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黒豚令息の領地開拓編
いざ敵陣
戻って来たエリックは部屋の中の異様な空気に、思わずデイビッドに耳打ちした。
「ちょっと…デイビッド様、なんかあったんですか?」
「…ヴィオラが、結界装置の守護者の後継に選ばれた。明日一度登城して来る。」
「そんな!」
「機械動かして解放されるならそれでいい。」
「万が一それで拘束される様な事になったら…」
「ならない様に手は打つ。それでも力尽くで来るなら、こっちにも考えがあるからいい。」
「怖ぁ…デイビッド様の総攻撃とか絶対受けたくない…」
学園長に事情を話し、午後は2人して研究室へこもり、デイビッドはギディオンから聞いたガロ帝国の秘められた歴史をヴィオラに話した。
「ヒック…グシュ…」
「落ち着いたかー?」
「ウッ…ウッ…そんな悲しい過去があったなんて…領主様もエルスラ様もかわいそうっ…」
「同じ歴史を聞いても人によって論点が変わるなぁ…」
「完全に女の子の視点ですね~。」
「しょれで…わたじがそのエルスラ様の魔力と同じ波長を持ってるってこどでじゅね…」
「そういう事だ。」
「グズッ…お城に行ったら、私はどうすれば良いのでしょう…」
「機械に魔力込めてそしたら帰って来ればいい。」
「そんな簡単に行きますかねぇ…」
「それなりの味方は連れてく。駄目ならひと暴れも辞さないつもりだ。」
「ほどほどにお願いしますよ…?」
デイビッドはその日の内に商会へ向かい、登城用の支度と衣装を用意し、取り急ぎの対策をできる限り仕掛けていった。
次の日は、朝も早くから身支度のため呼ばれたサロンの手の者達がヴィオラ達を磨き上げた。
「見て下さいこのドレス!素地はシンプルなのに、裾にも袖にも揺れるこの可愛らしいフリル!触るとすべすべでとても気持ちが良くて、おまけにヴィオラ様とお揃いです!」
滑らかなライラックブルーのドレスに踊るクレープの効いたフリルを揺すりながら、アリスティアが鏡の前でくるくる回っている。
「良くお似合いですアリス様。」
「お揃いって言うのが嬉しいの!アザーレア様ばっかり羨ましかったのよ?!」
「おーい、馬車の支度ができたぞ?こっちはもういいか?」
「「はぁーい!!」」
2人はデイビッドに呼ばれ、白亜の豪奢な馬車に乗り込み気合を入れ直した。
「ご安心下さい!ヴィオラ様を囲おうなどと考える不埒な輩は、私がギタギタにします!」
「しなくていい!姫が横にいれば迂闊に手出しができなくなるかと思っただけだ。」
「あら、つまらない。ヴィオラ様に手を出そうとする貴族達に、粛清のひとつふたつ下すつもりで来ましたのに。」
「んなこと言ってると兄貴がまた泣くぞ?」
「しかし随分な重装備ですね。こっそり行って帰って来るはずじゃなかったんですか?」
「敢えて公的な訪問にしたんだよ。こっちは王族の召集に応じただけのなんの非も無い臣下だって立場は崩さない方がいい。」
大きな荷物を持たされたエリックが、今日は手袋まで着けて久々の完璧な侍従服で居心地を悪くしていた。
「おかしい…デイビッド様に付く前は日常的に着てたはずなのに…凄い窮屈!!」
「そんなもんだ。」
やがて馬車は城の中に入って行き、堂々大門を通りぬける。
4人は、今まで避けていた真正面の大回廊の絨毯の上を歩いて行った。
今回はアリスティア同伴ということでエスコートはしない。
その代わり連れ立つ2人の真後ろを守る様に歩いて行く。
しばらくすると、王太子然とした姿のアーネストが現れた。
「よくぞ参った。こちらへ案内しよう。」
臣下の礼を取るデイビッド達を連れ、階段の上の魔術師の集まる部屋へと侍従やメイドをぞろぞろ連れて歩くと、ワザとらしく人払いし、最奥の部屋の鍵を開けた。
「以外と思い切った事をするんだな!?」
「ったりめーだ。大事な婚約者を結界の守護者だなんだ言われて取り上げられたら堪ったもんじゃねぇからな!」
「う…僕はしないって…」
「あら、お兄様がどうこうという話ではありませんよ?!既に国のお飾りとして聖女を欲しがる貴族の声もあるんですから。」
部屋の真ん中には、件の装置がカチカチと音を立てながら時を刻むように動いている。
その傍らには、アンジェリーナ率いる魔術師と、その他の魔術系統の王家に仕える魔法使い達が控えていた。
「ここに居るのは私とアリスティア派の者達だけだから安心したまえ。さぁ、こちらへ…」
装置の基板に標石を戻し、ヴィオラが前に出る。
「あ!光った…」
「すごい、本当にヴィオラ様の魔力に反応してますよ?!」
「早速頼む。この基盤に魔力を注げばいいようなんだが…」
アーネストに言われた通り、ヴィオラは基盤の中心に手を触れ、自分の魔力をゆっくり注ぎ始めた。
すると体の中から魔力が吸い出されるような感覚がして、装置が一段と輝き出し、ものすごい速さで回転軸が一周りしたと思うと、カチンと一瞬装置が止まり、そこから光の輪が溢れ出して部屋を城を街をすり抜け、王都の壁際まで広がってフッと消えた。
そして、手元の装置はまたカチカチと軽快で規則的な音を立てながら作動し始めた。
「石が…さっきより青くなってる…?」
「成功だ…」
「やったぞ!装置が作動した!」
「これで王都は再び安泰だ!」
「皆に伝えよ!結界の新たな守護者が見つかったと!」
「待て!」
大喜びで騒ぐ魔術師達を、アーネストが引き止める。
「装置が正常に動いたのならば守護者は必要ない。このまま魔力の継承者の事は秘匿し、一切の情報を漏らすこと無くこの場は収めて欲しい。」
「しかし、またいつ止まるかもわからないのですぞ?」
「結界は200年維持が可能だった。女神信仰の教会にできて我々にできないはずがない。」
「民を安心させる為にも、守護者は必要不可欠かと!」
「そんなものに縋ったせいで教会は崩落したのだ。そもそもこちらの身勝手で無関係な者を無闇に拘束することはできない。」
「無関係ですと?この国の民ならば、国に尽くすことの何がいけませんか!?」
「必要が無いと言っているだろう?!魔力を注ぐだけで維持が可能の装置に、何故守護者などが要る!?まさか毎日魔力を注げとでも言うつもりか?!」
「もちろんですとも!そうすれば、装置が止まる心配もありませんし、どうです?それで民も国王も納得するなら良いではありませんか?」
「国王…?何故そこで王が出てくる?」
「陛下には是非にこの国の象徴として聖女を王室に迎え入れたいと報告を致しまして、次の議会で取り上げる方向で今話を進めて…」
その途端、アーネストとアリスティアの顔から血の気が引いた。
「何故父上に知らせた!!」
「殿下こそ、国家の安寧を揺るがす一大事を、何故陛下にご報告されないのですか!?」
「この装置は我が国の物ではありません!いずれ造られた国の民へ還さねばならない借り物に過ぎないのです。それに、守護の範囲は王都のみ、それで国家の安寧とは言えません!」
「やれやれ、国を護るという事を甘く見てはなりませんぞ殿下…」
「もういい!アンジェリーナッ!!」
アーネストは装置の真横にいたアンジェリーナを呼ぶがなんの反応も無い。
「アンジェリーナ!?なにをしている早くこの者達を…」
「殿下、その者はアンジェリーナ殿ではございませんよ?」
「は…?なにを…」
アンジェリーナの姿が崩れ、現れたのは黒いローブの魔術師だった。
「お戯れはこのくらいにして頂きたい。聖女を別室へ連れて行け!」
この時、既にヴィオラはアリスティアと共にデイビッドにしがみついていたが、突如現れた魔力の渦に弾かれ、デイビッドの手から離れてしまった。
「デイビッド様ぁっ!!」
「ヴィオラ!!」
まるで扉が閉じるように、光が消えてヴィオラもアリスティアも姿を消してしまった。
「殿下はご乱心だ!急ぎ王宮へ!」
「殿下、ご無礼を…」
護衛達がアーネストを抑えつけ、部屋の外へ連れ出そうとする。
「貴様等、ミス・ヴィオラとアリスティアをどこへやった!」
「ご安心下さい。大切な姫殿下と聖女様ですので、安全な場所へご移動願っただけですよ。」
「ふざけるな!離せぇぇっ!」
「早くお連れしろ!全く面倒を掛けさせおって…おい、そこの邪魔な奴等も連れて行け!たかが婚約者の分際で鬱陶しい!そう言えばデュロックの息子には魔力が無かったんだったな。せっかく見つけた婚約者を取り上げられるとは、ざまぁみろ!これも散々国の平和を乱した天罰だ。さっさとつまみ出せ!」
小太りの魔術師が場を仕切り、デイビッドとエリックは騒ぎを聞きつけて飛んで来た兵士達に連れられ、地下牢へと放り込まれた。
「ちょっと…デイビッド様、なんかあったんですか?」
「…ヴィオラが、結界装置の守護者の後継に選ばれた。明日一度登城して来る。」
「そんな!」
「機械動かして解放されるならそれでいい。」
「万が一それで拘束される様な事になったら…」
「ならない様に手は打つ。それでも力尽くで来るなら、こっちにも考えがあるからいい。」
「怖ぁ…デイビッド様の総攻撃とか絶対受けたくない…」
学園長に事情を話し、午後は2人して研究室へこもり、デイビッドはギディオンから聞いたガロ帝国の秘められた歴史をヴィオラに話した。
「ヒック…グシュ…」
「落ち着いたかー?」
「ウッ…ウッ…そんな悲しい過去があったなんて…領主様もエルスラ様もかわいそうっ…」
「同じ歴史を聞いても人によって論点が変わるなぁ…」
「完全に女の子の視点ですね~。」
「しょれで…わたじがそのエルスラ様の魔力と同じ波長を持ってるってこどでじゅね…」
「そういう事だ。」
「グズッ…お城に行ったら、私はどうすれば良いのでしょう…」
「機械に魔力込めてそしたら帰って来ればいい。」
「そんな簡単に行きますかねぇ…」
「それなりの味方は連れてく。駄目ならひと暴れも辞さないつもりだ。」
「ほどほどにお願いしますよ…?」
デイビッドはその日の内に商会へ向かい、登城用の支度と衣装を用意し、取り急ぎの対策をできる限り仕掛けていった。
次の日は、朝も早くから身支度のため呼ばれたサロンの手の者達がヴィオラ達を磨き上げた。
「見て下さいこのドレス!素地はシンプルなのに、裾にも袖にも揺れるこの可愛らしいフリル!触るとすべすべでとても気持ちが良くて、おまけにヴィオラ様とお揃いです!」
滑らかなライラックブルーのドレスに踊るクレープの効いたフリルを揺すりながら、アリスティアが鏡の前でくるくる回っている。
「良くお似合いですアリス様。」
「お揃いって言うのが嬉しいの!アザーレア様ばっかり羨ましかったのよ?!」
「おーい、馬車の支度ができたぞ?こっちはもういいか?」
「「はぁーい!!」」
2人はデイビッドに呼ばれ、白亜の豪奢な馬車に乗り込み気合を入れ直した。
「ご安心下さい!ヴィオラ様を囲おうなどと考える不埒な輩は、私がギタギタにします!」
「しなくていい!姫が横にいれば迂闊に手出しができなくなるかと思っただけだ。」
「あら、つまらない。ヴィオラ様に手を出そうとする貴族達に、粛清のひとつふたつ下すつもりで来ましたのに。」
「んなこと言ってると兄貴がまた泣くぞ?」
「しかし随分な重装備ですね。こっそり行って帰って来るはずじゃなかったんですか?」
「敢えて公的な訪問にしたんだよ。こっちは王族の召集に応じただけのなんの非も無い臣下だって立場は崩さない方がいい。」
大きな荷物を持たされたエリックが、今日は手袋まで着けて久々の完璧な侍従服で居心地を悪くしていた。
「おかしい…デイビッド様に付く前は日常的に着てたはずなのに…凄い窮屈!!」
「そんなもんだ。」
やがて馬車は城の中に入って行き、堂々大門を通りぬける。
4人は、今まで避けていた真正面の大回廊の絨毯の上を歩いて行った。
今回はアリスティア同伴ということでエスコートはしない。
その代わり連れ立つ2人の真後ろを守る様に歩いて行く。
しばらくすると、王太子然とした姿のアーネストが現れた。
「よくぞ参った。こちらへ案内しよう。」
臣下の礼を取るデイビッド達を連れ、階段の上の魔術師の集まる部屋へと侍従やメイドをぞろぞろ連れて歩くと、ワザとらしく人払いし、最奥の部屋の鍵を開けた。
「以外と思い切った事をするんだな!?」
「ったりめーだ。大事な婚約者を結界の守護者だなんだ言われて取り上げられたら堪ったもんじゃねぇからな!」
「う…僕はしないって…」
「あら、お兄様がどうこうという話ではありませんよ?!既に国のお飾りとして聖女を欲しがる貴族の声もあるんですから。」
部屋の真ん中には、件の装置がカチカチと音を立てながら時を刻むように動いている。
その傍らには、アンジェリーナ率いる魔術師と、その他の魔術系統の王家に仕える魔法使い達が控えていた。
「ここに居るのは私とアリスティア派の者達だけだから安心したまえ。さぁ、こちらへ…」
装置の基板に標石を戻し、ヴィオラが前に出る。
「あ!光った…」
「すごい、本当にヴィオラ様の魔力に反応してますよ?!」
「早速頼む。この基盤に魔力を注げばいいようなんだが…」
アーネストに言われた通り、ヴィオラは基盤の中心に手を触れ、自分の魔力をゆっくり注ぎ始めた。
すると体の中から魔力が吸い出されるような感覚がして、装置が一段と輝き出し、ものすごい速さで回転軸が一周りしたと思うと、カチンと一瞬装置が止まり、そこから光の輪が溢れ出して部屋を城を街をすり抜け、王都の壁際まで広がってフッと消えた。
そして、手元の装置はまたカチカチと軽快で規則的な音を立てながら作動し始めた。
「石が…さっきより青くなってる…?」
「成功だ…」
「やったぞ!装置が作動した!」
「これで王都は再び安泰だ!」
「皆に伝えよ!結界の新たな守護者が見つかったと!」
「待て!」
大喜びで騒ぐ魔術師達を、アーネストが引き止める。
「装置が正常に動いたのならば守護者は必要ない。このまま魔力の継承者の事は秘匿し、一切の情報を漏らすこと無くこの場は収めて欲しい。」
「しかし、またいつ止まるかもわからないのですぞ?」
「結界は200年維持が可能だった。女神信仰の教会にできて我々にできないはずがない。」
「民を安心させる為にも、守護者は必要不可欠かと!」
「そんなものに縋ったせいで教会は崩落したのだ。そもそもこちらの身勝手で無関係な者を無闇に拘束することはできない。」
「無関係ですと?この国の民ならば、国に尽くすことの何がいけませんか!?」
「必要が無いと言っているだろう?!魔力を注ぐだけで維持が可能の装置に、何故守護者などが要る!?まさか毎日魔力を注げとでも言うつもりか?!」
「もちろんですとも!そうすれば、装置が止まる心配もありませんし、どうです?それで民も国王も納得するなら良いではありませんか?」
「国王…?何故そこで王が出てくる?」
「陛下には是非にこの国の象徴として聖女を王室に迎え入れたいと報告を致しまして、次の議会で取り上げる方向で今話を進めて…」
その途端、アーネストとアリスティアの顔から血の気が引いた。
「何故父上に知らせた!!」
「殿下こそ、国家の安寧を揺るがす一大事を、何故陛下にご報告されないのですか!?」
「この装置は我が国の物ではありません!いずれ造られた国の民へ還さねばならない借り物に過ぎないのです。それに、守護の範囲は王都のみ、それで国家の安寧とは言えません!」
「やれやれ、国を護るという事を甘く見てはなりませんぞ殿下…」
「もういい!アンジェリーナッ!!」
アーネストは装置の真横にいたアンジェリーナを呼ぶがなんの反応も無い。
「アンジェリーナ!?なにをしている早くこの者達を…」
「殿下、その者はアンジェリーナ殿ではございませんよ?」
「は…?なにを…」
アンジェリーナの姿が崩れ、現れたのは黒いローブの魔術師だった。
「お戯れはこのくらいにして頂きたい。聖女を別室へ連れて行け!」
この時、既にヴィオラはアリスティアと共にデイビッドにしがみついていたが、突如現れた魔力の渦に弾かれ、デイビッドの手から離れてしまった。
「デイビッド様ぁっ!!」
「ヴィオラ!!」
まるで扉が閉じるように、光が消えてヴィオラもアリスティアも姿を消してしまった。
「殿下はご乱心だ!急ぎ王宮へ!」
「殿下、ご無礼を…」
護衛達がアーネストを抑えつけ、部屋の外へ連れ出そうとする。
「貴様等、ミス・ヴィオラとアリスティアをどこへやった!」
「ご安心下さい。大切な姫殿下と聖女様ですので、安全な場所へご移動願っただけですよ。」
「ふざけるな!離せぇぇっ!」
「早くお連れしろ!全く面倒を掛けさせおって…おい、そこの邪魔な奴等も連れて行け!たかが婚約者の分際で鬱陶しい!そう言えばデュロックの息子には魔力が無かったんだったな。せっかく見つけた婚約者を取り上げられるとは、ざまぁみろ!これも散々国の平和を乱した天罰だ。さっさとつまみ出せ!」
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