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親切なあなたへー終ー
「ねぇ、○○って何に対してもお礼を言うよね」
友達に言われた言葉で私も確かにと思う
うん、私はよくお礼を言っている
コンビニの店員さんとのやり取りも
服を選らんでいる時に話しかけてくれる店員さんにも
道でチラシを受け取っても
誰に対しても、なにかをしてもらったら
「ありがとう」と返す
それが当たり前で
本心で思っているから
「ありがとう」
お礼には言葉以上の力があると思う
それを教えてくれたのは
母だった
母は、シングルマザーだ
私は父の顔も知らないし
どんな人なのかも知らない
それに、あまり興味がない
幼き頃から母は女手一つで私と兄を育ててくれた
今にして思えば、大変だったと思う
現在では会ってもニコニコと家でテレビを見ている母だけど
幼い頃はあまり家にはいなかった
昼間に働いて、夕方に帰ってきて私と兄の夜ご飯を作ったら
夜は別の仕事で出ていた
そんな母は大変だったと思うけど家族の前で笑顔を絶やすことはなかった
月に一度、外食に行った日は母は今の私と同じくよく「ありがとう」と言っていた
思えば、最初はそんな母につられて私もお礼を言っていたと思う
いつしかそれが私の当たり前になっていた
ある日
兄がバイク事故を起こした
私が中学生の頃で、兄が高校生の頃
不良だった兄は無免許運転でバイクを運転していて
逮捕されて、少年院に入った
人を引いた訳ではなかったけど
物を壊して
当然保険になんて入っていなくて
きっと多くのお金が必要になったんだと思う
私が夜に寝ていると
音が聞こえて、目を覚ました
パチパチとなにか音が鳴っている
そろりと、音の鳴る部屋を覗くと
母がお金を数えて電卓を叩いていた
その背中にどこか悲しさを覚えて
不安になって
声をかけられなくて、部屋に戻った
次の日の朝
母はいつも通りに朝ごはんを作って
笑顔で私に「おはよう」と言うのだ
弁当箱には沢山のおかずが入っていて
いつ寝ているのだろうか、私が起きると同時に仕事に出かけようと準備をしていた
「お母さん」と自然と声がこぼれた
振り返った母に、私は今できることは
ただ感謝を伝えることしか出来なかった
「いつもありがとう…大好きだよ」と
母は「急に何言ってるの」と微笑んだけど
涙を流して、私の頭を撫でてくれた
それが、嬉しかった事を覚えている
最近、実家に帰って母に会ってきた
今では私も兄も自立して、それぞれ別に暮らしている
母は猫と、犬を飼って幸せそうにいつもテレビで録画したドラマを見ていた
「あの時の言葉ね…お母さん凄く助かったの」
母が突然、そう切り出す
聞けば、兄が事故を起こしたあの時
お金の不安や、子育ての不安
兄の将来や、私の将来
抱えきれないほどの悩みを抱えてノイローゼになりそうになっていた母
「ありがとう」と言われて前を向けたと言われた
私は恥ずかしくて
「覚えていない」なんて言ったけど
しっかり覚えている
ありがとうって言って
あんなに嬉しそうに笑った母
それが嬉しくて、私は誰にでもお礼を言うんだ
けどね
本当にお礼を言わないといけないのは
お母さん
あなたに言いたい
まだ、恥ずかしくて…子供の頃のように面と言えなくてごめんなさい
けど、また実家に帰ったら
必ず言うよ
「育ててくれてありがとう」って
友達に言われた言葉で私も確かにと思う
うん、私はよくお礼を言っている
コンビニの店員さんとのやり取りも
服を選らんでいる時に話しかけてくれる店員さんにも
道でチラシを受け取っても
誰に対しても、なにかをしてもらったら
「ありがとう」と返す
それが当たり前で
本心で思っているから
「ありがとう」
お礼には言葉以上の力があると思う
それを教えてくれたのは
母だった
母は、シングルマザーだ
私は父の顔も知らないし
どんな人なのかも知らない
それに、あまり興味がない
幼き頃から母は女手一つで私と兄を育ててくれた
今にして思えば、大変だったと思う
現在では会ってもニコニコと家でテレビを見ている母だけど
幼い頃はあまり家にはいなかった
昼間に働いて、夕方に帰ってきて私と兄の夜ご飯を作ったら
夜は別の仕事で出ていた
そんな母は大変だったと思うけど家族の前で笑顔を絶やすことはなかった
月に一度、外食に行った日は母は今の私と同じくよく「ありがとう」と言っていた
思えば、最初はそんな母につられて私もお礼を言っていたと思う
いつしかそれが私の当たり前になっていた
ある日
兄がバイク事故を起こした
私が中学生の頃で、兄が高校生の頃
不良だった兄は無免許運転でバイクを運転していて
逮捕されて、少年院に入った
人を引いた訳ではなかったけど
物を壊して
当然保険になんて入っていなくて
きっと多くのお金が必要になったんだと思う
私が夜に寝ていると
音が聞こえて、目を覚ました
パチパチとなにか音が鳴っている
そろりと、音の鳴る部屋を覗くと
母がお金を数えて電卓を叩いていた
その背中にどこか悲しさを覚えて
不安になって
声をかけられなくて、部屋に戻った
次の日の朝
母はいつも通りに朝ごはんを作って
笑顔で私に「おはよう」と言うのだ
弁当箱には沢山のおかずが入っていて
いつ寝ているのだろうか、私が起きると同時に仕事に出かけようと準備をしていた
「お母さん」と自然と声がこぼれた
振り返った母に、私は今できることは
ただ感謝を伝えることしか出来なかった
「いつもありがとう…大好きだよ」と
母は「急に何言ってるの」と微笑んだけど
涙を流して、私の頭を撫でてくれた
それが、嬉しかった事を覚えている
最近、実家に帰って母に会ってきた
今では私も兄も自立して、それぞれ別に暮らしている
母は猫と、犬を飼って幸せそうにいつもテレビで録画したドラマを見ていた
「あの時の言葉ね…お母さん凄く助かったの」
母が突然、そう切り出す
聞けば、兄が事故を起こしたあの時
お金の不安や、子育ての不安
兄の将来や、私の将来
抱えきれないほどの悩みを抱えてノイローゼになりそうになっていた母
「ありがとう」と言われて前を向けたと言われた
私は恥ずかしくて
「覚えていない」なんて言ったけど
しっかり覚えている
ありがとうって言って
あんなに嬉しそうに笑った母
それが嬉しくて、私は誰にでもお礼を言うんだ
けどね
本当にお礼を言わないといけないのは
お母さん
あなたに言いたい
まだ、恥ずかしくて…子供の頃のように面と言えなくてごめんなさい
けど、また実家に帰ったら
必ず言うよ
「育ててくれてありがとう」って
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