くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず

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船の中での出会い2

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僕が部屋に戻ると皆起きていた。

「あっ、皆起きたんだ!おはよう!」

「おはよう。朝からどこに行ってたんだい?」

「朝起きたらいなくて驚いたよ。」 

「ルークのことだから朝風呂でしょ?昔からお風呂好きだもんね。」

「当たり!」 




僕達は朝ごはんを食べた後、なんとなく船の中を探検してみることにした。

雑談したり、歩いてて見つけたゲーセンぽい所で遊んだりしながら探検してると……

「よう!坊主!今朝ぶりだな!」

クロノスさんが話しかけてくれた。

早速、再会しちゃったよ。

「ですね。……僕、自己紹介しましたよ?」

少し拗ねてみる。

「くくく、そうだったな。だから拗ねるなよ。ルーク。俺の名前、覚えてるだろうな?」

「もちろんです。さすがに今朝の出来事は忘れませんよ?クロノスさん?」

「坊っちゃんに覚えてもらえて光栄だな?」

「……絶対に言わないでくださいよ?お忍びなんですから。」

「おう!」

……大丈夫かな?ちょっと不安かも?

「ルーク、その人は?」

優依が不思議そうに聞く。

「クロノスさんとは朝風呂した時に会ったんだ!」

「ふーん?そのわりには仲いいね?」

「うん。なんでだろうね?分かんないけど親近感あるよ?」

「そうなんだ?私には分からないよ。嫌な感じはしないけど。ま、とりあえず自己紹介!私は優依!一応、ルークの妹ってことになってるんだ!よろしく!」

「私はカイン。こっちは双子の妹のノイン。よろしく。」

「ノインだよ。認めたくないときもあるけど一応カインの双子の妹。よろしくね。」

「……ノイン…認めたくないときっていつの話だい?」

「ハハハッ!仲のいいことだ。俺はクロノス。お前達、暇か?暇ならちょっと付き合え。」

「特に用事はないよね?」

皆に確認しないとね!


「うん。暇だからブラブラしてただけだし。」

「ルークの好きにしたらどうだい?」

「私もそれでいいと思うよ?」

「ありがとう!クロノスさん!大丈夫ですよ!」

「よし!んじゃ、ちょっとついてこい!……その前に一ヶ所よっていいか?」

「ふふふ、いいですよ。行きましょう?」




そういってやって来たのは売店だった。そこでクロノスさんが購入したのはハイボールだった。

「じゃ、行くか。」

「……真っ昼間から飲んで大丈夫なんですか?」

「ハハハ!いいわけないだろ?女房に叱られるから内緒だぞ?」

「……考えときます…」

呆れぎみに言うと元気よく返事をされたよ……絶対、バレて怒られると思うんだけど……



売店から場所を移動して連れてこられたのはクロノスさんの部屋だった。四人部屋だから家族で来たのかな?

「ま、何もないけどゆっくりしてけ。本当に何もないけどな。」 

僕が懐中時計を見るとちょうどおやつの時間だった。……結構時間経ってたね。気付かなかったよ。

「いいんですか?奥さんもいらっしゃるんですよね?」

「ん?大丈夫だぞ?子供好きだからな。」

僕が気にしてるのはそこじゃないんだけどね。さっき奥さんさんに昼間から飲んでるのバレたくないって言ってたのに死地……絶対に奥さんが出入りする場所に自分から行ったね?知らないよ?

「…そうですか。なら、お邪魔します。」

「おう!」

僕はマジックバックから簡易の折り畳み椅子を出してそこに座る。

「……貴族の坊っちゃんはすげぇもん持ってんな。」

「?ただの折り畳み椅子ですよ?」

「そこじゃない!お前は椅子をどっから出したんだ!」

「…?マジックバック……あっ!そういうことか!」

そうだった!普通の人は高くてマジックバックなんて買えないんだった!……僕も貰った物だけどね!

「貴族はそれが当たり前なのか?」

「いや、マジックバックを持ってる貴族はいるけどルーク達が持っているマジックバックは格が違う。そのマジックバックを上回る性能のマジックバックはこの世に存在しないね。」

カインがそう言うとクロノスさんは目を見開いた。

まぁ、リディア様から貰った物だしね。

「お前、案外凄いやつだったりするのか?」

「う~ん……難しい質問ですね。そうとも言えますし、そうでもないとも言えます。」

「……お前、わざと難しく言ってるだろ?」

「あー…バレました?」

「バレるに決まってんだろ?で?どういうことだよ?」

「まず、生まれとしては中級貴族で大したことありません。ですけど……今朝言ったように僕と優依は世界を救いますからね?」

僕はからかうように言った。優依達が目を見開いてる。

「クッ…ハハハッ!そうだな!そうだったな!だが、一つ言わせてくれ。俺達みたいな庶民からしたら貴族ってだけで大したことあるからな?あと、中級ってどれくらいだ?」

一つって言ったのに二つ言ってるよ……

「一つじゃないじゃないですか。……そうですね。まず、貴族の階級って詳しく知ってます?」

「知らねぇな。」

「じゃあ、まずそこからですね。」

それから僕は紅茶を淹れながら貴族の階級についてクロノスさんに説明し始めた。








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