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第一章
アイデール王国 100
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探知の魔法を使い、まずは災の魔力の性質と、魔力内部のどこに残された研究員がいるのかを調べる事になった。
さすがは、攻略キャラとその婚約者と言うべきか、探知の方法を伝えると、それぞれ割り振られた位置から行い始める。
「フィリア孃。」
名前を呼ばれ、振り返ると、そこにはアレクシスがいた。
「どうしました?」
「私の割り振りの場所が終わりまして。これが探知結果だ。」
探知した所は結晶化してその結果を持ってくることになっていたが、さすが王子版攻略キャラ。仕事が早いじゃないかとフィリアは結晶を受け取った。
「さすがですね。」
「あの、、フィリア孃に尋ねたい事があるのだが、いいだろうか?」
アレクシスの真剣な様子に、フィリアは頷いた。
「えぇ。私で答えられる事であれば。」
「フィリア孃は、レクスという男を知っているか?」
「レクス、、、、」
フィリアは、首を傾げ、そして記憶を呼び覚ますように瞼を閉じて、考える。
レクス、どこかで聞いた。
どこだ?
どこ。
そう。
ここは王子版のゲーム。
攻略キャラは、王子、、、そう。
レクス、、王子。
呪いの、、、、王子!
フィリアがバッと目を開けると、顔の近くにアレクシスがいてさらに驚いた。
「っ!?近いです。なんですか!」
「す、、すまない。そっくりだし綺麗だなと、思わず近寄ってしまった。」
「そっくり?あのですね、ふざけないで下さらない?」
フィリアがため息を付いたとき、グリードが空を飛びこちらへやってくるのが見えた。
フィリアはその姿に手を伸ばした。
グリードはその手を取り地上に降りると、アレクシスを睨みつけた。
「俺のフィリアに近寄るな。」
「いや、、すまない。悪気はなかったんだ。ただ、この絵本に出てくる主人公に、フィリア孃がそっくりで、思わず。」
「絵本?」
「これだ。レクスの話をした後で見せようと思っていたんだ。」
アレクシスから手渡された絵本を見て、フィリアは驚いた。
「こ、、、これは。」
『暗黒龍と聖なる乙女』。
おい、製作者、創造主よ。これはレアアイテムじゃなかったのか。
フィーリタ王国編を全部クリアしたらエンディングのスクロールで流れるという絵本が何故、ここで登場する。
「この絵本を描いたのがレクスなんだ。」
フィリアはそれを聞いて息を飲んだ。
何故?
「ある日、突然夢を見たと言ってな、これを描いたんだ。とても良い出来だったので保管していたのだが、あまりにもフィリア孃とグリード殿に似ていてな。」
グリードは、絵本を手に取ると、それを撫でた。
「レクス?、、、。」
フィリアはバッとその絵本をグリードから奪うと背に隠した。
それに、グリードが眉間にシワを寄せる。
「フィリア。それを見せてくれ。」
「嫌よ。」
フィリアは、アレクシスを睨みつけた。
何故こんなものをここに持ってきたのだと、腹立たしくて仕方がない。
これをグリードには見せたくなかった。
「俺はレクスを知っている。、、、フィリアも知っているのか?」
グリードはまっすぐにフィリアを見つめる。
フィリアが何も答えずに、俯いていると、そこに皆が帰ってきた。
フィリアは、チャンスだとばかりにアレクシスの腕を取ると絵本を抱きしめたままその場を立ち去った。
グリードはその背を見つめ、大きく息を吐く。
「どうかしたのか?」
ハロルドにそう尋ねられたグリードはため息をつく。
「フィリアが何かを隠している。とにかく、アレクシスと二人にはしたくないが、今俺が行っても逃げるだけだ。ルーナ孃。よければ二人についていってくれないか?」
アレクシスがいる事からルーナを指名すると、ルーナは肯き、二人の後を追って行った。
ハロルドは首を傾げる。
「どうしたんだ?」
「分からん。だが、レクスが関わっているらしい。」
「レクス?」
その名を聞いた途端、ニフエルから恐ろしい殺気が漏れた。
「ニフエル。」
グリードが諌めるように呟くが、ニフエルは怒りを抑えようともしない。
「私は、お前のように優しくはない。」
「とにかく、今は怒りを抑えろ。」
ニフエルは、グリードを睨みつけると、その場から消えた。
グリードは大きく溜め息をついた。
さすがは、攻略キャラとその婚約者と言うべきか、探知の方法を伝えると、それぞれ割り振られた位置から行い始める。
「フィリア孃。」
名前を呼ばれ、振り返ると、そこにはアレクシスがいた。
「どうしました?」
「私の割り振りの場所が終わりまして。これが探知結果だ。」
探知した所は結晶化してその結果を持ってくることになっていたが、さすが王子版攻略キャラ。仕事が早いじゃないかとフィリアは結晶を受け取った。
「さすがですね。」
「あの、、フィリア孃に尋ねたい事があるのだが、いいだろうか?」
アレクシスの真剣な様子に、フィリアは頷いた。
「えぇ。私で答えられる事であれば。」
「フィリア孃は、レクスという男を知っているか?」
「レクス、、、、」
フィリアは、首を傾げ、そして記憶を呼び覚ますように瞼を閉じて、考える。
レクス、どこかで聞いた。
どこだ?
どこ。
そう。
ここは王子版のゲーム。
攻略キャラは、王子、、、そう。
レクス、、王子。
呪いの、、、、王子!
フィリアがバッと目を開けると、顔の近くにアレクシスがいてさらに驚いた。
「っ!?近いです。なんですか!」
「す、、すまない。そっくりだし綺麗だなと、思わず近寄ってしまった。」
「そっくり?あのですね、ふざけないで下さらない?」
フィリアがため息を付いたとき、グリードが空を飛びこちらへやってくるのが見えた。
フィリアはその姿に手を伸ばした。
グリードはその手を取り地上に降りると、アレクシスを睨みつけた。
「俺のフィリアに近寄るな。」
「いや、、すまない。悪気はなかったんだ。ただ、この絵本に出てくる主人公に、フィリア孃がそっくりで、思わず。」
「絵本?」
「これだ。レクスの話をした後で見せようと思っていたんだ。」
アレクシスから手渡された絵本を見て、フィリアは驚いた。
「こ、、、これは。」
『暗黒龍と聖なる乙女』。
おい、製作者、創造主よ。これはレアアイテムじゃなかったのか。
フィーリタ王国編を全部クリアしたらエンディングのスクロールで流れるという絵本が何故、ここで登場する。
「この絵本を描いたのがレクスなんだ。」
フィリアはそれを聞いて息を飲んだ。
何故?
「ある日、突然夢を見たと言ってな、これを描いたんだ。とても良い出来だったので保管していたのだが、あまりにもフィリア孃とグリード殿に似ていてな。」
グリードは、絵本を手に取ると、それを撫でた。
「レクス?、、、。」
フィリアはバッとその絵本をグリードから奪うと背に隠した。
それに、グリードが眉間にシワを寄せる。
「フィリア。それを見せてくれ。」
「嫌よ。」
フィリアは、アレクシスを睨みつけた。
何故こんなものをここに持ってきたのだと、腹立たしくて仕方がない。
これをグリードには見せたくなかった。
「俺はレクスを知っている。、、、フィリアも知っているのか?」
グリードはまっすぐにフィリアを見つめる。
フィリアが何も答えずに、俯いていると、そこに皆が帰ってきた。
フィリアは、チャンスだとばかりにアレクシスの腕を取ると絵本を抱きしめたままその場を立ち去った。
グリードはその背を見つめ、大きく息を吐く。
「どうかしたのか?」
ハロルドにそう尋ねられたグリードはため息をつく。
「フィリアが何かを隠している。とにかく、アレクシスと二人にはしたくないが、今俺が行っても逃げるだけだ。ルーナ孃。よければ二人についていってくれないか?」
アレクシスがいる事からルーナを指名すると、ルーナは肯き、二人の後を追って行った。
ハロルドは首を傾げる。
「どうしたんだ?」
「分からん。だが、レクスが関わっているらしい。」
「レクス?」
その名を聞いた途端、ニフエルから恐ろしい殺気が漏れた。
「ニフエル。」
グリードが諌めるように呟くが、ニフエルは怒りを抑えようともしない。
「私は、お前のように優しくはない。」
「とにかく、今は怒りを抑えろ。」
ニフエルは、グリードを睨みつけると、その場から消えた。
グリードは大きく溜め息をついた。
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