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17話
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くすくすと、笑う声が聞こえる
当たり前だ、シャーロット…あいつにはわざと遅れた時間を教えていた
この俺の誕生日を祝う場、先についた貴族達に俺は言った
「あの女は豚公爵の財産目当てで嫁ぎ、豚公爵は性欲に溺れて受け入れたのだ!今頃きっとシャーロットは疲れ果てているだろうな」
笑いながら話す俺に皆も笑っていた
気を良くした俺は命令をした
「精一杯、不幸せな2人を笑ってやろう」と
遅れたあの2人は、この会場に入ってきた途端に笑われるだろう
大勢の人間に馬鹿にされて恥をかく
考えただけでも口角が上がる
「レオナード様ぁ」
甘ったるい声を出しながら、俺に抱きつく女はデズモンド伯爵家の令嬢のベネットだ
今まで幾人もの女を抱いてきたが唯一覚えている女
この鼻に刺さるような匂いの香水は抱いた後もしばらく残ってかなわなかった
「前の日から期間も空きましたし…良ければまたあなたの誕生日のこの日に…」
そっと耳元で囁くベットだったが、俺は突き放す
こいつを抱く?そんなはずがない
俺の狙いはシャーロットだけだ
暫く離れて嫌というほど分かっただろう
あの豚公爵なんかより、俺の隣にいた方がいいとな
泣いて俺の下に戻ってきたあいつを好きなように抱いてやる
俺に逆らえないようにして身体を堪能して飽きたら捨ててやろう
「ふふ…ははは」
思わず笑いがこらえられずにこぼれた
俺の愚息も早くしてくれと言っている
もうシャーロットが来る時間だ、先ずは
あいつの不幸な顔を大きく笑ってやろう
会場にいる貴族達は今か今かとニヤニヤ笑みを浮かべている
待たせてしまって申し訳ないな
妹のステラだけは妙に頬を膨らましているが、関係ない
よく見れば…妹はまだ小さいが、育てば綺麗になりそうだな
ジロジロと見ていると、俺の視線に気付いたのか隠れてしまった
まぁいい、今はシャーロットだけだ
待っている時間、シンと静まり返った会場内に女性のヒールの音が近づいてきた
「きたぞ…」
ざわつきを抑えるように、全員が会場の出入り扉を凝視する
コツコツと鳴っていた音が、扉の前で止まる
期待が胸を膨らませる、さぁ早く不幸に沈むお前の顔をみせろ…
ガチャリと、扉が開いた
入ってきたシャーロットは、品のいいドレスに
いつもまとめていた綺麗な髪をおろし、にこやかな笑顔で会場の扉の前に立っていた
その美貌と幸せそうな笑顔に思わず見とれている貴族達
そんなはずはない!
ウィリアムは………
シャーロットは扉の見えない部分へ手を伸ばし、小さく声をかけている
「大丈夫ですから、来てください」
そう言って陰から出てきた人物に、誰もが言葉を失った
ウィリアム・イーロン公爵
平凡な男だった
子供の頃に俺は奴に醜いと言った
それは冗談だったが、奴はそのストレスでブクブクと太り豚公爵となり
いい笑い者だと思っていた
だが
目の前のウィリアムはその太っていた姿は消えて
すらりと伸びる長い足に腹周りはスッキリと瘦せて、凛々しさえ感じる顔立ちだった
汗を流して、太っていた豚公爵はそこにはいなかった
シャーロットとウィリアムは仲睦まじそうに腕を組んで歩いてくる
その姿を笑う者はいなかった
「きれい………」
「お似合いだ…素敵だな」
周りの貴族達が顔を見合わせて
称賛の声を述べる
まずい………まずい………こんなはずじゃ………
周囲の空気が一変する、奴らを笑い者にしようと思っていたのに
周りはむしろ羨むように、女性達に至っては2人にうっとりと見とれている
焦る俺の前にシャーロットとウィリアムは立った
「お久しぶりです、レオナード様」
笑顔を見せるシャーロットは
不幸など、微塵も感じさせぬ姿で俺に笑いかけた
当たり前だ、シャーロット…あいつにはわざと遅れた時間を教えていた
この俺の誕生日を祝う場、先についた貴族達に俺は言った
「あの女は豚公爵の財産目当てで嫁ぎ、豚公爵は性欲に溺れて受け入れたのだ!今頃きっとシャーロットは疲れ果てているだろうな」
笑いながら話す俺に皆も笑っていた
気を良くした俺は命令をした
「精一杯、不幸せな2人を笑ってやろう」と
遅れたあの2人は、この会場に入ってきた途端に笑われるだろう
大勢の人間に馬鹿にされて恥をかく
考えただけでも口角が上がる
「レオナード様ぁ」
甘ったるい声を出しながら、俺に抱きつく女はデズモンド伯爵家の令嬢のベネットだ
今まで幾人もの女を抱いてきたが唯一覚えている女
この鼻に刺さるような匂いの香水は抱いた後もしばらく残ってかなわなかった
「前の日から期間も空きましたし…良ければまたあなたの誕生日のこの日に…」
そっと耳元で囁くベットだったが、俺は突き放す
こいつを抱く?そんなはずがない
俺の狙いはシャーロットだけだ
暫く離れて嫌というほど分かっただろう
あの豚公爵なんかより、俺の隣にいた方がいいとな
泣いて俺の下に戻ってきたあいつを好きなように抱いてやる
俺に逆らえないようにして身体を堪能して飽きたら捨ててやろう
「ふふ…ははは」
思わず笑いがこらえられずにこぼれた
俺の愚息も早くしてくれと言っている
もうシャーロットが来る時間だ、先ずは
あいつの不幸な顔を大きく笑ってやろう
会場にいる貴族達は今か今かとニヤニヤ笑みを浮かべている
待たせてしまって申し訳ないな
妹のステラだけは妙に頬を膨らましているが、関係ない
よく見れば…妹はまだ小さいが、育てば綺麗になりそうだな
ジロジロと見ていると、俺の視線に気付いたのか隠れてしまった
まぁいい、今はシャーロットだけだ
待っている時間、シンと静まり返った会場内に女性のヒールの音が近づいてきた
「きたぞ…」
ざわつきを抑えるように、全員が会場の出入り扉を凝視する
コツコツと鳴っていた音が、扉の前で止まる
期待が胸を膨らませる、さぁ早く不幸に沈むお前の顔をみせろ…
ガチャリと、扉が開いた
入ってきたシャーロットは、品のいいドレスに
いつもまとめていた綺麗な髪をおろし、にこやかな笑顔で会場の扉の前に立っていた
その美貌と幸せそうな笑顔に思わず見とれている貴族達
そんなはずはない!
ウィリアムは………
シャーロットは扉の見えない部分へ手を伸ばし、小さく声をかけている
「大丈夫ですから、来てください」
そう言って陰から出てきた人物に、誰もが言葉を失った
ウィリアム・イーロン公爵
平凡な男だった
子供の頃に俺は奴に醜いと言った
それは冗談だったが、奴はそのストレスでブクブクと太り豚公爵となり
いい笑い者だと思っていた
だが
目の前のウィリアムはその太っていた姿は消えて
すらりと伸びる長い足に腹周りはスッキリと瘦せて、凛々しさえ感じる顔立ちだった
汗を流して、太っていた豚公爵はそこにはいなかった
シャーロットとウィリアムは仲睦まじそうに腕を組んで歩いてくる
その姿を笑う者はいなかった
「きれい………」
「お似合いだ…素敵だな」
周りの貴族達が顔を見合わせて
称賛の声を述べる
まずい………まずい………こんなはずじゃ………
周囲の空気が一変する、奴らを笑い者にしようと思っていたのに
周りはむしろ羨むように、女性達に至っては2人にうっとりと見とれている
焦る俺の前にシャーロットとウィリアムは立った
「お久しぶりです、レオナード様」
笑顔を見せるシャーロットは
不幸など、微塵も感じさせぬ姿で俺に笑いかけた
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