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第二話
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翌朝、午前六時半。
目覚ましのアラームが鳴るよりも早く、鼻腔(びこう)をくすぐる匂いで目を覚ますのが、ここ数年の私の日常だ。
「……んぅ……」
重たい瞼(まぶた)を持ち上げると、そこには見慣れた天井と、見慣れすぎて家族同然になった背中があった。
「あ、起きた? おはよう、結衣姉」
私の部屋のキッチンに立ち、エプロン姿で味噌汁の味見をしている湊だ。
合鍵を持っている彼は、私の親公認で朝の身支度を手伝ってくれている。
……というか、低血圧で朝が弱い私が、いつの間にか彼に「介護」されているのが実情だ。情けない。
「おはよ、湊ぉ……。今日のご飯なに……?」
「焼き鮭と、豆腐とワカメの味噌汁。あと卵焼き。甘いやつにしたから」
「神か……」
よろよろとベッドから這い出し、ダイニングへ向かう。
テーブルには、旅館の朝食のような完璧な和食が並んでいた。
湊のご両親は早朝から出勤しているため、彼は自分の弁当を作るついでに、私の朝食まで作ってくれているのだ。
「ほら、寝癖ついてる」
椅子に座った私の頭に、湊の大きな手が伸びる。
長い指が髪を梳(す)き、跳ねた毛先を丁寧に直していく。
その手つきがあまりに慣れていて、そして心地よくて、私はされるがままになっていた。
「……湊の手、おっきくなったねぇ」
「いつの話してんの。結衣姉が縮んだんじゃない?」
「うるさい。三十路手前は骨密度が下がるのよ」
「はいはい。冷めないうちに食べて」
エプロンを外した湊の姿を見て、私はふらふらと現実に引き戻される。
詰め襟の学ラン。
私が通っていた頃とはデザインが変わった、地元の名門進学校の制服。
身長百七十五センチの体躯(たいく)に、それが恐ろしいほど似合っている。
眩(まぶ)しい。
朝日のせいだけじゃなく、彼の存在そのものが、これから始まる未来への希望に満ちていて、直視できないほどに眩しいのだ。
これから会社という戦場に向かう、くたびれたOLとは生物としての鮮度が違う。
(……こんなキラキラした男の子に、ご飯作らせて世話焼かせて。私、いつかバチが当たるんじゃないかな)
罪悪感と、温かい味噌汁の味。
その矛盾を噛み締めながら、私は今日も「社会人」の仮面を被る準備をした。
***
午前十時。都内オフィス街。
中堅商社の営業事務フロアは、今日も電話の音とキーボードを叩く音で満ちていた。
「早川さん! 例の請求書、先方から数字が違うって連絡が!」
「貸して。……あ、これ先月のレートで計算してるわね。すぐ修正版作ってPDFで送るから、後輩くんは電話で謝罪入れておいて」
「あ、ありがとうございますぅ! やっぱ早川先輩がいないと回んないっすわ!」
泣きついてくる入社二年目の後輩を適当にあしらい、私は高速でキーボードを叩く。
早川結衣、二十九歳。
社内での評価は「仕事が早くてミスのない、頼れる中堅社員」。
上司からは重宝され、後輩からは頼られ、同僚からは「しっかり者」だと思われている。
でも、本当の私はそんなに出来た人間じゃない。
ただ、失敗して怒られるのが怖くて、必死に先回りしているだけ。
本当は誰かに甘えたいし、責任なんて負いたくないし、一日中布団の中でゴロゴロしていたい。
「……はぁ。疲れた」
給湯室で一人、泥のようなコーヒーを流し込む。
ふと、スマホの画面を見た。
待ち受け画面は、当たり障りのない風景写真。
でも、メッセージアプリには湊からの通知が入っていた。
『今日の弁当、卵焼き入れすぎたかも。結衣姉の分、夜に調整するからリクエストある?』
そのたった一行のメッセージを見た瞬間、張り詰めていた肩の力が、ふっと抜ける。
さっきまでの能面のような仕事用の顔が崩れ、自然と口元が緩んでしまう。
「……ハンバーグがいいな」
誰にも聞こえないように小さく呟いて、私はまた戦場へと戻っていった。
***
一方その頃、県立北高校、二年三組。
昼休みの教室は、弁当を広げる生徒たちの喧騒に包まれていた。
「あ、あのっ、瀬戸くん! これ、よかったら使って!」
おずおずと差し出されたのは、ピンク色のハンカチだった。
どうやら弁当を食べている最中、湊が箸を落としそうになったのを気遣った女子生徒のようだ。
「ありがとう。でも、大丈夫だよ。替えの箸も持ってるから」
湊はふわりと柔らかく微笑んで、その申し出を丁寧に断った。
冷たさは微塵もない。
王子様のようなその笑顔に、女子生徒は「あ、うん……ごめんね!」と顔を真っ赤にして走り去っていった。
「……お前なぁ。またそうやって、無駄にファン増やすなよ」
一部始終を見ていた前の席の悪友、桐谷(きりたに)翔(しょう)が、呆れたようにパンを齧(かじ)りながら言った。
「増やすつもりはないよ。ただ、好意を無下にするのは失礼だろ」
「その『誰にでも優しいけど、誰のことも特別扱いしない』態度が、一番女子を狂わせるって気づけよなー。罪な男だわ」
瀬戸湊。
成績優秀、スポーツ万能。さらに性格も穏やかで優しい。
誰に対しても平等に接し、困っている人がいればスマートに助ける。
だが、誰も彼に触れることはできない。
その優しさは「壁」だ。笑顔で一定の距離を保たれていることに、勘のいい女子たちは気づき始めていた。
「別に。俺は普通にしてるだけだ」
湊は淡々と弁当の卵焼きを口に運ぶ。
その視線はどこか遠く、ここにはいない誰かを見ているようだ。
「で? そんな完璧超人様が、唯一デレデレになっちゃうお隣のお姉さんは、今日もお元気ですか?」
翔だけは、湊の秘密――隣人の年上女性への執着を知っている数少ない人間だ。
ニヤニヤと笑う翔に対し、湊は一瞬だけ表情を崩し、困ったように、けれど愛おしそうに笑った。
「……朝から寝癖つけてて可愛かったよ。あと、顔色が少し悪かったから心配だ」
「うわ、重っ。学校でのクールな王子様キャラ崩壊してるぞ」
「うるさいな。……俺の本当の顔なんて、結衣姉だけが知ってればいいんだよ」
そう。学校での優等生な振る舞いは、全て処世術だ。
子供っぽく振る舞えば、結衣に「やっぱり弟だ」と侮られる。
冷たく振る舞えば、結衣に「そんな子に育てた覚えはない」と心配される。
だから湊は、誰よりも早く大人になるために、完璧な紳士の仮面を被り続けているのだ。
「そういや、一年の星野(ほしの)梨花(りか)。またお前のこと探してたぞ。あの子、結構しつこいぜ?」
「ああ、星野さんか。……昨日、数学のノート貸してあげたから、そのお礼かな」
「名前覚えてるだけマシか。でも気ぃつけろよ? あの優しさが誤解を生むんだって」
湊はスマホを取り出す。
画面に表示されているのは、SNSでもゲームでもない。
『絶品・煮込みハンバーグのコツ』という検索結果だ。
「誤解されても困るな。……俺の人生の予定表は、もうとっくに埋まってるんだから」
目覚ましのアラームが鳴るよりも早く、鼻腔(びこう)をくすぐる匂いで目を覚ますのが、ここ数年の私の日常だ。
「……んぅ……」
重たい瞼(まぶた)を持ち上げると、そこには見慣れた天井と、見慣れすぎて家族同然になった背中があった。
「あ、起きた? おはよう、結衣姉」
私の部屋のキッチンに立ち、エプロン姿で味噌汁の味見をしている湊だ。
合鍵を持っている彼は、私の親公認で朝の身支度を手伝ってくれている。
……というか、低血圧で朝が弱い私が、いつの間にか彼に「介護」されているのが実情だ。情けない。
「おはよ、湊ぉ……。今日のご飯なに……?」
「焼き鮭と、豆腐とワカメの味噌汁。あと卵焼き。甘いやつにしたから」
「神か……」
よろよろとベッドから這い出し、ダイニングへ向かう。
テーブルには、旅館の朝食のような完璧な和食が並んでいた。
湊のご両親は早朝から出勤しているため、彼は自分の弁当を作るついでに、私の朝食まで作ってくれているのだ。
「ほら、寝癖ついてる」
椅子に座った私の頭に、湊の大きな手が伸びる。
長い指が髪を梳(す)き、跳ねた毛先を丁寧に直していく。
その手つきがあまりに慣れていて、そして心地よくて、私はされるがままになっていた。
「……湊の手、おっきくなったねぇ」
「いつの話してんの。結衣姉が縮んだんじゃない?」
「うるさい。三十路手前は骨密度が下がるのよ」
「はいはい。冷めないうちに食べて」
エプロンを外した湊の姿を見て、私はふらふらと現実に引き戻される。
詰め襟の学ラン。
私が通っていた頃とはデザインが変わった、地元の名門進学校の制服。
身長百七十五センチの体躯(たいく)に、それが恐ろしいほど似合っている。
眩(まぶ)しい。
朝日のせいだけじゃなく、彼の存在そのものが、これから始まる未来への希望に満ちていて、直視できないほどに眩しいのだ。
これから会社という戦場に向かう、くたびれたOLとは生物としての鮮度が違う。
(……こんなキラキラした男の子に、ご飯作らせて世話焼かせて。私、いつかバチが当たるんじゃないかな)
罪悪感と、温かい味噌汁の味。
その矛盾を噛み締めながら、私は今日も「社会人」の仮面を被る準備をした。
***
午前十時。都内オフィス街。
中堅商社の営業事務フロアは、今日も電話の音とキーボードを叩く音で満ちていた。
「早川さん! 例の請求書、先方から数字が違うって連絡が!」
「貸して。……あ、これ先月のレートで計算してるわね。すぐ修正版作ってPDFで送るから、後輩くんは電話で謝罪入れておいて」
「あ、ありがとうございますぅ! やっぱ早川先輩がいないと回んないっすわ!」
泣きついてくる入社二年目の後輩を適当にあしらい、私は高速でキーボードを叩く。
早川結衣、二十九歳。
社内での評価は「仕事が早くてミスのない、頼れる中堅社員」。
上司からは重宝され、後輩からは頼られ、同僚からは「しっかり者」だと思われている。
でも、本当の私はそんなに出来た人間じゃない。
ただ、失敗して怒られるのが怖くて、必死に先回りしているだけ。
本当は誰かに甘えたいし、責任なんて負いたくないし、一日中布団の中でゴロゴロしていたい。
「……はぁ。疲れた」
給湯室で一人、泥のようなコーヒーを流し込む。
ふと、スマホの画面を見た。
待ち受け画面は、当たり障りのない風景写真。
でも、メッセージアプリには湊からの通知が入っていた。
『今日の弁当、卵焼き入れすぎたかも。結衣姉の分、夜に調整するからリクエストある?』
そのたった一行のメッセージを見た瞬間、張り詰めていた肩の力が、ふっと抜ける。
さっきまでの能面のような仕事用の顔が崩れ、自然と口元が緩んでしまう。
「……ハンバーグがいいな」
誰にも聞こえないように小さく呟いて、私はまた戦場へと戻っていった。
***
一方その頃、県立北高校、二年三組。
昼休みの教室は、弁当を広げる生徒たちの喧騒に包まれていた。
「あ、あのっ、瀬戸くん! これ、よかったら使って!」
おずおずと差し出されたのは、ピンク色のハンカチだった。
どうやら弁当を食べている最中、湊が箸を落としそうになったのを気遣った女子生徒のようだ。
「ありがとう。でも、大丈夫だよ。替えの箸も持ってるから」
湊はふわりと柔らかく微笑んで、その申し出を丁寧に断った。
冷たさは微塵もない。
王子様のようなその笑顔に、女子生徒は「あ、うん……ごめんね!」と顔を真っ赤にして走り去っていった。
「……お前なぁ。またそうやって、無駄にファン増やすなよ」
一部始終を見ていた前の席の悪友、桐谷(きりたに)翔(しょう)が、呆れたようにパンを齧(かじ)りながら言った。
「増やすつもりはないよ。ただ、好意を無下にするのは失礼だろ」
「その『誰にでも優しいけど、誰のことも特別扱いしない』態度が、一番女子を狂わせるって気づけよなー。罪な男だわ」
瀬戸湊。
成績優秀、スポーツ万能。さらに性格も穏やかで優しい。
誰に対しても平等に接し、困っている人がいればスマートに助ける。
だが、誰も彼に触れることはできない。
その優しさは「壁」だ。笑顔で一定の距離を保たれていることに、勘のいい女子たちは気づき始めていた。
「別に。俺は普通にしてるだけだ」
湊は淡々と弁当の卵焼きを口に運ぶ。
その視線はどこか遠く、ここにはいない誰かを見ているようだ。
「で? そんな完璧超人様が、唯一デレデレになっちゃうお隣のお姉さんは、今日もお元気ですか?」
翔だけは、湊の秘密――隣人の年上女性への執着を知っている数少ない人間だ。
ニヤニヤと笑う翔に対し、湊は一瞬だけ表情を崩し、困ったように、けれど愛おしそうに笑った。
「……朝から寝癖つけてて可愛かったよ。あと、顔色が少し悪かったから心配だ」
「うわ、重っ。学校でのクールな王子様キャラ崩壊してるぞ」
「うるさいな。……俺の本当の顔なんて、結衣姉だけが知ってればいいんだよ」
そう。学校での優等生な振る舞いは、全て処世術だ。
子供っぽく振る舞えば、結衣に「やっぱり弟だ」と侮られる。
冷たく振る舞えば、結衣に「そんな子に育てた覚えはない」と心配される。
だから湊は、誰よりも早く大人になるために、完璧な紳士の仮面を被り続けているのだ。
「そういや、一年の星野(ほしの)梨花(りか)。またお前のこと探してたぞ。あの子、結構しつこいぜ?」
「ああ、星野さんか。……昨日、数学のノート貸してあげたから、そのお礼かな」
「名前覚えてるだけマシか。でも気ぃつけろよ? あの優しさが誤解を生むんだって」
湊はスマホを取り出す。
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