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三章
89話 サービスの国
しおりを挟む平野を走る馬車が、車輪が回る音を響かせる。
車窓からシルウィオに抱っこされながら、リルレットが喜びの声を出した。
「はやいはやーい!」
その声に答えるように、馬車がさらに加速していく。
御者をしてくれているグレインが走らせてくれているのだろう。
「お父様! 僕も見たい!」
「あぁ。テアもこい」
リルレットとテアを抱っこして、シルウィオは二人に車窓からの景色を見せる。
平野だが、たくさん咲いている花々が美しい道。
自然に生えた、天然の花道。
帝国より南に下った先にある観光名所に、子供達は瞳を輝かせて喜ぶ。
その姿を見ているだけで、旅行に出れて良かったと思えるのだ。
「おかたま~だこちて」
「ふふ、イヴァは抱っこが好きね」
馬車に備え付けられた寝台から起きたイヴァが私を呼ぶ。
身を起こして手を伸ばしてくるので、抱っこすればニコニコと私を見つめてくるのが可愛らしい。
「本当に、計画してくれてありがとうね。シルウィオ」
「いい、カティ達が喜んでくれるなら」
旅行は私達家族、そして護衛としてグレインが来てくれている。
少数だが、数多く連れてあまり目立つのを避けるためだ。
ちなみにジェラルド様はご家族との時間を過ごしながら、不在の間の帝国を見てくださる。
ギルクも、護衛騎士となる前から行っている帝国の巡回の仕事だ。
とはいえ、ジェラルド様のご家族が行きたい国も幾つかあるらしく。
到着した際は、労いのためにシルウィオが転移魔法で連れて来る事を約束していた。
私もジェラルド様の娘さん達に久々に会いたくて、奥さんと会うのも楽しみだ。
「お母様! お父様! このお花畑でお昼にしようよ!」
「そうね、ご飯にしようか」
テアの提案により、馬車を停めて花を踏まないようにちょうどいい広場を見つけて昼にする。
街で購入したサンドイッチを食べつつ、家族達と談笑をする。
そして私はシルウィオと共に、馬を撫でていたグレインにもお礼を言いにいく。
「グレイン、護衛をありがとうね」
「いえ、俺もご一緒させてもらえるなんて、身に余る光栄ですよ」
「でも、良かったの? ご家族と少し離れる事になるけど……」
「いえいえ! 俺は独り身ですからね。むしろ……旅行で、寂しさが紛れますよ」
明るく笑うグレインは、言葉ほど寂しそうではない。
それに……彼は三十を超えてこそいるが、出会った頃と変わらぬような、若々しく端正な見た目であるから相手に困るようには思えない。
「グレイン、私達の護衛で忙しくて……出会いを失わせてしまっていない?」
「ち、違いますよ! その……言いにくいのですが、俺はあまり……そういった感情に疎くて」
子供達には聞こえぬよう、彼は小声で言葉を続けた。
「恋愛感情というのでしょか……あまりそういった事を誰かに抱いた事もなくて。なので……良い人が居れば良いのですが、別に居なくとも問題ないといいますか」
「そう……だったの。ごめんなさい、お節介で色々と聞いて」
「いえ! 俺もあまり人に話す機会が無かったので、聞いてもらって少しスッキリしました」
快活に笑うグレインに、やはり孤独感といった感情は感じない。
先の言葉は本心なのだろう。
ふと、今まで黙って話を聞いていたシルウィオが、サンドイッチの入ったバスケットを手渡した。
「グレイン、疲れただろう。食え」
「いただきます! ありがとうございます」
「それと、もし……お前が大切に想う者が出来れば。いつでも護衛の任を降りろ」
「陛下……」
「お前の人生だ。好きにしていい……護衛を続けるのも、誰かを大切にする道を選ぶのも自由だ」
「は、はい。今はお言葉だけを、有難く頂きます」
グレインは感謝をしつつ、サンドイッチを食べ始める。
その隣に息子のテアが座って、剣について聞いていた。
いつもの師弟関係が微笑ましい。
カシャシャシャシ
リルレットはイヴァを抱っこしながら、お花畑を見せて上げてくれていた。
もうすっかりお姉さんとなったリルレットは、本当に頼りになる。
「イヴァ~みてみて、綺麗でしょ~」
「あーう。おねたま。おはな~」
「そうお花だよ」
カシャシャシャシャシャシャシャ
「ありがとうね、リルレット。イヴァを見てくれて」
「ううん、いいよ。それより! お母様も見て……凄く綺麗だよ」
「えぇ……そうね」
カシャシャシャシャシャシャシャ
綺麗な花畑だ。
多様な花が色とりどりに咲き、地面に虹が広がっているようにさえ思える。
「あっちも見てみようか、リルレット、イヴァ」
「うん!」
カシャシャシャ
「シルウィオも!」
「分かった、カティ」
相変わらず、写真を撮りたまくるシルウィオの手を引いて花畑を見て回る。
シルウィオはイヴァを抱っこしてくれて。
テアやグレイン達も呼び、共に花畑を堪能したのだった。
◇◇◇
私達がひとまず向かっているのは、カルセイン王国だ。
色々と報告もかねて向かっているのだけど。
ついでにと、道中に寄れそうだった国にも寄る事にした。
ビモタ王国。
ここ最近で経済を急成長させた国であり、国王の手腕が賞賛されている。
さらに、観光にも力を入れているようで『観光名国』とさえ呼ばれていた。
「皆さん、着きましたよ。ビモタ国の王都です」
グレインの声と共に馬車を降りれば、アイゼン帝国の帝都ほどではないが賑わった都だった。
人々が行き交い、あらゆる国から観光に訪れているらしい人達が見える。
アイゼン帝国と違うのは、そのお店の数だ。
様々な看板、商魂たくましいお店の企業努力があちこちで見える。
さらには、都には雑草ひとつなく……自然から離れた都の風貌には驚いてしまう。
「観光の方ですね。ビモタ王国へようこそ!」
私達の旅行はお忍びのため、王国の方々は通常の観光客と同様に接する。
下手にかしこまれて、怯えられる訳にもいかないので身分は明かさないつもりだ。
「なにかお店をお探しでしょうか、我が王国ではあらゆるお店が揃っておりますよ」
「皆、どこか行きたいところはある?」
子供達に尋ねた言葉、リルレットやテアが周囲を見渡してお店に困惑していた時。
馬車の方から、突然声が響いた。
「あっ!! お客様……これはいけませんよ」
「……なにかありましたか?」
グレインが対応すれば、知らぬ人が馬車の車窓を指さす。
視線で追えば、車窓にヒビが入っていた。
先程までは……無かったはずなのに。
「馬車の窓がヒビ割れてます。お子様もおられるので、割れたら危ないですし。この国でどうぞ修理なさってください、観光客の方には特別サービスをしておりますので!」
いつの間に割れていたのか、不思議に思いつつも言われた通りに馬車を修理のために店に預ける。
時間潰しのため、子供達と共に衣服のお店へ寄った。
「いらっしゃいませ、ご試着などはいつでもお受けしますので。お声がけくださいね」
「テア、これ着てみたい!」
テアがふと、珍しい色味の服に興味を持って指を差す。
気になるならと、店員さんに頼んでテアは試着させてもらった。
「どう? お母様」
「すごく似合ってるよ、テア」
「えへへ、やった!」
テアの選んだ服を購入すると決めた時、ふと店員が声を出す。
「あれ……ご試着の際にお預かりしていたお洋服ですが、ボタンが外れておりますね。こちらで直せますが、いかがいたしますか?」
「え……? じゃ、じゃあ、お願いします」
テアの衣服は、ジェラルド様と共に私が旅行前に選んで準備した物だ。
こんなに簡単にボタンが外れるだろうか?
生じた疑問が、この国では幾つも起きた。
リルレットが食べたいと頼んだ露店のワッフル。
頼めば、何故か想定よりも多くの金銭を要求された。
看板の値段と違うと思ったが、どうやら古い看板だったらしい。
些細な事だけど、そんな……疑問が残るような商売に、あちこちで遭遇する。
「なんだか、不思議なお国だね。お母様」
「えぇ……そうね。サービスは本当に良いのだけれど……」
イヴァを抱きつつ、購入したワッフルをリルレットやテアと食べていた時。
馬車の修理を頼んでいた業者が、シルウィオへと声をかけた。
「お客様、お時間いいですか?」
業者には、グレインが対応した。
「修理は終わりましたか、お代は?」
「それが、ついでにと馬車の点検をしたらですね……どうも車輪の軸にガタがきているらしく」
「……」
「他にもですねぇ。幾つもの修理が必要な箇所があり、見積もりをとったのですが……これはうちで新たに馬車を購入してくださった方が安く……」
そんなはずがない。
あの馬車は、今回の旅のためにシルウィオが自ら手配した馬車だ。
こんなに直ぐに、馬車を丸々入れ替えるような修理など必要なはずが……
「貴様ら……」
その時、静かな声が響いた。
周囲は賑わった街並みのはずなのに、彼の声は針のように鋭く……周囲に響く。
今まで、ずっと沈黙していたシルウィオが呟いたのだ。
「先程から……ずいぶんな商売をしているな」
「え……」
「騒ぎにならぬよう黙っていたが、窓にヒビを入れたのは貴様らだろう」
「そ、そんな事をするはずが……」
戸惑った業者だが、グレインが彼の肩を掴んで微笑む。
そこにいつもの優しさは無くて、笑っているのに怖かった。
「見逃していたのに。ずいぶんな対応をしてくれますね」
「あ……あぁぁ……あの、申し訳ありません。この度のお詫びについては……また」
「さっさと馬車を戻せ。次に傷をつければ……その首を飛ばす」
シルウィオの威圧と、グレインの微笑みに潜む怒りに、業者は怯えながら頷いた。
そのまますぐさまに去っていく業者を見つめながら、シルウィオはため息を吐く。
「……歪な国だ」
「あ……あの」
ふと、呟くシルウィオへと私達へ服やワッフルを売った店主たちが寄って来る。
皆、手には私達が多めに払った金銭を持ちながら。
「も、申し訳ありません。貴方の怒りが店まで聞こえて……」
「騙して、多くの金銭を要求しておりました」
違和感の答え合わせのように、彼らは非を認めて金銭を返金する。
だが、彼らは人を騙してまでお金を受け取っていた割には酷く痩せて、お金に困ってすら見えた。
「あの……事情を聞かせてくれないかしら、どうしてこんな事」
私の質問に、商人たちは顔を見合わせながら口を開く。
堰を切るように、次から次へと話すのだ。
どうやら、この国では国民に対して多くの税金がかけられているらしく。
それを払うため、不法なやり方で商売をするしかないのだと。
さらには、この国の王が自ら……不正を提案しているというのだ。
「申し訳ありません。私どもも間違っていると分かりながら、このような商売をしておりました。……一月でもノルマの税を滞納すれば……国を追い出されて路頭に迷ってしまうのです」
彼らの話を聞き終わった時。
シルウィオが沈黙を破り、歩き出した。
「城で話す」
「ま、まってシルウィオ。皆で行きましょう。私も……言いたいことがありますから」
国内で離れ離れになるのは迷う可能性もある。
そのため、私達は子供達には観光のためと言って、お城へと向かった。
『皇族の来訪』それだけで直ぐに城内へと通される。
グレインに子供達を護ってもらいつつ、私とシルウィオは国王自らの招待で二人で謁見する事となった。
「ようこそおいでくださいました。アイゼン皇帝陛下、皇后様」
仰々しいお辞儀をして、ニンマリと笑みを見せたビモタ国の王。
その玉座の間は、欲を詰め込んだようだった。
金で出来た、壁や床。
各地の調度品を片っ端から集めて置いているのは、まるで富の塊だ。
「ビモタ王国は、各国でも優れた観光国でもあります。ご満足いただけましたか?」
「観光国というには、歪な商売をしているようだがな」
シルウィオの言葉に、ビモタ国王は微笑みを浮かべつつも動きを止める。
そこから何を考えたのか、暫くの沈黙の後に重い口を開いた。
「おや、それは問題がありますね。私が注意しておきましょう」
「民達は貴様の指示に従っているようだが?」
「い、嫌ですね。そんな指示はしておりませんよ! 全て、我が国の民が勝手にした事!」
「……」
「確かに私は彼らに教育を施しましたが、騙すような行為は指示しておりません! 貴方達を騙すなど、帝国を愛する私への冒涜です!」
上っ面だけの笑み。
責任逃れするような言葉。
民達に重税をかけ、苦しめて不法を犯す選択肢しか残さなかったのは彼のはずなのに。
「貴方達を騙した者達を教えてください! 私が教育し、反省せぬなら死刑にいたしましょう!」
「貴様……」
「教育、教育! 死刑、死刑! 私に任せてください! 悪いのは全て……民達なのですから!」
ビモタ国王の言葉に、怒りがこみ上げる。
一国の王。
本来ならば彼の元へ集う民達を護るべき存在の王が、民を利用して富を集めているのだ。
あまつさえ、保身のために民達を切り捨てている。
王としての素質が、この人には無い。
「ビモタ国王、貴方はたった一代で、大変素晴らしい富を築いたようですね」
「え、えぇ。かの有名な皇后様にお褒めいただき、光栄です」
「でも、私はもっと効率よく、富を築く事ができますよ」
「そ、そんな事が!? ぜひご教授を!」
「では、貴方の持つ富は全て帝国へ渡してください。逆らえば、すぐさまに帝国はビモタ王国を侵略いたします」
微笑みながら告げた、冗談のような脅し。
当然、ビモタ王はようやく……笑みを消して怯えた表情を見せた。
「じょ、冗談ですよね?」
「貴方も似たような事をしておりますよね? 民に重税を強いて、富を築いたではありませんか。私も似たように貴方から奪えばいい。良い案でしょう?」
「そ、その……」
「言っておきますが、権力をふりかざす者が富を築く事など、誇る事ではないわ。それに……そんな低俗な事を王族はしない。信頼を得るべき民達を苦しめるなど、王の素質すら無いから」
「わ、私は……民達に教育をして、その対価に税を貰っていただけで……」
「教育とは、教え導いて育てる事。貴方がしていたのは、苦しめて腐らせていただけ……同じ王族として、恥ずべき事だと、貴方を軽蔑します」
言い放った言葉に、ビモタ王は膝を落として絶望の表情を見せた。
そこに追撃をするように、シルウィオが呟く。
「王ならば、民達が罪を犯すよう仕向けた責を取れ。他の王位継承者に席を譲り、富も捨てよ……二度も同じ事が起きれば、アイゼン帝国を敵にすると思え」
「あ、そんな! わ、私が築いた富が……栄光を失えと言うのですか!?」
何を言っているのだろうか。
彼が築いた富なんて、意味もないのに。
「他人を騙し、民を虐げて得た富など……誇れるものですらありません」
「せ、せっかく……都の美観のため……環境整備で草木を全て抜いたのにぃ!」
「無駄な努力していないで、自国の魅力を高める事に力をかけるべきね」
「……あぁぁぁぁ!!!」
絶望し、泣き出してしまったビモタ王を置いて、私達はグレインや子供達の元へ戻り。
馬車に乗って王国を出て行った。
「おかたま……ぎゅうちて」
「イヴァ、おいで」
ヨタヨタと歩いてくるイヴァを抱きつつ、隣で座るシルウィオに肩を寄せる。
「カティ、すまない。あのような王だとは」
「ううん、いいの……リルレットやテアも、楽しんでくれていたから」
テアは新たな衣服に喜びながら袖を通し、リルレットもワッフルの残りを美味しそうに食べている。
一部の業者以外、確かに品質は良かったのだ……きっとあの国は王の教育などなくとも発展するはずだ。
「カティ……次はもっと良い所のはずだ」
「ふふ、次はカルセインだものね」
シルウィオと手を繋ぎ、共にイヴァを撫でる。
「お母様、王様となにをお話してたの?」
「テアも気になる~」
リルレットやテアが、問いかけてくる。
それに、私は微笑みながら言葉を返した。
「ちょっと、教育してあげてたの」
◇◇◇
すごく自由に描き過ぎました(ノ≧ڡ≦)
次回からは、ちゃんとほのぼのしたお話にします。( . .)"
※モデルになったお店なんてありません。
たぶん、作者の妄想です:( ˙꒳˙ ):
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