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第五話
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そのデートは、点数をつけるなら百点満点だった。
いや、私のこれまでの人生経験と照らし合わせても、百二十点と言っていい。
「このワイン、君の生まれ年のヴィンテージなんだ。どうかな?」
「……すごく、美味しいです。深みがあって」
「よかった。君に飲んでほしかったんだ」
西園寺さんのエスコートは完璧だった。
店員への態度もスマートだし、話題も豊富だ。仕事の話から趣味の旅行の話まで、こちらの話をうまく引き出しながら広げてくれる。
婚活パーティで会った男たちのような、「俺語り」や「値踏み」は一切ない。
(……すごい。大人の男性って、こんなに居心地がいいんだ)
目の前で微笑む西園寺さんを見ながら、私は感動すら覚えていた。
三十二歳。商社マン。見た目も中身もハイスペック。
こんな人が、私のような平凡な事務職の女を口説いてくれている。
奇跡だと思った。逃してはいけないチャンスだと思った。
「早川さん」
デザートのティラミスを食べ終えた頃、西園寺さんが改まった表情で私を見た。
「僕は、結婚を前提にお付き合いできる人を探している」
「……はい」
「僕の仕事は海外赴任もあるし、忙しい。だから、家庭を守ってくれるパートナーが必要なんだ。もちろん、君が仕事を続けたいなら応援するし、専業主婦になりたいならそれでも構わない」
西園寺さんは、真っ直ぐな瞳で言った。
「君のような、聡明で美しい人と家庭を築けたら、きっと幸せだろうなと思うんだ」
それは、実質的な告白であり、プロポーズの予約だった。
私が求めていた言葉。
二十九歳の私が、喉から手が出るほど欲しかった「将来の保証」。
正解だ。
ここで「はい」と頷くのが、私の人生における最適解だ。
頭では分かっている。
なのに。
(……あれ?)
喉の奥が、きゅっと締まったように動かない。
嬉しいはずなのに、胸の奥に鉛のような重たさを感じる。
脳裏に、ふと昨日の夕飯の光景がよぎった。
向かい合って煮込みハンバーグを食べた、あの狭いダイニングテーブルの温かさが。
「……ありがとうございます。すごく、光栄です」
私はなんとか笑顔を作って、それだけを答えた。
西園寺さんは満足そうに頷き、会計を済ませてくれた。
店を出ると、夜風が少し冷たかった。
駅へ向かう道すがら、西園寺さんが自然な動作で私の腰に手を回そうとした。
エスコートだ。下心ではない、紳士的な振る舞い。
でも。
「っ……!」
彼の大きな手が腰に触れた瞬間、私はビクリと体を強張らせてしまった。
反射的な拒絶。
生理的な違和感。
違う。
この手の温度じゃない。
このコロンの匂いじゃない。
私が知っている「安心」は、もっと体温が高くて、甘い柔軟剤の匂いがして――。
「……早川さん? 寒かったかな」
「あ、い、いえ! ちょっと、ヒールで躓(つまず)きそうになっちゃって……すみません」
私は慌てて誤魔化し、さりげなく彼の手から逃れるように距離を取った。
西園寺さんは怪訝そうな顔をしたが、すぐに優しい笑顔に戻る。
「無理させてごめんね。駅まで送るよ」
その後、「もう一軒どう?」という誘いは、体調不良を理由に丁重にお断りした。
西園寺さんは残念そうだったが、最後まで紳士的に改札まで見送ってくれた。
電車に揺られながら、私は自己嫌悪で押し潰されそうになっていた。
何やってるんだろう、私。
あんな完璧な人を前にして、どうして高校生の湊のことを思い出してるの。
馬鹿じゃないの。
***
マンションのエントランスをくぐったのは、二十二時を回った頃だった。
ヒールで歩き回った足は棒のように痛いし、気疲れで頭も痛い。
デートに行く前よりも、今のほうがずっと疲弊している気がする。
「……ただいま」
誰もいない暗い部屋に向かって呟き、鍵を開けようとした。
その時。
ガチャリ。
背後でドアが開く音がした。
振り返るまでもない。このタイミングで出てくるのは一人しかいない。
「……おかえり、結衣姉」
503号室から顔を出したのは、ジャージ姿の湊だった。
手にはコンビニの袋を持っている。
偶然を装っているけれど、その髪が少し跳ねているのを見て、私は彼がずっとドアの向こうで聞き耳を立てていたのだと悟った。
「……あ、うん。ただいま、湊」
「遅かったね。飲み会、盛り上がった?」
湊の声はいつも通り優しい。
でも、その視線は私の全身を――特に、少し乱れた髪と、疲れた顔をじっと観察していた。
「う、うん。まあね。……湊こそ、こんな時間にどうしたの?」
「夜食買いに行こうと思って。……でも、結衣姉の顔見たら、なんか疲れちゃったみたいだね」
湊は私の元へ歩み寄ると、私の手首を掴んだ。
西園寺さんに触れられた時は強張った体が、湊に触れられると、不思議なくらいスッと力が抜ける。
「顔、真っ白だよ。無理して笑ってきたんでしょ」
「……そんなこと、ないよ」
「嘘だ。結衣姉のことは俺が一番わかってる」
湊は強引に、けれど優しく私を自分の部屋――503号室へと引き入れた。
抵抗する気力は残っていなかった。
玄関に入った瞬間、鼻腔を満たすいつもの柔軟剤の香り。
ああ、帰ってきたんだ。そう思ってしまった自分に、また自己嫌悪が募る。
「座って。足、痛いでしょ」
ソファに座らされると、湊は私のパンプスを脱がせ、ストッキング越しに足をマッサージし始めた。
大きくて温かい手が、浮腫(むく)んだふくらはぎを丁寧に揉み解していく。
「んっ……」
「ここ、張ってる。七センチヒールなんて履くからだよ」
「……だって、マナーだし」
「誰のためのマナー? 会社の人? それとも……男?」
指先が、きゅっと私の足首を強く握った。
心臓が跳ねる。
見上げると、湊は足元の私を見下ろしていた。その瞳は昏(くら)く、底知れない色をしている。
気づいてる。
私が今日会ったのが、ただの同僚じゃないことを。
それでも彼は、何も聞かない。
ただ、その温かい手で私を縛り付けるように、丹念に足を愛撫し続ける。
「……気持ちいい?」
「……うん」
「よかった。……俺は、結衣姉に無理してほしくないんだ」
湊は私の前に跪(ひざまず)いたまま、私の膝にコツンと額を押し付けた。
「あのね、結衣姉。外で誰と会ってもいいよ。嘘ついてもいい」
「……みなと?」
「でも、最後はちゃんと俺のところに帰ってきてね。……こんなボロボロの結衣姉を癒やせるのは、俺だけでしょ?」
それは、懇願のようでいて、呪いのような言葉だった。
西園寺さんは「完璧な私」を求めた。
でも湊は、「ダメな私」を許し、受け入れ、そして逃がさない。
私は彼の頭に手を置いた。
サラサラとした黒髪の感触。
西園寺さんを選べば、きっと社会的には幸せになれる。
でも、この温もりを手放して生きていける自信が、今の私にはどうしても持てなかった。
「……うん。ただいま、湊」
私がそう呟くと、膝に顔を埋めたまま、湊は満足そうに小さく笑った気がした。
その笑顔が、勝利の笑みだったのか、安堵の笑みだったのか。
今の私には確かめる術もなかった。
いや、私のこれまでの人生経験と照らし合わせても、百二十点と言っていい。
「このワイン、君の生まれ年のヴィンテージなんだ。どうかな?」
「……すごく、美味しいです。深みがあって」
「よかった。君に飲んでほしかったんだ」
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店員への態度もスマートだし、話題も豊富だ。仕事の話から趣味の旅行の話まで、こちらの話をうまく引き出しながら広げてくれる。
婚活パーティで会った男たちのような、「俺語り」や「値踏み」は一切ない。
(……すごい。大人の男性って、こんなに居心地がいいんだ)
目の前で微笑む西園寺さんを見ながら、私は感動すら覚えていた。
三十二歳。商社マン。見た目も中身もハイスペック。
こんな人が、私のような平凡な事務職の女を口説いてくれている。
奇跡だと思った。逃してはいけないチャンスだと思った。
「早川さん」
デザートのティラミスを食べ終えた頃、西園寺さんが改まった表情で私を見た。
「僕は、結婚を前提にお付き合いできる人を探している」
「……はい」
「僕の仕事は海外赴任もあるし、忙しい。だから、家庭を守ってくれるパートナーが必要なんだ。もちろん、君が仕事を続けたいなら応援するし、専業主婦になりたいならそれでも構わない」
西園寺さんは、真っ直ぐな瞳で言った。
「君のような、聡明で美しい人と家庭を築けたら、きっと幸せだろうなと思うんだ」
それは、実質的な告白であり、プロポーズの予約だった。
私が求めていた言葉。
二十九歳の私が、喉から手が出るほど欲しかった「将来の保証」。
正解だ。
ここで「はい」と頷くのが、私の人生における最適解だ。
頭では分かっている。
なのに。
(……あれ?)
喉の奥が、きゅっと締まったように動かない。
嬉しいはずなのに、胸の奥に鉛のような重たさを感じる。
脳裏に、ふと昨日の夕飯の光景がよぎった。
向かい合って煮込みハンバーグを食べた、あの狭いダイニングテーブルの温かさが。
「……ありがとうございます。すごく、光栄です」
私はなんとか笑顔を作って、それだけを答えた。
西園寺さんは満足そうに頷き、会計を済ませてくれた。
店を出ると、夜風が少し冷たかった。
駅へ向かう道すがら、西園寺さんが自然な動作で私の腰に手を回そうとした。
エスコートだ。下心ではない、紳士的な振る舞い。
でも。
「っ……!」
彼の大きな手が腰に触れた瞬間、私はビクリと体を強張らせてしまった。
反射的な拒絶。
生理的な違和感。
違う。
この手の温度じゃない。
このコロンの匂いじゃない。
私が知っている「安心」は、もっと体温が高くて、甘い柔軟剤の匂いがして――。
「……早川さん? 寒かったかな」
「あ、い、いえ! ちょっと、ヒールで躓(つまず)きそうになっちゃって……すみません」
私は慌てて誤魔化し、さりげなく彼の手から逃れるように距離を取った。
西園寺さんは怪訝そうな顔をしたが、すぐに優しい笑顔に戻る。
「無理させてごめんね。駅まで送るよ」
その後、「もう一軒どう?」という誘いは、体調不良を理由に丁重にお断りした。
西園寺さんは残念そうだったが、最後まで紳士的に改札まで見送ってくれた。
電車に揺られながら、私は自己嫌悪で押し潰されそうになっていた。
何やってるんだろう、私。
あんな完璧な人を前にして、どうして高校生の湊のことを思い出してるの。
馬鹿じゃないの。
***
マンションのエントランスをくぐったのは、二十二時を回った頃だった。
ヒールで歩き回った足は棒のように痛いし、気疲れで頭も痛い。
デートに行く前よりも、今のほうがずっと疲弊している気がする。
「……ただいま」
誰もいない暗い部屋に向かって呟き、鍵を開けようとした。
その時。
ガチャリ。
背後でドアが開く音がした。
振り返るまでもない。このタイミングで出てくるのは一人しかいない。
「……おかえり、結衣姉」
503号室から顔を出したのは、ジャージ姿の湊だった。
手にはコンビニの袋を持っている。
偶然を装っているけれど、その髪が少し跳ねているのを見て、私は彼がずっとドアの向こうで聞き耳を立てていたのだと悟った。
「……あ、うん。ただいま、湊」
「遅かったね。飲み会、盛り上がった?」
湊の声はいつも通り優しい。
でも、その視線は私の全身を――特に、少し乱れた髪と、疲れた顔をじっと観察していた。
「う、うん。まあね。……湊こそ、こんな時間にどうしたの?」
「夜食買いに行こうと思って。……でも、結衣姉の顔見たら、なんか疲れちゃったみたいだね」
湊は私の元へ歩み寄ると、私の手首を掴んだ。
西園寺さんに触れられた時は強張った体が、湊に触れられると、不思議なくらいスッと力が抜ける。
「顔、真っ白だよ。無理して笑ってきたんでしょ」
「……そんなこと、ないよ」
「嘘だ。結衣姉のことは俺が一番わかってる」
湊は強引に、けれど優しく私を自分の部屋――503号室へと引き入れた。
抵抗する気力は残っていなかった。
玄関に入った瞬間、鼻腔を満たすいつもの柔軟剤の香り。
ああ、帰ってきたんだ。そう思ってしまった自分に、また自己嫌悪が募る。
「座って。足、痛いでしょ」
ソファに座らされると、湊は私のパンプスを脱がせ、ストッキング越しに足をマッサージし始めた。
大きくて温かい手が、浮腫(むく)んだふくらはぎを丁寧に揉み解していく。
「んっ……」
「ここ、張ってる。七センチヒールなんて履くからだよ」
「……だって、マナーだし」
「誰のためのマナー? 会社の人? それとも……男?」
指先が、きゅっと私の足首を強く握った。
心臓が跳ねる。
見上げると、湊は足元の私を見下ろしていた。その瞳は昏(くら)く、底知れない色をしている。
気づいてる。
私が今日会ったのが、ただの同僚じゃないことを。
それでも彼は、何も聞かない。
ただ、その温かい手で私を縛り付けるように、丹念に足を愛撫し続ける。
「……気持ちいい?」
「……うん」
「よかった。……俺は、結衣姉に無理してほしくないんだ」
湊は私の前に跪(ひざまず)いたまま、私の膝にコツンと額を押し付けた。
「あのね、結衣姉。外で誰と会ってもいいよ。嘘ついてもいい」
「……みなと?」
「でも、最後はちゃんと俺のところに帰ってきてね。……こんなボロボロの結衣姉を癒やせるのは、俺だけでしょ?」
それは、懇願のようでいて、呪いのような言葉だった。
西園寺さんは「完璧な私」を求めた。
でも湊は、「ダメな私」を許し、受け入れ、そして逃がさない。
私は彼の頭に手を置いた。
サラサラとした黒髪の感触。
西園寺さんを選べば、きっと社会的には幸せになれる。
でも、この温もりを手放して生きていける自信が、今の私にはどうしても持てなかった。
「……うん。ただいま、湊」
私がそう呟くと、膝に顔を埋めたまま、湊は満足そうに小さく笑った気がした。
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