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第2章 千の時を共に
第7話 白い狼
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2-7
日の光もとどかない、腐臭を漂わせるスラムの奥地。
彼女は入り組んだ路地の片隅で、膝を抱えて座り込んでいました。
あの洞窟で見た時よりさらに黒くなった少女の体に傷は見られません。
私は安堵しつつ話しかけます。
「あなた、そんなに死にたいの?」
「うん。死にたい。そしたら、みんな幸せ。私も、幸せ」
「どうして?」
「私は、忌子だから」
「それは前にも聞いたわ。どうして忌子なの?」
「……私は黒狼の民に生まれた。神狼様を祀り、お護りする一族」
「黒狼? あなたの毛、白いじゃない」
「……そう。白い毛は、忌子の証。長も、母様もいってた」
いつしか雨が降ってきていました。
私は少女に〈鑑定眼〉を向けます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈ステータス〉
名前:no_name/F
種族:狼人族(黒狼種)
年齢:12歳
スキル:
《身体スキル》
嗅覚強化lv2 聴力強化lv2 連携lv3 隠密lv1 身体強化“気”lv1 体術lv2
《魔法スキル》
結界魔法lv2
称号:神狼の加護 護り手
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「今、あなたを〈鑑定〉したわ。【忌子】なんてどこにも無いわよ」
「嘘!」
「本当よ」
「じゃあ何で長は、母様は私を捨てたの! どうして、名前をくれなかったの……」
雨はさらに強くなり、尻すぼみに叫ぶ少女の顔を濡らします。
「……里のみんなが私を憎んでいたの。でも、母様は私を愛してくれた。長も、裏でこっそり、色々くれた」
「そう」
「成人まで里で暮らせたのも、母様が里のみんなに頼み込んでくれたから。私、知ってた」
戦闘民族である獣人は、全種族中割合的に最も長い最盛期をもちます。早く成長して、死ぬ間際まで老いません。その事を思い出しつつ、私は、ただ少女の独白を聞きます。
「…………」
「人前では私を無視する長も、誰もいなくなったら、苦しそうにしてた」
「…………」
「私が生きてると、みんな苦しくなる」
「…………」
「だから、私は死んだ方がいいの」
吐き捨てるように、幼い少女はいいます。
「……ねえ」
「……」
「名前をあげる」
その狼の耳をピクリとさせますが、少女は何もいいません。
「……」
「知っていますか? 捨て子は、捨て子を拾った者に権利が発生します。例え忌子でもそうです。つまり、今その権利は私のものです。家族となって、一緒に、幸せになる権利は」
「っ!?」
初めて会ったあの時の言葉をなぞるように告げた私に、少女はその目を見開き、耳を立てます。その意味を、脳に直接刻み込む様に。
「家族としておねがいよ。一緒に幸せになりなさい、ブラン!」
「ブラ、ン。私の、名前……?」
「ええ、あなたは今日から私の家族、妹よ!」
「……なれる、の?」
「ええ、もちろん!」
「いいの? ……幸せになっても、いいの?」
「当たり前じゃ無い! 幸せになりなさい、いえ、私が幸せにしてあげる! だから、あなたも私を幸せにしなさい!」
絞り出す様な声に、その殻を砕くよう、力強く返事をします。
「うわぁぁぁん! 死にたくないよぉ! 怖かったよぉ!」
「そう、泣きなさい。辛かった泣けばいいの。家族が、助けてあげるから」
かつて私の家族が、私にしてくれたように。
赤子のように泣きじゃくり、抱きついてきた新しい妹《ブラン》を、私はそっと抱きしめます。
気がつけば雨は上がり、透き通るような青空と陽の光が雲間からのぞいていました。
◆◇◆
「さて、せっかく家族になったんだから、ファミリーネームをつけましょう!」
泣き止んだブランをつれ、スラムをさっさと後にした私は、そんな提案をします。
自己紹介はとっくに済ませています。
「ファミリーネーム?」
「ええ。家族である事を示す名前よ」
「ファミリーネーム……」
雨ですっかり汚れが落ちた白い狼少女は、口元をニヨニヨさせながら呟きます。
「つけたい! 姉様!」
「っ!!」
危ない、満面の笑みにクラっと来てしまいました。え、どこが満面か? 何言ってるんですか?
そんなことより鼻血とか出てませんよね? うん、出てません。
この子を絶対に泣かせませんよ! もう二度と! こんな可愛い妹を泣かせるやつは許しません!
繋いでいた右手をひき、ブランを引き寄せます。
彼女を抱きしめつつ、左拳を握り決意を新たにする私です。
「??? 姉様?」
キョトンとしたブランの声で我に帰ります。
「いえ、何でもないわ。それより、どんなのにしようかしら?」
「姉様と一緒ならなんでも嬉しい」
ぐはぁっ! なんというボディブロウ…! 世界を狙えますよ、これは…!!
……そろそろ真面目に考えましょうか。
私とブランの共通点から探しましょう。
じっとブランを観察していると、照れて俯くブラン。ダメです、可愛すぎます。ヤバイです。姉様、更に深みに落ちそうです……!
……話が進まなくなりますね。
鋼鉄の意思を持って、ブランから目を背けます。
うーん、髪の色はどちらも白っぽいですね。でも白系統だとブランの名前と被ってしまいます。
家族の繋がりですから、目に見えないものの方がいいですかね?
ブランの魔力は『黒狼の民』だからなのか、黒なんですよね。白と黒のコントラストが素晴らしいです!
おっとまた脱線。
とすると、残るは〈ステータス〉関係になりますが……。
「そうね、“グラシア”はどうかしら? 遠い異国の言葉で、神様から貰える“加護”って意味なの」
「“グラシア”、“加護”……。うん! それがいい!」
花の咲くような笑みで肯定してくれました。この笑顔こそ、【副王の加護】よりも私に力を与えてくれる“加護”となるでしょう。誰が何と言おうと。
「気に入ってくれてよかったわ」
「それで、今どこに向かってる?」
「今向かってるのは『星の波止場亭』って私が泊まってる宿よ。雨でビショビショになっちゃったから、すぐお風呂に入りましょう」
「お風呂?」
「ええ、気持ちがいいわよ?」
魔法で乾かしたとはいえ、体は冷えてますからね。ブランはお風呂を知らないようですが、きっと気にいるでしょう。
◆◇◆
「もうお風呂? ああさっき雨が降ってたね。服は魔法でかい?」
「ええ。私は種族的にそんなに心配は無いんですが、この子はそうもいきませんので」
「ん? あら可愛い子じゃ無いか。どうしたんだい?」
ブランは私の後ろに隠れてチラチラとレイラさんを伺っています。
ブランの身長は150台半ばといったところ。まだ成長するでしょうが獣人の中では、いえ、この世界だと『人族』から見ても小柄な部類です。170㎝近くある私の後ろには簡単に収まります。
「ブラン、怖がらなくて大丈夫よ。レイラさんは優しいから」
「ああ、お嬢ちゃんみたいに可愛い子なら何でも言ってくれて構わないよ。あっちのムサイのはお断りだけどね。あははは!」
「えー」
「ひっでぇなあレイラちゃん!」
「五月蝿いよ、あんた達! 当たり前じゃないか!」
『ワハハハハ!』
なにやら外野が騒いでます。今は夕食にははやい時間ですが、依頼から帰ってきた冒険者達が既に酒盛りを始めています。楽しそうですね。
「ほら、お風呂準備しとくから部屋で休んでな。お嬢ちゃんも、その可愛い服は洗っといてあげるから着替えたら持ってきな」
「うん」
服を褒められてもうニッコニコしてます。
そこまで気に入って貰えたのなら嬉しい話です。私が即席で作った服でしたので。
実はこの服、魔法で作ったんですよ。
以前考えていたことを実践してみたわけです。失敗したなら途中で買えばいい話でしたし。
どうやったかという話をするなら、まずこの世界の物質について説明せねばなりません。
この世界の物質を構成する要素は、基本的に地球のある世界と変わりません。原子や分子の集合体です。
そこに魔素が加わったり、魔力が結合エネルギー(分子や原子が結びつく、または引き離されるのに必要なエネルギー)として存在するのがこの世界の物質になります。
魔素は分解される時に魔力を発生する、謂わば魔力の元である素粒子の類になるのですが、魔素同士は結合力が弱く、拡散しやすいです。エネルギーである魔力がすぐに拡散するのも同様です。
これが原因で魔法で生み出したものはすぐに霧散してしまいます。魔法とは、“属性の本質たる力”を利用して、魔力を結合エネルギーに使い魔素を結びつけ性質変化させたものですから。まあ細かい話はまたの機会に。
ならば、その魔素が霧散しないようにすれば魔法で生み出したもの(魔力体と呼ばれます)もその形を止める事が出来るのではないか、と私は考えました。
これは、以前紹介した魔石を分析した結果です。魔石は魔素を主成分とした結晶体ですからね。
“属性の本質たる力”を使うのは変わりません。今回は土属性の本質である[物質操作]ですね。ちなみにこれ、エネルギーは一定です。そこら辺は“そういうもの”と思うしかありませんね。
普通にスキルを使うよりは『世界』のシステムサポートはかなり少ないですが、ないわけではありません。それに今の私には〈演算領域拡張〉と〈高速演算〉があります。
原素の指定だけしてイメージをかため、あとは『世界』のシステムであるスキルにお任せです!
ああ、こっちに来たのが受験の時期でよかった。向こうでの記憶は魂に直接刻まれているので忘れません。
今回でスキルが生えたので次回からは完成品のイメージだけでいいんですけどね。
なお、これらの知識は鑑定結果を鑑定しまくる事で得ました。その過程で“マジックアイテム”とは何なのかも分かりましたし作り方も知りました。というかブランの服がもうそれですね。その辺もまた追々。
とりあえず今は部屋で休みましょう。
日の光もとどかない、腐臭を漂わせるスラムの奥地。
彼女は入り組んだ路地の片隅で、膝を抱えて座り込んでいました。
あの洞窟で見た時よりさらに黒くなった少女の体に傷は見られません。
私は安堵しつつ話しかけます。
「あなた、そんなに死にたいの?」
「うん。死にたい。そしたら、みんな幸せ。私も、幸せ」
「どうして?」
「私は、忌子だから」
「それは前にも聞いたわ。どうして忌子なの?」
「……私は黒狼の民に生まれた。神狼様を祀り、お護りする一族」
「黒狼? あなたの毛、白いじゃない」
「……そう。白い毛は、忌子の証。長も、母様もいってた」
いつしか雨が降ってきていました。
私は少女に〈鑑定眼〉を向けます。
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〈ステータス〉
名前:no_name/F
種族:狼人族(黒狼種)
年齢:12歳
スキル:
《身体スキル》
嗅覚強化lv2 聴力強化lv2 連携lv3 隠密lv1 身体強化“気”lv1 体術lv2
《魔法スキル》
結界魔法lv2
称号:神狼の加護 護り手
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「今、あなたを〈鑑定〉したわ。【忌子】なんてどこにも無いわよ」
「嘘!」
「本当よ」
「じゃあ何で長は、母様は私を捨てたの! どうして、名前をくれなかったの……」
雨はさらに強くなり、尻すぼみに叫ぶ少女の顔を濡らします。
「……里のみんなが私を憎んでいたの。でも、母様は私を愛してくれた。長も、裏でこっそり、色々くれた」
「そう」
「成人まで里で暮らせたのも、母様が里のみんなに頼み込んでくれたから。私、知ってた」
戦闘民族である獣人は、全種族中割合的に最も長い最盛期をもちます。早く成長して、死ぬ間際まで老いません。その事を思い出しつつ、私は、ただ少女の独白を聞きます。
「…………」
「人前では私を無視する長も、誰もいなくなったら、苦しそうにしてた」
「…………」
「私が生きてると、みんな苦しくなる」
「…………」
「だから、私は死んだ方がいいの」
吐き捨てるように、幼い少女はいいます。
「……ねえ」
「……」
「名前をあげる」
その狼の耳をピクリとさせますが、少女は何もいいません。
「……」
「知っていますか? 捨て子は、捨て子を拾った者に権利が発生します。例え忌子でもそうです。つまり、今その権利は私のものです。家族となって、一緒に、幸せになる権利は」
「っ!?」
初めて会ったあの時の言葉をなぞるように告げた私に、少女はその目を見開き、耳を立てます。その意味を、脳に直接刻み込む様に。
「家族としておねがいよ。一緒に幸せになりなさい、ブラン!」
「ブラ、ン。私の、名前……?」
「ええ、あなたは今日から私の家族、妹よ!」
「……なれる、の?」
「ええ、もちろん!」
「いいの? ……幸せになっても、いいの?」
「当たり前じゃ無い! 幸せになりなさい、いえ、私が幸せにしてあげる! だから、あなたも私を幸せにしなさい!」
絞り出す様な声に、その殻を砕くよう、力強く返事をします。
「うわぁぁぁん! 死にたくないよぉ! 怖かったよぉ!」
「そう、泣きなさい。辛かった泣けばいいの。家族が、助けてあげるから」
かつて私の家族が、私にしてくれたように。
赤子のように泣きじゃくり、抱きついてきた新しい妹《ブラン》を、私はそっと抱きしめます。
気がつけば雨は上がり、透き通るような青空と陽の光が雲間からのぞいていました。
◆◇◆
「さて、せっかく家族になったんだから、ファミリーネームをつけましょう!」
泣き止んだブランをつれ、スラムをさっさと後にした私は、そんな提案をします。
自己紹介はとっくに済ませています。
「ファミリーネーム?」
「ええ。家族である事を示す名前よ」
「ファミリーネーム……」
雨ですっかり汚れが落ちた白い狼少女は、口元をニヨニヨさせながら呟きます。
「つけたい! 姉様!」
「っ!!」
危ない、満面の笑みにクラっと来てしまいました。え、どこが満面か? 何言ってるんですか?
そんなことより鼻血とか出てませんよね? うん、出てません。
この子を絶対に泣かせませんよ! もう二度と! こんな可愛い妹を泣かせるやつは許しません!
繋いでいた右手をひき、ブランを引き寄せます。
彼女を抱きしめつつ、左拳を握り決意を新たにする私です。
「??? 姉様?」
キョトンとしたブランの声で我に帰ります。
「いえ、何でもないわ。それより、どんなのにしようかしら?」
「姉様と一緒ならなんでも嬉しい」
ぐはぁっ! なんというボディブロウ…! 世界を狙えますよ、これは…!!
……そろそろ真面目に考えましょうか。
私とブランの共通点から探しましょう。
じっとブランを観察していると、照れて俯くブラン。ダメです、可愛すぎます。ヤバイです。姉様、更に深みに落ちそうです……!
……話が進まなくなりますね。
鋼鉄の意思を持って、ブランから目を背けます。
うーん、髪の色はどちらも白っぽいですね。でも白系統だとブランの名前と被ってしまいます。
家族の繋がりですから、目に見えないものの方がいいですかね?
ブランの魔力は『黒狼の民』だからなのか、黒なんですよね。白と黒のコントラストが素晴らしいです!
おっとまた脱線。
とすると、残るは〈ステータス〉関係になりますが……。
「そうね、“グラシア”はどうかしら? 遠い異国の言葉で、神様から貰える“加護”って意味なの」
「“グラシア”、“加護”……。うん! それがいい!」
花の咲くような笑みで肯定してくれました。この笑顔こそ、【副王の加護】よりも私に力を与えてくれる“加護”となるでしょう。誰が何と言おうと。
「気に入ってくれてよかったわ」
「それで、今どこに向かってる?」
「今向かってるのは『星の波止場亭』って私が泊まってる宿よ。雨でビショビショになっちゃったから、すぐお風呂に入りましょう」
「お風呂?」
「ええ、気持ちがいいわよ?」
魔法で乾かしたとはいえ、体は冷えてますからね。ブランはお風呂を知らないようですが、きっと気にいるでしょう。
◆◇◆
「もうお風呂? ああさっき雨が降ってたね。服は魔法でかい?」
「ええ。私は種族的にそんなに心配は無いんですが、この子はそうもいきませんので」
「ん? あら可愛い子じゃ無いか。どうしたんだい?」
ブランは私の後ろに隠れてチラチラとレイラさんを伺っています。
ブランの身長は150台半ばといったところ。まだ成長するでしょうが獣人の中では、いえ、この世界だと『人族』から見ても小柄な部類です。170㎝近くある私の後ろには簡単に収まります。
「ブラン、怖がらなくて大丈夫よ。レイラさんは優しいから」
「ああ、お嬢ちゃんみたいに可愛い子なら何でも言ってくれて構わないよ。あっちのムサイのはお断りだけどね。あははは!」
「えー」
「ひっでぇなあレイラちゃん!」
「五月蝿いよ、あんた達! 当たり前じゃないか!」
『ワハハハハ!』
なにやら外野が騒いでます。今は夕食にははやい時間ですが、依頼から帰ってきた冒険者達が既に酒盛りを始めています。楽しそうですね。
「ほら、お風呂準備しとくから部屋で休んでな。お嬢ちゃんも、その可愛い服は洗っといてあげるから着替えたら持ってきな」
「うん」
服を褒められてもうニッコニコしてます。
そこまで気に入って貰えたのなら嬉しい話です。私が即席で作った服でしたので。
実はこの服、魔法で作ったんですよ。
以前考えていたことを実践してみたわけです。失敗したなら途中で買えばいい話でしたし。
どうやったかという話をするなら、まずこの世界の物質について説明せねばなりません。
この世界の物質を構成する要素は、基本的に地球のある世界と変わりません。原子や分子の集合体です。
そこに魔素が加わったり、魔力が結合エネルギー(分子や原子が結びつく、または引き離されるのに必要なエネルギー)として存在するのがこの世界の物質になります。
魔素は分解される時に魔力を発生する、謂わば魔力の元である素粒子の類になるのですが、魔素同士は結合力が弱く、拡散しやすいです。エネルギーである魔力がすぐに拡散するのも同様です。
これが原因で魔法で生み出したものはすぐに霧散してしまいます。魔法とは、“属性の本質たる力”を利用して、魔力を結合エネルギーに使い魔素を結びつけ性質変化させたものですから。まあ細かい話はまたの機会に。
ならば、その魔素が霧散しないようにすれば魔法で生み出したもの(魔力体と呼ばれます)もその形を止める事が出来るのではないか、と私は考えました。
これは、以前紹介した魔石を分析した結果です。魔石は魔素を主成分とした結晶体ですからね。
“属性の本質たる力”を使うのは変わりません。今回は土属性の本質である[物質操作]ですね。ちなみにこれ、エネルギーは一定です。そこら辺は“そういうもの”と思うしかありませんね。
普通にスキルを使うよりは『世界』のシステムサポートはかなり少ないですが、ないわけではありません。それに今の私には〈演算領域拡張〉と〈高速演算〉があります。
原素の指定だけしてイメージをかため、あとは『世界』のシステムであるスキルにお任せです!
ああ、こっちに来たのが受験の時期でよかった。向こうでの記憶は魂に直接刻まれているので忘れません。
今回でスキルが生えたので次回からは完成品のイメージだけでいいんですけどね。
なお、これらの知識は鑑定結果を鑑定しまくる事で得ました。その過程で“マジックアイテム”とは何なのかも分かりましたし作り方も知りました。というかブランの服がもうそれですね。その辺もまた追々。
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