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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
最悪の式典
次の日の朝、デイビッドが王族付きのコック達が唖然とする中、チーズオムレツを焼いていると、ヴィオラとアリスティアが顔を出した。
「おはようございます!!」
「おぅ、おはよう。よく眠れたか?」
「はい!もうぐっすり!」
ヴィオラの隣でアリスティアは、フライパンの上で卵液が楕円に丸まっていく様子をまじまじと眺め、感動していた。
「まるで魔法みたいです…鍋を揺するだけであんなに綺麗に丸くなるなんて…」
「自分とこのコックだって同じ事してるだろ?」
「見せては頂けませんもの。料理は使用人の仕事だからと…学園に入るまで、湯の沸く様ひとつ間近で見たことはありませんでした。」
「身分ってのは厄介だな。上下で垣根作って、お互いの手元を隠しちまう。何をしてるのか分かれば、歩み寄れる所もあるだろうに…」
「今のお言葉、金言にします。」
「すんな!忘れろ!」
ヴィオラの前で冷えたプリンを取り出し、切った果物とクリームで飾り付けて見せると、目を輝かせていた。
「私、デイビッド様の作るプリンは世界一だと思ってます!」
「そんなに!?私の分も…あるのですよね?!」
「ちゃんと作ったから、あんま入って来んなよ!他のコックが迷惑してるぞ!?」
高貴な姫が身を乗り出しているので、何かあってはいけないと厨房全体が緊張している。
「用意ができたら持ってくから、部屋にいろよ。」
「もう少しだけ!お願いします!」
「汚れるから、そこで観るだけにしとけよ?」
ドアの前でボールの中身が混ざる様子を見ている2人の目が、いつの間にか3つになり、4つになり、最後には5つになった。
「ジャファルまではいいとして、アーネストとサラムはここにいちゃ不味いんじゃねぇのか?!」
「そう言うな!客の要望には快く応えるものだぞ?」
「妹が良くて兄がダメな理由は無いだろ!!」
「王・太・子!!!身分弁えろ!護衛が後ろで困ってんだろうが!早よ部屋戻れ!」
高貴で活動的な護衛対象など厄介でしか無い。
できる限り一カ所で大人しくしててもらいたいものだ。
5人を部屋へ帰すと、次はチョコレート生地を型に流し入れ、焼き加減を見ながら保冷庫の冷凍室から凍らせておいた潰した果物を取り出し、生の果物と一緒にミキサーに掛ける。
そこからは料理が温かい内、冷たい内に大急ぎでメイドに運ばせ、自分は後片付けをしに流しへ戻ろうとすると、残ったボールや皿に他のコック達が集まっていた。
スプーンや指で残った料理を掬って口に入れ、何やら興奮気味に話し合っている。
「あの…洗い物…」
「そんなのはいいから!まずはこのオムレツの作り方を教えて貰いたい!」
「ここに乗っていたのはクロックマダムか?!実物を是非!」
「プリンもだ!」
「えぇ…?」
朝から謎の料理教室が始まり、厨房で賑やかに過ごしていると、外からポンポンと花火の音がして祭りの開式の合図が聞こえてきた。
(ついに始まるのか…)
広場で神に祈りを捧げ、聖女が結界の装置に魔力を注いだら、街中でそれを祝い、パレードの後に祭りを楽しむらしい。
その間ヴィオラはアザーレアと国家交流という名の下にサロンでまったり過ごし、サラムはシャーリーン妃の希望で結界を張る所を見に行くそうだ。
アリスティアとアーネストは国王の側に居なくてはならず、朝から不機嫌だった。
残った王族も今日は城の中で過ごしている。
今度はジャファル、カミール、セルジオが厨房を覗きにやって来た。
「あ!!また卵料理か!?」
「来んなよ!後でサンドイッチでも作ってやるから、大人しく待ってろ!」
「デイビッド、さっきの果物ジュース…おかわりとか…」
「メイドに頼めよ!!」
「頼んだけど、喉越しが全然違うんだよ!!何がどうしたらあんなに美味しくなるんだ?!」
「少しだけ混ぜもんしてんだよ。滑らかになるように…」
「混ぜ物…?ゼリーとかですか?!」
「ゼリーというか、先に潰した果物にマンドラゴラのデンプンを加えてひと煮立ちさせてから、アク取って粗熱冷ましてそっから冷やして置いてんだよ。独特な食感で口当たりが良くなるからな。凍らせても良いしそのままでも良い。」
「マンドラゴラですか?!」
「そんな手間を…」
「何かのついでに火の横でできるからそこまで大変でもねぇよ?」
ざわつくコック達に保冷庫から残った果物を出して見せるとまた群がって来たが、カミールの要望を優先してジュースにしてやると、3人も部屋に戻すことに成功した。
その内軽食の仕込みや晩餐の用意などでコック達も忙しくなり、ようやく解放されたデイビッドが広い廊下を歩いていると、窓から中庭でアザーレアとディアナと一緒に帝国のマナーを習得中のヴィオラが見えた。
(楽しそうにしてるな…明日かぁ…)
そう、明日、あと一夜明けたらヴィオラの誕生日。
16の時はギリギリ婚約前ということもあり祝えず、17歳になる今年が初めてのお祝いだ。
密かに準備して来た支度も整い、後は当日を待つだけ。
王家自慢のバラの庭園で笑うヴィオラを遠目に、デイビッドはしばし足を止めていた。
「めっちゃくちゃ幸せそうな顔してますね…」
「うるせぇな!」
「いやぁ、お城の中じゃ常に眉間のシワ3倍増しだったデイビッド様が、こんなに穏やかな顔をされるとは…雷でも落ちるんですかね?」
「せめて雨くらいにしとけよ!!」
そんな下らない事を言い合っている時だった。
快晴だった空が一点俄にかき曇り、教会の上空に黒雲が現れたかと思うと、そこから天が張り裂けんばかりの稲光がほとばしり、幾筋もの雷鎚が地上に降り注いだ。
「なんだ今の!?」
「ホラ言わんこっちゃない…」
「イヤなんでこっち見んだよ!!俺のせいじゃねぇだろ!!」
慌てて窓から飛び出し、ヴィオラの側へ行こうとすると、遥か手前で何かに行く手を拒まれ、デイビッドは草むらにひっくり返った。
「いってぇな!!なんだこりゃ!?」
「これは…結界ですね。」
「10mは手前だよな!?過保護にも程があんだろ!?」
文句を言っていると、ヴィオラを抱き寄せ臨戦態勢に入っていたアザーレアとディアナがこちらに気が付いた。
「すまん!敵襲かと思ってな、お前達も無事か?」
「こっちはなんとも無ねぇけどよ…雷が落ちた場所はどうなってんだ…?」
「私共は何ともありませんが、あの雲の下はもしや式典の会場では?!」
「ア…アリス様達が教会に…」
ヴィオラがそう言うと同時に、エリックの胸元の共鳴石が光り、誰かが招集を掛けていることが分かった。
「シェル達の方も大変の様です…でも、僕はデイビッド様の護衛ですし…」
「なら俺も行く。アザーレア、ディアナ!ヴィオラとジャファル達を頼む。」
「心得た。城の中の王族は、私に任せろ!」
「デイビッド殿も、どうかお気を付けて!」
他国の王族にこんな事を頼むのもおかしな話だが、アザーレアは何よりヴィオラを安心させるため、快く残りの王族達の元へ向かった。
デイビッドとエリックは、騒然とする城内を駆け抜け、大門から外へ出て祭りの会場へ向かうと、そこは地獄絵図のようだった。
大気が揺さぶられたせいで街では家々のガラスが砕け散り、家財が薙ぎ倒され、店の軒や屋根が割れ、瓦礫が道に散乱し、広場に集まっていた民は阿鼻叫喚の中、我が身を守ろうと必死に駆けずり回っている。
助けを求め泣き叫ぶ声と、怯え戸惑う人の波が押し合い、人災を招きかねない状況だ。
その中心で炎を上げて燃えているのは、教会の祭壇だった。
なぎ倒された女神像と、黒焦げになった教会の入り口では、神官や信徒達が右往左往している。
怪我人も大勢出ているようだ。
「こりゃ酷ぇな…」
「デイビッド様、こっちです!」
エリックが指差す先には、背中から血を流すシェルリアーナを抱えたイヴェットが懸命に治療を試みていた。
「イヴェット!?」
「デイビッド!アナが…アナがアリスティア様を庇って…僕の魔力じゃ治癒できない!どうしよう!このままじゃアナが…」
ぐったりしたシェルリアーナの背中は血に染まり、息も浅くなっている。
「他の王族は?!」
「皆避難してる…シャーリーン殿下が防御してくれたから、サラム殿下も無事だった…でも、下に降りてたアーネスト殿下に向かって柱が落ちてきて、アナはそれを庇おうとしたアリスティア様の盾になったんだ…」
イヴェットもすぐに駆けつけたかったが、自分の持ち場もあり、他の貴族や大使などの治療をしてから大急ぎでシェルリアーナの所へ来たが、血統性の魔力が反発してしまい治癒魔法が上手く効かないらしい。
「おはようございます!!」
「おぅ、おはよう。よく眠れたか?」
「はい!もうぐっすり!」
ヴィオラの隣でアリスティアは、フライパンの上で卵液が楕円に丸まっていく様子をまじまじと眺め、感動していた。
「まるで魔法みたいです…鍋を揺するだけであんなに綺麗に丸くなるなんて…」
「自分とこのコックだって同じ事してるだろ?」
「見せては頂けませんもの。料理は使用人の仕事だからと…学園に入るまで、湯の沸く様ひとつ間近で見たことはありませんでした。」
「身分ってのは厄介だな。上下で垣根作って、お互いの手元を隠しちまう。何をしてるのか分かれば、歩み寄れる所もあるだろうに…」
「今のお言葉、金言にします。」
「すんな!忘れろ!」
ヴィオラの前で冷えたプリンを取り出し、切った果物とクリームで飾り付けて見せると、目を輝かせていた。
「私、デイビッド様の作るプリンは世界一だと思ってます!」
「そんなに!?私の分も…あるのですよね?!」
「ちゃんと作ったから、あんま入って来んなよ!他のコックが迷惑してるぞ!?」
高貴な姫が身を乗り出しているので、何かあってはいけないと厨房全体が緊張している。
「用意ができたら持ってくから、部屋にいろよ。」
「もう少しだけ!お願いします!」
「汚れるから、そこで観るだけにしとけよ?」
ドアの前でボールの中身が混ざる様子を見ている2人の目が、いつの間にか3つになり、4つになり、最後には5つになった。
「ジャファルまではいいとして、アーネストとサラムはここにいちゃ不味いんじゃねぇのか?!」
「そう言うな!客の要望には快く応えるものだぞ?」
「妹が良くて兄がダメな理由は無いだろ!!」
「王・太・子!!!身分弁えろ!護衛が後ろで困ってんだろうが!早よ部屋戻れ!」
高貴で活動的な護衛対象など厄介でしか無い。
できる限り一カ所で大人しくしててもらいたいものだ。
5人を部屋へ帰すと、次はチョコレート生地を型に流し入れ、焼き加減を見ながら保冷庫の冷凍室から凍らせておいた潰した果物を取り出し、生の果物と一緒にミキサーに掛ける。
そこからは料理が温かい内、冷たい内に大急ぎでメイドに運ばせ、自分は後片付けをしに流しへ戻ろうとすると、残ったボールや皿に他のコック達が集まっていた。
スプーンや指で残った料理を掬って口に入れ、何やら興奮気味に話し合っている。
「あの…洗い物…」
「そんなのはいいから!まずはこのオムレツの作り方を教えて貰いたい!」
「ここに乗っていたのはクロックマダムか?!実物を是非!」
「プリンもだ!」
「えぇ…?」
朝から謎の料理教室が始まり、厨房で賑やかに過ごしていると、外からポンポンと花火の音がして祭りの開式の合図が聞こえてきた。
(ついに始まるのか…)
広場で神に祈りを捧げ、聖女が結界の装置に魔力を注いだら、街中でそれを祝い、パレードの後に祭りを楽しむらしい。
その間ヴィオラはアザーレアと国家交流という名の下にサロンでまったり過ごし、サラムはシャーリーン妃の希望で結界を張る所を見に行くそうだ。
アリスティアとアーネストは国王の側に居なくてはならず、朝から不機嫌だった。
残った王族も今日は城の中で過ごしている。
今度はジャファル、カミール、セルジオが厨房を覗きにやって来た。
「あ!!また卵料理か!?」
「来んなよ!後でサンドイッチでも作ってやるから、大人しく待ってろ!」
「デイビッド、さっきの果物ジュース…おかわりとか…」
「メイドに頼めよ!!」
「頼んだけど、喉越しが全然違うんだよ!!何がどうしたらあんなに美味しくなるんだ?!」
「少しだけ混ぜもんしてんだよ。滑らかになるように…」
「混ぜ物…?ゼリーとかですか?!」
「ゼリーというか、先に潰した果物にマンドラゴラのデンプンを加えてひと煮立ちさせてから、アク取って粗熱冷ましてそっから冷やして置いてんだよ。独特な食感で口当たりが良くなるからな。凍らせても良いしそのままでも良い。」
「マンドラゴラですか?!」
「そんな手間を…」
「何かのついでに火の横でできるからそこまで大変でもねぇよ?」
ざわつくコック達に保冷庫から残った果物を出して見せるとまた群がって来たが、カミールの要望を優先してジュースにしてやると、3人も部屋に戻すことに成功した。
その内軽食の仕込みや晩餐の用意などでコック達も忙しくなり、ようやく解放されたデイビッドが広い廊下を歩いていると、窓から中庭でアザーレアとディアナと一緒に帝国のマナーを習得中のヴィオラが見えた。
(楽しそうにしてるな…明日かぁ…)
そう、明日、あと一夜明けたらヴィオラの誕生日。
16の時はギリギリ婚約前ということもあり祝えず、17歳になる今年が初めてのお祝いだ。
密かに準備して来た支度も整い、後は当日を待つだけ。
王家自慢のバラの庭園で笑うヴィオラを遠目に、デイビッドはしばし足を止めていた。
「めっちゃくちゃ幸せそうな顔してますね…」
「うるせぇな!」
「いやぁ、お城の中じゃ常に眉間のシワ3倍増しだったデイビッド様が、こんなに穏やかな顔をされるとは…雷でも落ちるんですかね?」
「せめて雨くらいにしとけよ!!」
そんな下らない事を言い合っている時だった。
快晴だった空が一点俄にかき曇り、教会の上空に黒雲が現れたかと思うと、そこから天が張り裂けんばかりの稲光がほとばしり、幾筋もの雷鎚が地上に降り注いだ。
「なんだ今の!?」
「ホラ言わんこっちゃない…」
「イヤなんでこっち見んだよ!!俺のせいじゃねぇだろ!!」
慌てて窓から飛び出し、ヴィオラの側へ行こうとすると、遥か手前で何かに行く手を拒まれ、デイビッドは草むらにひっくり返った。
「いってぇな!!なんだこりゃ!?」
「これは…結界ですね。」
「10mは手前だよな!?過保護にも程があんだろ!?」
文句を言っていると、ヴィオラを抱き寄せ臨戦態勢に入っていたアザーレアとディアナがこちらに気が付いた。
「すまん!敵襲かと思ってな、お前達も無事か?」
「こっちはなんとも無ねぇけどよ…雷が落ちた場所はどうなってんだ…?」
「私共は何ともありませんが、あの雲の下はもしや式典の会場では?!」
「ア…アリス様達が教会に…」
ヴィオラがそう言うと同時に、エリックの胸元の共鳴石が光り、誰かが招集を掛けていることが分かった。
「シェル達の方も大変の様です…でも、僕はデイビッド様の護衛ですし…」
「なら俺も行く。アザーレア、ディアナ!ヴィオラとジャファル達を頼む。」
「心得た。城の中の王族は、私に任せろ!」
「デイビッド殿も、どうかお気を付けて!」
他国の王族にこんな事を頼むのもおかしな話だが、アザーレアは何よりヴィオラを安心させるため、快く残りの王族達の元へ向かった。
デイビッドとエリックは、騒然とする城内を駆け抜け、大門から外へ出て祭りの会場へ向かうと、そこは地獄絵図のようだった。
大気が揺さぶられたせいで街では家々のガラスが砕け散り、家財が薙ぎ倒され、店の軒や屋根が割れ、瓦礫が道に散乱し、広場に集まっていた民は阿鼻叫喚の中、我が身を守ろうと必死に駆けずり回っている。
助けを求め泣き叫ぶ声と、怯え戸惑う人の波が押し合い、人災を招きかねない状況だ。
その中心で炎を上げて燃えているのは、教会の祭壇だった。
なぎ倒された女神像と、黒焦げになった教会の入り口では、神官や信徒達が右往左往している。
怪我人も大勢出ているようだ。
「こりゃ酷ぇな…」
「デイビッド様、こっちです!」
エリックが指差す先には、背中から血を流すシェルリアーナを抱えたイヴェットが懸命に治療を試みていた。
「イヴェット!?」
「デイビッド!アナが…アナがアリスティア様を庇って…僕の魔力じゃ治癒できない!どうしよう!このままじゃアナが…」
ぐったりしたシェルリアーナの背中は血に染まり、息も浅くなっている。
「他の王族は?!」
「皆避難してる…シャーリーン殿下が防御してくれたから、サラム殿下も無事だった…でも、下に降りてたアーネスト殿下に向かって柱が落ちてきて、アナはそれを庇おうとしたアリスティア様の盾になったんだ…」
イヴェットもすぐに駆けつけたかったが、自分の持ち場もあり、他の貴族や大使などの治療をしてから大急ぎでシェルリアーナの所へ来たが、血統性の魔力が反発してしまい治癒魔法が上手く効かないらしい。
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