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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
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学園の最高権力者の話に大人しく従うと、デイビッドはその場で休業届けの書面を書かされ、スッと現れたミネルバに承諾を貰い、夏を前にして一時の休暇を取らされることになってしまった。
妙なことになってしまったデイビッドが、ヴィオラやエリックになんと言おうか迷っていると、魔法学棟の方からエリザベスが走ってきた。
「あぁーっ!デビィおっ帰りぃ!」
「よぉ、リズか。」
「そっか、もう解放されたんだね、良かった!だったらさ、すぐ温室に行ってあげて!?」
「温室?」
「アリーがね、めっちゃくっちゃ不機嫌でもう手に負えないんだって!」
「アリーが!?」
言われて直ぐに温室を目指す間、エリザベスが理由を話してくれた。
「デビィの噂をアリーが聞いちゃってね、ベルダ先生が何度違うって言っても、不安でピリピリしちゃってて、このまま爆発したら学園なんて簡単に破壊するね!って先生にこにこしながら言ってたんだよ!?」
「マズイだろそりゃ!」
「昨日なんて温室にまでビラ貼りに来た生徒を襲いそうになっちゃってさ、脅かしてビラを回収する程度に留めさせたんだけど、これ以上は抑えられるかなぁ!なんて先生は笑いながら言うの!」
「やる気のねぇ教員だな…」
この時まで、デイビッドはアリーの暴走をそこまで深く捉えてはいなかった。
そのため、エリザベスと別れたデイビッドは、温室に入った瞬間、その考えの甘さを痛感させられる事となった。
一歩足を踏み入れると同時に、足元から太いツルに巻き付かれ、転びそうになった所をぐるぐる巻きにされ、床に転がって身動きひとつできなくなった。
「デイビッド! イキテタ!!」
「あぁー…アリー…か…?」
穏やかな温室とリディアに合わせて、可愛らしく人に近い印象があったアリーの見た目は、今はすっかり野生化してしまったようで、第一級指定危険魔生物の名に相応しい姿をしていた。
身体が一回りも大きくなり、木目のような肌に逆立った髪、吊り上がった目は赤く光り、顔には模様が浮き出て全身にツルが巻き付いている。
(これがアルラウネか…)
しかし、デイビッドにすがりつく様子はいつもと変わらないアリーだ。
「シラナイヤツラ デイビッドノコト、ワルクイッタ! デイビッドガ シンジャッタッテ! ヒドイコトイッタ!」
「大丈夫、生きてるよ。心配かけたなアリー。」
「デイビッド ケガシテル!!」
「もう塞いでもらったから痛くはねぇし、大丈夫だよ。」
最近わかった事だが、この巻き付くツタはどうやらアリーの感情そのものらしい。
溢れ出る感情を相手に伝えようと必死に伸ばして絡みついてくる言葉の代わり。
しかし相手が人間故に、一方通行になってしまっているだけなのだ。
「アリー?動けないから、コレ解いてくれないか?」
「ゴメンナサイ…」
来たばかりの頃も良くこうして勢い余ってはやり過ぎて、反省を繰り返し謝っていた。
「デイビッド君!やぁ、やっと来たね?アンジェさんから聞いて驚いたよ!大変だったんだってね!?こっちも大変だったよ!」
現れたベルダもあちこち傷だらけで、白衣も破れてボロボロだ。
「アリーが不安で魔力が抑えきれなくてね!付き合ってる内にいつの間にかこんなだよ。」
周りの被害を抑えるため、結界で覆って落ち着くのを待つ間、その様子を観察しようと内側で待機していて魔力暴走に巻き込まれたそうだ。
「自業自得だろ!?」
「肉が抉れたり骨とか折れた所とかは、治癒魔法掛けまくって直したんだけど、細かい傷は薬の効果の実証用に残して、今経過観察中!」
「しかもただじゃ起きない!」
「僕より、アリーの方を心配してあげて?魔力が上手く制御しきれない程膨れ上がっちゃって、本人も凄く辛いんだよ。」
野生なら好きに放出できる魔力を、ここでは長い事抑えつけ、無理をしていた所に今回の事件で、限界が来てしまったそうだ。
「どうにかなんねぇのか?」
「無理だね。王都を一夜で崩壊させられる程の力の持ち主だよ?そろそろ外に出してやらないといけない時期が来たのかもしれないね…」
研究所のアルラウネには、常に魔力を最大まで放出できないよう措置が施され、普段は半分眠った様な状態を保っており、花期や繁殖期に合わせて一時的に覚醒させるのだとか。
それができないのならば、共生は難しい。
「イヤダ! アリーハ ココニイル! ズットココニイル!」
「そうは言ってもなぁ…」
「どこかで発散できればいいんだよ。でもどこでもいいわけじゃない。人のいない魔素化した土地で、竜巻が起きても気づかれないくらい人里から離れていないといけないよ。」
「学園の山は?」
「悪くはないけど、いつ生徒や教員が来るかわからないし、アリー程の魔物が暴れれば痕跡が残って調査が入ってしまう可能性が高い…かと言ってそこらの名残程度の魔素量じゃ話にならない。王都近郊じゃそう都合のいい場所は無いんだよ。」
「…あ!」
「“あ!”って何?!」
「ある…1カ所…俺が貰った領地…」
年末の夜会で押し付けられた、例の魔素溜まり化して放置されたやたら広めの荒廃した元農村地帯。
先日、デュロックの本拠地に登録するかと問うた所、そんな不便な飛び地はいらんということで、受け取った責任を取らされ、自腹で買い上げさせられたハタ迷惑な領地。(個人資産の4分の1持ってかれた。)
晴れてデイビッドの私有地にはなったものの、魔物がいる事くらいしかわかっていない謎領地。
「半月休暇貰ったから、ちょっと連れて行ってくる。」
「本当かい?君に欲しい物頼むと何でも出てくるね。すごいや!」
「なんでもじゃねぇよ!?」
デイビッドは、アリーにもう少し待っているよう伝え、まずは買い出しに出ようとそちらの支度を始めた。
いつも倉庫に預けている荷馬車を引き出し、ムスタを繋ぐとファルコが怒ってデイビッドの頭にかじりついた。
「離せファルコ!もげる!久々に頭がもげる!」
「もげた事は一度もないですよ、流石に…」
このところ大人しかったファルコも、デイビッドが不在で不安だったのだろう。
かなりご立腹の様で蹄を鳴らし、前爪で手当たり次第ガリガリと物に当たるので小屋に穴が空いている。
「仕方ねぇな…コイツも連れてってやんねぇと…」
「どこへです?」
「ああ、ちょっと貰った領地に様子見ついでで、コイツ等運動させて来る。」
「それは良いですけど、部屋はどうするつもりですか?」
「研究室はもうしばらくこのままでいい。あと半月留守にする。」
「半月も?何かあったんですか?」
「先回りされて、勝手に休みにされちまった…」
「だったら僕もお休み頂いてきますね!遠出するなら色々いるなぁ、支度してきまーす!」
「ついてくる気満々かよ!!」
そこへプラム色のワンピースに黒のポーチを肩にかけたヴィオラが、にこにこ手を振りながら何かの紙を手に現れた。
「デイビッド様、見て下さい!ミネルバ先生がお休みくれました!半月後のテストで8割以上取れるならって条件つきですけど、今のところ予習もバッチリですし、前のテストも全教科ほぼ満点だったので、余裕です!」
置いて行くヴィオラのことが心配で悩んでいたデイビッドにはありがたいと言えばありがたい話だが、恐らくこれは学園側からの配慮などでなく、確実にもっと上の力が動いている事が分かり、気味が悪い。
「ほー…じゃぁヴィオラは実家にでも帰るか?」
「ヤダァァァ!デイビッド様もお休みなの聞きました!一緒に居たい!お出かけしたい!外泊したいーっ!」
「外泊言うな!いいだろ昨日までしてたんだから!城で!」
「あんなの外泊じゃないぃぃー!!」
「では、こんなのはどうです?少し離れてますけど、魔法学棟の転移装置に繋げますので、簡易の転移門でお帰りになるというのは!?」
「そんな事できるんですか?!」
「あの装置は維持と管理が大変なだけで、原理は割と単純なんですよ。学園の装置に便乗しちゃえば好きな所に繋げ放題ですからね。」
「やったぁ!ありがとうございますエリック様!」
「魔法って便利な…俺は使えねぇけど…」
ヴィオラは荷馬車だろうと構わず、幸せいっぱいの顔でデイビッドの隣りに座った。
妙なことになってしまったデイビッドが、ヴィオラやエリックになんと言おうか迷っていると、魔法学棟の方からエリザベスが走ってきた。
「あぁーっ!デビィおっ帰りぃ!」
「よぉ、リズか。」
「そっか、もう解放されたんだね、良かった!だったらさ、すぐ温室に行ってあげて!?」
「温室?」
「アリーがね、めっちゃくっちゃ不機嫌でもう手に負えないんだって!」
「アリーが!?」
言われて直ぐに温室を目指す間、エリザベスが理由を話してくれた。
「デビィの噂をアリーが聞いちゃってね、ベルダ先生が何度違うって言っても、不安でピリピリしちゃってて、このまま爆発したら学園なんて簡単に破壊するね!って先生にこにこしながら言ってたんだよ!?」
「マズイだろそりゃ!」
「昨日なんて温室にまでビラ貼りに来た生徒を襲いそうになっちゃってさ、脅かしてビラを回収する程度に留めさせたんだけど、これ以上は抑えられるかなぁ!なんて先生は笑いながら言うの!」
「やる気のねぇ教員だな…」
この時まで、デイビッドはアリーの暴走をそこまで深く捉えてはいなかった。
そのため、エリザベスと別れたデイビッドは、温室に入った瞬間、その考えの甘さを痛感させられる事となった。
一歩足を踏み入れると同時に、足元から太いツルに巻き付かれ、転びそうになった所をぐるぐる巻きにされ、床に転がって身動きひとつできなくなった。
「デイビッド! イキテタ!!」
「あぁー…アリー…か…?」
穏やかな温室とリディアに合わせて、可愛らしく人に近い印象があったアリーの見た目は、今はすっかり野生化してしまったようで、第一級指定危険魔生物の名に相応しい姿をしていた。
身体が一回りも大きくなり、木目のような肌に逆立った髪、吊り上がった目は赤く光り、顔には模様が浮き出て全身にツルが巻き付いている。
(これがアルラウネか…)
しかし、デイビッドにすがりつく様子はいつもと変わらないアリーだ。
「シラナイヤツラ デイビッドノコト、ワルクイッタ! デイビッドガ シンジャッタッテ! ヒドイコトイッタ!」
「大丈夫、生きてるよ。心配かけたなアリー。」
「デイビッド ケガシテル!!」
「もう塞いでもらったから痛くはねぇし、大丈夫だよ。」
最近わかった事だが、この巻き付くツタはどうやらアリーの感情そのものらしい。
溢れ出る感情を相手に伝えようと必死に伸ばして絡みついてくる言葉の代わり。
しかし相手が人間故に、一方通行になってしまっているだけなのだ。
「アリー?動けないから、コレ解いてくれないか?」
「ゴメンナサイ…」
来たばかりの頃も良くこうして勢い余ってはやり過ぎて、反省を繰り返し謝っていた。
「デイビッド君!やぁ、やっと来たね?アンジェさんから聞いて驚いたよ!大変だったんだってね!?こっちも大変だったよ!」
現れたベルダもあちこち傷だらけで、白衣も破れてボロボロだ。
「アリーが不安で魔力が抑えきれなくてね!付き合ってる内にいつの間にかこんなだよ。」
周りの被害を抑えるため、結界で覆って落ち着くのを待つ間、その様子を観察しようと内側で待機していて魔力暴走に巻き込まれたそうだ。
「自業自得だろ!?」
「肉が抉れたり骨とか折れた所とかは、治癒魔法掛けまくって直したんだけど、細かい傷は薬の効果の実証用に残して、今経過観察中!」
「しかもただじゃ起きない!」
「僕より、アリーの方を心配してあげて?魔力が上手く制御しきれない程膨れ上がっちゃって、本人も凄く辛いんだよ。」
野生なら好きに放出できる魔力を、ここでは長い事抑えつけ、無理をしていた所に今回の事件で、限界が来てしまったそうだ。
「どうにかなんねぇのか?」
「無理だね。王都を一夜で崩壊させられる程の力の持ち主だよ?そろそろ外に出してやらないといけない時期が来たのかもしれないね…」
研究所のアルラウネには、常に魔力を最大まで放出できないよう措置が施され、普段は半分眠った様な状態を保っており、花期や繁殖期に合わせて一時的に覚醒させるのだとか。
それができないのならば、共生は難しい。
「イヤダ! アリーハ ココニイル! ズットココニイル!」
「そうは言ってもなぁ…」
「どこかで発散できればいいんだよ。でもどこでもいいわけじゃない。人のいない魔素化した土地で、竜巻が起きても気づかれないくらい人里から離れていないといけないよ。」
「学園の山は?」
「悪くはないけど、いつ生徒や教員が来るかわからないし、アリー程の魔物が暴れれば痕跡が残って調査が入ってしまう可能性が高い…かと言ってそこらの名残程度の魔素量じゃ話にならない。王都近郊じゃそう都合のいい場所は無いんだよ。」
「…あ!」
「“あ!”って何?!」
「ある…1カ所…俺が貰った領地…」
年末の夜会で押し付けられた、例の魔素溜まり化して放置されたやたら広めの荒廃した元農村地帯。
先日、デュロックの本拠地に登録するかと問うた所、そんな不便な飛び地はいらんということで、受け取った責任を取らされ、自腹で買い上げさせられたハタ迷惑な領地。(個人資産の4分の1持ってかれた。)
晴れてデイビッドの私有地にはなったものの、魔物がいる事くらいしかわかっていない謎領地。
「半月休暇貰ったから、ちょっと連れて行ってくる。」
「本当かい?君に欲しい物頼むと何でも出てくるね。すごいや!」
「なんでもじゃねぇよ!?」
デイビッドは、アリーにもう少し待っているよう伝え、まずは買い出しに出ようとそちらの支度を始めた。
いつも倉庫に預けている荷馬車を引き出し、ムスタを繋ぐとファルコが怒ってデイビッドの頭にかじりついた。
「離せファルコ!もげる!久々に頭がもげる!」
「もげた事は一度もないですよ、流石に…」
このところ大人しかったファルコも、デイビッドが不在で不安だったのだろう。
かなりご立腹の様で蹄を鳴らし、前爪で手当たり次第ガリガリと物に当たるので小屋に穴が空いている。
「仕方ねぇな…コイツも連れてってやんねぇと…」
「どこへです?」
「ああ、ちょっと貰った領地に様子見ついでで、コイツ等運動させて来る。」
「それは良いですけど、部屋はどうするつもりですか?」
「研究室はもうしばらくこのままでいい。あと半月留守にする。」
「半月も?何かあったんですか?」
「先回りされて、勝手に休みにされちまった…」
「だったら僕もお休み頂いてきますね!遠出するなら色々いるなぁ、支度してきまーす!」
「ついてくる気満々かよ!!」
そこへプラム色のワンピースに黒のポーチを肩にかけたヴィオラが、にこにこ手を振りながら何かの紙を手に現れた。
「デイビッド様、見て下さい!ミネルバ先生がお休みくれました!半月後のテストで8割以上取れるならって条件つきですけど、今のところ予習もバッチリですし、前のテストも全教科ほぼ満点だったので、余裕です!」
置いて行くヴィオラのことが心配で悩んでいたデイビッドにはありがたいと言えばありがたい話だが、恐らくこれは学園側からの配慮などでなく、確実にもっと上の力が動いている事が分かり、気味が悪い。
「ほー…じゃぁヴィオラは実家にでも帰るか?」
「ヤダァァァ!デイビッド様もお休みなの聞きました!一緒に居たい!お出かけしたい!外泊したいーっ!」
「外泊言うな!いいだろ昨日までしてたんだから!城で!」
「あんなの外泊じゃないぃぃー!!」
「では、こんなのはどうです?少し離れてますけど、魔法学棟の転移装置に繋げますので、簡易の転移門でお帰りになるというのは!?」
「そんな事できるんですか?!」
「あの装置は維持と管理が大変なだけで、原理は割と単純なんですよ。学園の装置に便乗しちゃえば好きな所に繋げ放題ですからね。」
「やったぁ!ありがとうございますエリック様!」
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