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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
マンドラゴラ再び
「全く失礼なっ!!私は純粋に兄から友好を継ごうとしているだけです!!」
「継いじゃったらアーネスト殿下の友好は消えるのでは…」
「僕の場合は…もう…なんと言うか…“やらかし王子の他所から来た方”って呼ばれてますから…受け入れてもらえただけでも、日々感謝して生きろとキツく言われてますからね…」
「最早王族の扱いじゃねぇな…」
「私に至っては親戚ですよ?!」
「血縁上なだけだろ?婆ちゃんが降嫁してるからそっちに名前は入ってねぇよ。」
「いつでも受け入れる態勢は整っているそうです。」
「未来永劫その予定は無い!」
根も葉もない噂に腹を立てたアリスティア達は、早速人目の無い部屋に集まり今後の対策について話し合っていた。
「で、なんでここに集まるんだよ!?」
「何度も言いますが、他の場所では人目もありますし、特別な部屋ではお茶は飲めないんですよ?」
「このサクランボのパイ、本気でお金出して買いたいです!」
「このサクサクなのにジュワッと広がる甘酸っぱさ…何を話し合うにも、まずはこれ食べてからってなりますね。」
当人の気も知らず、和気あいあいとアフタヌーンティーを楽しむアリスティア達をエリックに押し付けると、デイビッドは早々に温室へと逃げ出し、いつものノルマをこなし始めた。
そこへいつもの第七研究室の一団がやって来た。
「あー!デビィ、お疲れ様ぁ!!」
「リーズ!いきなり抱きつくのはヤメロ!!」
「リズってば…本当にデイビッド君にご執心だね…」
「そりゃそうだよ、あんな事があればね…」
お見合いの後、エリザベスはそれまで見せた事も無いような笑顔で笑うようになった。
今までも良く笑う子ではあったが、あれは無理に作っていた笑顔ではなかったかと思わせる程に。
不思議に思ったエドワード達が尋ねると、エリザベスは少しはにかんだ様に、にっこり笑ってこう答えた。
「ねぇ!運命の出会いって信じる?アタシはねぇ、王子様よりステキな人に出会って、助けてもらっちゃったんだぁ!」
「今ならヴィオラちゃんの気持ち、良ーくわかる!だってあの時のデビィ、すっごくカッコ良くて頼もしかったもん!」
「アタシ、これからの人生デビィに預けるって決めたの!!」
照れくさそうにそう語るエリザベスに、仲間達は2人の間に一体何があったのかと騒然となった。
その後、色々勘違いしたシェルリアーナによって、デイビッドが拷問一歩手前まで追い詰められるというハプニングも発生したが、事態の全容を説明し、ようやく信じてもらえた所だ。
エリザベスは会話の際、感情が前に出過ぎるため、本人の発言であってもしっかり説明を聞かなければ話が見えて来ない事が多々あるらしい。
迂闊な行動はどこで綻びになるかも知れない事を、デイビッドはこの時身を持って学んだ。
「ねぇ、デビィ!アタシちょっと聞きたいことがあるんだけどさぁ?!」
「なんだよ、仕事の話なら後にしてくれよ…」
「ううん?そうじゃなくてね、マンドラゴラの事でお願いがあるの!」
「マンドラゴラ?」
「前に一度食べさせてくれた事があったじゃない?」
「ああ、採取実習の時食ったよな。」
「あれ、お菓子にできないかなぁ?」
「お菓子…?」
「マンドラゴラの加工品って薬以外はデンプンくらいしかないけど、デビィならあんなに甘くて美味しくできるじゃない?あれホントに凄いと思うの!」
「確かに…調味料ちょい足しで食うくらいしかしたことなかったな…」
「でしょでしょ!?アタシあの味が忘れられなくってね!?あれがちゃんとしたお菓子になったら最高だなぁって、昨日ぼんやり思いついたの!」
「わかった、やってみようか。」
「やったぁ!ありがとデビィ!」
飛び跳ねるエリザベスを、イヴェットとエドワードが唖然として見ている。
「リズの奴、またとんでもない事を…」
「ねぇ…例えば、食べるだけで魔力暴走を抑えられるお菓子…なんてあったら、最高だと思わない?」
「え…?」
「僕達が飲んでた薬が不味かったのって、もしかしたら薬草にマンドラゴラと同じ現象が起きてた可能性ってあるよね…。もし美味しいお菓子になるなら、それだけで幸せな気持ちになれたと思う…」
「……それだ!!ありがとうイヴェット!僕の目標が決まったよ!!」
そう言うとエドワードは研究室を飛び出して、何処かへ行ってしまった。
温室の本館には魔草を育てているエリアがあり、リディアが甲斐甲斐しく世話をしている。
マンドラゴラもそこに生えているので、食べ頃の大きな個体を収穫させてもらう。
ギョェァァァァッッッ!!!
「あーーうるっせーー!!」
引っこ抜く度に叫ぶので、デイビッドは辟易しながら数株抜いて耳鳴りが収まらないまま部屋へ戻った。
部屋にはエリックしか居らず、王族のお茶会は少し前に解散しており、後日また来るとのこと。
もう来るなと思いつつ、マンドラゴラの調理にかかる。
頭の葉を落とし、水洗いして皮を剥いたら蒸し機で蒸して、滑らかになるまで潰したら裏漉しをしてバターを加え更に練る。
手始めに簡単そうなクッキーに練り込み、パイとパン生地に包んで焼いてみると、どれもいい具合に仕上がった。
「クッキーがサクサクホロホロ!口溶け滑らか!!」
「このどっしりしたパイがまた良いですね。ここまで重い素材は秋の蜜芋やカボチャくらいしかありませんでしたけど、これなら年中食べられますね!」
「マンドラゴラってこんなにおいしかったんですね!?」
「収穫が難点だな…」
パンの中に入れた物は、ダンプリングの餡の様にホクホクしっとりに出来上がった。
(饅頭の餡としても良さそうだ…)
特殊な素材か魔素地でたまに食べる珍味くらいにしか思っていなかったが、これはこれで面白い素材かも知れない。
ただし、やはり日用使いに耐えられるかと言うと色々と課題が残る。
不思議なオヤツを食べて満足したヴィオラは、まだ試行錯誤を繰り返すデイビッドを他所に、自分の課題のため資料室へ向かった。
領地経営科の自領に関する資料を作るため、様々な文献に出て来るローベル領の記述を集めていると、棚の後ろからリリアが顔を出し、思わず後退った。
「ごきげんようお姉様。」
「ご…ごきげんようミス・リリア…このような場所でどうされたのですか?」
「あら、イヤだわお姉様。私だって勉強に忙しいんですのよ?お姉様と違って遊んでばかりではありませんの。」
それはこっちの台詞と言いたい気持ちを飲み込んで、ヴィオラは笑顔を貼り付けた。
「それは失礼しました、では私はこれで…」
「ねぇお姉様、最近、お姉様は随分と羽振りがよろしいのではなくて?」
「え?」
「生家が困窮していると言うのに、なんて薄情なのかしら…お母様達は毎日喧嘩が耐えないというのに…」
「それはランドール家の皆様の問題であって、もう私には関係ありません。」
「なんて冷たいのかしら…私、今月に入ってまだ新しいお洋服の1枚も買っては頂けていないというのに…」
「それは…」
3日と開けず買い物ばかりしていた妹には、今の生活は随分と厳しく感じるようだ。
一切の共感ができないまま、ヴィオラが妹をどう振り切ろうか考えていると、リリアが急に顔を寄せて小声で話しかけてきた。
「ねぇお姉様?一度でいいからお姉様のお財布、貸して下さらない?」
「お財布?!」
「見てくれは野暮ったくて薄汚れているけど、中身はぎっしり入っているのでしょう?お姉様も上手くお使いになっているようですし、少しくらい良いじゃない?お姉様にだってどうせあれは豚革の財布なんでしょう…?」
嫌な笑みを向けられて、一瞬カッとなるが直ぐに冷静になり、こちらも言い返す。
「悪いけれど、お貸しすることはできないわね。貴女こそ色とりどりのお財布をたくさんお持ちじゃない?でも大切にしないと直ぐになくなってしまいますわよ?!それでは、ごきげんようミス・リリア?!」
そう言うと、それ以上関わりたくなくて、ヴィオラは直ぐに資料室を後にした。
「継いじゃったらアーネスト殿下の友好は消えるのでは…」
「僕の場合は…もう…なんと言うか…“やらかし王子の他所から来た方”って呼ばれてますから…受け入れてもらえただけでも、日々感謝して生きろとキツく言われてますからね…」
「最早王族の扱いじゃねぇな…」
「私に至っては親戚ですよ?!」
「血縁上なだけだろ?婆ちゃんが降嫁してるからそっちに名前は入ってねぇよ。」
「いつでも受け入れる態勢は整っているそうです。」
「未来永劫その予定は無い!」
根も葉もない噂に腹を立てたアリスティア達は、早速人目の無い部屋に集まり今後の対策について話し合っていた。
「で、なんでここに集まるんだよ!?」
「何度も言いますが、他の場所では人目もありますし、特別な部屋ではお茶は飲めないんですよ?」
「このサクランボのパイ、本気でお金出して買いたいです!」
「このサクサクなのにジュワッと広がる甘酸っぱさ…何を話し合うにも、まずはこれ食べてからってなりますね。」
当人の気も知らず、和気あいあいとアフタヌーンティーを楽しむアリスティア達をエリックに押し付けると、デイビッドは早々に温室へと逃げ出し、いつものノルマをこなし始めた。
そこへいつもの第七研究室の一団がやって来た。
「あー!デビィ、お疲れ様ぁ!!」
「リーズ!いきなり抱きつくのはヤメロ!!」
「リズってば…本当にデイビッド君にご執心だね…」
「そりゃそうだよ、あんな事があればね…」
お見合いの後、エリザベスはそれまで見せた事も無いような笑顔で笑うようになった。
今までも良く笑う子ではあったが、あれは無理に作っていた笑顔ではなかったかと思わせる程に。
不思議に思ったエドワード達が尋ねると、エリザベスは少しはにかんだ様に、にっこり笑ってこう答えた。
「ねぇ!運命の出会いって信じる?アタシはねぇ、王子様よりステキな人に出会って、助けてもらっちゃったんだぁ!」
「今ならヴィオラちゃんの気持ち、良ーくわかる!だってあの時のデビィ、すっごくカッコ良くて頼もしかったもん!」
「アタシ、これからの人生デビィに預けるって決めたの!!」
照れくさそうにそう語るエリザベスに、仲間達は2人の間に一体何があったのかと騒然となった。
その後、色々勘違いしたシェルリアーナによって、デイビッドが拷問一歩手前まで追い詰められるというハプニングも発生したが、事態の全容を説明し、ようやく信じてもらえた所だ。
エリザベスは会話の際、感情が前に出過ぎるため、本人の発言であってもしっかり説明を聞かなければ話が見えて来ない事が多々あるらしい。
迂闊な行動はどこで綻びになるかも知れない事を、デイビッドはこの時身を持って学んだ。
「ねぇ、デビィ!アタシちょっと聞きたいことがあるんだけどさぁ?!」
「なんだよ、仕事の話なら後にしてくれよ…」
「ううん?そうじゃなくてね、マンドラゴラの事でお願いがあるの!」
「マンドラゴラ?」
「前に一度食べさせてくれた事があったじゃない?」
「ああ、採取実習の時食ったよな。」
「あれ、お菓子にできないかなぁ?」
「お菓子…?」
「マンドラゴラの加工品って薬以外はデンプンくらいしかないけど、デビィならあんなに甘くて美味しくできるじゃない?あれホントに凄いと思うの!」
「確かに…調味料ちょい足しで食うくらいしかしたことなかったな…」
「でしょでしょ!?アタシあの味が忘れられなくってね!?あれがちゃんとしたお菓子になったら最高だなぁって、昨日ぼんやり思いついたの!」
「わかった、やってみようか。」
「やったぁ!ありがとデビィ!」
飛び跳ねるエリザベスを、イヴェットとエドワードが唖然として見ている。
「リズの奴、またとんでもない事を…」
「ねぇ…例えば、食べるだけで魔力暴走を抑えられるお菓子…なんてあったら、最高だと思わない?」
「え…?」
「僕達が飲んでた薬が不味かったのって、もしかしたら薬草にマンドラゴラと同じ現象が起きてた可能性ってあるよね…。もし美味しいお菓子になるなら、それだけで幸せな気持ちになれたと思う…」
「……それだ!!ありがとうイヴェット!僕の目標が決まったよ!!」
そう言うとエドワードは研究室を飛び出して、何処かへ行ってしまった。
温室の本館には魔草を育てているエリアがあり、リディアが甲斐甲斐しく世話をしている。
マンドラゴラもそこに生えているので、食べ頃の大きな個体を収穫させてもらう。
ギョェァァァァッッッ!!!
「あーーうるっせーー!!」
引っこ抜く度に叫ぶので、デイビッドは辟易しながら数株抜いて耳鳴りが収まらないまま部屋へ戻った。
部屋にはエリックしか居らず、王族のお茶会は少し前に解散しており、後日また来るとのこと。
もう来るなと思いつつ、マンドラゴラの調理にかかる。
頭の葉を落とし、水洗いして皮を剥いたら蒸し機で蒸して、滑らかになるまで潰したら裏漉しをしてバターを加え更に練る。
手始めに簡単そうなクッキーに練り込み、パイとパン生地に包んで焼いてみると、どれもいい具合に仕上がった。
「クッキーがサクサクホロホロ!口溶け滑らか!!」
「このどっしりしたパイがまた良いですね。ここまで重い素材は秋の蜜芋やカボチャくらいしかありませんでしたけど、これなら年中食べられますね!」
「マンドラゴラってこんなにおいしかったんですね!?」
「収穫が難点だな…」
パンの中に入れた物は、ダンプリングの餡の様にホクホクしっとりに出来上がった。
(饅頭の餡としても良さそうだ…)
特殊な素材か魔素地でたまに食べる珍味くらいにしか思っていなかったが、これはこれで面白い素材かも知れない。
ただし、やはり日用使いに耐えられるかと言うと色々と課題が残る。
不思議なオヤツを食べて満足したヴィオラは、まだ試行錯誤を繰り返すデイビッドを他所に、自分の課題のため資料室へ向かった。
領地経営科の自領に関する資料を作るため、様々な文献に出て来るローベル領の記述を集めていると、棚の後ろからリリアが顔を出し、思わず後退った。
「ごきげんようお姉様。」
「ご…ごきげんようミス・リリア…このような場所でどうされたのですか?」
「あら、イヤだわお姉様。私だって勉強に忙しいんですのよ?お姉様と違って遊んでばかりではありませんの。」
それはこっちの台詞と言いたい気持ちを飲み込んで、ヴィオラは笑顔を貼り付けた。
「それは失礼しました、では私はこれで…」
「ねぇお姉様、最近、お姉様は随分と羽振りがよろしいのではなくて?」
「え?」
「生家が困窮していると言うのに、なんて薄情なのかしら…お母様達は毎日喧嘩が耐えないというのに…」
「それはランドール家の皆様の問題であって、もう私には関係ありません。」
「なんて冷たいのかしら…私、今月に入ってまだ新しいお洋服の1枚も買っては頂けていないというのに…」
「それは…」
3日と開けず買い物ばかりしていた妹には、今の生活は随分と厳しく感じるようだ。
一切の共感ができないまま、ヴィオラが妹をどう振り切ろうか考えていると、リリアが急に顔を寄せて小声で話しかけてきた。
「ねぇお姉様?一度でいいからお姉様のお財布、貸して下さらない?」
「お財布?!」
「見てくれは野暮ったくて薄汚れているけど、中身はぎっしり入っているのでしょう?お姉様も上手くお使いになっているようですし、少しくらい良いじゃない?お姉様にだってどうせあれは豚革の財布なんでしょう…?」
嫌な笑みを向けられて、一瞬カッとなるが直ぐに冷静になり、こちらも言い返す。
「悪いけれど、お貸しすることはできないわね。貴女こそ色とりどりのお財布をたくさんお持ちじゃない?でも大切にしないと直ぐになくなってしまいますわよ?!それでは、ごきげんようミス・リリア?!」
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カクヨムで公開したものに手を入れたものです。