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黒豚辺境伯爵令息
ヴィオラ・ローベル
ヴィオラが目覚めると、そこは見慣れないベッドの上だった。
ヴィオラ・ランドールは幼い頃から家族に嫌われていた。
赤ん坊の頃から世話は全て使用人任せ。
母が自分のために何かしてくれた事はほとんど無かった。
2歳違いで産まれた妹は、両親共に愛され、ヴィオラはそれを横で眺めていることしかできなかった。
何でも与えられ、どんなわがままも叶えられる妹と、欲しい物ひとつ口に出すことすら憚られるヴィオラ。
歪な家族の中で、それでもヴィオラが希望を捨てなかったのは、時たま会いに来る叔父と、いつも手紙をくれる祖父母の存在があったからだった。
ヴィオラが家族の輪に入れるのは、揃って出かけなければならない時だけ。
普段は食事すら別で摂らせる両親も、人前ではご立派な親を演じて見せる。
やたら愛想よく振る舞う両親に、ヴィオラの心はどんどん離れて行った。
そんなヴィオラがランドール家から追い出されたのは、7歳の時だった。
妹の祝福の儀に付き添えと言われ、いつものように両親に付き従っていると、神官達が慌て出し、会場が割れるような拍手に包まれた。
聖女が選ばれた!と皆が喜び、妹にかしずいて手を述べていた。
両親が教会の神官達と話をしている隙に、妹がニヤニヤ笑いながらヴィオラに近づいてきた。
「うらやましいでしょう?」と言われても、ヴィオラには何のことか良くわからない。
おめでとう、とだけ伝えると、「なによ!本当はくやしいくせに!」「すました顔してんじゃないわ!」と妹が喚き出し、ついに祭壇からヴィオラを突き飛ばしてしまった。
床に叩きつけられ、痛みで気を失いかけたが、突如爆発のような音が頭の上から降ってきたので、それどころではなくなった。
外を見ると、教会の庭にある聖女の像が丸焦げになり、芝生もベンチも燃えていた。
ヴィオラは何が起こったかもわからないまま、神官達に捕らえられ、神罰を受けた聖敵として、王都への立ち入りを禁じられてしまった。
王都を追放されて叔父の領地で暮らすことになったが、そこは天国だった。
可愛がってくれる祖父母と叔父夫婦に囲まれ、ヴィオラはようやく生きる喜びと子供らしさを取り戻した。
その幸せは14歳のある日、突然終わりを告げてしまったが…
白いベッドの上で身を起こし、今しがた起きたことを少しずつ思い出す。
いつものように鞭で叩かれ、ここから出るなと離れの物置きのような部屋に押し込められていたら、今度は引きずり出されて、無理やりドレスを着せられた。
靴もドレスも妹のお下がりで、体に合わず不格好。
化粧も髪型も適当で、鏡すら見ること無く馬車に詰め込まれた。
何もわからないまま参加させられた夜会では、会場に入るやいきなりグラスを投げ付けられ、顔を叩かれ床に突き飛ばされた。
会ったこともない誰かが、自分を指差し怒鳴りつけてくる。
ヴィオラの心はもう限界を超えていた。
理不尽な仕打ちは、どんなに耐えても終わらない。
学園に入るまでの事と、なんとか辛抱してきたが、それもいつになるかわからない。
意味もなく罵られ、暴力を振るわれ、ボロボロにされていくばかり。
そんなに気に入らないのなら、なぜ放って置いてくれないのだろう。
ぼんやりしていた視界が戻り、顔を上げると笑っている妹の顔が酷く醜く見えた。
どうして私だけこんな辛い目に遭わなければならないのか。
幼い頃からずっと疑問に思っていた。
帰りたい。優しい叔父と祖父母の元へ。
ぐるぐると色んなことを考えていると、また他の誰かが来て怒鳴り、乱暴に髪を捕まれた。
ヴィオラは誰にも聞こえない声で叫んだ。
「だれかたすけて」と…
そこから記憶がはっきりしない。
白いベッドは消毒液の匂いがした。
ぼーっしていると、白衣の女医が現れ、あれこれ質問されたが、まるで夢現の中にいたようで、ヴィオラはうまく答えることができなかった。
ただ覚えているのは、差し伸べてられた大きな手と、頼もしい温かな背中と、力強い腕の感触。
誰一人味方のいない中で、唯一助けに来てくれた名前も知らない誰かの顔。
あれこれ身体を診てもらっていると、部屋の外が騒がしくなり、ローベル子爵が現れた。
一年以上もの間、会うことはおろか、手紙一枚書かせてもらえなかった叔父との再会で、ヴィオラはようやく涙を流し、声を上げて泣くことができた。
そこからは大変だった。
叔父の後ろから現れた王太子に、2人で慌てて平伏したり、その場でまさかの養子縁組の手続きが終了してしまったり、陛下まで出てきて謝罪をされたりと、普通ではあり得ない出来事を次々と体験した。
王城の貴賓室に一晩泊まり、朝食まで頂くことになったのは、生涯忘れられない思い出になった。
まさしく夢の様な一夜が過ぎ、叔父と一緒に仮屋敷に帰ると、そこには一足先にたくさんの贈り物が届けられていた。
宛名はどこにもなかったが、それらが誰から贈られた物か、ヴィオラにはすぐわかった。
マーガレットを模った箱の中には、パステルカラーの花束をそのまま閉じ込めたようなボンボンが詰め込まれていて、ベルベットの箱を開けると、宝石の様なチョコレートがぎっしり並んでいた。
ガラスのドームの中でふわふわ揺れるピンク色のシフォンケーキの周りには、可愛らしい色とりどりの砂糖菓子。
香りの良い紅茶の茶葉が数種類。
ジャムにキャンディに果物もあった。
そして最後に、メッセージの付いた傷薬。
『1日も早くあなたが元気になりますように』
しばらくは安静に、と言う医師の言いつけを守り、ヴィオラはベッド上で贈り物を眺めて過ごした。
リボンの1本も、包み紙の一片だって失くしたくない。
今までで一番幸せな贈り物だった。
歩けるようになったら、絶対にお礼に行こう。
こんなに素晴らしい物は難しいかもしれないが、できる限りのお返しをしよう。そう心に決めて。
一方でローベル子爵は、この度の事で姪を救ってくれた相手を調べ、領地で果樹の共同開発を行っているデュロック伯爵家の令息と知り、一足先に礼を述べに向かっていた。
そこでまさか婚約の話にまでなるなどとは夢にも思わずに…
ヴィオラ・ランドールは幼い頃から家族に嫌われていた。
赤ん坊の頃から世話は全て使用人任せ。
母が自分のために何かしてくれた事はほとんど無かった。
2歳違いで産まれた妹は、両親共に愛され、ヴィオラはそれを横で眺めていることしかできなかった。
何でも与えられ、どんなわがままも叶えられる妹と、欲しい物ひとつ口に出すことすら憚られるヴィオラ。
歪な家族の中で、それでもヴィオラが希望を捨てなかったのは、時たま会いに来る叔父と、いつも手紙をくれる祖父母の存在があったからだった。
ヴィオラが家族の輪に入れるのは、揃って出かけなければならない時だけ。
普段は食事すら別で摂らせる両親も、人前ではご立派な親を演じて見せる。
やたら愛想よく振る舞う両親に、ヴィオラの心はどんどん離れて行った。
そんなヴィオラがランドール家から追い出されたのは、7歳の時だった。
妹の祝福の儀に付き添えと言われ、いつものように両親に付き従っていると、神官達が慌て出し、会場が割れるような拍手に包まれた。
聖女が選ばれた!と皆が喜び、妹にかしずいて手を述べていた。
両親が教会の神官達と話をしている隙に、妹がニヤニヤ笑いながらヴィオラに近づいてきた。
「うらやましいでしょう?」と言われても、ヴィオラには何のことか良くわからない。
おめでとう、とだけ伝えると、「なによ!本当はくやしいくせに!」「すました顔してんじゃないわ!」と妹が喚き出し、ついに祭壇からヴィオラを突き飛ばしてしまった。
床に叩きつけられ、痛みで気を失いかけたが、突如爆発のような音が頭の上から降ってきたので、それどころではなくなった。
外を見ると、教会の庭にある聖女の像が丸焦げになり、芝生もベンチも燃えていた。
ヴィオラは何が起こったかもわからないまま、神官達に捕らえられ、神罰を受けた聖敵として、王都への立ち入りを禁じられてしまった。
王都を追放されて叔父の領地で暮らすことになったが、そこは天国だった。
可愛がってくれる祖父母と叔父夫婦に囲まれ、ヴィオラはようやく生きる喜びと子供らしさを取り戻した。
その幸せは14歳のある日、突然終わりを告げてしまったが…
白いベッドの上で身を起こし、今しがた起きたことを少しずつ思い出す。
いつものように鞭で叩かれ、ここから出るなと離れの物置きのような部屋に押し込められていたら、今度は引きずり出されて、無理やりドレスを着せられた。
靴もドレスも妹のお下がりで、体に合わず不格好。
化粧も髪型も適当で、鏡すら見ること無く馬車に詰め込まれた。
何もわからないまま参加させられた夜会では、会場に入るやいきなりグラスを投げ付けられ、顔を叩かれ床に突き飛ばされた。
会ったこともない誰かが、自分を指差し怒鳴りつけてくる。
ヴィオラの心はもう限界を超えていた。
理不尽な仕打ちは、どんなに耐えても終わらない。
学園に入るまでの事と、なんとか辛抱してきたが、それもいつになるかわからない。
意味もなく罵られ、暴力を振るわれ、ボロボロにされていくばかり。
そんなに気に入らないのなら、なぜ放って置いてくれないのだろう。
ぼんやりしていた視界が戻り、顔を上げると笑っている妹の顔が酷く醜く見えた。
どうして私だけこんな辛い目に遭わなければならないのか。
幼い頃からずっと疑問に思っていた。
帰りたい。優しい叔父と祖父母の元へ。
ぐるぐると色んなことを考えていると、また他の誰かが来て怒鳴り、乱暴に髪を捕まれた。
ヴィオラは誰にも聞こえない声で叫んだ。
「だれかたすけて」と…
そこから記憶がはっきりしない。
白いベッドは消毒液の匂いがした。
ぼーっしていると、白衣の女医が現れ、あれこれ質問されたが、まるで夢現の中にいたようで、ヴィオラはうまく答えることができなかった。
ただ覚えているのは、差し伸べてられた大きな手と、頼もしい温かな背中と、力強い腕の感触。
誰一人味方のいない中で、唯一助けに来てくれた名前も知らない誰かの顔。
あれこれ身体を診てもらっていると、部屋の外が騒がしくなり、ローベル子爵が現れた。
一年以上もの間、会うことはおろか、手紙一枚書かせてもらえなかった叔父との再会で、ヴィオラはようやく涙を流し、声を上げて泣くことができた。
そこからは大変だった。
叔父の後ろから現れた王太子に、2人で慌てて平伏したり、その場でまさかの養子縁組の手続きが終了してしまったり、陛下まで出てきて謝罪をされたりと、普通ではあり得ない出来事を次々と体験した。
王城の貴賓室に一晩泊まり、朝食まで頂くことになったのは、生涯忘れられない思い出になった。
まさしく夢の様な一夜が過ぎ、叔父と一緒に仮屋敷に帰ると、そこには一足先にたくさんの贈り物が届けられていた。
宛名はどこにもなかったが、それらが誰から贈られた物か、ヴィオラにはすぐわかった。
マーガレットを模った箱の中には、パステルカラーの花束をそのまま閉じ込めたようなボンボンが詰め込まれていて、ベルベットの箱を開けると、宝石の様なチョコレートがぎっしり並んでいた。
ガラスのドームの中でふわふわ揺れるピンク色のシフォンケーキの周りには、可愛らしい色とりどりの砂糖菓子。
香りの良い紅茶の茶葉が数種類。
ジャムにキャンディに果物もあった。
そして最後に、メッセージの付いた傷薬。
『1日も早くあなたが元気になりますように』
しばらくは安静に、と言う医師の言いつけを守り、ヴィオラはベッド上で贈り物を眺めて過ごした。
リボンの1本も、包み紙の一片だって失くしたくない。
今までで一番幸せな贈り物だった。
歩けるようになったら、絶対にお礼に行こう。
こんなに素晴らしい物は難しいかもしれないが、できる限りのお返しをしよう。そう心に決めて。
一方でローベル子爵は、この度の事で姪を救ってくれた相手を調べ、領地で果樹の共同開発を行っているデュロック伯爵家の令息と知り、一足先に礼を述べに向かっていた。
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