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第3章 二つの輝き
第26話 監獄に封ぜられしモノ
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3-26
ダンジョンとは、かのミノタウルスの迷宮ラビリンスがそうであったように、本来監獄を表します。
そしてそれは、この『アーカウラ』と呼ばれた世界に於いても何の偽りもない事実でした。
◆◇◆
「勝った……」
もう、今手に持つ愛剣の支えが無ければ、身体を起こすことすらできそうにないです。
それでも、休んでいるわけには行きません。
何も起こる気配が無いのは残念ですが、スキルレベルは格段に上がっています。
正直、コレでも不安は残りますが、どうにかしてみせます!
まずはココをでましょう。
スキルのおかげで多少魔力は戻ってき――。
(ズンッ――)
ああ、この、世界が軋む音を幻聴するほどの圧倒的なまでの気配。
このような気配の持ち主など、私は一人しか知りません。
回復した魔力で体を強引に動かしてその気配の源泉へ歩み寄り、拳を振り上げます。
でも、バチバチと音を立てながら結界に阻まれ、私の拳は焼け焦げてしまいました。
「ご挨拶ですね」
それはそうでしょう。
「なんで……なんで妹が聖国に召喚されてるのかしら? 管理者……!」
「……ああ、なるほど。残念ながら、答えかねます。あの国は別の者の管轄ですので」
「……あなたは、関わってないってことでいいの? そしてそれを信じろと?」
「ええ。少なくとも、妹さんが召喚されてしまったことに関しては」
さっき殴っておいて良かった。
まだ少しは冷静で入られます。
「……わかった。信じるわ」
「それはよかったです」
「それで、なんでこちらに出てきたの? 管理者さん」
「報酬を直接私から渡そうと思いまして」
「報酬?」
「ええ。真にこの迷宮を攻略なされた報酬です」
そう言って、管理者さんが指を鳴らすと突然さらに下への螺旋階段が現れました。
「本当は“守護者”を倒した時点で現れるんですが、私が介入して出てこないようにしてました」
そんな事を言われて、思わずため息を漏らしてしまった私は悪くないと思います。
「では、行きましょう」
それなりの深さのあるソレを、ゆっくり降りていきます。
ですから、なんとか普通に歩いてついていけました。
「もう間もなくですよ」
そう聞かされて数分も経たないうちに、ソレが姿を現します。
「アレは……本? でも、なんて圧力……。それに……」
「酷く禍々しい、ですか?」
「……ええ」
こんな迷宮に封じられているのです。
よほどのモノだとは思っていましたが……。
「アレは、『死者の書』。その原書です」
「嘘でしょ……。アレが、そうなの?」
「おや、知ってましたか」
驚きの余り、そして好奇心で、管理者さんより一歩、前へ進みます。
すると、本を封じていた鎖が解け、ソレは私の前へゆっくりと飛んできました。
恐る恐る、手に取ります。
チリンッ
【条件を達成しました。
〈死霊魔導〉を強制進化します。
成功しました。
〈死者の書〉を取得しました。
『アウタースキル』を取得したため、権限レベルが上がります。 】
その声とともに、私に流れ込んでくる圧倒的なまでの力。そして知識。
チリンッ
【〈演算領域拡張〉がレベルMaxになりました。
〈魂魄領域拡張〉へと進化します。
成功しました。
〈魂魄領域拡張〉を取得しました。
【強き魂】により、〈魂魄領域拡張〉がレベル5になりました。
条件を達成しました。
〈魔力操作〉と〈気力操作〉を統合進化します。
成功しました。
〈千古の魔導〉を取得しました。
<魔力察知><気配察知><身体強化“魔”><身体強化“気”>が〈千古の魔導〉に統合吸収されました。
条件を満たしたため、秘匿情報が公開されました。
以降、特定の探知魔法からの隠蔽は行われません。 】
凄まじい情報量に押し潰されそうになりましたが、〈演算領域拡張〉が進化して魂での思考が可能になったのでなんとかなりました。
それに、これなら……。
「ありがとう。それじゃあ」
「そう焦らないでください」
「でも――「焦らなくても、ちゃんと元に戻せますよ」
「……本当?」
「ええ。どうすべきかは言えませんが、あなたのお友達が今頃手がかりを見つけてくれてます。ですから話くらい聞きましょうか。手短に終わらせますので」
「……わかったわ」
「さて、話と言いましたが、正確には一つお願いがあります。神聖王国と事を構えるなら、ついでに破壊してもらいたいものがあるんです」
あの国は一体何を……?
「彼の国が、儀式魔法により〈神聖魔法〉を『人族』以外使えなくしていることは知っていますね」
「ああ、それね。もちろん知ってるわ」
え、初耳?
では今知らせました。
「その魔法の核を破壊していただきたいのです。アレにあまり力を付けられるのもよくありませんが、私自身が直接干渉することはできないので」
「……わかったわ」
「それはよかった。破壊のための術式です」
その言葉と共に、私の頭の中に一つの魔法が送り込まれます。
「……〈千古の魔導〉になってなかったら辛かったわね」
「それが無くても、【勇者】である妹さんと白狼の少女の魔力で足りたでしょう。この報酬は……なにか願いは?」
「今のところ、管理者さんに頼らないといけないことはなさそうね。紗は私自身の手で取り戻したいから」
こればかりは、情報集めとかならともかく、人に頼りたくないんです。
「わかりました。では次の機会で。迷宮の外へ転移させますが、いいですね?」
「ええ」
その返事と同時に光で視界を失い、気がつけば、私はいつもの『帰還用転移魔法陣』の部屋にいました。
◆◇◆
「あ、姉様……!」
「ただ今、ブラン」
宿に戻ると、ブランが飛びついてきました。
心配を掛けましたが、今はまだ落ち着けません。
ダンジョンには、ちょうど一週間潜っていたらしいですから。
「ローズの所へ行くわよ」
先日あの男――そういえば名前を知りませんね――案内された隠し通路を通り、ローズの元へ向かいます。
死にかかって多少冷静にはなりました。
でも、これ以上は待てそうにないんです。
「来たわね。順に説明するわ。まず、ひと月ほど前に法王が『勇者召喚』を行ったっていう噂が流れたらしいの。もしかしたら、この間に伝えた黒髪の女っていうのが【勇者】かもしれないわ」
ひと月前、ですか。
やはり迷宮へ挑んでよかった。
「間違いないわ。その子は【勇者】で異世界からの【召喚者】よ」
「……やっぱり会ったのね。そんなに焦ってるところを見ると、知り合いだったの?」
「……実の妹よ」
「……。じゃあ、戦わなくてもいいんじゃ……あぁ。そこで“神話級の隷属魔道具”がでてくるのね」
「どうやったのか、知らないけれどね」
ああ、ダメ。
また怒りが……魔力の高まりを抑えられない。
「くっ……。続、けるわ。【勇者】の噂と、同時期に、流れた噂がある、の。【魔王】が復活する、とか」
チリンっ
【称号【魔王】を獲得しました。】
「【魔王】、ね。それで?」
「さあ? そこまでは、分から、なかった、わ。聞いたことないし。 ただ、あの三人はどうも、【魔王】関係のようなのよね。
騎士の一人は聖騎士――教会騎士の中の近衛的存在――の、中隊長。もう一人の、優男も、聖騎士だけど、階級はそんなに、高くない、みたい。まあその【魔王】、も、私は『人族』以外を攻める、ための、口実なんじゃないかって、思って、るんだけど」
「根拠、は色々あるでしょうけど、決定的な何かでも見つかったの?」
「……ええ。あちらさん、こちらへ進軍するつもり、みたい」
……これは、チャンスですね。
「いつ?」
「一ヶ、月後、に進、軍開始する、ようだから、リベ、ル、ティアと、戦端が、開かれる、のは、二ヶ月後って、とこね。 アルジェなら、なんとか、なるでしょ?」
だからそんなに焦るな、ですか。
「魔道具の方は?」
「ハァ……。……残念、ながら、私が、調べられ、る範囲では、何も」
「……そう」
「ただ、お父様が、以前エルフ、の女、王が、そんな感じの、ものの事を、話してたって言うから、一度、『セフィロティア』、にいって、みるのはどう、かしら? エルフの国、でとっても、安らぐところだから、そのボロボロ、の、体を癒す、にも、ちょうど、いいと思う、わよ?」
「……気づいてたのね」
「これ、でも諜、報の長、よ? くぅ……! それに、私は、『闇妖精』だか、ら」
性質の近い『吸血族』の事は尚更よくわかりますか。
「でもごめんなさい。そういう訳には行かないわ。立ち止まれないもの」
「……そう。残念、ね」
何、がza――ア ?
「はぁ。やっと収まった。普段のあなたなら、かかることは無かったでしょうね」
ダンジョンとは、かのミノタウルスの迷宮ラビリンスがそうであったように、本来監獄を表します。
そしてそれは、この『アーカウラ』と呼ばれた世界に於いても何の偽りもない事実でした。
◆◇◆
「勝った……」
もう、今手に持つ愛剣の支えが無ければ、身体を起こすことすらできそうにないです。
それでも、休んでいるわけには行きません。
何も起こる気配が無いのは残念ですが、スキルレベルは格段に上がっています。
正直、コレでも不安は残りますが、どうにかしてみせます!
まずはココをでましょう。
スキルのおかげで多少魔力は戻ってき――。
(ズンッ――)
ああ、この、世界が軋む音を幻聴するほどの圧倒的なまでの気配。
このような気配の持ち主など、私は一人しか知りません。
回復した魔力で体を強引に動かしてその気配の源泉へ歩み寄り、拳を振り上げます。
でも、バチバチと音を立てながら結界に阻まれ、私の拳は焼け焦げてしまいました。
「ご挨拶ですね」
それはそうでしょう。
「なんで……なんで妹が聖国に召喚されてるのかしら? 管理者……!」
「……ああ、なるほど。残念ながら、答えかねます。あの国は別の者の管轄ですので」
「……あなたは、関わってないってことでいいの? そしてそれを信じろと?」
「ええ。少なくとも、妹さんが召喚されてしまったことに関しては」
さっき殴っておいて良かった。
まだ少しは冷静で入られます。
「……わかった。信じるわ」
「それはよかったです」
「それで、なんでこちらに出てきたの? 管理者さん」
「報酬を直接私から渡そうと思いまして」
「報酬?」
「ええ。真にこの迷宮を攻略なされた報酬です」
そう言って、管理者さんが指を鳴らすと突然さらに下への螺旋階段が現れました。
「本当は“守護者”を倒した時点で現れるんですが、私が介入して出てこないようにしてました」
そんな事を言われて、思わずため息を漏らしてしまった私は悪くないと思います。
「では、行きましょう」
それなりの深さのあるソレを、ゆっくり降りていきます。
ですから、なんとか普通に歩いてついていけました。
「もう間もなくですよ」
そう聞かされて数分も経たないうちに、ソレが姿を現します。
「アレは……本? でも、なんて圧力……。それに……」
「酷く禍々しい、ですか?」
「……ええ」
こんな迷宮に封じられているのです。
よほどのモノだとは思っていましたが……。
「アレは、『死者の書』。その原書です」
「嘘でしょ……。アレが、そうなの?」
「おや、知ってましたか」
驚きの余り、そして好奇心で、管理者さんより一歩、前へ進みます。
すると、本を封じていた鎖が解け、ソレは私の前へゆっくりと飛んできました。
恐る恐る、手に取ります。
チリンッ
【条件を達成しました。
〈死霊魔導〉を強制進化します。
成功しました。
〈死者の書〉を取得しました。
『アウタースキル』を取得したため、権限レベルが上がります。 】
その声とともに、私に流れ込んでくる圧倒的なまでの力。そして知識。
チリンッ
【〈演算領域拡張〉がレベルMaxになりました。
〈魂魄領域拡張〉へと進化します。
成功しました。
〈魂魄領域拡張〉を取得しました。
【強き魂】により、〈魂魄領域拡張〉がレベル5になりました。
条件を達成しました。
〈魔力操作〉と〈気力操作〉を統合進化します。
成功しました。
〈千古の魔導〉を取得しました。
<魔力察知><気配察知><身体強化“魔”><身体強化“気”>が〈千古の魔導〉に統合吸収されました。
条件を満たしたため、秘匿情報が公開されました。
以降、特定の探知魔法からの隠蔽は行われません。 】
凄まじい情報量に押し潰されそうになりましたが、〈演算領域拡張〉が進化して魂での思考が可能になったのでなんとかなりました。
それに、これなら……。
「ありがとう。それじゃあ」
「そう焦らないでください」
「でも――「焦らなくても、ちゃんと元に戻せますよ」
「……本当?」
「ええ。どうすべきかは言えませんが、あなたのお友達が今頃手がかりを見つけてくれてます。ですから話くらい聞きましょうか。手短に終わらせますので」
「……わかったわ」
「さて、話と言いましたが、正確には一つお願いがあります。神聖王国と事を構えるなら、ついでに破壊してもらいたいものがあるんです」
あの国は一体何を……?
「彼の国が、儀式魔法により〈神聖魔法〉を『人族』以外使えなくしていることは知っていますね」
「ああ、それね。もちろん知ってるわ」
え、初耳?
では今知らせました。
「その魔法の核を破壊していただきたいのです。アレにあまり力を付けられるのもよくありませんが、私自身が直接干渉することはできないので」
「……わかったわ」
「それはよかった。破壊のための術式です」
その言葉と共に、私の頭の中に一つの魔法が送り込まれます。
「……〈千古の魔導〉になってなかったら辛かったわね」
「それが無くても、【勇者】である妹さんと白狼の少女の魔力で足りたでしょう。この報酬は……なにか願いは?」
「今のところ、管理者さんに頼らないといけないことはなさそうね。紗は私自身の手で取り戻したいから」
こればかりは、情報集めとかならともかく、人に頼りたくないんです。
「わかりました。では次の機会で。迷宮の外へ転移させますが、いいですね?」
「ええ」
その返事と同時に光で視界を失い、気がつけば、私はいつもの『帰還用転移魔法陣』の部屋にいました。
◆◇◆
「あ、姉様……!」
「ただ今、ブラン」
宿に戻ると、ブランが飛びついてきました。
心配を掛けましたが、今はまだ落ち着けません。
ダンジョンには、ちょうど一週間潜っていたらしいですから。
「ローズの所へ行くわよ」
先日あの男――そういえば名前を知りませんね――案内された隠し通路を通り、ローズの元へ向かいます。
死にかかって多少冷静にはなりました。
でも、これ以上は待てそうにないんです。
「来たわね。順に説明するわ。まず、ひと月ほど前に法王が『勇者召喚』を行ったっていう噂が流れたらしいの。もしかしたら、この間に伝えた黒髪の女っていうのが【勇者】かもしれないわ」
ひと月前、ですか。
やはり迷宮へ挑んでよかった。
「間違いないわ。その子は【勇者】で異世界からの【召喚者】よ」
「……やっぱり会ったのね。そんなに焦ってるところを見ると、知り合いだったの?」
「……実の妹よ」
「……。じゃあ、戦わなくてもいいんじゃ……あぁ。そこで“神話級の隷属魔道具”がでてくるのね」
「どうやったのか、知らないけれどね」
ああ、ダメ。
また怒りが……魔力の高まりを抑えられない。
「くっ……。続、けるわ。【勇者】の噂と、同時期に、流れた噂がある、の。【魔王】が復活する、とか」
チリンっ
【称号【魔王】を獲得しました。】
「【魔王】、ね。それで?」
「さあ? そこまでは、分から、なかった、わ。聞いたことないし。 ただ、あの三人はどうも、【魔王】関係のようなのよね。
騎士の一人は聖騎士――教会騎士の中の近衛的存在――の、中隊長。もう一人の、優男も、聖騎士だけど、階級はそんなに、高くない、みたい。まあその【魔王】、も、私は『人族』以外を攻める、ための、口実なんじゃないかって、思って、るんだけど」
「根拠、は色々あるでしょうけど、決定的な何かでも見つかったの?」
「……ええ。あちらさん、こちらへ進軍するつもり、みたい」
……これは、チャンスですね。
「いつ?」
「一ヶ、月後、に進、軍開始する、ようだから、リベ、ル、ティアと、戦端が、開かれる、のは、二ヶ月後って、とこね。 アルジェなら、なんとか、なるでしょ?」
だからそんなに焦るな、ですか。
「魔道具の方は?」
「ハァ……。……残念、ながら、私が、調べられ、る範囲では、何も」
「……そう」
「ただ、お父様が、以前エルフ、の女、王が、そんな感じの、ものの事を、話してたって言うから、一度、『セフィロティア』、にいって、みるのはどう、かしら? エルフの国、でとっても、安らぐところだから、そのボロボロ、の、体を癒す、にも、ちょうど、いいと思う、わよ?」
「……気づいてたのね」
「これ、でも諜、報の長、よ? くぅ……! それに、私は、『闇妖精』だか、ら」
性質の近い『吸血族』の事は尚更よくわかりますか。
「でもごめんなさい。そういう訳には行かないわ。立ち止まれないもの」
「……そう。残念、ね」
何、がza――ア ?
「はぁ。やっと収まった。普段のあなたなら、かかることは無かったでしょうね」
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