【完結】醜い豚公爵様と結婚することになりましたが愛してくれるので幸せです

なか

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20話

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「お、おまえ!何をしたか分かっているのか!?」

口元から血を流し、レオナードは必死に叫ぶ
私を抱きしめる彼は淡々と
レオナードをもう一度殴りつけた

「がはっ!」

「今まで、僕に罵倒するのは許せた、いくら僕は傷つけられようと大丈夫だった…でも…シャーロットに手を出すのは絶対に許さない」

「ぎ…ぎざま」

血を流すレオナードは頬を抑えながら笑い出す

「は…ははは!!一国の王子に手を上げたのだ!これが何を意味するかわかるか?」

「………………」

ウィリアム様は何も答えずに黙って彼を睨んでいる
レオナードは続けて言葉を吐いていく


「重罪だ!お前は断罪してやる!」

言った瞬間
ウィリアム様はレオナードの胸ぐらを掴み
睨みつけながら叫んだ

「やってみろ!!」

「は……は?」

「やってみろ、僕はたとえ国と争ってでもシャーロットを守ってみせる…お前と剣を交える覚悟なんて、とっくに出来ている!!お前にその覚悟があるのか!!」

怒りにそまり、詰め寄るウィリアム様の気迫は今まで感じた事のない
獅子のような、いやまるで燃え盛る炎のような力を感じた

「決めろ!!お前は僕と争う覚悟でシャーロットに手を出したのか!!もう引き下がらない、笑って誤魔化しもしない!!お前に覚悟があるのなら、僕の全てを使って叩き潰す!」

「ひ…ひぃ…」

「もう一度聞く…僕と戦う覚悟が…お前にはあるのか!レオナードォ!!!」


レオナードはその気迫にすっかり気圧され、身体を震わせている
許してくれと懇願するように頭を抱えて地面にうずくまる

「す…すまない…そんな…そん、なつもりじゃ…」

「はぁ…はぁ…」

再度、拳を握った彼の腕を私が掴む

「大丈夫です、ウィリアム様…ありがとうございます…もう充分です」

「シャーロット…だが、僕は…」

「あなたの手はこんな男を殴るためにあるのではありません…行きましょう」

ウィリアム様の腕を引いて、私は歩き出す
レオナードはただうずくまり、何も言わなかったが、私を見つめていた
だから、最後に言ってやる



「レオナード様、あなたは私に二度と関わらないでください…ステラに手を出せば…覚悟をしてくださいね」

「………………」

沈黙する彼を置いて、私は会場へと戻っていった

後に残るのは、悔しそうに声を出す
情けない王子の姿だけだった




















会場へ戻ると、音楽が流れている
ピアノを演奏し、綺麗な音色が会場に響いていた
貴族達は主役であるレオナードの事など忘れてペアで踊っている
元より、彼を気にする人は多くなかったのだろう

「私達も踊りませんか?ウィリアム様」

「君は大丈夫なのか?あんな事があって」

「いえ、まだ怖いです……だから」

私は彼の手を握り、指を絡める
身体を寄せて、あなたの瞳を見つめる

「忘れさせてください、ウィリアム様」

彼は緊張しながらも、私の腰に手を回してゆっくりとダンスをする
音色の響く中で、私とウィリアム様は見つめ合いながら

言葉を交わさず、踊る
私は、もうとっくに気づいている
彼の気持ちを

きっとそれは彼も同じなのだろう


「その…すまなかった」

「なにがですか?」

踊りながら、彼と言葉を交わす
いつしか
私達は会場の中心で踊っていた
周りの視線は私達に注がれていたが、私達はまるで2人きりになったように
お互いの姿しか見えていない、お互いの鼓動だけが聞こえる

「自由恋愛だ、なんて言っておきながら…君があいつに連れられて行くのをみて…黙っていられなかった」

くすりと私は笑う

「レオナード様との恋愛など……ありえませんよ」

彼は少し安心したように頷く
そして、私が言葉を続ける

「でも………………」

小さく呟く私の言葉に彼は耳を傾ける

その瞬間私は彼の首元に手を回して顔を近づけ、背伸びして口付けする
唇を重ね合わせた時、音楽が私達を祝福するように綺麗な音色を鳴らして
周囲から息を吞む声が聞こえた


彼との口付けは、長いようで、短い時間

唇を離して、赤く染まる彼に微笑みながら私は言った

「自由に恋愛をさせていただきますね…
ウィリアム様」

何を迷っていたのだろうか
もう気持ちに蓋なんてできない……私は彼の事が

好きなのだから

彼の隣は私だけの居場所だ

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