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第29話 見る目のある貴族がいたらしいんだがぁ?
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㉙
村の中は、とくに変わった様子はないねぇ。お祭りとかではなさそうだ。
いつも通りの人はいつも通りだし、子供を中心に何か騒いでるって感じかなぁ?
「なんだろうねぇ? とりあえず、リリアの家に行こうか」
「にゃ」
「んにゃ」
しかしいい風だねぇ。いくらか前に防壁に空気の循環を促す付与をしたけど、想定通りの効果が出てそうだ。
風が通り抜けるように極々微力の風魔法を付与しただけなんだけどねぇ。
「おや、あの人だかりができてるの、リリアの家だよねぇ?」
「にゃぁ」
「悪い空気じゃないけど……。彼女が魔法でも披露してるのかねぇ」
もう教えるようになってそれなりに経つけど、自分から見せびらかすような子じゃないからねぇ。見せてくれって今更言われててもおかしくはないかなぁ。
「すみません、ちょっと通してもらっても?」
「うん? お、ユウさん。これから魔法の授業かい? ほれほれ通りな」
「いえ、今日は牛乳をもらいにきただけですよ」
ちょっと残念そうなのは、ここで授業するとでも思ったのかねぇ?
残念ながら、彼女は今魔力回路の勉強をしてるからねぇ。暴走の危険があるのにこんなところじゃできないよ。
それに、そもそも魔法の素養がない人には何してるのか分からないだろうしねぇ。
「おじゃましますっと」
「あっ、先生……」
「ユウさん。ちょうどいいところに」
はて、ちょうどいいところ?
牛乳より先に話を聞いた方がよさそうだねぇ。
机の上にあるのは、やたら綺麗な紙と封蝋の封筒? 椅子を勧められてるし、とりあえず座ろうか。
「それで、いったい何があったんで?」
「実は――」
ふむ、視察に来た領主がリリアを見て、学園に来ないかと誘ってきたと。
ただ魔法についてはもう僕に教わってるし、この村からも遠い上、どうしても無理なら断って構わないと言われてるからどうしたものか悩んでる、ねぇ。
外の野次馬は、今朝届いた推薦状を一目見ようと集まってるのかぁ。まぁ、娯楽の少ない村だしねぇ。
「しかし、言ってはなんですが、こんな外れの村にまでわざわざ領主が自ら視察に来るんですね」
「えっと、突然できた防壁の村を見に来たと……。行商人から話が伝わったようで」
あ、はい。僕が原因ですねぇ。
謀反とかも疑われたかなぁ?
その辺というか、諸々何にも考えず夢中で作ってたからねぇ……。今更ながらに反省。
「先生は、どうしたらいいって考えてますか……?」
「そうですねぇ」
彼女の心情的には、止めてほしそうだねぇ。でもそれは、彼女がまだ何も知らないからっていうこともあるだろうねぇ。
親戚のおじさんに懐く姪っ子とか、そんな感じ。
あとは両親と離れないといけないのもあるし、難しい問題だねぇ。
とりあえず、リリアにはコペンを渡しておこう。精神安定剤。
「んにゃ?」
「ご両親的には、どうお考えで?」
けっきょく僕は他人ですからねぇ。親の意向は無視できないよねぇ。
「私たちとしては、リリアには色んな経験をしてほしいですし、領主様に直接誘われるなんてこの子にとっては大チャンスなので、行ってほしいです」
「幸い、学費と寮費も出してもらえるそうですし」
「なるほど……」
その領主、なかなか見る目があるねぇ。
将来ある若者の為にお金を出せるところもポイントが高い。
そんな領主なら、送り出す側としてもいくらか安心かなぁ。
「うん、僕としても、学園に通うことをお勧めしますねぇ」
「えっ!?」
この声は、ケイ君か。君も野次馬に来てたんだねぇ。
おじさんとしては少年の恋心は応援したいが、ごめんよ、将来の方が大事なんだ。
「理由はいくつかありますが、まず、同年代の友人との人間関係だったり、世の中とのかかわり方だったり、そういった人間的な経験値を積めることが一つ」
勉強なんて正直、必要になった時にすればいいと思ってる。
もちろん、まだ将来の道が定まらないうちには色んな勉強をした方が良いし、必要な勉強の基礎になる知識は得ておいて損はない。
そういう意味じゃ、日本の義務教育は良かったと思うんだよねぇ。
「それと、僕の教えてるのは、世間的には秘匿されてる内容も含みます。なので、魔法の一般常識を知っておいた方が後々を考えると良いかなと」
「そう、ですか……」
「にゃぁぁん……ゴロゴロ」
ちょっと考える時間をあげたほうがいいだろうねぇ。
せっかくお水出してもらったし、ちょっとくらい口をつけておこうか。
しかしコペン、気持ちよさそうだねぇ?
君、神獣としての尊厳とかないのかい……?
「にゃ」
フィア、君もか。自分もなでろって。
普段撫でようとしたらすっとどこか行くくせに……。
「……分かりました。私、学園に行きます!」
「うん、それがいい」
ご両親も一安心、ほっとしてるねぇ。
「あっ、でもどうしようか。家畜たちのことがあるから、私たちじゃリリアを学園のある街まで連れて行くのは難しいです」
「その領主は迎えなどについて何も言ってなかったので?」
「はい」
ふむ、忘れてたのかなぁ? まあそれくらいならあるだろうし、家畜農家の事情なんて分からないよねぇ。
「仕方ない、今度行商人さんが来るときにお願いしよう」
「そうね。あの人なら、快く受けてくれるはずよ」
まぁ、こんな儲けのなさそうな村まで来てくれる行商人だからねぇ。どっちかというとお人好しの類だよねぇ。
でも、そういうことなら人肌脱ごうかねぇ。勧めた手前と、一応先生だからねぇ。
「いえ、僕が同行しましょう。一度くらいは都会に行ってみようかと思ってたんです」
「いいんですか!? 助かります」
さぁて、そうと決まったら、帰ってから旅支度しないとだねぇ。
村の中は、とくに変わった様子はないねぇ。お祭りとかではなさそうだ。
いつも通りの人はいつも通りだし、子供を中心に何か騒いでるって感じかなぁ?
「なんだろうねぇ? とりあえず、リリアの家に行こうか」
「にゃ」
「んにゃ」
しかしいい風だねぇ。いくらか前に防壁に空気の循環を促す付与をしたけど、想定通りの効果が出てそうだ。
風が通り抜けるように極々微力の風魔法を付与しただけなんだけどねぇ。
「おや、あの人だかりができてるの、リリアの家だよねぇ?」
「にゃぁ」
「悪い空気じゃないけど……。彼女が魔法でも披露してるのかねぇ」
もう教えるようになってそれなりに経つけど、自分から見せびらかすような子じゃないからねぇ。見せてくれって今更言われててもおかしくはないかなぁ。
「すみません、ちょっと通してもらっても?」
「うん? お、ユウさん。これから魔法の授業かい? ほれほれ通りな」
「いえ、今日は牛乳をもらいにきただけですよ」
ちょっと残念そうなのは、ここで授業するとでも思ったのかねぇ?
残念ながら、彼女は今魔力回路の勉強をしてるからねぇ。暴走の危険があるのにこんなところじゃできないよ。
それに、そもそも魔法の素養がない人には何してるのか分からないだろうしねぇ。
「おじゃましますっと」
「あっ、先生……」
「ユウさん。ちょうどいいところに」
はて、ちょうどいいところ?
牛乳より先に話を聞いた方がよさそうだねぇ。
机の上にあるのは、やたら綺麗な紙と封蝋の封筒? 椅子を勧められてるし、とりあえず座ろうか。
「それで、いったい何があったんで?」
「実は――」
ふむ、視察に来た領主がリリアを見て、学園に来ないかと誘ってきたと。
ただ魔法についてはもう僕に教わってるし、この村からも遠い上、どうしても無理なら断って構わないと言われてるからどうしたものか悩んでる、ねぇ。
外の野次馬は、今朝届いた推薦状を一目見ようと集まってるのかぁ。まぁ、娯楽の少ない村だしねぇ。
「しかし、言ってはなんですが、こんな外れの村にまでわざわざ領主が自ら視察に来るんですね」
「えっと、突然できた防壁の村を見に来たと……。行商人から話が伝わったようで」
あ、はい。僕が原因ですねぇ。
謀反とかも疑われたかなぁ?
その辺というか、諸々何にも考えず夢中で作ってたからねぇ……。今更ながらに反省。
「先生は、どうしたらいいって考えてますか……?」
「そうですねぇ」
彼女の心情的には、止めてほしそうだねぇ。でもそれは、彼女がまだ何も知らないからっていうこともあるだろうねぇ。
親戚のおじさんに懐く姪っ子とか、そんな感じ。
あとは両親と離れないといけないのもあるし、難しい問題だねぇ。
とりあえず、リリアにはコペンを渡しておこう。精神安定剤。
「んにゃ?」
「ご両親的には、どうお考えで?」
けっきょく僕は他人ですからねぇ。親の意向は無視できないよねぇ。
「私たちとしては、リリアには色んな経験をしてほしいですし、領主様に直接誘われるなんてこの子にとっては大チャンスなので、行ってほしいです」
「幸い、学費と寮費も出してもらえるそうですし」
「なるほど……」
その領主、なかなか見る目があるねぇ。
将来ある若者の為にお金を出せるところもポイントが高い。
そんな領主なら、送り出す側としてもいくらか安心かなぁ。
「うん、僕としても、学園に通うことをお勧めしますねぇ」
「えっ!?」
この声は、ケイ君か。君も野次馬に来てたんだねぇ。
おじさんとしては少年の恋心は応援したいが、ごめんよ、将来の方が大事なんだ。
「理由はいくつかありますが、まず、同年代の友人との人間関係だったり、世の中とのかかわり方だったり、そういった人間的な経験値を積めることが一つ」
勉強なんて正直、必要になった時にすればいいと思ってる。
もちろん、まだ将来の道が定まらないうちには色んな勉強をした方が良いし、必要な勉強の基礎になる知識は得ておいて損はない。
そういう意味じゃ、日本の義務教育は良かったと思うんだよねぇ。
「それと、僕の教えてるのは、世間的には秘匿されてる内容も含みます。なので、魔法の一般常識を知っておいた方が後々を考えると良いかなと」
「そう、ですか……」
「にゃぁぁん……ゴロゴロ」
ちょっと考える時間をあげたほうがいいだろうねぇ。
せっかくお水出してもらったし、ちょっとくらい口をつけておこうか。
しかしコペン、気持ちよさそうだねぇ?
君、神獣としての尊厳とかないのかい……?
「にゃ」
フィア、君もか。自分もなでろって。
普段撫でようとしたらすっとどこか行くくせに……。
「……分かりました。私、学園に行きます!」
「うん、それがいい」
ご両親も一安心、ほっとしてるねぇ。
「あっ、でもどうしようか。家畜たちのことがあるから、私たちじゃリリアを学園のある街まで連れて行くのは難しいです」
「その領主は迎えなどについて何も言ってなかったので?」
「はい」
ふむ、忘れてたのかなぁ? まあそれくらいならあるだろうし、家畜農家の事情なんて分からないよねぇ。
「仕方ない、今度行商人さんが来るときにお願いしよう」
「そうね。あの人なら、快く受けてくれるはずよ」
まぁ、こんな儲けのなさそうな村まで来てくれる行商人だからねぇ。どっちかというとお人好しの類だよねぇ。
でも、そういうことなら人肌脱ごうかねぇ。勧めた手前と、一応先生だからねぇ。
「いえ、僕が同行しましょう。一度くらいは都会に行ってみようかと思ってたんです」
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さぁて、そうと決まったら、帰ってから旅支度しないとだねぇ。
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