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23話
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私はレレナを見て、あぁ、こんなに綺麗な澄んだ瞳をしていたのだなとそう思った。
レレナの瞳から、キラキラとした涙が流れ落ちていく。
マリアさんはレレナのことを小さな体でぎゅっと抱きしめた。
「辛い思いをさせて、ごめんなさい」
「マリア、ごめん、ごめんなさい。私が、私があなたを!!!!!」
「違うわ」
マリアさんはレレナの涙を手で何度もぬぐいながら、にっと可愛らしく笑う。
「氷の王国で、私は本来は生きてはいけなかった。お姉様がいてくれたから生きていられた」
「でも、でも」
「それに、お姉様のおかげで、今はとっても温かいの」
太陽の花の光が、マリアさんを包み込む。
「でも氷の王国の人々には、とても迷惑をかけてしまったわ。ヤドリギになった時の意識はほとんどないの。でも、黒い魔法使いが放った闇によってさらに暴れまわってしまったのだけは分かるの……私も謝らなくちゃ……」
マリアさんは私たちのほうを見ると、頭を下げた。
「迷惑をかけてごめんなさい。そして、ありがとう。あなたたちのおかげで、私は目覚めることができたわ」
ジプソフィラさんとスターチスさんはマリアさんを諭すように言った。
「あなたは氷の大地では生きてはいけないわ」
「私たちの森へおいで」
その言葉に、マリアさんはレレナの方を見る。
レレナは嬉しそうに微笑みを浮かべて言った。
「よかった。よかった……マリア、どうか、どうか太陽の光の下で幸せになって」
マリアさんは微笑むと、ジプソフィラさんとスターチスさんの元を離れ、レレナの傍に座る。
「私は、これからはお姉様の傍に居るわ」
「え?」
「お姉様の傍にいたいの。だって、これまで離れていて、ずっとね、寂しかったの」
「マリア……」
ぽたぽたと、二人は涙を流しながらぎゅっと抱きしめあう。
少しして、レレナは笑顔で首を横に振った。
「私は、これから、罪を償わなくちゃいけないの。マリアをそんなところには、つれていけないわ」
「でも……」
たしかに、レレナは黒い魔法使いとしてこれからまず魔法協会につれていかれるだろう。
それにジプソフィラさんとスターチスさんの言葉からしてもマリアさんはここでは生きていけない。
二人は、離れ離れになるしかないのかな。
その時、風を切る音が聞こえて来たかと思うと、天井に開いた穴からお父さんがほうきにのって飛んでくるのが見えた。
私は手をブンブンと大きく振る。
「お父さん!」
「アルル! レオ!」
「先生!」
お父さんは私たちの元へと降り立つと、ぎゅっと私たち二人を抱きしめた。
「よくやった。地上のツルはすべて消えたぞ。それで、どうなったんじゃ?」
私は何があったのかを話をすると、お父さんは眉間にシワをよせ、それからジプソフィラさんとスターチスさんの方へと向かって言った。
「マリアさんは、森でしか生きられんのか?」
二人はお互いの顔を見合わせると、首を横に振り笑みを浮かべた。
「私たちが言ったのは、氷の王国ではという話よ。ここ以外でなら、とても良い土と太陽の光と、太陽の花の種が一粒あれば」
「それに精霊は宿ることができるだろう」
その言葉に私はぱっと顔を明るくするも、不安がよぎり尋ねた。
「でも太陽の花はヤドリギがないといけないんじゃ……それに、今回みたいに大きくなったら大変だよ……」
するとスターチスさんが私の額を指で小突いて言った。
「心配するな。あれは氷の王国以外であれば大人しいものなのだ。それにヤドリギがなくても精霊がついていれば、普通の花としては咲いていられる」
その言葉に、私は嬉しくなって飛び跳ねながらお父さんに尋ねた。
「なら! お父さん! 二人は一緒にいられる?」
お父さんは私の頭を撫でた後、レレナの前へと膝をつき尋ねた。
「黒い魔法使いの罪は重い。罪を償い、ホープ王国に忠誠を誓えるか? それができるならば、わしができる限り、力になろう」
レレナは顔をあげ、真っすぐにお父さんのことを見つめる。
それからマリアさんの方へと視線を向けて、覚悟を決めたように、ゆっくりと深くうなずいた。
「誓います。マリアを、今度こそ、マリアを一人にはしたくない」
「お姉様」
お父さんは笑みを浮かべるとうなずく。
「そうか。ならば、きっと道はある。さて、とにかく上へとあがろう。氷の王国の人々にも、説明をしなければな」
たしかに、きっと今頃こちらを心配しているだろう。
ジプソフィラさんとスターチスさんは私の頭を優しく撫でると言った。
「また困ったことがったらいつでも呼んで」
「それでは、またな」
二人に向かって私はお礼を伝えた。
「ありがとう。二人のおかげで助かったよ!」
手をひらひらと振りながら二人は緑の風に乗って消えた。
「よし、では行くかの」
お父さんがそう呟き、うなずこうとしたのだけれど、そこで私は足の力が抜けてしまい、座り込んだ。
「ありゃ……ちょっと待ってね、疲れちゃって」
すぐ動きたいけれど、上手く体がいうことをきかない。
レオはそんな私の横に来ると同じように座った。
「疲れたよね。先生、僕、今回、自分は考えが甘かったんだなって思いました」
「ほう。そりゃどうして?」
「今まで、僕の傍にアルルや先生やほかの皆がいてくれた。でもいざ、僕とアルルしかここにはいないんだって思ったら、なんだか、すごく重たく感じて……責任っていうのですかね。それが、すごく重たかったです」
レオの言葉に、私は同意するように大きくうなずいた。
「そう。その通りだ。レオ。私も今回はなんだか、すごーく重たかった。そして戦いにくかった。正解が見えないから、めちゃくちゃ頭の中で悩んじゃって、それで、もう今、立てないくらいに疲れてる」
お父さんは私たちの言葉に少しだけ悲しそうに笑みを浮かべた。
「本当ならば、子どもにそうした責任は負わせたくないんじゃがな」
私は慌てて首を横に振った。
「お父さん、違うよ。私、嫌なわけじゃない。今回も、たしかに責任は重たかったけれど、自分が誰かを守れるかもしれない、そう思ったら力になったもん」
「僕もです。誰かのために戦うってことは、たしかにすごい責任が伴うけれど、それだけ自分の中に力が溢れてきました!」
お父さんは私たち二人の頭を大きな手で優しく撫でた。
「よし、ではわしはこの二人を連れて先に一度上へあがってくる。二人は少し待っていなさい」
「はーい」
「ありがとうございます」
お父さんは魔法でその場にマットやクッションやお菓子を出す。
私たちはそれに瞳を輝かせた。
「やったぁ」
「おやつタイムだ!」
お父さんは私たちの方を見ると、杖を胸に当て姿勢を正す。
「今回、氷の王国を救ったのは、そなたらじゃ。よくやったの! さすがは我が弟子だ」
私とレオも立ちあがると、同じように杖を胸にあてて姿勢を正す。
「「ありがとうございます!」」
すぐに笑い合い、お父さんはレレナとマリアさんを魔法で見えなくすると、大きなシャボン玉を作りその中へ二人を入れた。
「では、わしは先にあがっておくからの」
「「はい」」
お父さんはほうきにまたがると、シャボン玉に紐をつけて持ち上げ一緒にふわふわと穴の中を飛んでいった。
私とレオはそれを見送ると、クッションの上に身を投げ出した。
「疲れた……」
「僕も……」
「ちょっと休んだら、行かなきゃね」
「うん……」
私は全身の力を抜き、たくさん穴の開いた天井を見ていた。
「あれ……」
「おおっと……」
のんびりしようと思ったけれど、そうも、いかないらしい。
天井が凍り始め、氷柱がどんどんと出来上がり始めていた。
レレナの瞳から、キラキラとした涙が流れ落ちていく。
マリアさんはレレナのことを小さな体でぎゅっと抱きしめた。
「辛い思いをさせて、ごめんなさい」
「マリア、ごめん、ごめんなさい。私が、私があなたを!!!!!」
「違うわ」
マリアさんはレレナの涙を手で何度もぬぐいながら、にっと可愛らしく笑う。
「氷の王国で、私は本来は生きてはいけなかった。お姉様がいてくれたから生きていられた」
「でも、でも」
「それに、お姉様のおかげで、今はとっても温かいの」
太陽の花の光が、マリアさんを包み込む。
「でも氷の王国の人々には、とても迷惑をかけてしまったわ。ヤドリギになった時の意識はほとんどないの。でも、黒い魔法使いが放った闇によってさらに暴れまわってしまったのだけは分かるの……私も謝らなくちゃ……」
マリアさんは私たちのほうを見ると、頭を下げた。
「迷惑をかけてごめんなさい。そして、ありがとう。あなたたちのおかげで、私は目覚めることができたわ」
ジプソフィラさんとスターチスさんはマリアさんを諭すように言った。
「あなたは氷の大地では生きてはいけないわ」
「私たちの森へおいで」
その言葉に、マリアさんはレレナの方を見る。
レレナは嬉しそうに微笑みを浮かべて言った。
「よかった。よかった……マリア、どうか、どうか太陽の光の下で幸せになって」
マリアさんは微笑むと、ジプソフィラさんとスターチスさんの元を離れ、レレナの傍に座る。
「私は、これからはお姉様の傍に居るわ」
「え?」
「お姉様の傍にいたいの。だって、これまで離れていて、ずっとね、寂しかったの」
「マリア……」
ぽたぽたと、二人は涙を流しながらぎゅっと抱きしめあう。
少しして、レレナは笑顔で首を横に振った。
「私は、これから、罪を償わなくちゃいけないの。マリアをそんなところには、つれていけないわ」
「でも……」
たしかに、レレナは黒い魔法使いとしてこれからまず魔法協会につれていかれるだろう。
それにジプソフィラさんとスターチスさんの言葉からしてもマリアさんはここでは生きていけない。
二人は、離れ離れになるしかないのかな。
その時、風を切る音が聞こえて来たかと思うと、天井に開いた穴からお父さんがほうきにのって飛んでくるのが見えた。
私は手をブンブンと大きく振る。
「お父さん!」
「アルル! レオ!」
「先生!」
お父さんは私たちの元へと降り立つと、ぎゅっと私たち二人を抱きしめた。
「よくやった。地上のツルはすべて消えたぞ。それで、どうなったんじゃ?」
私は何があったのかを話をすると、お父さんは眉間にシワをよせ、それからジプソフィラさんとスターチスさんの方へと向かって言った。
「マリアさんは、森でしか生きられんのか?」
二人はお互いの顔を見合わせると、首を横に振り笑みを浮かべた。
「私たちが言ったのは、氷の王国ではという話よ。ここ以外でなら、とても良い土と太陽の光と、太陽の花の種が一粒あれば」
「それに精霊は宿ることができるだろう」
その言葉に私はぱっと顔を明るくするも、不安がよぎり尋ねた。
「でも太陽の花はヤドリギがないといけないんじゃ……それに、今回みたいに大きくなったら大変だよ……」
するとスターチスさんが私の額を指で小突いて言った。
「心配するな。あれは氷の王国以外であれば大人しいものなのだ。それにヤドリギがなくても精霊がついていれば、普通の花としては咲いていられる」
その言葉に、私は嬉しくなって飛び跳ねながらお父さんに尋ねた。
「なら! お父さん! 二人は一緒にいられる?」
お父さんは私の頭を撫でた後、レレナの前へと膝をつき尋ねた。
「黒い魔法使いの罪は重い。罪を償い、ホープ王国に忠誠を誓えるか? それができるならば、わしができる限り、力になろう」
レレナは顔をあげ、真っすぐにお父さんのことを見つめる。
それからマリアさんの方へと視線を向けて、覚悟を決めたように、ゆっくりと深くうなずいた。
「誓います。マリアを、今度こそ、マリアを一人にはしたくない」
「お姉様」
お父さんは笑みを浮かべるとうなずく。
「そうか。ならば、きっと道はある。さて、とにかく上へとあがろう。氷の王国の人々にも、説明をしなければな」
たしかに、きっと今頃こちらを心配しているだろう。
ジプソフィラさんとスターチスさんは私の頭を優しく撫でると言った。
「また困ったことがったらいつでも呼んで」
「それでは、またな」
二人に向かって私はお礼を伝えた。
「ありがとう。二人のおかげで助かったよ!」
手をひらひらと振りながら二人は緑の風に乗って消えた。
「よし、では行くかの」
お父さんがそう呟き、うなずこうとしたのだけれど、そこで私は足の力が抜けてしまい、座り込んだ。
「ありゃ……ちょっと待ってね、疲れちゃって」
すぐ動きたいけれど、上手く体がいうことをきかない。
レオはそんな私の横に来ると同じように座った。
「疲れたよね。先生、僕、今回、自分は考えが甘かったんだなって思いました」
「ほう。そりゃどうして?」
「今まで、僕の傍にアルルや先生やほかの皆がいてくれた。でもいざ、僕とアルルしかここにはいないんだって思ったら、なんだか、すごく重たく感じて……責任っていうのですかね。それが、すごく重たかったです」
レオの言葉に、私は同意するように大きくうなずいた。
「そう。その通りだ。レオ。私も今回はなんだか、すごーく重たかった。そして戦いにくかった。正解が見えないから、めちゃくちゃ頭の中で悩んじゃって、それで、もう今、立てないくらいに疲れてる」
お父さんは私たちの言葉に少しだけ悲しそうに笑みを浮かべた。
「本当ならば、子どもにそうした責任は負わせたくないんじゃがな」
私は慌てて首を横に振った。
「お父さん、違うよ。私、嫌なわけじゃない。今回も、たしかに責任は重たかったけれど、自分が誰かを守れるかもしれない、そう思ったら力になったもん」
「僕もです。誰かのために戦うってことは、たしかにすごい責任が伴うけれど、それだけ自分の中に力が溢れてきました!」
お父さんは私たち二人の頭を大きな手で優しく撫でた。
「よし、ではわしはこの二人を連れて先に一度上へあがってくる。二人は少し待っていなさい」
「はーい」
「ありがとうございます」
お父さんは魔法でその場にマットやクッションやお菓子を出す。
私たちはそれに瞳を輝かせた。
「やったぁ」
「おやつタイムだ!」
お父さんは私たちの方を見ると、杖を胸に当て姿勢を正す。
「今回、氷の王国を救ったのは、そなたらじゃ。よくやったの! さすがは我が弟子だ」
私とレオも立ちあがると、同じように杖を胸にあてて姿勢を正す。
「「ありがとうございます!」」
すぐに笑い合い、お父さんはレレナとマリアさんを魔法で見えなくすると、大きなシャボン玉を作りその中へ二人を入れた。
「では、わしは先にあがっておくからの」
「「はい」」
お父さんはほうきにまたがると、シャボン玉に紐をつけて持ち上げ一緒にふわふわと穴の中を飛んでいった。
私とレオはそれを見送ると、クッションの上に身を投げ出した。
「疲れた……」
「僕も……」
「ちょっと休んだら、行かなきゃね」
「うん……」
私は全身の力を抜き、たくさん穴の開いた天井を見ていた。
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