230 / 411
黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
好きこそものの
しおりを挟む
ロドムはデイビッドを何よりも可愛がっており、実のところ商会長に当たる父親のジェイムスよりも、余程信用を置いている。
「唯一の誤算は仕事人間になってしまった事でしょうね。追われて仕事をする内は半人前と、良く言われていたではないですか?」
「余計な仕事が増えなきゃここまで追われてねぇよ!」
「良く言いますよ!趣味も楽しみも娯楽すら良くわかってない癖に。なんか追っかけてないと自分てモノが消えちゃうのは前からですからね?」
「仕事してない時もあったろ!?あん時はどうだったってんだよ!?」
「無!!」
エリックがいきなり真剣な顔でデイビッドに迫った。
「…無…?」
「そう、無です!無!!何も無く、ただただ生きているだけの肉塊になるんですよ貴方は!だから会頭は絶えず貴方に仕事を与えようと心を砕かれているんです!」
「そこまで言う程…?」
「少なくとも、キリフから強制送還されて来た時の貴方は虚無そのものだったそうですからね?!」
デイビッドの最後の放浪先は、雪と氷に覆われた北の国キリフ。
そこで大怪我を負い、ラムダ国に返されたデイビッドは、ろくに歩けもしない身体のまま領地からも抜け出し、ムスタと共に運河を辿ってこの商会まで逃げて来た。
その後商会の敷地にある宿舎の一角で、ただ虚空を眺めて過ごすデイビッドに、会頭がどれ程心を痛めたことか。
ロドムはそれ故、デイビッドには下手に養生などさせず、できる事から次々と仕事を与えた。
僅かでもいい、達成感と責任感を与えられれば生きる気力にならないかと、書類の仕分けや商品の評価など、簡単なものから少しずつさせていく内に、気がつけば周りの心配を他所に、次から次へと成果を出し、技術や能力を身につけ、資格や技能を習得し、今に至る。
「せめてお荷物にならなければいい程度の認識が、結果出し過ぎて、あ、これヤバいなって気付いた頃には手遅れでしたからね?!」
「手遅れ…」
「今度は、このまま空っぽの自分に呑まれてしまわないよう、仕事を与え続けないと!って会頭も必死なんですよ?!」
「それは…流石に予想外だった…」
実際の所、やり残した事や、旅の思い出に耽っていただけで、頭の中では色々考えてはいたのだが、周りからはそうは見えていなかったらしい。
確かに、余暇に何をしたら良いかわからず悩んだ事もあった。
それでも、人にそこまで心配される程、自分は何も無い人間に見えているのか…と、デイビッドはとても大きなショックを受けた。
「さぁ!デイビッド!?女の子を褒め千切る準備はできた?!」
「あ、いえ、今それどこじゃなくて…」
「何言ってるの!いついかなる時も女の子は全力で褒めなさい!!」
「だから、そういうのは全部エリックに任してるんですってば!」
自分自身に絶望しかけたデイビッドの前に、フィズ夫人が身支度を終えたエリザベスを連れて来る。
「えへへへ、どうかな?!」
現れたエリザベスは、ハイウエストの編み上げロングスカート、かと思いきやたっぷりの布を使ったカナリア色のキュロットに、カーキ色のふんわりとしたシフォンのシャツの裾をリボンの様に結び、踵の低いパンプスという、全体的に緩やかな印象の服装だった。
髪型も、いつもの編み込みではなく、生え際を残したシニヨンでこれまた印象が違う。
「アタシ、スカートとかピシッとした服って苦手で、これすごくいいの!全部ゆるゆるなのにウエストはキュッとしてるし、可愛すぎなくて、でもお洒落!布が柔らかくて気持ち良いんだよ!」
「これもまた新しいですね!?動きやすさと女性らしさのいいとこ取りで、活発なエリザベス様にはぴったりじゃないですか!まるで黄色いマーガレットが咲いた様ですよ?」
「へへへ…デビィは…どう?変じゃないかな…?」
「あ、うん、良く似合ってる!あ゙っ!!」
気の利いた言葉もなく、たった一言で終わらせたデイビッドの背中に、フィズ夫人は肘を打ち込んだ。
「エリック、そういう教育は従者の貴方がするものではなくて?」
「いやいや、この人こう見えて以外と天然で人タラシなトコあるんですよ!単に女性を褒める経験が希薄だっただけで、他人の長所を見つけるのは割と得意なんです。」
「それでも!お洒落した女の子1人褒められないんじゃ意味がないのよエリック!?」
女性をエスコートし、ホストとして細やかな気遣いを求められる貴族男性において、それは致命的な欠陥に当たる。
「ところで、この後時間あるか?少し見てもらいてぇもんがあるんだけどよ。」
「全然大丈夫。今日は半日お見合いの予定だったし、このまま帰る気もないから予定は空いてるよ?」
「なら良かった、ちょっと来てくれよ。」
「わかった!」
フィズ夫人に呆れられながら、デイビッドはエリザベスを連れ、店の工房の方へ歩いて行った。
その後姿を見つめながらフィズ夫人はため息をつく。
「…確かに…人の心を掴むのは得意なのよね…見た?あの子目!あんなにキラキラして…恋とも憧れとも違う、何か相当嬉しい事があったのね。」
「…そうですねぇ…自分の内側に入って来た相手はめちゃくちゃ甘やかしますからね。」
「そう…貴方もその甘やかされた1人ってワケ?」
「ノーコメントで…」
エリザベスが連れてこられたのは、魔道具の工房。
ワクワクしながら周りを見渡すエリザベスに、デイビッドは魔術式が剥き出しのネジや歯車が複雑に組み込まれた何かの基板を手渡した。
「これがなんだかわかるか?」
「え…これ…?えーとね、あ!わかった、魔導式時計の心臓部だ!好きな時間に音を鳴らしたり、正確に時間を計って教えてくれるんだよね。これは大きさからして柱時計用かな?」
「正確。じゃぁこっちは?」
「これはすぐわかる、水の浄化装置!ポットに入れておくだけで井戸水が汲み立ての湧き水みたいに美味しくなるんだって!」
「次はこっち。」
「ずいぶん大きいね!大部屋用の冷暖房具だ!貴族は基本ドレスだから夏は特に重宝するよね。」
「よくわかるな。」
「もちろん!だってアタシ、魔道具大好きだもん!ところでさ…あそこの棚の上に飾ってあるの…もしかして“トロイ”じゃない?」
「トロイ?」
「知らない?50年以上前の、まだ今の魔導式が確立してない時代に、一世を風靡した全自動オーケストラだよ!あらゆる楽器の本物の音を記録して、好きな音楽を奏でられるって有名になったの。でも、レコードなんかも進化して、その後記録装置が開発されたら使われなくなっちゃった…でもね、スゴイんだよ!基礎の魔術式だけで、ものすごく複雑で繊細な基板を組んでるの。これを作った人は本当に天才か、身を削るような努力をした人なんだなって思うんだ!いつかこんな魔道具が作りたいって、私の憧れなんだよ…」
「そうか…だってよ、親方!?バルダム親方ぁー?隠れてないで出て来いよ!!」
エリザベスがポカンとしていると、棚の影からズングリした作業着の無骨な親父が現れた。
「う…うむ…」
「紹介する、ここの親方のバルダム爺さんだ。ウチで一番年季の入った職人だよ。」
「わぁ!凄い!魔道具の職人さん?!アタシ、エリザベスです!」
「工房長の、バルダムだ…」
「魔道具の術式の焼き付けは、今ほとんどこの爺さんがやってんだ。」
「本当に?!スゴイ!!量産型の魔術式は雛形がズレやすいから微調整が必要で、それができるのは熟練の人だけなんだよ!?」
「リズにもできるだろ?」
「そりゃできるけど、こなした数が違いすぎるよぉ!大先輩どころか、アタシからしたら神様みたいな人達なんだよ?!」
「…お嬢さん、今、回路の焼き付けができると言ったのか?ちとやって見せてくれんか?」
「え、私が?いいですけど…へへ、緊張するなぁ…」
そう言いながら、エリザベスは手渡された魔道具の基盤に、細い魔導工具で回路を彫り込み、難なく魔力の道を繋げた。
「できた!これを本体のランプに組み込めば完成だよ!」
それは魔導式のランプの基盤で、淡い光がキラキラ灯り、光の微調整や色の変化が可能な人気の一品になる。
エリザベスから受け取った基盤をじっくり眺め回しながら、バルダムは真剣な顔をしていた。
「唯一の誤算は仕事人間になってしまった事でしょうね。追われて仕事をする内は半人前と、良く言われていたではないですか?」
「余計な仕事が増えなきゃここまで追われてねぇよ!」
「良く言いますよ!趣味も楽しみも娯楽すら良くわかってない癖に。なんか追っかけてないと自分てモノが消えちゃうのは前からですからね?」
「仕事してない時もあったろ!?あん時はどうだったってんだよ!?」
「無!!」
エリックがいきなり真剣な顔でデイビッドに迫った。
「…無…?」
「そう、無です!無!!何も無く、ただただ生きているだけの肉塊になるんですよ貴方は!だから会頭は絶えず貴方に仕事を与えようと心を砕かれているんです!」
「そこまで言う程…?」
「少なくとも、キリフから強制送還されて来た時の貴方は虚無そのものだったそうですからね?!」
デイビッドの最後の放浪先は、雪と氷に覆われた北の国キリフ。
そこで大怪我を負い、ラムダ国に返されたデイビッドは、ろくに歩けもしない身体のまま領地からも抜け出し、ムスタと共に運河を辿ってこの商会まで逃げて来た。
その後商会の敷地にある宿舎の一角で、ただ虚空を眺めて過ごすデイビッドに、会頭がどれ程心を痛めたことか。
ロドムはそれ故、デイビッドには下手に養生などさせず、できる事から次々と仕事を与えた。
僅かでもいい、達成感と責任感を与えられれば生きる気力にならないかと、書類の仕分けや商品の評価など、簡単なものから少しずつさせていく内に、気がつけば周りの心配を他所に、次から次へと成果を出し、技術や能力を身につけ、資格や技能を習得し、今に至る。
「せめてお荷物にならなければいい程度の認識が、結果出し過ぎて、あ、これヤバいなって気付いた頃には手遅れでしたからね?!」
「手遅れ…」
「今度は、このまま空っぽの自分に呑まれてしまわないよう、仕事を与え続けないと!って会頭も必死なんですよ?!」
「それは…流石に予想外だった…」
実際の所、やり残した事や、旅の思い出に耽っていただけで、頭の中では色々考えてはいたのだが、周りからはそうは見えていなかったらしい。
確かに、余暇に何をしたら良いかわからず悩んだ事もあった。
それでも、人にそこまで心配される程、自分は何も無い人間に見えているのか…と、デイビッドはとても大きなショックを受けた。
「さぁ!デイビッド!?女の子を褒め千切る準備はできた?!」
「あ、いえ、今それどこじゃなくて…」
「何言ってるの!いついかなる時も女の子は全力で褒めなさい!!」
「だから、そういうのは全部エリックに任してるんですってば!」
自分自身に絶望しかけたデイビッドの前に、フィズ夫人が身支度を終えたエリザベスを連れて来る。
「えへへへ、どうかな?!」
現れたエリザベスは、ハイウエストの編み上げロングスカート、かと思いきやたっぷりの布を使ったカナリア色のキュロットに、カーキ色のふんわりとしたシフォンのシャツの裾をリボンの様に結び、踵の低いパンプスという、全体的に緩やかな印象の服装だった。
髪型も、いつもの編み込みではなく、生え際を残したシニヨンでこれまた印象が違う。
「アタシ、スカートとかピシッとした服って苦手で、これすごくいいの!全部ゆるゆるなのにウエストはキュッとしてるし、可愛すぎなくて、でもお洒落!布が柔らかくて気持ち良いんだよ!」
「これもまた新しいですね!?動きやすさと女性らしさのいいとこ取りで、活発なエリザベス様にはぴったりじゃないですか!まるで黄色いマーガレットが咲いた様ですよ?」
「へへへ…デビィは…どう?変じゃないかな…?」
「あ、うん、良く似合ってる!あ゙っ!!」
気の利いた言葉もなく、たった一言で終わらせたデイビッドの背中に、フィズ夫人は肘を打ち込んだ。
「エリック、そういう教育は従者の貴方がするものではなくて?」
「いやいや、この人こう見えて以外と天然で人タラシなトコあるんですよ!単に女性を褒める経験が希薄だっただけで、他人の長所を見つけるのは割と得意なんです。」
「それでも!お洒落した女の子1人褒められないんじゃ意味がないのよエリック!?」
女性をエスコートし、ホストとして細やかな気遣いを求められる貴族男性において、それは致命的な欠陥に当たる。
「ところで、この後時間あるか?少し見てもらいてぇもんがあるんだけどよ。」
「全然大丈夫。今日は半日お見合いの予定だったし、このまま帰る気もないから予定は空いてるよ?」
「なら良かった、ちょっと来てくれよ。」
「わかった!」
フィズ夫人に呆れられながら、デイビッドはエリザベスを連れ、店の工房の方へ歩いて行った。
その後姿を見つめながらフィズ夫人はため息をつく。
「…確かに…人の心を掴むのは得意なのよね…見た?あの子目!あんなにキラキラして…恋とも憧れとも違う、何か相当嬉しい事があったのね。」
「…そうですねぇ…自分の内側に入って来た相手はめちゃくちゃ甘やかしますからね。」
「そう…貴方もその甘やかされた1人ってワケ?」
「ノーコメントで…」
エリザベスが連れてこられたのは、魔道具の工房。
ワクワクしながら周りを見渡すエリザベスに、デイビッドは魔術式が剥き出しのネジや歯車が複雑に組み込まれた何かの基板を手渡した。
「これがなんだかわかるか?」
「え…これ…?えーとね、あ!わかった、魔導式時計の心臓部だ!好きな時間に音を鳴らしたり、正確に時間を計って教えてくれるんだよね。これは大きさからして柱時計用かな?」
「正確。じゃぁこっちは?」
「これはすぐわかる、水の浄化装置!ポットに入れておくだけで井戸水が汲み立ての湧き水みたいに美味しくなるんだって!」
「次はこっち。」
「ずいぶん大きいね!大部屋用の冷暖房具だ!貴族は基本ドレスだから夏は特に重宝するよね。」
「よくわかるな。」
「もちろん!だってアタシ、魔道具大好きだもん!ところでさ…あそこの棚の上に飾ってあるの…もしかして“トロイ”じゃない?」
「トロイ?」
「知らない?50年以上前の、まだ今の魔導式が確立してない時代に、一世を風靡した全自動オーケストラだよ!あらゆる楽器の本物の音を記録して、好きな音楽を奏でられるって有名になったの。でも、レコードなんかも進化して、その後記録装置が開発されたら使われなくなっちゃった…でもね、スゴイんだよ!基礎の魔術式だけで、ものすごく複雑で繊細な基板を組んでるの。これを作った人は本当に天才か、身を削るような努力をした人なんだなって思うんだ!いつかこんな魔道具が作りたいって、私の憧れなんだよ…」
「そうか…だってよ、親方!?バルダム親方ぁー?隠れてないで出て来いよ!!」
エリザベスがポカンとしていると、棚の影からズングリした作業着の無骨な親父が現れた。
「う…うむ…」
「紹介する、ここの親方のバルダム爺さんだ。ウチで一番年季の入った職人だよ。」
「わぁ!凄い!魔道具の職人さん?!アタシ、エリザベスです!」
「工房長の、バルダムだ…」
「魔道具の術式の焼き付けは、今ほとんどこの爺さんがやってんだ。」
「本当に?!スゴイ!!量産型の魔術式は雛形がズレやすいから微調整が必要で、それができるのは熟練の人だけなんだよ!?」
「リズにもできるだろ?」
「そりゃできるけど、こなした数が違いすぎるよぉ!大先輩どころか、アタシからしたら神様みたいな人達なんだよ?!」
「…お嬢さん、今、回路の焼き付けができると言ったのか?ちとやって見せてくれんか?」
「え、私が?いいですけど…へへ、緊張するなぁ…」
そう言いながら、エリザベスは手渡された魔道具の基盤に、細い魔導工具で回路を彫り込み、難なく魔力の道を繋げた。
「できた!これを本体のランプに組み込めば完成だよ!」
それは魔導式のランプの基盤で、淡い光がキラキラ灯り、光の微調整や色の変化が可能な人気の一品になる。
エリザベスから受け取った基盤をじっくり眺め回しながら、バルダムは真剣な顔をしていた。
59
あなたにおすすめの小説
国王一家は堅実です
satomi
恋愛
オスメーモ王国…そこは国王一家は麗しくいつも輝かんばかりのドレスなどを身につけている。
その実態は、国王一家は国民と共に畑を耕したり、国民(子供)に読み書きを教えたり庶民的な生活をしている。
国王には現在愛する妻と双子の男女の子に恵まれ、幸せに生活している。
外部に行くときは着飾るが、領地に戻れば庶民的で非常に無駄遣いをしない王族である。
国庫は大事に。何故か、厨房担当のワーグが王家の子どもたちからの支持を得ている。
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
力は弱くて魔法も使えないけど強化なら出来る。~俺を散々こき使ってきたパーティの人間に復讐しながら美少女ハーレムを作って魔王をぶっ倒します
枯井戸
ファンタジー
──大勇者時代。
誰も彼もが勇者になり、打倒魔王を掲げ、一攫千金を夢見る時代。
そんな時代に、〝真の勇者の息子〟として生を授かった男がいた。
名はユウト。
人々は勇者の血筋に生まれたユウトに、類稀な魔力の才をもって生まれたユウトに、救世を誓願した。ユウトもまた、これを果たさんと、自身も勇者になる事を信じてやまなかった。
そんなある日、ユウトの元へ、ひとりの中性的な顔立ちで、笑顔が爽やかな好青年が訪ねてきた。
「俺のパーティに入って、世界を救う勇者になってくれないか?」
そう言った男の名は〝ユウキ〟
この大勇者時代にすい星のごとく現れた、〝その剣技に比肩する者なし〟と称されるほどの凄腕の冒険者である。
「そんな男を味方につけられるなんて、なんて心強いんだ」と、ユウトはこれを快諾。
しかし、いままで大した戦闘経験を積んでこなかったユウトはどう戦ってよいかわからず、ユウキに助言を求めた。
「戦い方? ……そうだな。なら、エンチャンターになってくれ。よし、それがいい。ユウトおまえはエンチャンターになるべきだ」
ユウトは、多少はその意見に疑問を抱きつつも、ユウキに勧められるがまま、ただひたすらに付与魔法(エンチャント)を勉強し、やがて勇者の血筋だという事も幸いして、史上最強のエンチャンターと呼ばれるまでに成長した。
ところが、そればかりに注力した結果、他がおろそかになってしまい、ユウトは『剣もダメ』『付与魔法以外の魔法もダメ』『体力もない』という三重苦を背負ってしまった。それでもエンチャンターを続けたのは、ユウキの「勇者になってくれ」という言葉が心の奥底にあったから。
──だが、これこそがユウキの〝真の〟狙いだったのだ。
この物語は主人公であるユウトが、持ち前の要領の良さと、唯一の武器である付与魔法を駆使して、愉快な仲間たちを強化しながら成り上がる、サクセスストーリーである。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる