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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
ヴィオラとアリー
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一見空っぽの部屋からは、濃い甘い匂いが漂っている。
中では関係者ではないヴィオラを伴ったデイビッドに驚いたアリーが、どうして良いかわからずじっとしているが、ヴィオラの目には足元いっぱいに並んだヒュリスの鉢植えも、もちろんアリーの姿も見えていない。
「何があるんですか?デイビッド様…?」
「あー…ちょっと待ってろよ?」
始めはヒュリスだけと思っていたが、今後何かあった時のために、ヴィオラとアリーは引き合わせておく方がいいかも知れない。
そう考えたデイビッドは覚悟を決め、デスクの引き出しからベルダの精霊水晶の眼鏡を取り出し、ヴィオラに渡した。
「かけてみな。」
「こう…ですか?あぁっ!!」
鬱蒼とツルを伸ばす大小のヒュリスの群と、初めて見る人型の魔物に、ヴィオラは思わずその場にへたり込んでしまった。
「なんですかこれ?!植物?魔物!?ううう動いてる!!」
「紹介するよ。俺が魔物の討伐先で拾って来たアルラウネのアリーだ。」
「アルラウネ?!アルラウネってあのアルラウネですか?!図鑑やテキストに載ってました、植物性の魔物の中でも最も強い指定の危険魔性生物って!!」
「ヴィオラ…大丈夫、コイツは…」
怯えるヴィオラを宥めようとすると、それより先にアリーが動いた。
「ヴィオラ!アイタカッタ ワタシ アリー」
スルスルとヴィオラに近づくと、太いツタで優しくヴィオラを助け起こし、にっこりと微笑んで見せる。
「ヤットアエタ カワイイヴィオラ コワクナイヨ アリー デイビッドノ トモダチ!」
「とも…だち…?」
「アリー デイビッドノコトスキ ダカラ デイビッドノスキ ミンナスキ アリー ヴィオラダイスキ!」
「え…えと…」
「植物なんで、基本人間の感覚と少しズレちゃいるが、害はない。その証拠に、今までずっとここで植物の世話をしてたんだ。姿を消して人を驚かさないよう配慮もしてくれてたし、意思の疎通もある程度できる。どうだ?これが俺の秘密だよ」
少し不安そうな顔をするデイビッドが、ヴィオラにはなんだか主人の機嫌を気にする子犬の様に見え、恐怖が一気に吹き飛んだ。
「こんな秘密、考えつきもしませんでした。心臓が口から出ちゃうかと思いましたよ?!」
「ごめんよヴィオラ…アルラウネは希少生物でもある。誰にも話せないし、外に知れたら大変な事になるんだ…見せた以上俺の責任だが、どうか秘密にして欲しい…いいかな?」
「秘密…デイビッド様と2人だけの内緒って事ですね?!」
「2人だけ…じゃないんだけどな…まぁ、口外は絶対にしないでくれ、頼むよ…」
「わかりました!私、誰にも言いません!絶対に秘密にします!」
こうしてヴィオラはアリーと知り合い、デイビッドと重大な秘密を共有する事となった。
「アリガトヴィオラ!ズットマッテタ デイビッドガ イチバンスキナヒト」
「おい、アリー?!」
「デイビッド ヴィオラノコト イツモカンガエテルノ アリーシッテル デイビッド ヴィオラトケンカシタトキ スゴクカナシソウダッタ」
「アリー、ちょっと待てアリー!」
「イマモ スゴクドキドキシテル デイビッド イツモヨリウレシソウ ヴィオラガイルカラ」
「少し黙っとくかアリー!?」
思考が一切読めない相手に、こちらの考えている事は筒抜けというのはなんとも不公平な話だ。
悪気無くペラペラ喋るアリーを止めようとデイビッドが必死になっていると、リディアが現れて外の作業に連れて行ってくれた。
「わぁ!もう1人居たんですね!?」
「あっちはベルダが世話してるドライアドのリディアだ。アリーより人の生活に慣れてる助手みたいなもんだよ。」
「聞いたことがあります!温室には姿の見えない主がいるって!あれが有名なベルダ先生の恋人ですか…」
「そんな噂が流れてるのか?!」
「噂とは失礼な!リディアは僕の恋人で間違いない!生涯を誓った運命の相手なんだからね!!」
突然声がして振り向くと、白衣を抱えたベルダが眠そうな顔で立っていた。
「先生っ!?」
「驚いた、いろんな意味で…」
「はぁ~…シモンズ先生ってばなかなか帰してくれないんだもん!疲れちゃったよ~」
ベンチに座るベルダに、リディアがすかさず絞ったタオルを差し出し、白衣を預かってお茶の支度をする。
「…本当に奥さんみたい…」
「魔物にここまで気ぃ使われて、人としての自尊心はねぇのか…?」
リディアは首を振り、少し照れたように笑うと白衣を持って奥へ行ってしまった。
「リディアハ コレガシアワセナンダッテ」
「幸せ…」
「まぁ、ダメ人間の世話がここまでできるんだから、それなりの愛情はあるんだろうな…」
その種類までは分からないが、外野には分からない絆もあるのだろう。
「リディアノスキハ シアワセノスキ アリーノスキハ ウレシイト タノシイト アリガトウノスキ!」
「ありがとうの好き?」
「アリー キエソウニナッテタ デモ デイビッドガタスケテクレタ クルシカッタトキモ イッショウケンメイ ハゲマシテクレタ デイビッドアリーニ ヤサシクシテクレル ダカラアリー デイビッドノコト ダイスキ!」
「ふーーん…………」
「なぁヴィオラ…?見てくれ人っぽくて言葉が通じても、アリーは植物だからな?!なんなら魔物だからな?!」
「でも大事にはしてるんですね…?」
「拾って来た手前放り出すワケにもいかねぇだろ?!ちなみにだけど、来た時はこんなちっちゃくて、赤ん坊みたいなもんだったんだよ!俺の事も植物だと思ってて大変だったんだって!!」
必死に弁明するデイビッドがあまりにも可笑しくて、ヴィオラはクスクス笑って改めてアリーに向き合った。
「私はヴィオラ!デイビッド様が大好きなヴィオラです!よろしくねアリー!」
「アリー ヴィオラト トモダチ ヨロシクネ」
新たな繋がりに喜ぶアリーとヴィオラを横目に、デイビッドはベンチでふんぞり返っているベルダに話しかけた。
「…で?テレンスの方はどうだった…?」
「あぁ、あの薬ね。シモンズ先生に雷落とされちゃったよ。こんなアホみたいな薬、二度と作るなってさ。第一級魔法薬にも劣らない出来だったらしいよ?テレンス君も順調に回復してるし、安心して。」
「なら良かった。あと、別館の方はどうなってんだ?そろそろ移し替えられそうか?」
「うん!土も安定した頃だし、そろそろ移植しようかなって思ってた所。週末雨だって言うから、その辺でどうかな?」
「わかった、こっちも開けとく。」
ヒュリスの紹介はその時にしようと、デイビッドは腰を上げ、ヴィオラを呼んだ。
「今日はそろそろ帰るか。明日も授業だろ?」
「はい、そうします!またね、アリー!」
「マタネ ヴィオラ」
「いつでもおいで~!」
メガネを外すとヴィオラの前から全てが消え去り、アリーとリディアのいた場所には空間だけが残る。
「ふ…不思議です…デイビッド様にはこれが見えてるんですね?!」
「まぁ、事故の副作用みたいなもんだけどな…」
「私も見えるようになりたい…」
「俺と同じ方法はお勧めできないから、エリック…いやシェルにでも相談するか…」
「あんなに可愛くて優しい魔物もいるんですね!またお喋りしに来たいです。」
「ああ、俺かベルタがいる時ならいつでもいいぞ。」
「またデイビッド様のお話聞きたい…」
「それは…ちょっと、あの…」
明らかに狼狽えるデイビッドを見て、ヴィオラはまたクスクス笑ってしまう。
とんでもない秘密を知ったはずなのに、ヴィオラの心はとても軽く、今までよりも明るかった。
色々あり過ぎた1日がようやく終わり、デイビッドも部屋に戻るといつもより疲れていた。
(テレンスも災難だったな…大使館に繋ぎ付けとかねぇと…セルジオはなんて言うだろうな…姫にも報告して…もうひとり来た方の姫はどうすっか…あー…今日はもうなんも考えたくねぇ……)
しかしデイビッドも明日は授業。
そちらの事も気にしながら、ソファに座り込んだまま、デイビッドはすっかり眠ってしまった。
中では関係者ではないヴィオラを伴ったデイビッドに驚いたアリーが、どうして良いかわからずじっとしているが、ヴィオラの目には足元いっぱいに並んだヒュリスの鉢植えも、もちろんアリーの姿も見えていない。
「何があるんですか?デイビッド様…?」
「あー…ちょっと待ってろよ?」
始めはヒュリスだけと思っていたが、今後何かあった時のために、ヴィオラとアリーは引き合わせておく方がいいかも知れない。
そう考えたデイビッドは覚悟を決め、デスクの引き出しからベルダの精霊水晶の眼鏡を取り出し、ヴィオラに渡した。
「かけてみな。」
「こう…ですか?あぁっ!!」
鬱蒼とツルを伸ばす大小のヒュリスの群と、初めて見る人型の魔物に、ヴィオラは思わずその場にへたり込んでしまった。
「なんですかこれ?!植物?魔物!?ううう動いてる!!」
「紹介するよ。俺が魔物の討伐先で拾って来たアルラウネのアリーだ。」
「アルラウネ?!アルラウネってあのアルラウネですか?!図鑑やテキストに載ってました、植物性の魔物の中でも最も強い指定の危険魔性生物って!!」
「ヴィオラ…大丈夫、コイツは…」
怯えるヴィオラを宥めようとすると、それより先にアリーが動いた。
「ヴィオラ!アイタカッタ ワタシ アリー」
スルスルとヴィオラに近づくと、太いツタで優しくヴィオラを助け起こし、にっこりと微笑んで見せる。
「ヤットアエタ カワイイヴィオラ コワクナイヨ アリー デイビッドノ トモダチ!」
「とも…だち…?」
「アリー デイビッドノコトスキ ダカラ デイビッドノスキ ミンナスキ アリー ヴィオラダイスキ!」
「え…えと…」
「植物なんで、基本人間の感覚と少しズレちゃいるが、害はない。その証拠に、今までずっとここで植物の世話をしてたんだ。姿を消して人を驚かさないよう配慮もしてくれてたし、意思の疎通もある程度できる。どうだ?これが俺の秘密だよ」
少し不安そうな顔をするデイビッドが、ヴィオラにはなんだか主人の機嫌を気にする子犬の様に見え、恐怖が一気に吹き飛んだ。
「こんな秘密、考えつきもしませんでした。心臓が口から出ちゃうかと思いましたよ?!」
「ごめんよヴィオラ…アルラウネは希少生物でもある。誰にも話せないし、外に知れたら大変な事になるんだ…見せた以上俺の責任だが、どうか秘密にして欲しい…いいかな?」
「秘密…デイビッド様と2人だけの内緒って事ですね?!」
「2人だけ…じゃないんだけどな…まぁ、口外は絶対にしないでくれ、頼むよ…」
「わかりました!私、誰にも言いません!絶対に秘密にします!」
こうしてヴィオラはアリーと知り合い、デイビッドと重大な秘密を共有する事となった。
「アリガトヴィオラ!ズットマッテタ デイビッドガ イチバンスキナヒト」
「おい、アリー?!」
「デイビッド ヴィオラノコト イツモカンガエテルノ アリーシッテル デイビッド ヴィオラトケンカシタトキ スゴクカナシソウダッタ」
「アリー、ちょっと待てアリー!」
「イマモ スゴクドキドキシテル デイビッド イツモヨリウレシソウ ヴィオラガイルカラ」
「少し黙っとくかアリー!?」
思考が一切読めない相手に、こちらの考えている事は筒抜けというのはなんとも不公平な話だ。
悪気無くペラペラ喋るアリーを止めようとデイビッドが必死になっていると、リディアが現れて外の作業に連れて行ってくれた。
「わぁ!もう1人居たんですね!?」
「あっちはベルダが世話してるドライアドのリディアだ。アリーより人の生活に慣れてる助手みたいなもんだよ。」
「聞いたことがあります!温室には姿の見えない主がいるって!あれが有名なベルダ先生の恋人ですか…」
「そんな噂が流れてるのか?!」
「噂とは失礼な!リディアは僕の恋人で間違いない!生涯を誓った運命の相手なんだからね!!」
突然声がして振り向くと、白衣を抱えたベルダが眠そうな顔で立っていた。
「先生っ!?」
「驚いた、いろんな意味で…」
「はぁ~…シモンズ先生ってばなかなか帰してくれないんだもん!疲れちゃったよ~」
ベンチに座るベルダに、リディアがすかさず絞ったタオルを差し出し、白衣を預かってお茶の支度をする。
「…本当に奥さんみたい…」
「魔物にここまで気ぃ使われて、人としての自尊心はねぇのか…?」
リディアは首を振り、少し照れたように笑うと白衣を持って奥へ行ってしまった。
「リディアハ コレガシアワセナンダッテ」
「幸せ…」
「まぁ、ダメ人間の世話がここまでできるんだから、それなりの愛情はあるんだろうな…」
その種類までは分からないが、外野には分からない絆もあるのだろう。
「リディアノスキハ シアワセノスキ アリーノスキハ ウレシイト タノシイト アリガトウノスキ!」
「ありがとうの好き?」
「アリー キエソウニナッテタ デモ デイビッドガタスケテクレタ クルシカッタトキモ イッショウケンメイ ハゲマシテクレタ デイビッドアリーニ ヤサシクシテクレル ダカラアリー デイビッドノコト ダイスキ!」
「ふーーん…………」
「なぁヴィオラ…?見てくれ人っぽくて言葉が通じても、アリーは植物だからな?!なんなら魔物だからな?!」
「でも大事にはしてるんですね…?」
「拾って来た手前放り出すワケにもいかねぇだろ?!ちなみにだけど、来た時はこんなちっちゃくて、赤ん坊みたいなもんだったんだよ!俺の事も植物だと思ってて大変だったんだって!!」
必死に弁明するデイビッドがあまりにも可笑しくて、ヴィオラはクスクス笑って改めてアリーに向き合った。
「私はヴィオラ!デイビッド様が大好きなヴィオラです!よろしくねアリー!」
「アリー ヴィオラト トモダチ ヨロシクネ」
新たな繋がりに喜ぶアリーとヴィオラを横目に、デイビッドはベンチでふんぞり返っているベルダに話しかけた。
「…で?テレンスの方はどうだった…?」
「あぁ、あの薬ね。シモンズ先生に雷落とされちゃったよ。こんなアホみたいな薬、二度と作るなってさ。第一級魔法薬にも劣らない出来だったらしいよ?テレンス君も順調に回復してるし、安心して。」
「なら良かった。あと、別館の方はどうなってんだ?そろそろ移し替えられそうか?」
「うん!土も安定した頃だし、そろそろ移植しようかなって思ってた所。週末雨だって言うから、その辺でどうかな?」
「わかった、こっちも開けとく。」
ヒュリスの紹介はその時にしようと、デイビッドは腰を上げ、ヴィオラを呼んだ。
「今日はそろそろ帰るか。明日も授業だろ?」
「はい、そうします!またね、アリー!」
「マタネ ヴィオラ」
「いつでもおいで~!」
メガネを外すとヴィオラの前から全てが消え去り、アリーとリディアのいた場所には空間だけが残る。
「ふ…不思議です…デイビッド様にはこれが見えてるんですね?!」
「まぁ、事故の副作用みたいなもんだけどな…」
「私も見えるようになりたい…」
「俺と同じ方法はお勧めできないから、エリック…いやシェルにでも相談するか…」
「あんなに可愛くて優しい魔物もいるんですね!またお喋りしに来たいです。」
「ああ、俺かベルタがいる時ならいつでもいいぞ。」
「またデイビッド様のお話聞きたい…」
「それは…ちょっと、あの…」
明らかに狼狽えるデイビッドを見て、ヴィオラはまたクスクス笑ってしまう。
とんでもない秘密を知ったはずなのに、ヴィオラの心はとても軽く、今までよりも明るかった。
色々あり過ぎた1日がようやく終わり、デイビッドも部屋に戻るといつもより疲れていた。
(テレンスも災難だったな…大使館に繋ぎ付けとかねぇと…セルジオはなんて言うだろうな…姫にも報告して…もうひとり来た方の姫はどうすっか…あー…今日はもうなんも考えたくねぇ……)
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