの周りに氷のドームを作った。
太陽の光が反射してキラキラと輝く。
とても綺麗だが、突然何故?とシェーラは首を傾げると、シオンはシェーラを引き寄せて抱き締めた。
「シェーラ。愛してる。」
「し、、、シオン様。」
「可愛いシェーラの姿は僕だけのものだよ。どこぞの令嬢にのぞき見されるのは嫌だからね。」
そう言うと、シオンはシェーラの頬にキスをした。
「あぁ。最近我慢がきかない。」
「シオン様。わ、、私も愛しています。」
「本当に可愛いなぁ。僕の婚約者は。」
「シオン様酷い。」
フィリアは悲しげに顔を歪ませた。
「フィリア仕方がない。好きな相手を独占したいのは当たり前だ。」
グリードの言葉にフィリアはむすりと不満げな声を上げた。
「なら私も、もっと独占して欲しいわ。」
グリードはその言葉に顔を赤らめ手を伸ばそうとするが、ニフエルがそれをはたき落とした。
「ステイ。」
フィリアはその言葉にニフエルをキッと睨みつける。
「ニフエル!」
ニフエルはフィリアの言葉を完全に無視した。
足音が聞こえ、シェーラが来たのだなと思ったが、声がかからずまぶたを開けるタイミングを逸してしまった。
シェーラは、眠るシオンの横に座ると顔を覗き込んだ。
白い肌に、まつ毛の長い瞳。眠っていると人形のようだ。
思わず、その頬に手を伸ばし温かさを確かめてしまう。
柔らかい頬にシェーラは温もりを感じほっと息を漏らす。
シェーラは周りに誰もいないか確かめると頭をシオンの、肩に傾け寄り添うように引っ付いた。
もう少し温もりが感じたくてシオンの腕をぎゅっと抱き締めると、とても居心地が良い。
「ふふっ。」
可愛らしく笑い声を小さく漏らすシェーラにシオンは内心悶絶していた。
なんであろうか。この可愛らしい行動は。
こちらの理性を試そうとしているのであろうか。
抱き締められている腕から伝わる熱に、シオンは顔を赤くするとまぶたを開けた。
それにシェーラはビクリとして慌てて手を離そうとしたがシオンはその腕を引き自分の胸の中へと引き入れて抱き締めた。
胸の中へと収めたシェーラの髪の毛をすくいあげ、撫でる。
シェーラは顔を真っ赤にすると言った。
「ご、、、ごめんなさい。」
それにシオンはクスリと笑い声を立てた。
「シェーラなら何をしてもいいよ。キスしてくれても良かったのに。」
「シオン様!からかわないで下さいませ。は、、離して下さい!」
少し怒ったような口調も可愛らしい。
シオンは名残惜しそうにシェーラを離した。
「それで、今日はどうしたの?」
シェーラはその言葉に恥ずかしそうにカバンからリボンのついた包を取り出した。
そしてそれをシオンに差し出した。
「これは?」
「み、、、皆で一緒に作りましたの。良かったらどうぞ。」
シオンは包をうけとリボンを解いた。
中に入っていたのはクッキーで、香ばしい甘い匂いがした。
「シェーラが作ったの?」
「えっと、、皆で作りましたの。」
「ふふ。そう。皆でね。でもシェーラも作ったのんだよね?」
「は、、、はい。」
シオンはクッキーを見つめその中から一番形の歪な物を手に取った。
そして、にっこりと笑った。
「これ、何の形?」
シェーラは満面の笑みになると答えた。
「ユニコーンですわ!それは私が作りましたの!」
シオンは笑った。
「だと思った!シェーラの作った物はすぐに分かるね!」
「え?」
「ふふ。」
昔からシェーラの不器用さがシオンは好きであった。
下手くそなのに諦めないし、下手くそなのに、難しいものに挑戦するのである。
本人は至って真面目に出来上がると、どうだ!とばかりに自信気な表情を浮かべる。
その諦めない根性も、出来栄えどうであれ一生懸命に作ったものに対して自信を持つ姿勢も、シオンは好きだった。
シオンはクッキーを口の中に入れた。
到底ユニコーンとは誰が見ても分からないが、それでもとても美味しかった。
「美味しい。ありがとうシェーラ。」
「良かったです。」
シオンは微笑みを浮かべたまま、魔法を使い自分たちの周りに氷のドームを作った。
太陽の光が反射してキラキラと輝く。
とても綺麗だが、突然何故?とシェーラは首を傾げると、シオンはシェーラを引き寄せて抱き締めた。
「シェーラ。愛してる。」
「し、、、シオン様。」
「可愛いシェーラの姿は僕だけのものだよ。どこぞの令嬢にのぞき見されるのは嫌だからね。」
そう言うと、シオンはシェーラの頬にキスをした。
「あぁ。最近我慢がきかない。」
「シオン様。わ、、私も愛しています。」
「本当に可愛いなぁ。僕の婚約者は。」
「シオン様酷い。」
フィリアは悲しげに顔を歪ませた。
「フィリア仕方がない。好きな相手を独占したいのは当たり前だ。」
グリードの言葉にフィリアはむすりと不満げな声を上げた。
「なら私も、もっと独占して欲しいわ。」
グリードはその言葉に顔を赤らめ手を伸ばそうとするが、ニフエルがそれをはたき落とした。
「ステイ。」
フィリアはその言葉にニフエルをキッと睨みつける。
「ニフエル!」
ニフエルはフィリアの言葉を完全に無視した。
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