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あの魔物を触りたい!! 2
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――な…も……な…よ!
しゃべった!?
「ヒビキ?どうしたの?」
「え?い、今スライムが……」
「スライムがどうしたの?」
……俺にしか聞こえない?…幻聴だったか?
――げ……う…じゃ……いよ!
「やっぱしゃべってるよな!?」
ちゃんと聞こえたぞ!
「ちょ…ヒ、ヒビキ?」
エレンさんの戸惑う声が聞こえるけど、俺はピンクスライムの方に行った。
「…喋れるのか?」
――ねんわ!ボクはくちがないから!
「そんなことが出来るんだな……」
俺は、スライムに問いかけた。
「……触ってもいいか?」
――うん!しょうかしたりしないからあんしんして!
「じゃ、じゃあ……」
そっと、手をスライムの方に伸ばした。
「…?ギルアスさん?」
ピンクスライムに触れそうになった俺の手はギルアスさんに掴まれた。
「…ヒビキ、お前さっきから誰と話してるんだ?そのスライムだなんて言うなよ?」
そんなこと言われても……
「…スライムです……」
……としか言いようがないよな……事実だし。
「……とにかく、そのスライムには触れるな。害があるかもしれない。」
「……分かりました……」
――…ヒビキはおともだちがいなくてさみしいとおもうから、おともだちになってあげてっていわれたのに……これじゃあ…なにもできないよ……
と、スライムが言った。
「…俺、まだ自己紹介してないし……俺のこと知ってるのか……?」
けど…『友達がいない』って…ヒドイ……事実だけれども!けどな!人間の友達がいないだけだからな!?犬や猫、鳥とか…動物にはいるんだからな!?全くの『ゼロ』じゃない!
――うん!ボクのしりあいのかみさまが、ヒビキとおともだちになってあげてって!だからきょうからボクがヒビキのおともだち!
「……俺…なんで魔物に慰められてるんだ……?」
いや、ホントに……しかも、かみさま…って神様?なんか、いきなり話のスケールがでかくなってる気がする……
――かみさまがいってたんだけどね!ヒビキはとくべつなんだって!だから、かみさまがみまもってるんだ!
「……は?特別?俺が?」
――うん!
スライムがふるふると揺れる。
……俺が召喚に巻き込まれたからか?よく分からないな……てか、スライムが神様と知り合い?
ピョンピョンッ
とスライムが跳びはね、俺にダイブした。
「おっと……」
俺はそのままスライムを抱っこする。
……ヤバい!めっちゃ気持ちいい!ふわふわのフヨフヨでプニプニだ!
「だ、大丈夫なの!?消化液で消化されないの!?」
エレンさんが驚いたように問いかけた。
「大丈夫ですよ。エレンさんも抱っこしてみますか?あ…大丈夫か?」
エレンさんに問いかけた後、スライムに確認した。
――だいじょうぶ!ヒビキのしりあい?
「まぁ…そうだな。パーティー組んでるんだ。」
友人って言っていいのか…ただ、パーティー組んでるだけって思われてたら勝手に友達なんて失礼だし……間違いじゃないしな。
――じゃあ!そのひとはこうげきしないね!
「ギルアスさんもな。」
――わかった!
「エレンさん、フヨフヨしてて気持ちいいですよ。」
「う、うん…」
困惑気味なエレンさんにちょっと強引にスライムを手渡す。
「……ホントだ…フヨフヨで気持ちいい……」
だろ!気持ちいいだろ!
――ぼく、わるいスライムじゃないよ!なかよくしてね!
「「……スライムがしゃべった?」」
ギルアスさんとエレンさんがキョトンとする。
てか、『わるいスライムじゃないよ!』って……聞き覚えがある気がするな……
――しゃべってないよ!ねんわだよ!ボクはかみさまに、ヒビキのおともだちになってあげてっていわれてきたんだ!
「は?か、かみさま…って神様か?」
「もう、意味分かんない……」
ギルアスさんが眉間にシワを寄せ、エレンさんはスライムを片手で抱いて、もう片方の手で頭を抱える。
「大丈夫ですよ…俺も意味分かりませんし……」
……本当に神がいて、そう言ったのか?……仮にそうだとして、俺が特別っていうのが分からないな……何が特別なんだ?俺はクラス召喚に巻き込まれて、お呼びじゃなかったから追い出されただけだぞ?……いや、クラス召喚に巻き込まれた時点で特別か……
「ヒビキが分からないなら私達に分かるわけないか…」
「ったく…本当に何者だ?お前…」
――へへへ!ヒビキはとくべつなんだよ!
「…俺のどこが特別なんだ?」
何故か自慢気に話すスライムに、思いきって問いかけた。
――んー…ぼくもわからない!けど、ボクのしりあいのかみさまたちは、ヒビキがうまれたときからずっとみてるよ!どうして?ってきいても、りゆうはおしえてくれないんだ……
「……俺が生まれた時から…?」
――うん!そうだよ!
……俺は孤児だった。物心ついた時にはすでに施設にいた。実の両親の顔も分からない。途中である夫婦に引き取られたけど、馴染めずにいつも1人だった。友達も出来ないし、他人と話すこともほとんどなかった。取り柄もなく、どちらかと言えば『落ちこぼれ』……そんな俺を神がずっと見てた?
「……ヒビキの過去を知ってるのか?」
「小さい時ってどんな子だったの?」
ギルアスさんは驚いたように、エレンさんは興味津々って感じで聞く。
――ごめんね……かみさまたちに、ヒビキのかこは、はなしちゃダメっていわれてるから……
「……そうか。」
――うん……ごめんね……
申し訳なさそうにスライムが言った。念話って言ってたけど、『言った』って表現であってるのか?……まぁ、いいか。
……神に俺の過去を話すなって言われてるのか…記憶喪失ってことにしてるからか?……色々と疑問が残るけど……今、考えても答えは出ないしな。
そう考えた俺は、今日は大人しくギルドに戻ることにした……
しゃべった!?
「ヒビキ?どうしたの?」
「え?い、今スライムが……」
「スライムがどうしたの?」
……俺にしか聞こえない?…幻聴だったか?
――げ……う…じゃ……いよ!
「やっぱしゃべってるよな!?」
ちゃんと聞こえたぞ!
「ちょ…ヒ、ヒビキ?」
エレンさんの戸惑う声が聞こえるけど、俺はピンクスライムの方に行った。
「…喋れるのか?」
――ねんわ!ボクはくちがないから!
「そんなことが出来るんだな……」
俺は、スライムに問いかけた。
「……触ってもいいか?」
――うん!しょうかしたりしないからあんしんして!
「じゃ、じゃあ……」
そっと、手をスライムの方に伸ばした。
「…?ギルアスさん?」
ピンクスライムに触れそうになった俺の手はギルアスさんに掴まれた。
「…ヒビキ、お前さっきから誰と話してるんだ?そのスライムだなんて言うなよ?」
そんなこと言われても……
「…スライムです……」
……としか言いようがないよな……事実だし。
「……とにかく、そのスライムには触れるな。害があるかもしれない。」
「……分かりました……」
――…ヒビキはおともだちがいなくてさみしいとおもうから、おともだちになってあげてっていわれたのに……これじゃあ…なにもできないよ……
と、スライムが言った。
「…俺、まだ自己紹介してないし……俺のこと知ってるのか……?」
けど…『友達がいない』って…ヒドイ……事実だけれども!けどな!人間の友達がいないだけだからな!?犬や猫、鳥とか…動物にはいるんだからな!?全くの『ゼロ』じゃない!
――うん!ボクのしりあいのかみさまが、ヒビキとおともだちになってあげてって!だからきょうからボクがヒビキのおともだち!
「……俺…なんで魔物に慰められてるんだ……?」
いや、ホントに……しかも、かみさま…って神様?なんか、いきなり話のスケールがでかくなってる気がする……
――かみさまがいってたんだけどね!ヒビキはとくべつなんだって!だから、かみさまがみまもってるんだ!
「……は?特別?俺が?」
――うん!
スライムがふるふると揺れる。
……俺が召喚に巻き込まれたからか?よく分からないな……てか、スライムが神様と知り合い?
ピョンピョンッ
とスライムが跳びはね、俺にダイブした。
「おっと……」
俺はそのままスライムを抱っこする。
……ヤバい!めっちゃ気持ちいい!ふわふわのフヨフヨでプニプニだ!
「だ、大丈夫なの!?消化液で消化されないの!?」
エレンさんが驚いたように問いかけた。
「大丈夫ですよ。エレンさんも抱っこしてみますか?あ…大丈夫か?」
エレンさんに問いかけた後、スライムに確認した。
――だいじょうぶ!ヒビキのしりあい?
「まぁ…そうだな。パーティー組んでるんだ。」
友人って言っていいのか…ただ、パーティー組んでるだけって思われてたら勝手に友達なんて失礼だし……間違いじゃないしな。
――じゃあ!そのひとはこうげきしないね!
「ギルアスさんもな。」
――わかった!
「エレンさん、フヨフヨしてて気持ちいいですよ。」
「う、うん…」
困惑気味なエレンさんにちょっと強引にスライムを手渡す。
「……ホントだ…フヨフヨで気持ちいい……」
だろ!気持ちいいだろ!
――ぼく、わるいスライムじゃないよ!なかよくしてね!
「「……スライムがしゃべった?」」
ギルアスさんとエレンさんがキョトンとする。
てか、『わるいスライムじゃないよ!』って……聞き覚えがある気がするな……
――しゃべってないよ!ねんわだよ!ボクはかみさまに、ヒビキのおともだちになってあげてっていわれてきたんだ!
「は?か、かみさま…って神様か?」
「もう、意味分かんない……」
ギルアスさんが眉間にシワを寄せ、エレンさんはスライムを片手で抱いて、もう片方の手で頭を抱える。
「大丈夫ですよ…俺も意味分かりませんし……」
……本当に神がいて、そう言ったのか?……仮にそうだとして、俺が特別っていうのが分からないな……何が特別なんだ?俺はクラス召喚に巻き込まれて、お呼びじゃなかったから追い出されただけだぞ?……いや、クラス召喚に巻き込まれた時点で特別か……
「ヒビキが分からないなら私達に分かるわけないか…」
「ったく…本当に何者だ?お前…」
――へへへ!ヒビキはとくべつなんだよ!
「…俺のどこが特別なんだ?」
何故か自慢気に話すスライムに、思いきって問いかけた。
――んー…ぼくもわからない!けど、ボクのしりあいのかみさまたちは、ヒビキがうまれたときからずっとみてるよ!どうして?ってきいても、りゆうはおしえてくれないんだ……
「……俺が生まれた時から…?」
――うん!そうだよ!
……俺は孤児だった。物心ついた時にはすでに施設にいた。実の両親の顔も分からない。途中である夫婦に引き取られたけど、馴染めずにいつも1人だった。友達も出来ないし、他人と話すこともほとんどなかった。取り柄もなく、どちらかと言えば『落ちこぼれ』……そんな俺を神がずっと見てた?
「……ヒビキの過去を知ってるのか?」
「小さい時ってどんな子だったの?」
ギルアスさんは驚いたように、エレンさんは興味津々って感じで聞く。
――ごめんね……かみさまたちに、ヒビキのかこは、はなしちゃダメっていわれてるから……
「……そうか。」
――うん……ごめんね……
申し訳なさそうにスライムが言った。念話って言ってたけど、『言った』って表現であってるのか?……まぁ、いいか。
……神に俺の過去を話すなって言われてるのか…記憶喪失ってことにしてるからか?……色々と疑問が残るけど……今、考えても答えは出ないしな。
そう考えた俺は、今日は大人しくギルドに戻ることにした……
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