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12話
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風邪を治った事をオルターさんは喜んでくれた
体に良い食材を使った野菜スープを作ってもらいほっこりとしていると
早々に朝食を食べたウィリアム様が運動しやすい服を身につけて
屋敷の玄関に向かっていた
「どこに行かれるのですか?ウィリアム様」
「あ…あぁ少し運動しようかと思って」
「ほ、本当ですか!?」
驚いた声を上げたのはオルターさんだった
「オルター…僕だって運動ぐらい始めるさ、行ってくるよ」
彼はそう言って、屋敷から出ていってしまった
オルターさんは少し動揺しながらも頭を下げる
「すいません、お話の途中に…」
「いえ、ウィリアム様が運動するのは珍しい事なのですか?」
「え、えぇ……私からだとは内緒にしてくださいね?何年か前も痩せるために何度か運動をしていた時期もあったのですが挫折してしまって、それからは畑以外の運動を避けていらしたのです」
「そうだったのですね」
「なにか心境の変化があったのかもしれませんね…」
私は野菜スープの入ったマグに口を付けて外を見ると
ウィリアム様はゆっくりではあるが、走っていた
辛そうだが、その眼には確かな覚悟が見える
「…オルターさん…お願いが一つあるのですが」
「え、ええ何でも言ってください」
私のお願いを聞いたオルターさんは嬉しそうに
早速準備するために動いてくれた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ…はぁ…はぁ…」
やはり、久々の運動はきついな
汗も多くかいた、水分を補給して仰向けに寝転ぶ
下は芝生なので汚れないだろう
久しく、感じていなかったが
運動を終えて見渡すこの広い空は気分が良くなるものだ
そよぐ風を感じながら、再度水分補給しようと思ったが
「しまった…」
水筒に入れてきた水は無くなってしまった
取りに戻ろうと身体を起こした瞬間
ヒヤリと、首筋に冷えた感触が触れる
「ひ!?」
驚いて振り返ると、どこかいたずらな笑みを浮かべたシャーロットが
水筒を持って来てくれていた
「ふふ、お疲れ様ですウィリアム様」
「シャーロット…」
長い髪をまとめて、屋敷にはないはずの動きやすそうな服を着ていた
彼女の身体のラインが見えるような服で、視線に困ってしまう
「そ、その服は?」
「オルターさんに街で買ってきて頂きました…ただのシャツでいいと言ったのですが、オルターさんがこちらの方がいいと」
なるほど、オルターの言う通りだ
彼女の魅力を引き出している、見つめるだけで鼓動が早くなってしまうのだから
運動をした後で良かった、この鼓動に気づかれないから
「なぜ服を?」
彼女は黙って僕の隣に座る
ニコリと微笑む彼女はこの太陽の下だとさらに魅力的だった
「そ、そのどうせなら2人でしましょう、1人だと諦めてしまうかもしれません…でも一緒なら楽しいと思うんです」
明るい笑顔でそう言ってくれた彼女の手を僕は握った
彼女は顔を赤くして僕を見つめた
「ありがとう、シャーロット…一緒に頑張ってくれるか?」
僕の問いかけに、彼女は嬉しそうに笑い
「はい!」と手を強く握り返してくれた
女性の前だと手が震えてしまっていた僕は
もう、シャーロットの前では何も恐怖しない
彼女は僕の心を見ていてくれるから
だから、そんな彼女にふさわしい男になってみせる
「さぁ!あともう1周しましょう!」
「そうだね」
2人で立ち上がり、また走りだす
僕のペースに合わせてくれる彼女の横顔をみながら思う
彼女がいなければきっと運動すらしていない
諦めていただろう
けどシャーロットと一緒なら、彼女のためなら
僕はきっとなんだって出来る
微笑みながら彼女の隣を走るのだった
「さぁ!あともう8周です!」
「は…はっひ…」
追加事項、彼女は熱が入りやすいらしく
スパルタだった
彼女について新しい事を知れたのは嬉しいが
これは僕が痩せるのはかなり早いかもしれないな…
体に良い食材を使った野菜スープを作ってもらいほっこりとしていると
早々に朝食を食べたウィリアム様が運動しやすい服を身につけて
屋敷の玄関に向かっていた
「どこに行かれるのですか?ウィリアム様」
「あ…あぁ少し運動しようかと思って」
「ほ、本当ですか!?」
驚いた声を上げたのはオルターさんだった
「オルター…僕だって運動ぐらい始めるさ、行ってくるよ」
彼はそう言って、屋敷から出ていってしまった
オルターさんは少し動揺しながらも頭を下げる
「すいません、お話の途中に…」
「いえ、ウィリアム様が運動するのは珍しい事なのですか?」
「え、えぇ……私からだとは内緒にしてくださいね?何年か前も痩せるために何度か運動をしていた時期もあったのですが挫折してしまって、それからは畑以外の運動を避けていらしたのです」
「そうだったのですね」
「なにか心境の変化があったのかもしれませんね…」
私は野菜スープの入ったマグに口を付けて外を見ると
ウィリアム様はゆっくりではあるが、走っていた
辛そうだが、その眼には確かな覚悟が見える
「…オルターさん…お願いが一つあるのですが」
「え、ええ何でも言ってください」
私のお願いを聞いたオルターさんは嬉しそうに
早速準備するために動いてくれた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ…はぁ…はぁ…」
やはり、久々の運動はきついな
汗も多くかいた、水分を補給して仰向けに寝転ぶ
下は芝生なので汚れないだろう
久しく、感じていなかったが
運動を終えて見渡すこの広い空は気分が良くなるものだ
そよぐ風を感じながら、再度水分補給しようと思ったが
「しまった…」
水筒に入れてきた水は無くなってしまった
取りに戻ろうと身体を起こした瞬間
ヒヤリと、首筋に冷えた感触が触れる
「ひ!?」
驚いて振り返ると、どこかいたずらな笑みを浮かべたシャーロットが
水筒を持って来てくれていた
「ふふ、お疲れ様ですウィリアム様」
「シャーロット…」
長い髪をまとめて、屋敷にはないはずの動きやすそうな服を着ていた
彼女の身体のラインが見えるような服で、視線に困ってしまう
「そ、その服は?」
「オルターさんに街で買ってきて頂きました…ただのシャツでいいと言ったのですが、オルターさんがこちらの方がいいと」
なるほど、オルターの言う通りだ
彼女の魅力を引き出している、見つめるだけで鼓動が早くなってしまうのだから
運動をした後で良かった、この鼓動に気づかれないから
「なぜ服を?」
彼女は黙って僕の隣に座る
ニコリと微笑む彼女はこの太陽の下だとさらに魅力的だった
「そ、そのどうせなら2人でしましょう、1人だと諦めてしまうかもしれません…でも一緒なら楽しいと思うんです」
明るい笑顔でそう言ってくれた彼女の手を僕は握った
彼女は顔を赤くして僕を見つめた
「ありがとう、シャーロット…一緒に頑張ってくれるか?」
僕の問いかけに、彼女は嬉しそうに笑い
「はい!」と手を強く握り返してくれた
女性の前だと手が震えてしまっていた僕は
もう、シャーロットの前では何も恐怖しない
彼女は僕の心を見ていてくれるから
だから、そんな彼女にふさわしい男になってみせる
「さぁ!あともう1周しましょう!」
「そうだね」
2人で立ち上がり、また走りだす
僕のペースに合わせてくれる彼女の横顔をみながら思う
彼女がいなければきっと運動すらしていない
諦めていただろう
けどシャーロットと一緒なら、彼女のためなら
僕はきっとなんだって出来る
微笑みながら彼女の隣を走るのだった
「さぁ!あともう8周です!」
「は…はっひ…」
追加事項、彼女は熱が入りやすいらしく
スパルタだった
彼女について新しい事を知れたのは嬉しいが
これは僕が痩せるのはかなり早いかもしれないな…
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