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黒豚令息の領地開拓編
依頼の品
「リ…リズ……」
「アタシね、アレからずーっと工房に籠もってサラム王太子からの依頼品の構想考えてたの。シェリーってばさ、機構はもうできてるから~って魔術式だけ置いてどっか消えちゃったじゃない?アタシがその後どれだけ苦労して1人で基盤組んでたか知らないでしょう…?」
「そ…それは…」
「アタシャ初めてアンタを恨んだよ…」
「…ごめんなさい!!!」
エリザベスは隈の色濃く残る目をこすりながら、ヨロヨロと側のチェアに座り込んだ。
「もうダメェ~…デビィ~甘やかしてぇ~…」
「そんなになるまで根詰めて、何作ってんだ?サラムの名前まで出てきたぞ?大丈夫かお前等。」
「えへへ~…王太子殿下直々のご指名依頼…頑張ったんだぁアタシ…」
デイビッドから濃いめのミルクティーを受け取ると、エリザベスはやりきった様な表情でクッキーを浸して口に入れた。
「あ~…やっぱりデビィの作ったクッキーが一番おいしいや。」
「その様子じゃ学園にも帰ってねぇんだろ?」
「まぁね、でも今生徒も先生達も大騒ぎだから、授業どころじゃなくて休講のコマも多いし大丈夫だよ。」
「そんなに大変なのか。」
「そりゃそうだよ。国家ぐるみで長年大金注ぎ込んで来た教会が1日で崩壊して、上層部がごっそり捕縛されちゃったんだから。荒れまくりだよ~?」
学園には王弟殿下まで出張って来て事の収拾に奔走し、生徒達に節度ある言動と、こんな時にこそ力を合わせ民を導く事のできる貴族としての心構えを持つように、と演説をして行ったそうな。
いい大人に出来なかった事を、子供にせよとは何とも情けない話だ。
「おまけにさ、教会派が解体して、今王都には聖霊教派が代替で声上げて来てるの。百年以上教会を支えてた貴族家まで結界が失くなった途端、戦力のある方に乗り換えてて、敬虔な信徒だった家系から白い目で見られたりしてる。生徒もそれに振り回されて色んな派閥ができちゃ消えしてて落ち着かない感じ。自主休学の生徒も多くて夏休みどうなるかって所かなぁ。」
「精霊教…?」
「聖霊教。大精霊を主体に崇める宗教だよ。実はアタシの家もそれでさ、神様とかと違って実在する精霊の信仰だから力もあるんだよ。女神マナの教会は結界を張ることで王都を牛耳ってたけど、こっちはガチの力技で国を守護するタイプ。王都でも二番手に数の多い宗教派閥だったから今一番強いだろうね。」
「自分で戦う選択はねぇのか王都民…」
「仕方ないよ、200年以上甘やかされて来て、軍備や軍事は全部郊外より外任せで、予算すら最低限だもの。いきなり有事に備えろって言ったって無理に決まってるよぉ。」
このあまりにも大きなツケは、次期国王の御代の内に何とかしなければならない。せめて他者や人外におぶさる今のやり方は変えて行かなければ。(頑張れアーネスト。)
「で、お前等は何作ってたんだ?」
「アタシ達はねぇ、サラム殿下の依頼で航海用の通信機作ってるんだ!」
「通信機!?」
「そぉ!魔力の無い人でも使える魔導式の通信用魔道具!」
「確かに…航海中の連絡がもっと簡易に確実になれば船の被害は格段に減るな。海洋事業に関わる中で海難事故は大きな課題だ。漁船や小舟は打ち上げ信号が頼りの現状を考えたらものすごい大発明になるな。」
「すごいねデビィ、常にそこまで考えてるんだ…」
「だ、だったら期待なさい!私が使ってる魔術式の応用で緻密な計算の元遠距離での通話を実現化させられたのよ!?」
「長距離通話…おい、ちょっと待て!お前まさか例の通話の魔法陣使ったのか?!」
「え?ええ!アレがなかったら不可能だったもの。」
「相談はしたのか…?お前の師匠に…」
「……してない……」
デイビッドはため息をつきながらシェルリアーナの正面に座ると、ノートの白いページを破いて適当なペンを手にした。
「まず…このままその魔道具が完成しちまった場合、魔法式の使用制限の許容範囲を超えて利権侵害に当たって、使用停止が言い渡される可能性が極めて高い…」
「え?!!」
「魔法式、魔術式には一般公開されてる物以外には発明者に利権ある。三位術式融合式はお前の師匠が考案して、デュロックの名前で登録した言わば著作物だ。許可認定か提携の契約が正規に受理されてないまま、万一他国へ引き渡せば下手したら国家反逆の疑いが掛けられてもおかしくねぇぞ…?」
「そんなぁぁっ!!」
デイビッドは手元の紙に、丁寧に図式と要約した内容を書き出し、授業の様にシェルリアーナに事の深刻さを伝えた。
「し…知らなかったの!あの式だって単に私が知らないだけの式を教えてくれたんだと思ってて…」
「世間一般に使用されてる魔術式は、既に公開されてる物だけだ。それをどう組み合わせて術式を組むか、それが術者の一番の腕の見せ所でもある。でもコレの場合は術式の根本を一から組み立てて確立させた、全く新しい術式になる。他のとこでも門外不出の魔道具や魔導式やらにはこういうのが使われてる事が多いな。」
「それならどうしてあの時私に使わせたのよ!!」
「利益の発生しない個人の使用程度なら問題無いし、使う相手が式を作った本人だったからだよ。」
「嘘でしょう…じゃぁあの魔術式は使えないってコト…?」
「お前、あんなに魔道具の開発に興味持ってたクセに、ワリカシ抜けてんなぁ?」
「だって!専門外だからこそ楽しくてのめり込んでただけだもの!どうしましょう!もうあの術式使うつもりで他に何もやってない!!」
「ちょっと待って!?この一週間ほぼ徹夜してこさえたアタシの傑作がまさかの使用制限でお蔵入りとか、冗談でもヤメてよね!!?」
泣きそうな顔で頭を抱えるシェルリアーナと、怒髪天を衝く勢いで飛び起きたエリザベスを見て、デイビッドな髪をぐしゃぐしゃ掻きながら馬車のデスクから1枚の紙を引き出して来た。
「ほらよ…」
「なに…これ…?」
「技術提供に関する承諾書。本当は当主印が要るんだが、この範囲なら委任で何とかなる。」
「え…?」
「利権に関しちゃ今回だけ多めに見てやるから、模倣防止の対策術式だけありったけ掛けとけよ?!軍事流用でもされたとあったら速攻国際裁判モノだぞ?」
「そんなのイヤぁぁっ!」
「デビィ…まさかこの術式使わせてくれるの…?」
「もう組んじまったんだろ?出来の方はどうなんだ?」
「かなり良いよ!これなら魔素の多い海域で繋げても絶対に切れないって、バル爺が太鼓判押してくれた!」
「あの爺さんがそこまで言うなら間違いねぇだろうな。それならウチで一枚噛んでた事にして、俺の独断で許可を出してた事にしとく。その代わり、譲渡の際に商業向きで開発を進める許可を得る事。まぁサラムの奴ならその辺融通利かしてくれるはずだ。」
「最終的には商品にするって事だね…」
「少し考えもあるから、とりあえず今作った奴が完成したら一度見せに来いよ。」
「わかったわ!」
シェルリアーナは危機は脱したとばかりに契約書にサインを書き入れ、エリザベスに渡した。
それ受け取り、打って変わって暗い表情のエリザベスが内容を読んでいる。
「はぁーもう脅かさないでよ!でも、これでもうあの式は使っても大丈夫なのよね?」
「そうだね…」
「物を作るって大変なのね…軽く考え過ぎてた、反省したわ。」
「本当にね…」
「どうしたのよリズ、さっきから暗い顔して。作り直しにならなくて良かったじゃない!」
「ねぇ…シェリーはさ、この契約でデビィがどれくらい損したかわかってる?」
「損…?」
「フツーはね、他国の王族に譲渡する魔道具に、制約のある魔導式を使おうとしたら、金貨が何百枚って単位で動く案件なるんだよ?!」
「金貨何百枚?!」
「それだけじゃない、無断使用ってなってたらアタシ達処罰どころか免許停止ならまだ良くて全権限剥奪されて損害賠償って事になってもおかしくないんだよ!!」
「そんなのイヤ!!」
「だからそうならないように、デビィが事業主の独断先行って事にして全部被ってくれたの!場合によっちゃそれだけで事業主として信用が落ちることもあるの!それだけの事がこの紙切れ一枚のサインで決まっちゃうの!そこんとこちゃんと理解してる!?」
シェルリアーナは優等生ではあるが、物作りに関してはエリザベスの方が格段に上だ。
完全お嬢様育ちのシェルリアーナと違い、エリザベスは金銭や利権の絡んだ商業製品の扱いに長けている。
事の重大さにいち早く気が付き、事態を全く理解していないシェルリアーナに呆れながら、エリザベスは内心慌てふためいていた。
「アタシね、アレからずーっと工房に籠もってサラム王太子からの依頼品の構想考えてたの。シェリーってばさ、機構はもうできてるから~って魔術式だけ置いてどっか消えちゃったじゃない?アタシがその後どれだけ苦労して1人で基盤組んでたか知らないでしょう…?」
「そ…それは…」
「アタシャ初めてアンタを恨んだよ…」
「…ごめんなさい!!!」
エリザベスは隈の色濃く残る目をこすりながら、ヨロヨロと側のチェアに座り込んだ。
「もうダメェ~…デビィ~甘やかしてぇ~…」
「そんなになるまで根詰めて、何作ってんだ?サラムの名前まで出てきたぞ?大丈夫かお前等。」
「えへへ~…王太子殿下直々のご指名依頼…頑張ったんだぁアタシ…」
デイビッドから濃いめのミルクティーを受け取ると、エリザベスはやりきった様な表情でクッキーを浸して口に入れた。
「あ~…やっぱりデビィの作ったクッキーが一番おいしいや。」
「その様子じゃ学園にも帰ってねぇんだろ?」
「まぁね、でも今生徒も先生達も大騒ぎだから、授業どころじゃなくて休講のコマも多いし大丈夫だよ。」
「そんなに大変なのか。」
「そりゃそうだよ。国家ぐるみで長年大金注ぎ込んで来た教会が1日で崩壊して、上層部がごっそり捕縛されちゃったんだから。荒れまくりだよ~?」
学園には王弟殿下まで出張って来て事の収拾に奔走し、生徒達に節度ある言動と、こんな時にこそ力を合わせ民を導く事のできる貴族としての心構えを持つように、と演説をして行ったそうな。
いい大人に出来なかった事を、子供にせよとは何とも情けない話だ。
「おまけにさ、教会派が解体して、今王都には聖霊教派が代替で声上げて来てるの。百年以上教会を支えてた貴族家まで結界が失くなった途端、戦力のある方に乗り換えてて、敬虔な信徒だった家系から白い目で見られたりしてる。生徒もそれに振り回されて色んな派閥ができちゃ消えしてて落ち着かない感じ。自主休学の生徒も多くて夏休みどうなるかって所かなぁ。」
「精霊教…?」
「聖霊教。大精霊を主体に崇める宗教だよ。実はアタシの家もそれでさ、神様とかと違って実在する精霊の信仰だから力もあるんだよ。女神マナの教会は結界を張ることで王都を牛耳ってたけど、こっちはガチの力技で国を守護するタイプ。王都でも二番手に数の多い宗教派閥だったから今一番強いだろうね。」
「自分で戦う選択はねぇのか王都民…」
「仕方ないよ、200年以上甘やかされて来て、軍備や軍事は全部郊外より外任せで、予算すら最低限だもの。いきなり有事に備えろって言ったって無理に決まってるよぉ。」
このあまりにも大きなツケは、次期国王の御代の内に何とかしなければならない。せめて他者や人外におぶさる今のやり方は変えて行かなければ。(頑張れアーネスト。)
「で、お前等は何作ってたんだ?」
「アタシ達はねぇ、サラム殿下の依頼で航海用の通信機作ってるんだ!」
「通信機!?」
「そぉ!魔力の無い人でも使える魔導式の通信用魔道具!」
「確かに…航海中の連絡がもっと簡易に確実になれば船の被害は格段に減るな。海洋事業に関わる中で海難事故は大きな課題だ。漁船や小舟は打ち上げ信号が頼りの現状を考えたらものすごい大発明になるな。」
「すごいねデビィ、常にそこまで考えてるんだ…」
「だ、だったら期待なさい!私が使ってる魔術式の応用で緻密な計算の元遠距離での通話を実現化させられたのよ!?」
「長距離通話…おい、ちょっと待て!お前まさか例の通話の魔法陣使ったのか?!」
「え?ええ!アレがなかったら不可能だったもの。」
「相談はしたのか…?お前の師匠に…」
「……してない……」
デイビッドはため息をつきながらシェルリアーナの正面に座ると、ノートの白いページを破いて適当なペンを手にした。
「まず…このままその魔道具が完成しちまった場合、魔法式の使用制限の許容範囲を超えて利権侵害に当たって、使用停止が言い渡される可能性が極めて高い…」
「え?!!」
「魔法式、魔術式には一般公開されてる物以外には発明者に利権ある。三位術式融合式はお前の師匠が考案して、デュロックの名前で登録した言わば著作物だ。許可認定か提携の契約が正規に受理されてないまま、万一他国へ引き渡せば下手したら国家反逆の疑いが掛けられてもおかしくねぇぞ…?」
「そんなぁぁっ!!」
デイビッドは手元の紙に、丁寧に図式と要約した内容を書き出し、授業の様にシェルリアーナに事の深刻さを伝えた。
「し…知らなかったの!あの式だって単に私が知らないだけの式を教えてくれたんだと思ってて…」
「世間一般に使用されてる魔術式は、既に公開されてる物だけだ。それをどう組み合わせて術式を組むか、それが術者の一番の腕の見せ所でもある。でもコレの場合は術式の根本を一から組み立てて確立させた、全く新しい術式になる。他のとこでも門外不出の魔道具や魔導式やらにはこういうのが使われてる事が多いな。」
「それならどうしてあの時私に使わせたのよ!!」
「利益の発生しない個人の使用程度なら問題無いし、使う相手が式を作った本人だったからだよ。」
「嘘でしょう…じゃぁあの魔術式は使えないってコト…?」
「お前、あんなに魔道具の開発に興味持ってたクセに、ワリカシ抜けてんなぁ?」
「だって!専門外だからこそ楽しくてのめり込んでただけだもの!どうしましょう!もうあの術式使うつもりで他に何もやってない!!」
「ちょっと待って!?この一週間ほぼ徹夜してこさえたアタシの傑作がまさかの使用制限でお蔵入りとか、冗談でもヤメてよね!!?」
泣きそうな顔で頭を抱えるシェルリアーナと、怒髪天を衝く勢いで飛び起きたエリザベスを見て、デイビッドな髪をぐしゃぐしゃ掻きながら馬車のデスクから1枚の紙を引き出して来た。
「ほらよ…」
「なに…これ…?」
「技術提供に関する承諾書。本当は当主印が要るんだが、この範囲なら委任で何とかなる。」
「え…?」
「利権に関しちゃ今回だけ多めに見てやるから、模倣防止の対策術式だけありったけ掛けとけよ?!軍事流用でもされたとあったら速攻国際裁判モノだぞ?」
「そんなのイヤぁぁっ!」
「デビィ…まさかこの術式使わせてくれるの…?」
「もう組んじまったんだろ?出来の方はどうなんだ?」
「かなり良いよ!これなら魔素の多い海域で繋げても絶対に切れないって、バル爺が太鼓判押してくれた!」
「あの爺さんがそこまで言うなら間違いねぇだろうな。それならウチで一枚噛んでた事にして、俺の独断で許可を出してた事にしとく。その代わり、譲渡の際に商業向きで開発を進める許可を得る事。まぁサラムの奴ならその辺融通利かしてくれるはずだ。」
「最終的には商品にするって事だね…」
「少し考えもあるから、とりあえず今作った奴が完成したら一度見せに来いよ。」
「わかったわ!」
シェルリアーナは危機は脱したとばかりに契約書にサインを書き入れ、エリザベスに渡した。
それ受け取り、打って変わって暗い表情のエリザベスが内容を読んでいる。
「はぁーもう脅かさないでよ!でも、これでもうあの式は使っても大丈夫なのよね?」
「そうだね…」
「物を作るって大変なのね…軽く考え過ぎてた、反省したわ。」
「本当にね…」
「どうしたのよリズ、さっきから暗い顔して。作り直しにならなくて良かったじゃない!」
「ねぇ…シェリーはさ、この契約でデビィがどれくらい損したかわかってる?」
「損…?」
「フツーはね、他国の王族に譲渡する魔道具に、制約のある魔導式を使おうとしたら、金貨が何百枚って単位で動く案件なるんだよ?!」
「金貨何百枚?!」
「それだけじゃない、無断使用ってなってたらアタシ達処罰どころか免許停止ならまだ良くて全権限剥奪されて損害賠償って事になってもおかしくないんだよ!!」
「そんなのイヤ!!」
「だからそうならないように、デビィが事業主の独断先行って事にして全部被ってくれたの!場合によっちゃそれだけで事業主として信用が落ちることもあるの!それだけの事がこの紙切れ一枚のサインで決まっちゃうの!そこんとこちゃんと理解してる!?」
シェルリアーナは優等生ではあるが、物作りに関してはエリザベスの方が格段に上だ。
完全お嬢様育ちのシェルリアーナと違い、エリザベスは金銭や利権の絡んだ商業製品の扱いに長けている。
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