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第7話 モブサブの住民登録!
⑦
翌朝、部屋で朝食を済ませてから階下へ向かう。ついでに食堂へ食器を返しに寄ってからフロント前に行くと、壁際で綺麗な金髪を弄っているセフィアが見えた。
「おはよう」
「あ、おはようございます!」
なぜだか昨日より張り切ってるように見えるな。一晩寝たらある程度落ち着くと思ったんだが。
「えっと、私の顔、何か変ですか……?」
おっと。ジッと見過ぎたか。
血色を確かめてただけなんだが、下手をすればセクハラだ。
「いや、悪い。ちゃんと寝られたのかと思ってな」
「あ、はい、もうぐっすり! ありがとうございます」
良かった。不快にはなっていないらしい。
「じゃあ行くか。まずは、住民登録だったな」
「はい。教会でする予定です。問題があれば傭兵ギルドでもかまいませんが……」
「いや、教会で大丈夫だ」
大抵はそっちらしいしな。別に傭兵ギルドでも特別目立つわけじゃないが、大して変わらない手間でより目立たない選択肢があるならそっちがいい。
教会への移動は徒歩だ。商品や馬の問題があるからとセフィアは申し訳なさそうにしていたが、貴族でもないのに馬車で移動するのは悪い意味で目立ってしまうし、こちらとしても都合が良い。
それに、これから住む街の散策がてら向かうのも悪くない。
「ずいぶん知らない店が増えたな」
「アルゴスさんも来たことがあるんですね」
思わず呟いてしまった。当時は背景がほとんどだったんだから、知らない店が多くて当然なのに。
「昔、少しな」
もう少し気をつけないと、いつかボロを出してしまいそうだ。
もっとも、うっかり漏らしたところで、アルゴスと同じ見た目なだけで前世の記憶を持った別人だなんて言っても信じられないだろうが。
そもそもセフィアは本物のアルゴスとは面識がないわけだし。
「えっと、たしかこっちですね。間違ってたらすみません」
「その時はその時で、街をたくさん見られるだけだ。これから住む場所を選ぶのに役立つ」
「ありがとうございます」
さっきから見えるのは宿屋だとか旅装をメインに扱う雑貨屋だとかばかり。この辺りは旅人向けの区画なんだろう。
それなら、元貴族のセフィアが馴染みないのは当然だ。世話になる身でもあるのに、文句なんかあるはずがない。
「あ、あれですね!」
「大きいな」
何度目かの角を曲がった先に見えたのは、白い石材を積み上げて作ったらしい大きな建物だ。派手さは無いが、木造ばかりが並ぶ中にあるせいか一際存在感があるように見える。
建物全体がうっすら魔力を纏っているから、もしかしたら魔道具になっているのかもしれない。
ゲーム時代の防衛イベントでは教会が避難場所になっていたから、たぶん、防護か魔除けあたりの効果があるんだろう。
そっち系の生産職も一応育ててはいたから細かい効果や仕組みも何となくは分かるが、あくまで何となくだ。
魔道具をプレイヤーが使う機会は少なかったしな。技術自体は装備に追加効果を付けるのと一緒ではあるんだが。
ぼんやり観察しながら歩いてたら、いつの間にか目の前まで来ていた。
扉は木製で外開き。これも避難所想定のためか。掘り込まれている模様はユグロトの木で、このレリーフからも魔除けらしき力を感じる。
「この街の教会はいくつあるんだ?」
「えっと、たしか四つです」
「凄いな……」
ハースグロウと道中を見る限り、この世界の文明水準はゲーム時代と同じ近代レベルだ。
もちろんファンタジーの強みで現代を超える部分もあったけど、モンスターがいる以上、物流はどうしても発展しづらい。
そんな中でこのレベルの建築を四つか……。それだけ聖命会がこの場所を重要視してるってことなんだろうな。
たしか、考察勢がこの街の歴史についても記事を書いてた気がする。
そういう歴史なんかのフレーバー要素にも全く興味が無かったわけではないが、アルゴス周りに比べるとやはり優先度が下がる。フレやら他人の配信の誰かやらが話しているのをぼんやり覚えている程度だ。
それも断片的だから、例えば扉を開けてまず正面に見えた壁画がミラディス大迷宮発見時の様子というのは覚えていても、なんであの絵だと湖の周りにもう街があるのかなんてことは記憶の彼方だ。
「綺麗な絵ですね」
「あ、ああ。そうだな」
「中央の、天から降り注ぐ光の中にある銀色の門がミラディス大迷宮の入り口だそうです。実際にあのような光があったのかは分かりませんが、まあ、多少の誇張はあるでしょうね」
見蕩れていたと思われたか。実際綺麗ではあるんだが、ゲーム時代にさんざん見てるからな。当時の教会は街の中央にある一カ所だけだったが、絵は同じ、はずだ。
「住民登録はあちらみたいですね。行きましょう」
セフィアに連れられて長椅子の間を抜け、右奥にある扉を目指す。 どうして分かったのかと思えば、暮らしについてはこちら、と書かれた看板があった。
雰囲気を壊さないようになのか壁の模様に同化していて凄く分かりづらい。距離もあるのに、よく気がついたな。エルフの血なのか、商人の観察眼なのか。
中に入ってみると、急に教会感が薄れて役所のような雰囲気になる。正面のカウンターなんか、まさにそれだ。
いくつかある窓口に立っているのが聖命会の神官たちだから、辛うじて教会の中だということを覚えていられる。彼ら彼女らは大樹を模した紋様の刺繍が入った白いローブを纏っていた。
根っこの先にある丸いのは、なんだったか。
「こんにちは。住民登録をしにきました」
「ようこそいらっしゃいました。何か身分を示せるものはお持ちですか?」
お姉さんの雰囲気からして、もし持っていなかったら色々と手続きが増えるんだろうな。関係の無いことをわざわ聞きはしないが。
「……はい、たしかに」
ハースグロウで貰った住民カードで問題なしと。エルダスがこれを渡してくれなかったら、数倍はめんどうなことになってたんだろう。
本当に、感謝してもしきれない。本物のアルゴスが受け取るはずだった給料までくれるとは思ってなかったし。
「アルゴス様についてはいくつか不足している事項があるので、こちらに記入していただいてもよろしいですか?」
「ああ、はい」
えっと、丸が付けられているのは、年齢だけか。たしかにあのカードには書かれてなかった。規格は統一されてないんだな。
「二十四歳。四つ上……。いけますね!」
セフィアは何がいけるんだろうか? 小声だし、聞かない方が良いやつなんだろうな。
よし、聞こえなかったふりをしておこう。
「それでは登録とカード発行を行いますので、かけてお待ちください」
けっきょく教会に滞在した時間は三十分もなかった。想定していた数倍スムーズだ。
街の規模を考えると、何か専用の魔道具があるんだろう。でないと考えられない早さだと思う。
「それじゃあ次は家探しですね。昨日聞いた話はもう伝えてあるので、すぐに案内してもらえると思いますよ」
「昨日別れた後か……。手際がいいな。助かる」
「えへへ」
セフィアって、かなり優秀な匂いがするな。四つ上と呟いてたから、まだ二十歳か。
俺が二十歳のときは、どうだったかな。まだ大学生だし、もっと生意気で仕事もできなかっただろ。
あまり優秀だと色々と教えたくなってしまうが……、まあ、悪い男に捕まらないようにだけは気にかけよう。元貴族でエルフの血が入った少女が商人をするとなったら、色々と目をつけられそうだしな。
翌朝、部屋で朝食を済ませてから階下へ向かう。ついでに食堂へ食器を返しに寄ってからフロント前に行くと、壁際で綺麗な金髪を弄っているセフィアが見えた。
「おはよう」
「あ、おはようございます!」
なぜだか昨日より張り切ってるように見えるな。一晩寝たらある程度落ち着くと思ったんだが。
「えっと、私の顔、何か変ですか……?」
おっと。ジッと見過ぎたか。
血色を確かめてただけなんだが、下手をすればセクハラだ。
「いや、悪い。ちゃんと寝られたのかと思ってな」
「あ、はい、もうぐっすり! ありがとうございます」
良かった。不快にはなっていないらしい。
「じゃあ行くか。まずは、住民登録だったな」
「はい。教会でする予定です。問題があれば傭兵ギルドでもかまいませんが……」
「いや、教会で大丈夫だ」
大抵はそっちらしいしな。別に傭兵ギルドでも特別目立つわけじゃないが、大して変わらない手間でより目立たない選択肢があるならそっちがいい。
教会への移動は徒歩だ。商品や馬の問題があるからとセフィアは申し訳なさそうにしていたが、貴族でもないのに馬車で移動するのは悪い意味で目立ってしまうし、こちらとしても都合が良い。
それに、これから住む街の散策がてら向かうのも悪くない。
「ずいぶん知らない店が増えたな」
「アルゴスさんも来たことがあるんですね」
思わず呟いてしまった。当時は背景がほとんどだったんだから、知らない店が多くて当然なのに。
「昔、少しな」
もう少し気をつけないと、いつかボロを出してしまいそうだ。
もっとも、うっかり漏らしたところで、アルゴスと同じ見た目なだけで前世の記憶を持った別人だなんて言っても信じられないだろうが。
そもそもセフィアは本物のアルゴスとは面識がないわけだし。
「えっと、たしかこっちですね。間違ってたらすみません」
「その時はその時で、街をたくさん見られるだけだ。これから住む場所を選ぶのに役立つ」
「ありがとうございます」
さっきから見えるのは宿屋だとか旅装をメインに扱う雑貨屋だとかばかり。この辺りは旅人向けの区画なんだろう。
それなら、元貴族のセフィアが馴染みないのは当然だ。世話になる身でもあるのに、文句なんかあるはずがない。
「あ、あれですね!」
「大きいな」
何度目かの角を曲がった先に見えたのは、白い石材を積み上げて作ったらしい大きな建物だ。派手さは無いが、木造ばかりが並ぶ中にあるせいか一際存在感があるように見える。
建物全体がうっすら魔力を纏っているから、もしかしたら魔道具になっているのかもしれない。
ゲーム時代の防衛イベントでは教会が避難場所になっていたから、たぶん、防護か魔除けあたりの効果があるんだろう。
そっち系の生産職も一応育ててはいたから細かい効果や仕組みも何となくは分かるが、あくまで何となくだ。
魔道具をプレイヤーが使う機会は少なかったしな。技術自体は装備に追加効果を付けるのと一緒ではあるんだが。
ぼんやり観察しながら歩いてたら、いつの間にか目の前まで来ていた。
扉は木製で外開き。これも避難所想定のためか。掘り込まれている模様はユグロトの木で、このレリーフからも魔除けらしき力を感じる。
「この街の教会はいくつあるんだ?」
「えっと、たしか四つです」
「凄いな……」
ハースグロウと道中を見る限り、この世界の文明水準はゲーム時代と同じ近代レベルだ。
もちろんファンタジーの強みで現代を超える部分もあったけど、モンスターがいる以上、物流はどうしても発展しづらい。
そんな中でこのレベルの建築を四つか……。それだけ聖命会がこの場所を重要視してるってことなんだろうな。
たしか、考察勢がこの街の歴史についても記事を書いてた気がする。
そういう歴史なんかのフレーバー要素にも全く興味が無かったわけではないが、アルゴス周りに比べるとやはり優先度が下がる。フレやら他人の配信の誰かやらが話しているのをぼんやり覚えている程度だ。
それも断片的だから、例えば扉を開けてまず正面に見えた壁画がミラディス大迷宮発見時の様子というのは覚えていても、なんであの絵だと湖の周りにもう街があるのかなんてことは記憶の彼方だ。
「綺麗な絵ですね」
「あ、ああ。そうだな」
「中央の、天から降り注ぐ光の中にある銀色の門がミラディス大迷宮の入り口だそうです。実際にあのような光があったのかは分かりませんが、まあ、多少の誇張はあるでしょうね」
見蕩れていたと思われたか。実際綺麗ではあるんだが、ゲーム時代にさんざん見てるからな。当時の教会は街の中央にある一カ所だけだったが、絵は同じ、はずだ。
「住民登録はあちらみたいですね。行きましょう」
セフィアに連れられて長椅子の間を抜け、右奥にある扉を目指す。 どうして分かったのかと思えば、暮らしについてはこちら、と書かれた看板があった。
雰囲気を壊さないようになのか壁の模様に同化していて凄く分かりづらい。距離もあるのに、よく気がついたな。エルフの血なのか、商人の観察眼なのか。
中に入ってみると、急に教会感が薄れて役所のような雰囲気になる。正面のカウンターなんか、まさにそれだ。
いくつかある窓口に立っているのが聖命会の神官たちだから、辛うじて教会の中だということを覚えていられる。彼ら彼女らは大樹を模した紋様の刺繍が入った白いローブを纏っていた。
根っこの先にある丸いのは、なんだったか。
「こんにちは。住民登録をしにきました」
「ようこそいらっしゃいました。何か身分を示せるものはお持ちですか?」
お姉さんの雰囲気からして、もし持っていなかったら色々と手続きが増えるんだろうな。関係の無いことをわざわ聞きはしないが。
「……はい、たしかに」
ハースグロウで貰った住民カードで問題なしと。エルダスがこれを渡してくれなかったら、数倍はめんどうなことになってたんだろう。
本当に、感謝してもしきれない。本物のアルゴスが受け取るはずだった給料までくれるとは思ってなかったし。
「アルゴス様についてはいくつか不足している事項があるので、こちらに記入していただいてもよろしいですか?」
「ああ、はい」
えっと、丸が付けられているのは、年齢だけか。たしかにあのカードには書かれてなかった。規格は統一されてないんだな。
「二十四歳。四つ上……。いけますね!」
セフィアは何がいけるんだろうか? 小声だし、聞かない方が良いやつなんだろうな。
よし、聞こえなかったふりをしておこう。
「それでは登録とカード発行を行いますので、かけてお待ちください」
けっきょく教会に滞在した時間は三十分もなかった。想定していた数倍スムーズだ。
街の規模を考えると、何か専用の魔道具があるんだろう。でないと考えられない早さだと思う。
「それじゃあ次は家探しですね。昨日聞いた話はもう伝えてあるので、すぐに案内してもらえると思いますよ」
「昨日別れた後か……。手際がいいな。助かる」
「えへへ」
セフィアって、かなり優秀な匂いがするな。四つ上と呟いてたから、まだ二十歳か。
俺が二十歳のときは、どうだったかな。まだ大学生だし、もっと生意気で仕事もできなかっただろ。
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