195 / 411
黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
動き出す世代
しおりを挟む
「こんなのあんまりだよ!なんでこんなヒドいコトするの?!」
「え?これ、俺のせい…?」
「アンタ、お茶のブレンドに何入れたの?」
「何って…普通のハーブティーだって。リンデン、マートル、ニワトコにヤグルマソウと…あ、ドライアドとアルラウネの花入れたかも…」
「それよ。霊力が際立って抑えが効かなくなったのね。」
「どうしてくれるのさ!せきにんとってよぉぉぉ!!」
「責任て言われてもなぁ…」
「まずは食べてから!イヴェット、貴女も泣き言は後にして!食事が不味くなるわ!!」
料理を目前にイライラし出したシェルリアーナがテーブルを叩くと、イヴェットはグズグズ言いながら従った。
「それじゃ改めて、ご飯にしましょうか?」
「頂きまーす!」
まず先にエリック、ヴィオラ、シェルリアーナが各々好きなものに手を出すと、エリザベスとエドワードもそれに倣ってフォークをつかんだ。
「おーいしー!!なにコレ!すっごい!お肉はしっとりほろほろで野菜が甘ーい!」
「いやいやいや…デイビッド君て確か辺境伯家の次期当主だったよね?!なんの修行したらこうなるの?」
「んー…成り行き?」
「成り行きで探検や冒険はしないし、マンドラゴラとか食べないし、プロの料理人にはならないと思う…」
「仕事の都合上作ってるだけで、別にプロ目指してるワケじゃねぇんだけどな…?」
エドワードは納得いかない顔でスープを受け取り、パンを浸しながら考え込んでしまった。
イヴェットはというと、しゃくり上げながら鶏肉を咀嚼していたが、その内身体の猫部分が次第に広がっているように見えて来た。
「これ、本当に猫になっちまうんじゃねぇのか…?」
「そうね。最終的には猫になるわ。」
「戻れるんだよな…?」
「自分で変身したり解除する場合は直ぐ戻るけど、外部から干渉されると戻りにくいのよ。精神も猫に引っ張られるから扱い難いし、割と厄介よ?」
「どうすんだよ…」
温かいスープを飲み干したイヴェットは、もう顔も手足も制服を着た二足歩行の大きな猫になっていた。
「あぶないっっ!ほんきでネコになるとこだった!!」
「もう八割猫よ?」
「かぁわいい!!喉ゴロゴロいってるぅ!」
「あっ!ヤメて!なでないで!」
「ヴィオラも撫でてみる?」
「わぁ!ふわふわであったかい!猫ちゃんだぁ!」
「にゃぁぁぁんっ!!」
3人によってたかってコロコロ撫でられ、抵抗するイヴェットは、今まで見せていた強気で妖艶な雰囲気と打って変わって完全に猫になっていた。
エドワードとデイビッドは、入って行けない世界に背中を向けて洗い物に集中する事にした。
「大変だな、特殊血統ってのも…」
「ちなみに、僕は背中に蝙蝠みたいな翼が生やせるよ?」
「マジか!?飛膜だと飛びにくくねぇ?!」
「うん…飛びにくい。あれ高いところからしか羽広げられないんだよね。風の抵抗受けまくるし、遠くまで行けないし…でも羽毛の羽は難しくて…」
「構造どうなってんだ?」
「うーん…新しい腕が追加される感じ…かな…?そんな事聞かれたの初めてだけど。」
「蝙蝠だと実質腕4本になるって事か?!…肩が2対…?それだと支柱骨との接続部分はどうなんだ…??」
「君、着眼点面白いね…」
後ろでは尻尾に触ろうと手を出して引っ掻かれたエリザベスが騒いでいるが気にしない。
食後に淹れる茶のブレンドは気をつけようと悩んでいると、エドワードがベリー系を選んだのでベースの茶葉と一緒に湯を注ぎ、食事の合間に焼いておいたフルーツケーキを切って女性陣を待った。
「あーあ、だんだん戻って来ちゃった。」
「残念。もう油断はしてくれないかしら?」
「先輩ありがとうございました!」
「ハァッ…ハァッ…もう!ホントにヤメてよね!?」
残った猫耳の毛を逆立てながらイヴェットが威嚇する。
「でも珍しいね。イヴェットがちゃんとご飯食べるの。」
「いつも甘味か軽食くらいしか食べないからね。」
「シェリーの次に食べないんで心配してたけど、デビィのご飯は食べられるんだ?なんか魔法でもかかってるの?」
「確かに、シェルリアーナも信じられないくらい良く食べていたね。」
「魔法です!すっごく美味しい魔法がかかってるんですよ?
!」
「ヴィオラちゃんいーなー!毎日こんな美味しいご飯食べてるの?うらやまし~!」
「えへへ~!」
やや不機嫌なイヴェットはしっかりケーキまで完食し、耳が戻らないまま温室へ行ってしまったのでエリザベスとエドワードも慌てて追って行った。
「あの3人とは家が王家お抱えの魔法系統関係で、入学前から一緒にいるのよ。」
「幼馴染なんですね!?いいなぁ。ずっと仲の良い人がいるって素敵です!」
「しょっちゅうぶつかり合って喧嘩もするけどね。」
「いいですねぇ。それでも割れない繋がりなんて、羨ましいですよ?僕達にはそこまで長い付き合いの相手がいないので特に。」
エリックもデイビッドも、そしてヴィオラも、王都には長い時間を共に過ごした相手というものがいない。
「デイビッド様は彼等の仲間入りしたんですよね!?しかも生徒同士の仲でしょ?どうですか、友達のいる生活って?」
「素材のキープじゃなきゃ何でもいい…」
「なんて?」
クセの強い3人相手に、デイビッドは第一印象が余程ショックだったようだ。
次の日の領地経営科は、再び激論大会となった。
今日は密接する地域で共有するインフラと、ルミネラ公爵家に目を付けられて今まで動かせなかった流通と土木に関する事業を一気に進められないかの議論で白熱していた。
「ですからダムの建設をーー」
「ここに橋を掛けてですねーー」
「この街道の整備はーー」
「だからラムダに必要なのは鉄道なんだよ!!他国では既に新型の開発も行われているというのに、この国に無いのは絶対におかしい!!各領地を繋ぐ線路と駅、国中を巡る汽車の存在が今こそ必要不可欠なんだ!!」
立ち上がり声高に叫ぶテレンスに拍手が起こり、賛同者達が大勢集まった。
「じゃぁ、新学期の課題はそっからな。どうせ繰り上がりで顔ぶれ変わんねぇんだから、丁度いいだろ。まぁ俺が切られなきゃの話だけどな。それじゃ、授業終わり、解散!」
生徒が何か言う前に、スタコラ退散し部屋へ戻ると、昼食の支度と同時に日持ちのする焼き菓子のストックを増やしていく。
外の保冷庫はもう使えないので、冬の間育てていた氷水晶を出す時期が来たようだ。
キリフ特産の冷気を閉じ込めたこの変わった水晶は、ある程度の寒気に晒すと再成長するので、冬の間マメに出し入れしてかなりの大きさに育てることができた。
また次の冬まで世話になれそうだ。
「お手伝いします!」
「お、来たな?それじゃそっちで鶏ガラ茹でて出汁取ってくれるか?」
「はい!もうスープストックもひとりでできますよ!」
鶏ガラ、ニンジン、タマネギ、干しきのこを低温でグツグツ煮てからガラを取り出し、そこへ骨付きの鶏肉を更に投入してしばらく煮込んだら、貴族にはあまり好まれないウィングスープが出来る。
「これだけでもう美味しい!鶏肉スゴい!」
「次はじゃが芋を茹でといてくれるか?」
皮付きの芋を水から茹でて、ザルに上げたら熱と戦いながら皮を剥く。
「あちあちっ!熱いけどツルッと向けました!気持ちいい!」
「つぶしたら千切ったレタスとピンクペッパーで和えてくれ。ソースが保冷庫にあるからたっぷり混ぜて…」
「あのソース大好き!お野菜が何でも美味しくなる白いタプタプのソース!」
卵のリシュリュー風ソースはヴィオラだけでなく、シェルリアーナもエリックも好物だ。
最近は卵の黄身だけ使って濃厚に仕立て、酸味を調整して使い分けられるようになった。
暖かくなり、大砂鳥もよく卵を産むようになり、冬の間は1日数個だったのが、一気に10数個も手に入るので消費の方が心配な程だ。
気が付くと24羽に増えていて、もう小屋も拡張しないといけない。
「え?これ、俺のせい…?」
「アンタ、お茶のブレンドに何入れたの?」
「何って…普通のハーブティーだって。リンデン、マートル、ニワトコにヤグルマソウと…あ、ドライアドとアルラウネの花入れたかも…」
「それよ。霊力が際立って抑えが効かなくなったのね。」
「どうしてくれるのさ!せきにんとってよぉぉぉ!!」
「責任て言われてもなぁ…」
「まずは食べてから!イヴェット、貴女も泣き言は後にして!食事が不味くなるわ!!」
料理を目前にイライラし出したシェルリアーナがテーブルを叩くと、イヴェットはグズグズ言いながら従った。
「それじゃ改めて、ご飯にしましょうか?」
「頂きまーす!」
まず先にエリック、ヴィオラ、シェルリアーナが各々好きなものに手を出すと、エリザベスとエドワードもそれに倣ってフォークをつかんだ。
「おーいしー!!なにコレ!すっごい!お肉はしっとりほろほろで野菜が甘ーい!」
「いやいやいや…デイビッド君て確か辺境伯家の次期当主だったよね?!なんの修行したらこうなるの?」
「んー…成り行き?」
「成り行きで探検や冒険はしないし、マンドラゴラとか食べないし、プロの料理人にはならないと思う…」
「仕事の都合上作ってるだけで、別にプロ目指してるワケじゃねぇんだけどな…?」
エドワードは納得いかない顔でスープを受け取り、パンを浸しながら考え込んでしまった。
イヴェットはというと、しゃくり上げながら鶏肉を咀嚼していたが、その内身体の猫部分が次第に広がっているように見えて来た。
「これ、本当に猫になっちまうんじゃねぇのか…?」
「そうね。最終的には猫になるわ。」
「戻れるんだよな…?」
「自分で変身したり解除する場合は直ぐ戻るけど、外部から干渉されると戻りにくいのよ。精神も猫に引っ張られるから扱い難いし、割と厄介よ?」
「どうすんだよ…」
温かいスープを飲み干したイヴェットは、もう顔も手足も制服を着た二足歩行の大きな猫になっていた。
「あぶないっっ!ほんきでネコになるとこだった!!」
「もう八割猫よ?」
「かぁわいい!!喉ゴロゴロいってるぅ!」
「あっ!ヤメて!なでないで!」
「ヴィオラも撫でてみる?」
「わぁ!ふわふわであったかい!猫ちゃんだぁ!」
「にゃぁぁぁんっ!!」
3人によってたかってコロコロ撫でられ、抵抗するイヴェットは、今まで見せていた強気で妖艶な雰囲気と打って変わって完全に猫になっていた。
エドワードとデイビッドは、入って行けない世界に背中を向けて洗い物に集中する事にした。
「大変だな、特殊血統ってのも…」
「ちなみに、僕は背中に蝙蝠みたいな翼が生やせるよ?」
「マジか!?飛膜だと飛びにくくねぇ?!」
「うん…飛びにくい。あれ高いところからしか羽広げられないんだよね。風の抵抗受けまくるし、遠くまで行けないし…でも羽毛の羽は難しくて…」
「構造どうなってんだ?」
「うーん…新しい腕が追加される感じ…かな…?そんな事聞かれたの初めてだけど。」
「蝙蝠だと実質腕4本になるって事か?!…肩が2対…?それだと支柱骨との接続部分はどうなんだ…??」
「君、着眼点面白いね…」
後ろでは尻尾に触ろうと手を出して引っ掻かれたエリザベスが騒いでいるが気にしない。
食後に淹れる茶のブレンドは気をつけようと悩んでいると、エドワードがベリー系を選んだのでベースの茶葉と一緒に湯を注ぎ、食事の合間に焼いておいたフルーツケーキを切って女性陣を待った。
「あーあ、だんだん戻って来ちゃった。」
「残念。もう油断はしてくれないかしら?」
「先輩ありがとうございました!」
「ハァッ…ハァッ…もう!ホントにヤメてよね!?」
残った猫耳の毛を逆立てながらイヴェットが威嚇する。
「でも珍しいね。イヴェットがちゃんとご飯食べるの。」
「いつも甘味か軽食くらいしか食べないからね。」
「シェリーの次に食べないんで心配してたけど、デビィのご飯は食べられるんだ?なんか魔法でもかかってるの?」
「確かに、シェルリアーナも信じられないくらい良く食べていたね。」
「魔法です!すっごく美味しい魔法がかかってるんですよ?
!」
「ヴィオラちゃんいーなー!毎日こんな美味しいご飯食べてるの?うらやまし~!」
「えへへ~!」
やや不機嫌なイヴェットはしっかりケーキまで完食し、耳が戻らないまま温室へ行ってしまったのでエリザベスとエドワードも慌てて追って行った。
「あの3人とは家が王家お抱えの魔法系統関係で、入学前から一緒にいるのよ。」
「幼馴染なんですね!?いいなぁ。ずっと仲の良い人がいるって素敵です!」
「しょっちゅうぶつかり合って喧嘩もするけどね。」
「いいですねぇ。それでも割れない繋がりなんて、羨ましいですよ?僕達にはそこまで長い付き合いの相手がいないので特に。」
エリックもデイビッドも、そしてヴィオラも、王都には長い時間を共に過ごした相手というものがいない。
「デイビッド様は彼等の仲間入りしたんですよね!?しかも生徒同士の仲でしょ?どうですか、友達のいる生活って?」
「素材のキープじゃなきゃ何でもいい…」
「なんて?」
クセの強い3人相手に、デイビッドは第一印象が余程ショックだったようだ。
次の日の領地経営科は、再び激論大会となった。
今日は密接する地域で共有するインフラと、ルミネラ公爵家に目を付けられて今まで動かせなかった流通と土木に関する事業を一気に進められないかの議論で白熱していた。
「ですからダムの建設をーー」
「ここに橋を掛けてですねーー」
「この街道の整備はーー」
「だからラムダに必要なのは鉄道なんだよ!!他国では既に新型の開発も行われているというのに、この国に無いのは絶対におかしい!!各領地を繋ぐ線路と駅、国中を巡る汽車の存在が今こそ必要不可欠なんだ!!」
立ち上がり声高に叫ぶテレンスに拍手が起こり、賛同者達が大勢集まった。
「じゃぁ、新学期の課題はそっからな。どうせ繰り上がりで顔ぶれ変わんねぇんだから、丁度いいだろ。まぁ俺が切られなきゃの話だけどな。それじゃ、授業終わり、解散!」
生徒が何か言う前に、スタコラ退散し部屋へ戻ると、昼食の支度と同時に日持ちのする焼き菓子のストックを増やしていく。
外の保冷庫はもう使えないので、冬の間育てていた氷水晶を出す時期が来たようだ。
キリフ特産の冷気を閉じ込めたこの変わった水晶は、ある程度の寒気に晒すと再成長するので、冬の間マメに出し入れしてかなりの大きさに育てることができた。
また次の冬まで世話になれそうだ。
「お手伝いします!」
「お、来たな?それじゃそっちで鶏ガラ茹でて出汁取ってくれるか?」
「はい!もうスープストックもひとりでできますよ!」
鶏ガラ、ニンジン、タマネギ、干しきのこを低温でグツグツ煮てからガラを取り出し、そこへ骨付きの鶏肉を更に投入してしばらく煮込んだら、貴族にはあまり好まれないウィングスープが出来る。
「これだけでもう美味しい!鶏肉スゴい!」
「次はじゃが芋を茹でといてくれるか?」
皮付きの芋を水から茹でて、ザルに上げたら熱と戦いながら皮を剥く。
「あちあちっ!熱いけどツルッと向けました!気持ちいい!」
「つぶしたら千切ったレタスとピンクペッパーで和えてくれ。ソースが保冷庫にあるからたっぷり混ぜて…」
「あのソース大好き!お野菜が何でも美味しくなる白いタプタプのソース!」
卵のリシュリュー風ソースはヴィオラだけでなく、シェルリアーナもエリックも好物だ。
最近は卵の黄身だけ使って濃厚に仕立て、酸味を調整して使い分けられるようになった。
暖かくなり、大砂鳥もよく卵を産むようになり、冬の間は1日数個だったのが、一気に10数個も手に入るので消費の方が心配な程だ。
気が付くと24羽に増えていて、もう小屋も拡張しないといけない。
47
あなたにおすすめの小説
国王一家は堅実です
satomi
恋愛
オスメーモ王国…そこは国王一家は麗しくいつも輝かんばかりのドレスなどを身につけている。
その実態は、国王一家は国民と共に畑を耕したり、国民(子供)に読み書きを教えたり庶民的な生活をしている。
国王には現在愛する妻と双子の男女の子に恵まれ、幸せに生活している。
外部に行くときは着飾るが、領地に戻れば庶民的で非常に無駄遣いをしない王族である。
国庫は大事に。何故か、厨房担当のワーグが王家の子どもたちからの支持を得ている。
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
力は弱くて魔法も使えないけど強化なら出来る。~俺を散々こき使ってきたパーティの人間に復讐しながら美少女ハーレムを作って魔王をぶっ倒します
枯井戸
ファンタジー
──大勇者時代。
誰も彼もが勇者になり、打倒魔王を掲げ、一攫千金を夢見る時代。
そんな時代に、〝真の勇者の息子〟として生を授かった男がいた。
名はユウト。
人々は勇者の血筋に生まれたユウトに、類稀な魔力の才をもって生まれたユウトに、救世を誓願した。ユウトもまた、これを果たさんと、自身も勇者になる事を信じてやまなかった。
そんなある日、ユウトの元へ、ひとりの中性的な顔立ちで、笑顔が爽やかな好青年が訪ねてきた。
「俺のパーティに入って、世界を救う勇者になってくれないか?」
そう言った男の名は〝ユウキ〟
この大勇者時代にすい星のごとく現れた、〝その剣技に比肩する者なし〟と称されるほどの凄腕の冒険者である。
「そんな男を味方につけられるなんて、なんて心強いんだ」と、ユウトはこれを快諾。
しかし、いままで大した戦闘経験を積んでこなかったユウトはどう戦ってよいかわからず、ユウキに助言を求めた。
「戦い方? ……そうだな。なら、エンチャンターになってくれ。よし、それがいい。ユウトおまえはエンチャンターになるべきだ」
ユウトは、多少はその意見に疑問を抱きつつも、ユウキに勧められるがまま、ただひたすらに付与魔法(エンチャント)を勉強し、やがて勇者の血筋だという事も幸いして、史上最強のエンチャンターと呼ばれるまでに成長した。
ところが、そればかりに注力した結果、他がおろそかになってしまい、ユウトは『剣もダメ』『付与魔法以外の魔法もダメ』『体力もない』という三重苦を背負ってしまった。それでもエンチャンターを続けたのは、ユウキの「勇者になってくれ」という言葉が心の奥底にあったから。
──だが、これこそがユウキの〝真の〟狙いだったのだ。
この物語は主人公であるユウトが、持ち前の要領の良さと、唯一の武器である付与魔法を駆使して、愉快な仲間たちを強化しながら成り上がる、サクセスストーリーである。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる