くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず

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ガキンチョの父親は…

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僕達は目的地の門番に話しかける。

「ウィルター辺境伯の三男、ルーク ウィルターです。通してもらえますか?」

ダメだと思うけどダメ元で聞いてみる。

「謁見の申し込みは?」

「ありません。」

「なら無理だ。早く帰れ。」

でしょうね…

「僕、今イライラしてて早く終わらせたいんですよ。ですから通して下さい。」

「お前がイラついてるのは勝手だろう!無能は無能らしく有能な俺達の命を命かけて守ってろ!」

……コイツもか…

僕は馬車から降りて門番の腹を思いっきり殴り気絶させた。コイツもガキンチョと同じように上空に浮かせて中に入る。

中に入ると数人のメイドが掃除をしていた。一番近くにいるメイドに話しかける。

「今から謁見をしたいんですが、伝えて来てもらえますか?」

「僭越ながらどなたに謁見を申し込むのか教えて頂けますか?許可が取れるかは分かりませんがお伝えいたします。」

あっ…それを言い忘れてた…

「国王陛下に謁見を申し込みます。」

そう、僕達は王宮に来たんだよ。

「…国王陛下となりますと許可が取れる可能性は低いですから正規の手順を踏んだ方が確実ですがよろしいですか?」

「はい。ルークと優依が来たとお伝え下さい。」

「畏まりました。」

メイドは礼をしてすぐに向かってくれた。


出入り口のところでさっきのメイドを待っていると…

「失礼します。今日は陛下もしくは王妃様の謁見でいらっしゃったのでしょうか?」

若い騎士の人が話しかけてきた。

「少し急ぎで今陛下に謁見出来るか返答を待っているところです。」

「そうでしたか…お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」 

「ルーク ウィルターです。」

「ユイ ウィルターですわ。」

名前を聞かれたから名字も込みで自己紹介する。

「…チッ…なんだよ。田舎の無能貴族かよ…」

…どいつもこいつも…!

「はぁ…呆れた…もういいよ…」

もう、呆れて物も言えないよ…
とりあえず…

「ガ、ハァ…」

コイツも木剣で後頭部を殴り、気絶させる。

そんなことをしてるとメイドが戻ってきた。

「ルーク様、ユイ様。陛下の許可が取れました。謁見の間で王都に住む貴族との会議中でしたので謁見の間に来るようにとのことです。」

「分かりました。ありがとうございます。」

「無礼を承知でお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「はい。」

このメイドさんは僕達みたいな子供にも丁寧でいい人そうだから質問も全然いいよ!

「そこの騎士は何か無礼を働いたのでしょうか?」

「そうですね…簡単に言うのであれば、何故自分が平和に暮らしていれるのかを理解していないようなので再教育しようと思ってます。」

「再教育って…」

優依が少し呆れた感じだね!仕方ないじゃん!

「理解しました。質問に答えて下さり感謝致します。」

「今ので理解したんだ…」

優依がそんなことを呟く。

「これはあくまで提案なんですが今日の会議には騎士団長も参加していますので面倒でしたらそちらに処罰を任せることも出来ると思います。」

「そうなんですね。分かりました。わざわざありがとうございます。」

「いえ、礼を言われるようなことはしていません。」

そう言いながらメイドさんが微笑む。

…うん!やっぱりこの人はいい人だね!

「話を逸らしてしまい申し訳ありません。ご案内致します。」

「「よろしくお願いします。」」


僕達はメイドさんに案内してもらい謁見の間に向かう。

謁見の間の扉に着き…

「ルーク ウィルター様、ユイ ウィルター様がお越しになりました!」

「通せ!」

「はっ!」

扉が開けられ中に入る。

「「陛下のお目にかかります。」」

「二人とも久しいな。そう堅苦しくせんで良いと言っただろう。楽にしてくれ。」

「「はい。」」

軽く挨拶をしてから本題に入る。

「して、今日はどうしたのだ?ここにいる者は退出させた方がいいか?」

「いえ、このままでお願いします。」

「うむ、分かった。」

「では、本題に入らせて頂こうと思いますが三秒ほどお待ち下さい。」

「うむ。」

僕は風魔法でずっと上空にいたバカ達三人を風魔法で謁見の間に移動させる。扉も風魔法で開けたよ!上空(人の目に見えないところ)から王宮の謁見の間に三秒で移動させたからなかなかの速さだったと思うよ!

「「「…!?」」」

その場にいた貴族達は目が落ちそうなくらい目を見開いた。

「…!?ルークその三人はどうしたのだ?」

「その二人は初等学園で習う事を未だに理解しておらず馬鹿なことをほざいてた奴らです。」

「ほう…こやつらは良い年をしてまだ初等学園の授業を理解していないのか。愚かな…」

『初等学園で習う事を理解していない』という言葉を聞き『愚か』って答えるってことは僕の言いたいことは理解したみたいだね。

「では、そこの子供は何をしたのだ?」

陛下ももう「どうしたのだ?」って聞かなくなったね。

「コイツも似た感じですね。…ここにニーヴェ侯爵はいらっしゃいますか?」

「いるぞ。ニーヴェ侯爵、ルークの前へ来い。」

「はい、陛下。」

優しそうな穏やかな微笑みを見せながら一人の男性が出てきた。

「私は侯爵の地位を賜らせていただいてます。ロイ ニーヴェと申します。如何なさいましたか?」

あれ?息子があんなだからどんな奴かと思ってたけど意外と優しそう?でも、さっきの騎士のことがあるから警戒は緩めないけどね。

「僕はウィルター辺境伯が三男、ルーク ウィルターです。突然呼び出してしまい申し訳ありません。呼ばせて頂いた理由ですが…単刀直入に言います。そこにいる子供は貴方の息子のクオンです。」

「……え?い、今なんと?」

「この子供は貴方の息子のクオンなんです。」

ニーヴェ侯爵はポカンとしており状況が掴めてないみたい。

「ニーヴェ侯爵様。一つ質問をしてもよろしいでしょうか?」

「え?は、はい。何でしょう?」

「貴方は辺境伯、そして辺境伯領に住む貴族をどう思いますか?」

「…?どうしてそのような質問をするのか私には分かりませんが…そうですね。辺境に住む貴族達には本当に助けられております。魔の森には高ランクの魔物も生息しており常に命の危険があるのに我々のような自分の身すら守れない間抜けな貴族を守って下さっていますから。本当に尊敬しております。」

この人は本当に優しいみたいだね!
親がこんなにいい人なのに息子があれか…侯爵は自分の息子がまさか辺境の貴族を『肉壁にしかならない無能』なんて思ってるなんて思わないだろうね。





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