22 / 35
21話
カランと、金属音が響く。
床に落ちたナイフを見て、私はロザリンに添えた手を離して拾い上げた。
「覚悟もないくせに、死ぬ事を脅しに使うなんて……幕引きも出来ぬまま、哀れな程に惨めね」
「くっ……う、うぅぅぅ……あぁぁぁ!」
両手で顔を押さえて、恥辱による情けなさを感じたのか。
ロザリンは泣きわめいて、その場で駄々をこねる小娘のように振る舞う。
「私情に流される貴族令嬢に……覚悟ある最後を期待した私が馬鹿だったわ」
「あ……ひぐ……どうして、私はただエリクのため……」
「さて、泣いている所で悪いけれど……」
泣きじゃくるロザリンの顎を掴み、無理やりこちらに視線を向けさせる。
華美な姿から一転、泣きじゃくって顔を歪めているロザリンに情けなさを感じつつ、問いかけを漏らした。
「エリクのこと、答えなさい」
「は……はは。なにも、なにも知らないのね。貴方……」
生意気な言葉だが、エリクについて知らぬのは事実だ。
それゆえに言葉を返せないでいると、ロザリンは薄い笑みのまま呟いた。
「あのね……子供ができないっていうのは、本当なのよ」
「それは、どういう意味」
「貴方とエリクが愛し合っていても子供など出来るはずがない、いくら願ってもね」
その言葉に、嫌でも思い当たる言葉が重なる。
以前にエリクに襲われかけた際に、彼が発していた言葉だ。
『本当だ。幾ら望もうと、俺と君が交わって子などできない』
あの時、強情に嘘を突き通しているのだと思っていた。
しかし幾ら願っても子が出来ないと言う言葉には、私に非があるという訳ではなく。
エリク自身に問題があると解釈もできるのだと。
「っ……そう言う事ね。子供が出来ないとは……私ではなくエリクに原因があるのね」
思わず呟いた言葉に、ロザリンは泣きながら呟いた。
「エリクはね、私にだけ相談してくれたの。その意味は……私を愛してくれたから、それは事実なのよ。だから……それだけ私の方が愛されていたの」
「そう、私には興味がないことよ」
「わ、私は貴方よりも王太子妃に相応しかったの。それだけは、エリクに認められた確かな事実なのよ」
それが今、ロザリンを支えている僅かな自尊心の源なのだろう。
でも私にとっては滑稽な言葉だった、だって……
「今の私にとってエリクの愛なんて、なんの価値もないけどね」
「うるさい……私は、貴方よりも愛されて……私だって、私だって彼の隣にいる資格は、あったのに……」
「良かったわね。これからずっと隣に居れるわよ。落ちぶれた先でね?」
「う、うるさい。うるさい! 私が、私の方が愛されて……私だって、王太子妃に……」
亡き喚くロザリンを見つめながら、外で待っているシルヴァン王家騎士に合図をする。
彼らはロザリン、テルモンド公爵を拘束してくれた。
「や、やめてくれ! 頼む!」
「私が……私が愛されていたのに、私だって……王太子妃になれたのに」
それぞれ好き勝手に騒いでいるが、こちらは粛々と移送用の馬車へ彼らを連れ込む。
その中に居る……五年前に私に診断を下した医師にも視線を向けた。
「さて、王城に着けば。貴方の知っている事も全て話してもらうわ。いいわね?」
「……」
苦虫を嚙み潰したような表情のまま、医師は黙って俯く。
今は黙秘としているようだけど、城に着けば相応の手段で白状してもらう事としよう。
「王城に戻るわ。馬車を走らせて」
告げた合図。
しかし、シルヴァン王家騎士が手綱を握る馬車が走り出さない。
どうしたのかと思えば、御者をしていた騎士がこちらに声をかけた。
「フィリア妃、ハーヴィン王家の馬車が……来ております」
「え?」
言われて馬車から降りれば、本当だった。
ハーヴィン王家の意匠が施された馬車がテルモンド公爵家の屋敷前に停まる。
そこから出て来たのは……エリクだった。
護衛らしき騎士は数人だけで、お忍びで来たのは明白だ。
「フィリア……ロザリンの元へ向かったと聞いて……直ぐに来て良かった」
「エリク、なんの用だというの」
以前の謁見にて会った以来のエリク。
やつれた表情で顔色も悪く、酷く体調が悪そうだ。
そんな彼はよろめくように私の前に立ち、両膝を落とした。
「なぁ、フィリア……ここに来たという事は、もう全てを知ったのだろう?」
「そうね。医師から私の身体についても聞けそうですし……貴方がロザリンに告げていたという真実も、大方察しができました」
「……」
沈黙のまま、エリクは顔を上げて私を見つめる。
その眼が私を射貫いて、訴えかけるように声を張り上げた。
「フィリア、お前が真実を知った今、怒りを抱く気持ちは当たり前の事であって、俺には言い訳のしようもない」
「そうですね、言い訳なんてされても不愉快なだけですから」
「だが、だが頼む。せめて……せめてロザリンだけでも無罪としてくれないか」
「……は?」
抑えようとしていた感情が、瞬く間に心を燃え上がらせる。
なのにエリクはそれに気付く事は無く、まるで正義を謳うような表情で私に訴えた。
「ロザリンを巻き込んでしまったのは俺の責任だ。彼女はただ俺を支えようとしてくれていたんだ」
「……」
「君の怒りが収まらないのは知っている。だが……だが彼女を巻き込んだのは俺で、彼女まで責めるのは間違っている!」
「っ!!」
なにを言っているの、この男は……
愛なんて言葉に絆されて、まさかこんな言葉を吐くなんて。
呆れるほどの情けなさに……私は一歩前に出る。
「ロザリンまで責めないでやってくれ。君がこの国に友好のために来てくれたのなら、彼女だけは慈しみを持って許して欲しいんだ!」
「……」
「俺は幾らでも裁いてくれていい、いくらでも罰してくれ! だが俺の身勝手でこれ以上の被害者を増やしたくない。それは……君だって同じはずで」
「黙ってくれる?」
思わず伸びた手が、平手となってエリクの頬を打つ。
大きな音が鳴り響き、エリクが徐々に痛みを感じて顔を歪めていた。
「貴方がすべきは、我がシルヴァン王家への謝罪。そして私自身を虐げた事への謝罪のみ」
「っ!」
「その責務すら果たさず、まるで正義を謳うようにロザリンの無罪を求めるとは……馬鹿にしているの?」
「ち、ちが。俺はもちろん……謝罪の気持ちはあって……ただ、ロザリンを救おうと」
「貴方の懇願などなんの価値もない。そんなもの……不愉快なだけよ」
「そんなこと……言わないでくれ……頼む。フィリア」
私の告げた言葉に、エリクの表情に諦めが宿っていく。
一歩も譲歩する気は無い、貴方達が犯した罪を裁かれるまで、私は絶対に手を緩めはしない。
床に落ちたナイフを見て、私はロザリンに添えた手を離して拾い上げた。
「覚悟もないくせに、死ぬ事を脅しに使うなんて……幕引きも出来ぬまま、哀れな程に惨めね」
「くっ……う、うぅぅぅ……あぁぁぁ!」
両手で顔を押さえて、恥辱による情けなさを感じたのか。
ロザリンは泣きわめいて、その場で駄々をこねる小娘のように振る舞う。
「私情に流される貴族令嬢に……覚悟ある最後を期待した私が馬鹿だったわ」
「あ……ひぐ……どうして、私はただエリクのため……」
「さて、泣いている所で悪いけれど……」
泣きじゃくるロザリンの顎を掴み、無理やりこちらに視線を向けさせる。
華美な姿から一転、泣きじゃくって顔を歪めているロザリンに情けなさを感じつつ、問いかけを漏らした。
「エリクのこと、答えなさい」
「は……はは。なにも、なにも知らないのね。貴方……」
生意気な言葉だが、エリクについて知らぬのは事実だ。
それゆえに言葉を返せないでいると、ロザリンは薄い笑みのまま呟いた。
「あのね……子供ができないっていうのは、本当なのよ」
「それは、どういう意味」
「貴方とエリクが愛し合っていても子供など出来るはずがない、いくら願ってもね」
その言葉に、嫌でも思い当たる言葉が重なる。
以前にエリクに襲われかけた際に、彼が発していた言葉だ。
『本当だ。幾ら望もうと、俺と君が交わって子などできない』
あの時、強情に嘘を突き通しているのだと思っていた。
しかし幾ら願っても子が出来ないと言う言葉には、私に非があるという訳ではなく。
エリク自身に問題があると解釈もできるのだと。
「っ……そう言う事ね。子供が出来ないとは……私ではなくエリクに原因があるのね」
思わず呟いた言葉に、ロザリンは泣きながら呟いた。
「エリクはね、私にだけ相談してくれたの。その意味は……私を愛してくれたから、それは事実なのよ。だから……それだけ私の方が愛されていたの」
「そう、私には興味がないことよ」
「わ、私は貴方よりも王太子妃に相応しかったの。それだけは、エリクに認められた確かな事実なのよ」
それが今、ロザリンを支えている僅かな自尊心の源なのだろう。
でも私にとっては滑稽な言葉だった、だって……
「今の私にとってエリクの愛なんて、なんの価値もないけどね」
「うるさい……私は、貴方よりも愛されて……私だって、私だって彼の隣にいる資格は、あったのに……」
「良かったわね。これからずっと隣に居れるわよ。落ちぶれた先でね?」
「う、うるさい。うるさい! 私が、私の方が愛されて……私だって、王太子妃に……」
亡き喚くロザリンを見つめながら、外で待っているシルヴァン王家騎士に合図をする。
彼らはロザリン、テルモンド公爵を拘束してくれた。
「や、やめてくれ! 頼む!」
「私が……私が愛されていたのに、私だって……王太子妃になれたのに」
それぞれ好き勝手に騒いでいるが、こちらは粛々と移送用の馬車へ彼らを連れ込む。
その中に居る……五年前に私に診断を下した医師にも視線を向けた。
「さて、王城に着けば。貴方の知っている事も全て話してもらうわ。いいわね?」
「……」
苦虫を嚙み潰したような表情のまま、医師は黙って俯く。
今は黙秘としているようだけど、城に着けば相応の手段で白状してもらう事としよう。
「王城に戻るわ。馬車を走らせて」
告げた合図。
しかし、シルヴァン王家騎士が手綱を握る馬車が走り出さない。
どうしたのかと思えば、御者をしていた騎士がこちらに声をかけた。
「フィリア妃、ハーヴィン王家の馬車が……来ております」
「え?」
言われて馬車から降りれば、本当だった。
ハーヴィン王家の意匠が施された馬車がテルモンド公爵家の屋敷前に停まる。
そこから出て来たのは……エリクだった。
護衛らしき騎士は数人だけで、お忍びで来たのは明白だ。
「フィリア……ロザリンの元へ向かったと聞いて……直ぐに来て良かった」
「エリク、なんの用だというの」
以前の謁見にて会った以来のエリク。
やつれた表情で顔色も悪く、酷く体調が悪そうだ。
そんな彼はよろめくように私の前に立ち、両膝を落とした。
「なぁ、フィリア……ここに来たという事は、もう全てを知ったのだろう?」
「そうね。医師から私の身体についても聞けそうですし……貴方がロザリンに告げていたという真実も、大方察しができました」
「……」
沈黙のまま、エリクは顔を上げて私を見つめる。
その眼が私を射貫いて、訴えかけるように声を張り上げた。
「フィリア、お前が真実を知った今、怒りを抱く気持ちは当たり前の事であって、俺には言い訳のしようもない」
「そうですね、言い訳なんてされても不愉快なだけですから」
「だが、だが頼む。せめて……せめてロザリンだけでも無罪としてくれないか」
「……は?」
抑えようとしていた感情が、瞬く間に心を燃え上がらせる。
なのにエリクはそれに気付く事は無く、まるで正義を謳うような表情で私に訴えた。
「ロザリンを巻き込んでしまったのは俺の責任だ。彼女はただ俺を支えようとしてくれていたんだ」
「……」
「君の怒りが収まらないのは知っている。だが……だが彼女を巻き込んだのは俺で、彼女まで責めるのは間違っている!」
「っ!!」
なにを言っているの、この男は……
愛なんて言葉に絆されて、まさかこんな言葉を吐くなんて。
呆れるほどの情けなさに……私は一歩前に出る。
「ロザリンまで責めないでやってくれ。君がこの国に友好のために来てくれたのなら、彼女だけは慈しみを持って許して欲しいんだ!」
「……」
「俺は幾らでも裁いてくれていい、いくらでも罰してくれ! だが俺の身勝手でこれ以上の被害者を増やしたくない。それは……君だって同じはずで」
「黙ってくれる?」
思わず伸びた手が、平手となってエリクの頬を打つ。
大きな音が鳴り響き、エリクが徐々に痛みを感じて顔を歪めていた。
「貴方がすべきは、我がシルヴァン王家への謝罪。そして私自身を虐げた事への謝罪のみ」
「っ!」
「その責務すら果たさず、まるで正義を謳うようにロザリンの無罪を求めるとは……馬鹿にしているの?」
「ち、ちが。俺はもちろん……謝罪の気持ちはあって……ただ、ロザリンを救おうと」
「貴方の懇願などなんの価値もない。そんなもの……不愉快なだけよ」
「そんなこと……言わないでくれ……頼む。フィリア」
私の告げた言葉に、エリクの表情に諦めが宿っていく。
一歩も譲歩する気は無い、貴方達が犯した罪を裁かれるまで、私は絶対に手を緩めはしない。
あなたにおすすめの小説
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
私は不要とされた~一番近くにいたのは、誰だったのか~
ゆめ@マンドラゴラ
恋愛
彼の幼馴染は、いつも当然のように隣にいた。
「私が一番、彼のことを分かっている」
そう言い切る彼女の隣で、婚約者は何も言わない。
その沈黙が、すべての答えのように思えた。
だから私は、身を引いた。
――はずだった。
一番近くにいたのは、本当に彼女だったのか。
「不要とされた」シリーズ第三弾。
さよなら、お門違い
クラム
恋愛
「君は健康だからいいよね」結婚記念日、夫は病弱(自称)な幼馴染を優先し、私を捨て置いた。侯爵令嬢エルナは決意する。この国を支える魔導結界、財政管理、屋敷の全実務――すべてを投げ出し、私の価値を正しく評価する場所へ行くと。鍵を折った瞬間、崩壊は始まった。今さら愛している? お門違いも甚だしいですわ。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
いらない婚約者と言われたのでそのまま家出したら、旦那様は後悔し始めたようです
睡蓮
恋愛
ロロネの事を婚約者として迎え入れていた、第一王子ルーヴィス。しかし彼は隣国の王族令嬢であるエレオノーラに目移りしてしまい、その結果ロロネの事を婚約破棄してしまう。これでエレオノーラとの関係を築けると息巻いていたルーヴィスだったものの、エレオノーラの兄であるバレンシア王はかねてからロロネの事を気に入っており、婚約破棄をきっかけにしてその感情を怒りで満たしてしまう。その結果、ルーヴィスの周りの空気は一変していくこととなり…。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
婚約者の私を見捨てたあなた、もう二度と関わらないので安心して下さい
神崎 ルナ
恋愛
第三王女ロクサーヌには婚約者がいた。騎士団でも有望株のナイシス・ガラット侯爵令息。その美貌もあって人気がある彼との婚約が決められたのは幼いとき。彼には他に優先する幼なじみがいたが、政略結婚だからある程度は仕方ない、と思っていた。だが、王宮が魔導師に襲われ、魔術により天井の一部がロクサーヌへ落ちてきたとき、彼が真っ先に助けに行ったのは幼馴染だという女性だった。その後もロクサーヌのことは見えていないのか、完全にスルーして彼女を抱きかかえて去って行くナイシス。
嘘でしょう。
その後ロクサーヌは一月、目が覚めなかった。
そして目覚めたとき、おとなしやかと言われていたロクサーヌの姿はどこにもなかった。
「ガラット侯爵令息とは婚約破棄? 当然でしょう。それとね私、力が欲しいの」
もう誰かが護ってくれるなんて思わない。
ロクサーヌは力をつけてひとりで生きていこうと誓った。
だがそこへクスコ辺境伯がロクサーヌへ求婚する。
「ぜひ辺境へ来て欲しい」
※時代考証がゆるゆるですm(__)m ご注意くださいm(__)m
総合・恋愛ランキング1位(2025.8.4)hotランキング1位(2025.8.5)になりましたΣ(・ω・ノ)ノ ありがとうございます<(_ _)>