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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
仲直り
この1年、デイビッドとヴィオラを間近で見てきたエリックにはひとつの不満があった。
この2人、中々衝突しないのだ。
進展はさて置き、今の今まで喧嘩というものを一切したことがない。
何をしても褒めて許して受け入れてしまうデイビッドと、何をされても感動し喜び楽しんでしまうヴィオラは、本当にぴったりと息が合い、歯車が狂う事が一度もなかった。
些細な行き違いすら互いに許容し合って来た、超絶仲の良い2人に訪れた初めての摩擦。
エリックはようやく起きたこのいざこざを、影で手を叩いて喜んでいた。
(これこれ!これが見たかったんだよね~!)
デイビッドの父ジェイムスは、それはやらかしてばかりの駄目男の典型で、しょっちゅうカトレアの気を逆撫でしては破局や離婚の危機に陥っていた。
その度山の様なプレゼントを抱え、何時間でも謝りながら土下座までして縋り付き、許しを請いては呆れられながら容赦してもらうという愚行を繰り返し、現在に至る。
(さ~て!デイビッド様はどうやって謝るのかな~!)
しかし、デイビッドは動かなかった。
ヴィオラが出て行ったドアをしばらく見つめてから、また手元の縫い物に視線を落とし、手を動かした。
すいすいと淀みなく針は動き、糸を切ると針箱を片付け、次に今朝作っていたパイ生地に、同じく作り置いて冷ましていたフィリングを詰めて布をかけて寝かせると、いつもの様に外に出て温室の方へ向かってしまう。
(まさか…こっちからは謝らないつもりとか…?)
エリックは予想外の展開に、少しだけ不安になってきた。
デイビッドは温室でもある程度の仕事を片づけながら、何も言わずに黙々と作業続けていた。
「デイビッド ドウシタノ?」
「ん?アリーか。どうしたって?なんかおかしいか?」
「デイビッド カナシソウ…」
「俺が?」
「イツモト チガウ ココトテモ カナシソウニ シテル…」
植物には何かわかってしまうのだろうか。
「そうかもな。確かに、少し落ち込んじゃいるよ。」
アリーは心臓を指差し、デイビッドの顔を見た。
不機嫌な顔はいつも通り同じままなので、他の者達には気づけなかっただろう。
「大丈夫、そんな大した事じゃねぇよ。」
「ホント?」
「ただ、頭ん中ちょっと整理して、冷静になろうとは思ってる…そうか、アリーも“心配”してくれるのか。ありがとよ。」
濾過前の薬液の入った瓶をケースにしまうと、デイビッドはまたどこかへ歩いて行った。
(どこ行く気だろ…)
温室の前で張っていたエリックも、隠蔽魔法の重ね掛けで後から付いて行く。
それから資料室に寄り、事務室を覗き、教員室で少しだけ書き物をして、また研究室へ戻って行く。
(本当に何してんだ…?)
そして研究室のドアを開けた瞬間、デイビッドは横っ面に強烈な平手打ちを食らった。
バチンと良い音がして、衝撃が耳の中までキーンと響き、ジンジンと痛みが込み上げてくる。
叩いた方の手も痛かったのだろう、利き手をぶんぶん降りながらシェルリアーナがデイビッドを睨みつけている。
「言ったわよね?私の可愛い後輩を泣かしたらただじゃ置かないって…」
「ん…あぁ…」
「今回はこれで勘弁してあげる!次やらかしたら本気で殴るわよ?!」
本気というのは恐らく魔力強化の事だろう。
魔女が魔力を使ったら生身の人間などひとたまりもない。
肩を怒らせ出ていくシェルリアーナと入れ違いで部屋に入ると、ソファの上でヴィオラがグスグス泣いている。
黙って隣に座ると、目を真っ赤にしたヴィオラが顔を上げた。
「…ごめんなヴィオラ、せっかく心配してくれたのに、あの言い方は悪かった。俺さ、自分の怪我はいつもの事過ぎて、だいぶ感覚が鈍くなってんだ。でもヴィオラがもし同じ怪我したらって考えたら、息ができなくなった…不安にさせて本当にごめん…」
「私こそ酷いこと言いました!デイビッド様は私を庇って怪我したのに…ごめんなさい!!」
デイビッドはしがみついてくるヴィオラを、今度は逃げずにちゃんと受け止める。
「この次は何かあったらちゃんと話すよ。隠し事はもうしない。約束する…」
「もう無茶はしないで下さいね!怪我したらちゃんと話して下さい…でないと悲しいです…」
「わかった…わかったよ…」
その時、ヴィオラのお腹からクゥと音がした。
「…いっぱい泣いたらお腹空きました…」
「よし、少し早いけど、支度するか?!」
「はい!」
デイビッドとヴィオラが、久々2人切りの時間を満喫中、廊下でコソコソしていたエリックを捕まえたシェルリアーナは、そのまま温室へ引っぱって行き、大人しくさせていた。
「チェ~!見たかったな、あの人がどう謝るのか。」
「見なくたって想像つくわよ!アイツ…ヴィオラが私に泣きついて、2人で研究室まで来て話し合うところまで予測してたわよ?!」
「まさか!」
「ヴィオラと相談し終えて、私がアイツを探しに行こうかってタイミングで顔出したもの。性格と行動パターンがもう読まれてんのよ!アレはお互いに必要な冷却時間と、心の準備まで計算に入れて戻ってきたわよ?!」
「そんな器用なマネできたんですね…」
「伊達に商会背負ってる訳じゃないって事ね。ダダのポンコツと思わないことよ。」
エリックはデイビッドが泣き縋る様子を、それこそポップコーン片手に鑑賞するような気満々でいたようだが、当てが外れた上にシェルリアーナがそれを許さなかった。
「ムカツクけど意外と理路整然としてんのよ。他人の許しを縋って求めるタイプじゃないわ。」
「そんなムカツク相手に謝ろうとしてるシェル様こそ大丈夫なんですか?」
「大丈夫なわけないでしょ!引っ叩いちゃったわよ!いつもの調子で!!」
「手が出るのがいつもの調子なら、もうそんな昔の事なんて謝る必要無いのでは…?」
「これはこれ!それはそれ!私が謝りたいのは今の図太いアイツじゃなくて、まだ何にも染まってなかった過去のアイツなの!!」
「それこそ無理ですよ…古い写真も見たことありますけど、けっこう早い段階で目が死んでましたよ?」
エリックによれば、ジェイムス所有の数少ない写真の中にも、既に子供らしさの欠片もない姿しか写されていなかったと言う。
こうして今日もまた踏み切れず、シェルリアーナの謝罪劇は先送りとなった。
気持ちを切り替えたシェルリアーナが、いつものように昼食に間に合うように部屋へ戻ると、さっきまで泣いていたのが嘘のようなヴィオラと、久々に眉間のシワが取れたデイビッドが、オーブンの前で話をしていた。
「オムレツが…斑模様に…」
「白身が混ざり切って無かったんだろうな。でも上手くまとまってるし、味は保証する。」
「でも、少し焼き過ぎちゃいました…」
「そうか?なら俺のと交換してくれよ。」
「えー、そんなぁ!」
「何でもいいから早くしなさいよ!!」
豚肉のリブの煮込みに、春野菜のサラダ、大きなオムレツ、山型パンは切るのに失敗して少し斜めだがふわふわに焼けている。
デザートはリンゴのクランブルパイ。
「パンがガタガタなのは気にしないで下さい!!」
「味は一緒だって。焼きたては切るの難しいんだよな。」
「んーリブ美味しー!隠し味はリンゴですか?」
「そうなんです!お父様がくれたリンゴが古くなるので使っちゃいました。」
「ヴィオラはお料理も頑張ってるのね?!」
「はい!早くデイビッド様に追いつきたいんです!」
「ヴィオラの手料理なんて、豚には贅沢じゃなくて?」
「教えてるの俺なのに…?」
(なんで一言悪態ついちゃうんだろう…)
エリックのこの疑問は、当然本人にも同じく疑問のようだ。
(この一言をどうやったら止められるのかしら…)
日に日に語彙豊かに、より辛辣に、更に鋭い一言が喉から繰り出されていく。
それを自覚してしまった事により、なるべく口に喋る暇を与えないよう、シェルリアーナは更に良く食べるようになってしまった。
この2人、中々衝突しないのだ。
進展はさて置き、今の今まで喧嘩というものを一切したことがない。
何をしても褒めて許して受け入れてしまうデイビッドと、何をされても感動し喜び楽しんでしまうヴィオラは、本当にぴったりと息が合い、歯車が狂う事が一度もなかった。
些細な行き違いすら互いに許容し合って来た、超絶仲の良い2人に訪れた初めての摩擦。
エリックはようやく起きたこのいざこざを、影で手を叩いて喜んでいた。
(これこれ!これが見たかったんだよね~!)
デイビッドの父ジェイムスは、それはやらかしてばかりの駄目男の典型で、しょっちゅうカトレアの気を逆撫でしては破局や離婚の危機に陥っていた。
その度山の様なプレゼントを抱え、何時間でも謝りながら土下座までして縋り付き、許しを請いては呆れられながら容赦してもらうという愚行を繰り返し、現在に至る。
(さ~て!デイビッド様はどうやって謝るのかな~!)
しかし、デイビッドは動かなかった。
ヴィオラが出て行ったドアをしばらく見つめてから、また手元の縫い物に視線を落とし、手を動かした。
すいすいと淀みなく針は動き、糸を切ると針箱を片付け、次に今朝作っていたパイ生地に、同じく作り置いて冷ましていたフィリングを詰めて布をかけて寝かせると、いつもの様に外に出て温室の方へ向かってしまう。
(まさか…こっちからは謝らないつもりとか…?)
エリックは予想外の展開に、少しだけ不安になってきた。
デイビッドは温室でもある程度の仕事を片づけながら、何も言わずに黙々と作業続けていた。
「デイビッド ドウシタノ?」
「ん?アリーか。どうしたって?なんかおかしいか?」
「デイビッド カナシソウ…」
「俺が?」
「イツモト チガウ ココトテモ カナシソウニ シテル…」
植物には何かわかってしまうのだろうか。
「そうかもな。確かに、少し落ち込んじゃいるよ。」
アリーは心臓を指差し、デイビッドの顔を見た。
不機嫌な顔はいつも通り同じままなので、他の者達には気づけなかっただろう。
「大丈夫、そんな大した事じゃねぇよ。」
「ホント?」
「ただ、頭ん中ちょっと整理して、冷静になろうとは思ってる…そうか、アリーも“心配”してくれるのか。ありがとよ。」
濾過前の薬液の入った瓶をケースにしまうと、デイビッドはまたどこかへ歩いて行った。
(どこ行く気だろ…)
温室の前で張っていたエリックも、隠蔽魔法の重ね掛けで後から付いて行く。
それから資料室に寄り、事務室を覗き、教員室で少しだけ書き物をして、また研究室へ戻って行く。
(本当に何してんだ…?)
そして研究室のドアを開けた瞬間、デイビッドは横っ面に強烈な平手打ちを食らった。
バチンと良い音がして、衝撃が耳の中までキーンと響き、ジンジンと痛みが込み上げてくる。
叩いた方の手も痛かったのだろう、利き手をぶんぶん降りながらシェルリアーナがデイビッドを睨みつけている。
「言ったわよね?私の可愛い後輩を泣かしたらただじゃ置かないって…」
「ん…あぁ…」
「今回はこれで勘弁してあげる!次やらかしたら本気で殴るわよ?!」
本気というのは恐らく魔力強化の事だろう。
魔女が魔力を使ったら生身の人間などひとたまりもない。
肩を怒らせ出ていくシェルリアーナと入れ違いで部屋に入ると、ソファの上でヴィオラがグスグス泣いている。
黙って隣に座ると、目を真っ赤にしたヴィオラが顔を上げた。
「…ごめんなヴィオラ、せっかく心配してくれたのに、あの言い方は悪かった。俺さ、自分の怪我はいつもの事過ぎて、だいぶ感覚が鈍くなってんだ。でもヴィオラがもし同じ怪我したらって考えたら、息ができなくなった…不安にさせて本当にごめん…」
「私こそ酷いこと言いました!デイビッド様は私を庇って怪我したのに…ごめんなさい!!」
デイビッドはしがみついてくるヴィオラを、今度は逃げずにちゃんと受け止める。
「この次は何かあったらちゃんと話すよ。隠し事はもうしない。約束する…」
「もう無茶はしないで下さいね!怪我したらちゃんと話して下さい…でないと悲しいです…」
「わかった…わかったよ…」
その時、ヴィオラのお腹からクゥと音がした。
「…いっぱい泣いたらお腹空きました…」
「よし、少し早いけど、支度するか?!」
「はい!」
デイビッドとヴィオラが、久々2人切りの時間を満喫中、廊下でコソコソしていたエリックを捕まえたシェルリアーナは、そのまま温室へ引っぱって行き、大人しくさせていた。
「チェ~!見たかったな、あの人がどう謝るのか。」
「見なくたって想像つくわよ!アイツ…ヴィオラが私に泣きついて、2人で研究室まで来て話し合うところまで予測してたわよ?!」
「まさか!」
「ヴィオラと相談し終えて、私がアイツを探しに行こうかってタイミングで顔出したもの。性格と行動パターンがもう読まれてんのよ!アレはお互いに必要な冷却時間と、心の準備まで計算に入れて戻ってきたわよ?!」
「そんな器用なマネできたんですね…」
「伊達に商会背負ってる訳じゃないって事ね。ダダのポンコツと思わないことよ。」
エリックはデイビッドが泣き縋る様子を、それこそポップコーン片手に鑑賞するような気満々でいたようだが、当てが外れた上にシェルリアーナがそれを許さなかった。
「ムカツクけど意外と理路整然としてんのよ。他人の許しを縋って求めるタイプじゃないわ。」
「そんなムカツク相手に謝ろうとしてるシェル様こそ大丈夫なんですか?」
「大丈夫なわけないでしょ!引っ叩いちゃったわよ!いつもの調子で!!」
「手が出るのがいつもの調子なら、もうそんな昔の事なんて謝る必要無いのでは…?」
「これはこれ!それはそれ!私が謝りたいのは今の図太いアイツじゃなくて、まだ何にも染まってなかった過去のアイツなの!!」
「それこそ無理ですよ…古い写真も見たことありますけど、けっこう早い段階で目が死んでましたよ?」
エリックによれば、ジェイムス所有の数少ない写真の中にも、既に子供らしさの欠片もない姿しか写されていなかったと言う。
こうして今日もまた踏み切れず、シェルリアーナの謝罪劇は先送りとなった。
気持ちを切り替えたシェルリアーナが、いつものように昼食に間に合うように部屋へ戻ると、さっきまで泣いていたのが嘘のようなヴィオラと、久々に眉間のシワが取れたデイビッドが、オーブンの前で話をしていた。
「オムレツが…斑模様に…」
「白身が混ざり切って無かったんだろうな。でも上手くまとまってるし、味は保証する。」
「でも、少し焼き過ぎちゃいました…」
「そうか?なら俺のと交換してくれよ。」
「えー、そんなぁ!」
「何でもいいから早くしなさいよ!!」
豚肉のリブの煮込みに、春野菜のサラダ、大きなオムレツ、山型パンは切るのに失敗して少し斜めだがふわふわに焼けている。
デザートはリンゴのクランブルパイ。
「パンがガタガタなのは気にしないで下さい!!」
「味は一緒だって。焼きたては切るの難しいんだよな。」
「んーリブ美味しー!隠し味はリンゴですか?」
「そうなんです!お父様がくれたリンゴが古くなるので使っちゃいました。」
「ヴィオラはお料理も頑張ってるのね?!」
「はい!早くデイビッド様に追いつきたいんです!」
「ヴィオラの手料理なんて、豚には贅沢じゃなくて?」
「教えてるの俺なのに…?」
(なんで一言悪態ついちゃうんだろう…)
エリックのこの疑問は、当然本人にも同じく疑問のようだ。
(この一言をどうやったら止められるのかしら…)
日に日に語彙豊かに、より辛辣に、更に鋭い一言が喉から繰り出されていく。
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