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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活
甘々
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「デイビッド様のお話も聞かせて下さい!」
「俺の話?!しても楽しくはないかと…」
「だってこんなに素敵なお部屋でお仕事されているのでしょう?研究室とお聞きしていたのに、まるでワンルームみたいで、とても居心地が良いのですね!」
「居心地…いいかな…?」
「はい、とっても!すごいですね、先生なのでしょう?二学期になったら、私もデイビッド様の授業を受けるんですよ!すごく楽しみなんです!」
「そうかぁ…楽しみにしてくれるのか。俺の授業は基本的に質問形式なんだ。自領の悩みや問題解決に向けた講義をしてるよ。ヴィオラはどんな話が聞きたい?」
「私は…そうだ!お祖父様が領地で、デュロック伯爵と共同開発しているリンゴ園の周りに、ブルーベリーを植えたそうなんです!蜜源にしたらハチミツが採れませんか?」
「似た話を先月あたりにしたよ。リンゴと花期も違うから、長くいいハチミツが取れると思う。蜂のいる農園は草木にとっても好ましい環境だからな。最近じゃ新しい形の巣箱も出来て、従来より養蜂も手がつけやすくなってきたし、よければ専門家を送るから指導してもらうといい。」
「そんな…そこまでして頂く訳には…」
「あるだろ?ヴィオラの家族になら、なんでもしたい。来年はローベル領にも連れてってくれよ。ヴィオラが育った所がどんな場所か見てみたいんだ。」
「デイビッド様…」
「クソ甘いっ!!エリック、紅茶おかわりっ!!」
「どんどん令嬢の皮が剥がれてきてますよ…」
「何ですの?あの締まりのない顔は?!あんな顔一度でも見せたことがあったかしら?貴方、あの砂糖漬けの空気の中で、あと3年も一緒に過ごすなんて正気ですの?私なら我慢できなくて発破掛けるか無理やり進展させますわね!!」
「無理やりはちょっと…でも、アドバイスくらいはしますかね?」
「アドバイス程度で動くと思ってますの?キスすらできないおこちゃま2人が!?ハッ!ヘソで茶が沸きますわ!」
「口悪ぅ……」
「所で、そろそろお昼ですわね。食堂が閉まっているから、どこか食べに行くか、購買に行かないと…」
「…だそうです。聞こえました?デイビッド様。僕もお腹空いてきたんで、ご飯作って下さい!」
一瞬、この従者は何を言っているのか、と思ったシェルリアーナだったが、デイビッドは全く気にせず立ち上がった。
「もうそんなになるか。よし、飯にしよう!」
さっぱりしたトマトスープ、卵のソースを散らしたサラダに、冷製パスタ、デザートには半透明の果物の種を抜き、中にシロップ漬けの干しスモモを詰めた、手の込んだ物が出て来た。
「こ…これは…」
「口に合うといいけどな。」
「いただきまーす!」
先に食べ始めたエリックを見て、シェルリアーナは更に何事かと思ったが、誰も何も言わないので、自分の前に出された食事に手を付けた。
「い…頂きますわ」
「いただきますデイビッド様!」
ほんのり熱の残るナスと、キノコとレタスをパスタに絡めて口に運ぶと、さわやかな風味と、冷たいのにしっかりとした旨味が感じられた。
まろやかなサラダと、夏野菜を丸ごと煮込んだスープが、暑さに疲れた身体に栄養を運んでくれる。
「ちょっと!おいしいじゃないの?!何なのアンタ!」
「褒められてんか?それは?」
「デイビッド様すごいです…本物のシェフみたいです。ほっぺが落ちちゃうわ!」
「次はヴィオラの食べたい物を作るよ。何がいいか教えてくれ!」
「はい!僕、ソーセージ増し増しのピザと、甘辛ローストチキンがいいです!」
「おめぇには聞いてねぇよ!!」
「わぁ!この果物初めて食べました。甘くてプルプルでおいしいぃ!!」
「これ、王宮とかで出る高級食材でしょ?どうやって手に入れますの?…うわっおいっし…」
普段男2人でバラバラに終わってしまう食事の時間が、今日は久々に賑やかな食卓を囲むことになった。
食後は紅茶でなく、花の入ったハーブティーが出てきて、これまたヴィオラが喜んだ。
「さてと…午後ですが、ヴィオラ様は魔法棟で魔力の登録計測致しませんと。その後、図書室で貸し出し名簿に登録して、領地経営科の席を割り立てて来ますわよ?!」
「だったら俺も…」
「貴方が一緒にいると過保護になるでしょう?!ここは学園!1人で何でもできないと意味ありませんの…よって、ステイ!!」
「…犬扱いかよ…」
「大丈夫です!私、もう自分の力で何でもできますから!また明日来ます!明後日もその先も、毎日来ます!デイビッド様、だからここで待ってて下さい!」
「あ…いや…明日、授業があって……」
「えっ??」
「でも、昼休みには居るから!また来て欲しい!!」
「これからはいつでも会えるんだから、ごちゃごちゃ考えないことですわ…ところで、貴方…従者を少し、いいえ、かなり甘やかし過ぎでは…?」
「あれな…気づいたらああなってた…」
「管理不足!!アンタもアンタでもう少し貴族としての自覚を持ちなさい!!」
「う…はい…」
「さぁヴィオラ様、参りますわよ」
「デイビッド様!もう一回ギュッてして下さい!」
「しかたないなぁ…」
「うふふ…幸せです!」
「そこ!!隙あらばイチャつくのヤメなさい?!」
「え…これ、シェルリアーナ様いなくなったら、僕だけで突っ込まなきゃいけない感じですか?きっつぅ…」
デイビッドの腹にしがみつくヴィオラをなんとか引っ剥がし、シェルリアーナはやっと魔法棟へ向かうことができた。
「シェルリアーナ様。あの…申し訳ありませんでした。つい嬉しくて、調子に乗ってしまって…」
「いいのよ。何ヶ月も会えなかったのでしょう?でも他の生徒の前では決して気を緩めては駄目よ?!」
「シェルリアーナ様は…その…デイビッド様と…仲がよろし
…」
「よろしくはなくてよ?!私の敬愛する師匠と繋がりがあるだけですの!安心なさって、ここに貴女のライバルはいませんわ。」
「そうなんですか?!」
「それよりも、もしよろしければ、私と友達になりません?学年は違いますが、お隣同士、仲良くさせて欲しいですわ!」
「と…友達に?私が?!私…女性の方のお友達は初めてです!!」
「そうなのね!?光栄だわ!私の事はシェルと呼んで下さるかしら!?」
「ありがとうございます!シェル先輩!!」
「っ可愛いわ!!あのヘタレが惚れ込むのも無理無いですわ…」
「シェル先輩?」
「ああ!何でもありませんのよ?!魔法棟はこちらですわ!」
この日は色々あり過ぎて、知り過ぎて、少し疲れたシェルリアーナだった。
「俺の話?!しても楽しくはないかと…」
「だってこんなに素敵なお部屋でお仕事されているのでしょう?研究室とお聞きしていたのに、まるでワンルームみたいで、とても居心地が良いのですね!」
「居心地…いいかな…?」
「はい、とっても!すごいですね、先生なのでしょう?二学期になったら、私もデイビッド様の授業を受けるんですよ!すごく楽しみなんです!」
「そうかぁ…楽しみにしてくれるのか。俺の授業は基本的に質問形式なんだ。自領の悩みや問題解決に向けた講義をしてるよ。ヴィオラはどんな話が聞きたい?」
「私は…そうだ!お祖父様が領地で、デュロック伯爵と共同開発しているリンゴ園の周りに、ブルーベリーを植えたそうなんです!蜜源にしたらハチミツが採れませんか?」
「似た話を先月あたりにしたよ。リンゴと花期も違うから、長くいいハチミツが取れると思う。蜂のいる農園は草木にとっても好ましい環境だからな。最近じゃ新しい形の巣箱も出来て、従来より養蜂も手がつけやすくなってきたし、よければ専門家を送るから指導してもらうといい。」
「そんな…そこまでして頂く訳には…」
「あるだろ?ヴィオラの家族になら、なんでもしたい。来年はローベル領にも連れてってくれよ。ヴィオラが育った所がどんな場所か見てみたいんだ。」
「デイビッド様…」
「クソ甘いっ!!エリック、紅茶おかわりっ!!」
「どんどん令嬢の皮が剥がれてきてますよ…」
「何ですの?あの締まりのない顔は?!あんな顔一度でも見せたことがあったかしら?貴方、あの砂糖漬けの空気の中で、あと3年も一緒に過ごすなんて正気ですの?私なら我慢できなくて発破掛けるか無理やり進展させますわね!!」
「無理やりはちょっと…でも、アドバイスくらいはしますかね?」
「アドバイス程度で動くと思ってますの?キスすらできないおこちゃま2人が!?ハッ!ヘソで茶が沸きますわ!」
「口悪ぅ……」
「所で、そろそろお昼ですわね。食堂が閉まっているから、どこか食べに行くか、購買に行かないと…」
「…だそうです。聞こえました?デイビッド様。僕もお腹空いてきたんで、ご飯作って下さい!」
一瞬、この従者は何を言っているのか、と思ったシェルリアーナだったが、デイビッドは全く気にせず立ち上がった。
「もうそんなになるか。よし、飯にしよう!」
さっぱりしたトマトスープ、卵のソースを散らしたサラダに、冷製パスタ、デザートには半透明の果物の種を抜き、中にシロップ漬けの干しスモモを詰めた、手の込んだ物が出て来た。
「こ…これは…」
「口に合うといいけどな。」
「いただきまーす!」
先に食べ始めたエリックを見て、シェルリアーナは更に何事かと思ったが、誰も何も言わないので、自分の前に出された食事に手を付けた。
「い…頂きますわ」
「いただきますデイビッド様!」
ほんのり熱の残るナスと、キノコとレタスをパスタに絡めて口に運ぶと、さわやかな風味と、冷たいのにしっかりとした旨味が感じられた。
まろやかなサラダと、夏野菜を丸ごと煮込んだスープが、暑さに疲れた身体に栄養を運んでくれる。
「ちょっと!おいしいじゃないの?!何なのアンタ!」
「褒められてんか?それは?」
「デイビッド様すごいです…本物のシェフみたいです。ほっぺが落ちちゃうわ!」
「次はヴィオラの食べたい物を作るよ。何がいいか教えてくれ!」
「はい!僕、ソーセージ増し増しのピザと、甘辛ローストチキンがいいです!」
「おめぇには聞いてねぇよ!!」
「わぁ!この果物初めて食べました。甘くてプルプルでおいしいぃ!!」
「これ、王宮とかで出る高級食材でしょ?どうやって手に入れますの?…うわっおいっし…」
普段男2人でバラバラに終わってしまう食事の時間が、今日は久々に賑やかな食卓を囲むことになった。
食後は紅茶でなく、花の入ったハーブティーが出てきて、これまたヴィオラが喜んだ。
「さてと…午後ですが、ヴィオラ様は魔法棟で魔力の登録計測致しませんと。その後、図書室で貸し出し名簿に登録して、領地経営科の席を割り立てて来ますわよ?!」
「だったら俺も…」
「貴方が一緒にいると過保護になるでしょう?!ここは学園!1人で何でもできないと意味ありませんの…よって、ステイ!!」
「…犬扱いかよ…」
「大丈夫です!私、もう自分の力で何でもできますから!また明日来ます!明後日もその先も、毎日来ます!デイビッド様、だからここで待ってて下さい!」
「あ…いや…明日、授業があって……」
「えっ??」
「でも、昼休みには居るから!また来て欲しい!!」
「これからはいつでも会えるんだから、ごちゃごちゃ考えないことですわ…ところで、貴方…従者を少し、いいえ、かなり甘やかし過ぎでは…?」
「あれな…気づいたらああなってた…」
「管理不足!!アンタもアンタでもう少し貴族としての自覚を持ちなさい!!」
「う…はい…」
「さぁヴィオラ様、参りますわよ」
「デイビッド様!もう一回ギュッてして下さい!」
「しかたないなぁ…」
「うふふ…幸せです!」
「そこ!!隙あらばイチャつくのヤメなさい?!」
「え…これ、シェルリアーナ様いなくなったら、僕だけで突っ込まなきゃいけない感じですか?きっつぅ…」
デイビッドの腹にしがみつくヴィオラをなんとか引っ剥がし、シェルリアーナはやっと魔法棟へ向かうことができた。
「シェルリアーナ様。あの…申し訳ありませんでした。つい嬉しくて、調子に乗ってしまって…」
「いいのよ。何ヶ月も会えなかったのでしょう?でも他の生徒の前では決して気を緩めては駄目よ?!」
「シェルリアーナ様は…その…デイビッド様と…仲がよろし
…」
「よろしくはなくてよ?!私の敬愛する師匠と繋がりがあるだけですの!安心なさって、ここに貴女のライバルはいませんわ。」
「そうなんですか?!」
「それよりも、もしよろしければ、私と友達になりません?学年は違いますが、お隣同士、仲良くさせて欲しいですわ!」
「と…友達に?私が?!私…女性の方のお友達は初めてです!!」
「そうなのね!?光栄だわ!私の事はシェルと呼んで下さるかしら!?」
「ありがとうございます!シェル先輩!!」
「っ可愛いわ!!あのヘタレが惚れ込むのも無理無いですわ…」
「シェル先輩?」
「ああ!何でもありませんのよ?!魔法棟はこちらですわ!」
この日は色々あり過ぎて、知り過ぎて、少し疲れたシェルリアーナだった。
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