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黒豚特別非常勤講師
賑やかな学園生活
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デイビッドがエリックと部屋に戻った頃、学園長室では学園長とアーネストと妹のアリスティアの3人が話をしていた。
「この度は誠に申し訳ありませんでした殿下。生徒の身勝手を止めることができず、お恥ずかしい限りでございます。」
「仕方がないさ。ルルーシェ侯爵家は昔から他者に権力を振るいがちなところがあったし、娘がその影響を受けていたとしても不思議は無い。それより、よく決闘を回避してくれた。これなら勝っても負けても家名に傷は付かないし、名前も残らないからね。」
「あら、お兄様に早急に知らせを出した私のことも褒めて下さいませ。」
「もちろんだよアリス。君のおかげで王宮にいながら学園の諸々を知ることができて本当に助かってる。」
「ええ、特にあの貴重な人材からは決して目を離しませんわ!」
アリスティアは兄に向かってグッと親指を突き立てて見せた。
「止めなさいアリス!!変な事を覚えるんじゃない!!」
「お兄様。あのね、私デイビッド様の…」
「アリスティア??!」
「デイビッド様のような人間になりたいの!!」
「アリスティア!!馬鹿なことを言うんじゃない!アレは規格外だ!!間違っても真似しようなんて考えるんじゃない!!」
「でもお兄様も憧れてらしたではありませんか。」
「昔はな!?だが父上に言われて、今は静観に留めてる…デュロックの血筋は追わないことだ。絶対に!」
「…肝の小さいお兄様…」
「アリス!!」
学園長は二人の言い合いを微笑ましげに眺めていたが、やがてアーネストに1枚の紙を差し出した。
「王太子殿下、デイビッド殿の事は私共が今後もきちんとご報告致します。とりあえずこれを…」
「これは…?」
「デイビッド殿がこの学園にいらしてから立てられた功績でございます。新種の薬草の栽培に、養蜂の改革、蝗害の対策、コルクの産地拡大も後押しされております。…生徒とぶつかる事もままありますが、概ね大人な対応で躱されているようで、ご安心下さい。」
「ありがとうございます。アルフォンス先生…」
アーネストはかつての指導者である学園長に礼を言い、こっそりと城へ帰って行った。
「デイビッド先生っ!!俺と勝負してくれ!!」
「却下!!」
あの試合から数日。
デイビッドの元には、騎士科の生徒が勝負を挑んでくるようになった。
「1回だけでいいんです!稽古つけて下さい!!」
「断る!!」
指導や稽古を望む声も多く、どんなに断ってもやって来る。
特にしつこいのがコールマン卿だ。
「デイビッド殿!騎士科の講師になってくれ!お願いだ!!」
「知らん!帰れ!!」
その都度追い返してはしているが、希望者はまだまだ増えそうだ。
「デイビッド先生、恋人がいるって本当ですか?!」
「ノーコメントっつったろ!!」
「でも学園の事務所でアルバイトしてる友達が、手紙の振り分けでデイビッド先生にすごいカワイイ手紙が来てるの見たって!」
「オイ誰だバイト!!そーゆーの守秘義務なんじゃねぇのか??クビにされるぞ?!」
「で!?恋人ですか?婚約者ですか?」
「誰が答えるか!授業に集中しろ商業科!内陸運河で輸出入可能な交易品18品目!輸入品扱う奴は頭に叩き込んどけ!!」
「先生!運河に謎の巨大生物が出るって本当ですか?!」
「知るか!ノート書け!!」
商業科はいつになく賑やかで、楽しげだった。
領地経営科は、いつも通り静かでまじめな生徒たちが、デイビッドの話に集中して聞いていたが、ここしばらくなんだか様子がおかしい。
「ーーで、この数字を見ると、農産物の生産量は新しい農具の普及率と比例してる事がわかる訳だ……ところで今日、人多くないか?」
教室を見渡すと、いつも図書館に消えて行くグループとは別に、見覚えのない顔がちらほら座っている。
「ちょっと待て…そこの3人は騎士科の制服じゃないのか?」
「あ…僕のとこ、兄が家を継ぐんですけど、デイビッド先生が講義に来てるって話したら、単位落としてもいいから受けて来いって…」
「僕も、父さんに何がなんでも参加して来いって言われました。」
「俺も…」
「……後で騎士科の担任にきちんと話を通して来い!!俺からも、多少大目に見てもらえるよう頼んでみる…」
「ありがとうございます、先生っ!」
「はぁ…頼むから問題起こしてくれるなよ…」
「あの…淑女科の先生にも、いいですか…?」
「まだ居るのか?!あ~も~、わかったわかった!領地経営科以外の生徒は後で出席表書いてけ!!把握次第、職員会議で許可出してもらって来るから、それまで待ってろ!!」
「先生ありがとうっ!!」
「デュロック先生やっさし~!!」
「今、商業科もいただろ?!お前等こっちの生徒に悪影響を及ぼすんじゃねぇぞ!?大人しくしてろ!!」
「ところで、帝国側からの輸入規制の緩和で、食料の輸入量が増えるというのは本当でしょうか?」
「まだ公にはされてないが、主に穀類の輸入量が増えることに…ってサイモン先生?!あんた授業は??」
「自習にしてきたのでご安心を!」
「だから商業の生徒がやたらこっちに流れ込んでんのか?!なんも安心できねぇ!!」
その後も生徒は増え、ついに教室から更に広い講義室を借りて授業をする羽目になったデイビッドだった。
「おい、デイビッド・デュロック!僕ともう一度勝負しろ!!」
授業を終えたデイビッドが廊下を歩いていると、生徒会の腕章を着けた青髪の生徒が絡んできた。
「お、なんだお前、謹慎解けたのか?」
最初の授業で絡んできたテレンス・フィーラーは、自身が勝手に始め、勝手に負けた勝負の事を家族に知られ、家名を出して恥をかいた事で反省を促すために、父親に自己謹慎させられ、だいぶきついお叱りを受けたと聞いている。
「次はなんの勝負をするつもりだ?クイズか?」
「馬鹿にするな!!夏季休暇の前に、生徒の合同パーティーがあるのは知っているな?!僕とダンスで勝負だ!!」
「………お前…もう勝てればなんでもいいんだろ…勝った気になりたいだけの競争は虚しいだけだぞ?悪いが俺は運営側だから、パーティーには出ても警備に近い。遊んでる暇は無いぞ?」
「待て!!逃げるのか?!」
「暇な奴に構ってる時間がもったいないんだよこっちは!」
生徒会が生徒を先導し、デイビッドを嫌う生徒を集め、派閥を作っている事は、デイビッドも商業科の生徒から聞いている。
だがデイビッド自身が「勝手にやっててくれ」程度にしか思っていない事も、彼等には腹立たしいことなのだろう。
なんとか恥をかかせ、叩きのめす案はないかと、日々周辺をウロウロされるようになり、デイビッドもいい加減、鬱陶しく感じていた。
(これが生徒同士のぶつかり合いにならなきゃいいんだが…)
派閥ができると、人は争う生き物だ。
ましてや、権力の有る者と無い者の力の差が激しいこの学園の中。
人知れず傷つけられる者がいなければいいが…と、危惧するデイビッドだった。
「この度は誠に申し訳ありませんでした殿下。生徒の身勝手を止めることができず、お恥ずかしい限りでございます。」
「仕方がないさ。ルルーシェ侯爵家は昔から他者に権力を振るいがちなところがあったし、娘がその影響を受けていたとしても不思議は無い。それより、よく決闘を回避してくれた。これなら勝っても負けても家名に傷は付かないし、名前も残らないからね。」
「あら、お兄様に早急に知らせを出した私のことも褒めて下さいませ。」
「もちろんだよアリス。君のおかげで王宮にいながら学園の諸々を知ることができて本当に助かってる。」
「ええ、特にあの貴重な人材からは決して目を離しませんわ!」
アリスティアは兄に向かってグッと親指を突き立てて見せた。
「止めなさいアリス!!変な事を覚えるんじゃない!!」
「お兄様。あのね、私デイビッド様の…」
「アリスティア??!」
「デイビッド様のような人間になりたいの!!」
「アリスティア!!馬鹿なことを言うんじゃない!アレは規格外だ!!間違っても真似しようなんて考えるんじゃない!!」
「でもお兄様も憧れてらしたではありませんか。」
「昔はな!?だが父上に言われて、今は静観に留めてる…デュロックの血筋は追わないことだ。絶対に!」
「…肝の小さいお兄様…」
「アリス!!」
学園長は二人の言い合いを微笑ましげに眺めていたが、やがてアーネストに1枚の紙を差し出した。
「王太子殿下、デイビッド殿の事は私共が今後もきちんとご報告致します。とりあえずこれを…」
「これは…?」
「デイビッド殿がこの学園にいらしてから立てられた功績でございます。新種の薬草の栽培に、養蜂の改革、蝗害の対策、コルクの産地拡大も後押しされております。…生徒とぶつかる事もままありますが、概ね大人な対応で躱されているようで、ご安心下さい。」
「ありがとうございます。アルフォンス先生…」
アーネストはかつての指導者である学園長に礼を言い、こっそりと城へ帰って行った。
「デイビッド先生っ!!俺と勝負してくれ!!」
「却下!!」
あの試合から数日。
デイビッドの元には、騎士科の生徒が勝負を挑んでくるようになった。
「1回だけでいいんです!稽古つけて下さい!!」
「断る!!」
指導や稽古を望む声も多く、どんなに断ってもやって来る。
特にしつこいのがコールマン卿だ。
「デイビッド殿!騎士科の講師になってくれ!お願いだ!!」
「知らん!帰れ!!」
その都度追い返してはしているが、希望者はまだまだ増えそうだ。
「デイビッド先生、恋人がいるって本当ですか?!」
「ノーコメントっつったろ!!」
「でも学園の事務所でアルバイトしてる友達が、手紙の振り分けでデイビッド先生にすごいカワイイ手紙が来てるの見たって!」
「オイ誰だバイト!!そーゆーの守秘義務なんじゃねぇのか??クビにされるぞ?!」
「で!?恋人ですか?婚約者ですか?」
「誰が答えるか!授業に集中しろ商業科!内陸運河で輸出入可能な交易品18品目!輸入品扱う奴は頭に叩き込んどけ!!」
「先生!運河に謎の巨大生物が出るって本当ですか?!」
「知るか!ノート書け!!」
商業科はいつになく賑やかで、楽しげだった。
領地経営科は、いつも通り静かでまじめな生徒たちが、デイビッドの話に集中して聞いていたが、ここしばらくなんだか様子がおかしい。
「ーーで、この数字を見ると、農産物の生産量は新しい農具の普及率と比例してる事がわかる訳だ……ところで今日、人多くないか?」
教室を見渡すと、いつも図書館に消えて行くグループとは別に、見覚えのない顔がちらほら座っている。
「ちょっと待て…そこの3人は騎士科の制服じゃないのか?」
「あ…僕のとこ、兄が家を継ぐんですけど、デイビッド先生が講義に来てるって話したら、単位落としてもいいから受けて来いって…」
「僕も、父さんに何がなんでも参加して来いって言われました。」
「俺も…」
「……後で騎士科の担任にきちんと話を通して来い!!俺からも、多少大目に見てもらえるよう頼んでみる…」
「ありがとうございます、先生っ!」
「はぁ…頼むから問題起こしてくれるなよ…」
「あの…淑女科の先生にも、いいですか…?」
「まだ居るのか?!あ~も~、わかったわかった!領地経営科以外の生徒は後で出席表書いてけ!!把握次第、職員会議で許可出してもらって来るから、それまで待ってろ!!」
「先生ありがとうっ!!」
「デュロック先生やっさし~!!」
「今、商業科もいただろ?!お前等こっちの生徒に悪影響を及ぼすんじゃねぇぞ!?大人しくしてろ!!」
「ところで、帝国側からの輸入規制の緩和で、食料の輸入量が増えるというのは本当でしょうか?」
「まだ公にはされてないが、主に穀類の輸入量が増えることに…ってサイモン先生?!あんた授業は??」
「自習にしてきたのでご安心を!」
「だから商業の生徒がやたらこっちに流れ込んでんのか?!なんも安心できねぇ!!」
その後も生徒は増え、ついに教室から更に広い講義室を借りて授業をする羽目になったデイビッドだった。
「おい、デイビッド・デュロック!僕ともう一度勝負しろ!!」
授業を終えたデイビッドが廊下を歩いていると、生徒会の腕章を着けた青髪の生徒が絡んできた。
「お、なんだお前、謹慎解けたのか?」
最初の授業で絡んできたテレンス・フィーラーは、自身が勝手に始め、勝手に負けた勝負の事を家族に知られ、家名を出して恥をかいた事で反省を促すために、父親に自己謹慎させられ、だいぶきついお叱りを受けたと聞いている。
「次はなんの勝負をするつもりだ?クイズか?」
「馬鹿にするな!!夏季休暇の前に、生徒の合同パーティーがあるのは知っているな?!僕とダンスで勝負だ!!」
「………お前…もう勝てればなんでもいいんだろ…勝った気になりたいだけの競争は虚しいだけだぞ?悪いが俺は運営側だから、パーティーには出ても警備に近い。遊んでる暇は無いぞ?」
「待て!!逃げるのか?!」
「暇な奴に構ってる時間がもったいないんだよこっちは!」
生徒会が生徒を先導し、デイビッドを嫌う生徒を集め、派閥を作っている事は、デイビッドも商業科の生徒から聞いている。
だがデイビッド自身が「勝手にやっててくれ」程度にしか思っていない事も、彼等には腹立たしいことなのだろう。
なんとか恥をかかせ、叩きのめす案はないかと、日々周辺をウロウロされるようになり、デイビッドもいい加減、鬱陶しく感じていた。
(これが生徒同士のぶつかり合いにならなきゃいいんだが…)
派閥ができると、人は争う生き物だ。
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