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10 王になる者
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3ヶ月はあっという間に流れていった。
コーデリアもエドウィンと共に時間いっぱいに行動してきたが、それでも時間は足りなかった。
今日は王の間へとエドウィンと共に登城することとなっている。
その場にはダニエルも来るはずであり、コーデリアは朝目覚めると緊張から溜め息をついた。
自分が王の器であるか、コーデリアは未だに確信は持てずにいた。
ただ、この3ヶ月のダニエルの動向を聞いた時、この国を任せられないとコーデリアは思った。
王の力不足は、民を不幸にする。
自分でも力不足かもしれない。
だが、少なくともダニエルが王になるよりかは良い国を目指せるという自信はあった。
コーデリアは昨日エドウィンからプレゼントされたドレスを侍女らに着せてもらう。
いつものコーデリアならば選ばないであろう、威厳の感じられる重厚感のある深紅のドレス。派手すぎず、けれども地味ではない絶妙な加減。
その首元には見事な装飾の施された宝石。
背筋を伸ばし、扉を開けるとそこにはエドウィンがソファに腰かけて待っていた。
「お待たせいたしました。」
その姿に、エドウィンは柔らかな笑みを向ける。
「お美しいです。コーデリア様。」
お世辞にもそう言ってくれる婚約者に、コーデリアは笑みを返した。
そして、王城へと馬車にのって向かう。
馬車の中で、エドウィンはコーデリアの手を優しく握ると言った。
「何があろうと、お側にいますので。」
コーデリアは温かなその手を握り返すと、頷いた。
王の間には、すでに国王、王妃、ダニエル、宰相そしてこの国の有力な貴族が集まっており、コーデリアの登城を待ち構えていた。
ダニエルはいかにも王子様というような格好で、早くコーデリアが来ないかとにやにやと笑みを浮かべている。
コーデリアのみっともない姿を見られることをこの3ヶ月待ち望んでいたのである。
そして、いよいよコーデリアの到着の知らせが執事によりもたらされた。
やっとである。
コーデリアのみっともない姿を見て、国王は自分をすぐにでも王太子へと据えたくなるはずだ。
そう思うと笑みが浮かぶ。
王子としてこの3ヶ月、ダニエルは各所へと愛想を振り撒いた。
きっとどの貴族らも自分を支持するだろう。
さぁ、早く来い。
扉が開き、エドウィンにエスコートされて入室したコーデリアを見た瞬間、皆が息を飲む音が聞こえた。
その姿は威風堂々。
今までの、背中を丸め、うつむき加減で地味なドレスを着ていたコーデリアとは全く違った。
ダニエルは目を丸くし、コーデリアを見つめる。
おそらく多少は痩せたのだろう。
だが、少し痩せた程度で人はこうもは変わらない。
体型の問題ではないのだ。
姿勢、所作、佇まい。
視線、表情、そして醸し出す雰囲気。
ダニエルはドキリと心臓がなる。
冷や汗が一気に吹き出し、動揺が走る。
大丈夫だ。いくら見た目が変わろうが、コーデリアに何かが出来るわけがない。
そう思う。
なのに、一向に吹き出す汗は止まらなかった。
コーデリアもエドウィンと共に時間いっぱいに行動してきたが、それでも時間は足りなかった。
今日は王の間へとエドウィンと共に登城することとなっている。
その場にはダニエルも来るはずであり、コーデリアは朝目覚めると緊張から溜め息をついた。
自分が王の器であるか、コーデリアは未だに確信は持てずにいた。
ただ、この3ヶ月のダニエルの動向を聞いた時、この国を任せられないとコーデリアは思った。
王の力不足は、民を不幸にする。
自分でも力不足かもしれない。
だが、少なくともダニエルが王になるよりかは良い国を目指せるという自信はあった。
コーデリアは昨日エドウィンからプレゼントされたドレスを侍女らに着せてもらう。
いつものコーデリアならば選ばないであろう、威厳の感じられる重厚感のある深紅のドレス。派手すぎず、けれども地味ではない絶妙な加減。
その首元には見事な装飾の施された宝石。
背筋を伸ばし、扉を開けるとそこにはエドウィンがソファに腰かけて待っていた。
「お待たせいたしました。」
その姿に、エドウィンは柔らかな笑みを向ける。
「お美しいです。コーデリア様。」
お世辞にもそう言ってくれる婚約者に、コーデリアは笑みを返した。
そして、王城へと馬車にのって向かう。
馬車の中で、エドウィンはコーデリアの手を優しく握ると言った。
「何があろうと、お側にいますので。」
コーデリアは温かなその手を握り返すと、頷いた。
王の間には、すでに国王、王妃、ダニエル、宰相そしてこの国の有力な貴族が集まっており、コーデリアの登城を待ち構えていた。
ダニエルはいかにも王子様というような格好で、早くコーデリアが来ないかとにやにやと笑みを浮かべている。
コーデリアのみっともない姿を見られることをこの3ヶ月待ち望んでいたのである。
そして、いよいよコーデリアの到着の知らせが執事によりもたらされた。
やっとである。
コーデリアのみっともない姿を見て、国王は自分をすぐにでも王太子へと据えたくなるはずだ。
そう思うと笑みが浮かぶ。
王子としてこの3ヶ月、ダニエルは各所へと愛想を振り撒いた。
きっとどの貴族らも自分を支持するだろう。
さぁ、早く来い。
扉が開き、エドウィンにエスコートされて入室したコーデリアを見た瞬間、皆が息を飲む音が聞こえた。
その姿は威風堂々。
今までの、背中を丸め、うつむき加減で地味なドレスを着ていたコーデリアとは全く違った。
ダニエルは目を丸くし、コーデリアを見つめる。
おそらく多少は痩せたのだろう。
だが、少し痩せた程度で人はこうもは変わらない。
体型の問題ではないのだ。
姿勢、所作、佇まい。
視線、表情、そして醸し出す雰囲気。
ダニエルはドキリと心臓がなる。
冷や汗が一気に吹き出し、動揺が走る。
大丈夫だ。いくら見た目が変わろうが、コーデリアに何かが出来るわけがない。
そう思う。
なのに、一向に吹き出す汗は止まらなかった。
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