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百人一首決勝戦
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翌日……
「おはようさん。相変わらず早いな?」
「おはよう。今日も朝風呂行こうと思って。」
「よし、一緒に行くか。」
「うん!」
まだ、皆寝てるからクロノスさんと小声で話す。クロノスさんは微笑んでてどこか嬉しそうだった。
「何か良いことでもあったの?」
「いや…そういうわけじゃないが……お前と過ごす時間が楽しいと思ってな。」
「……うん。僕も一緒だよ。」
……前世でお父さんと一緒だったらこんな感じで温泉とか一緒に入ったりしたのかな?
僕達が温泉から戻ると皆が待っていた。
「あっ!お帰り!また、朝風呂?」
起きてすぐだったみたいで優依は髪を整えながら出迎えてくれた。
「ただいま。うん!クロノスさんと行ってきたよ!」
「ホント、お風呂好きだね~」
「うん!」
「ふふ。ルーク君は温泉が好きなのね。覚えておくわ。」
僕達は朝ごはんを食べて出かける準備をする。
「お前ら、準備出来たか?」
「大丈夫だよ!」
「よし!なら、出発だ!」
『お~!』
最初は優依の百人一首決勝戦を見に行くよ!
会場に着くと、そこには決勝戦を見ようと多くの人が集まっていた。ちなみに、優依は昨日の夜中にコッソリ創造魔法で作った袴を着てるよ!久しぶりに優依の袴姿を見たよ!
「流石、決勝戦!人がたくさん!なんか今までの対戦相手はイマイチだったけど、やる気出てきた!」
……イマイチって……まさか本気じゃなかったの…?優依からしたら余裕で勝てる人しかいなかったし…仕方ないのかな……?でも…ちょっと可哀想かも…………ま、まぁ……やる気が出たなら…いい、よね?
「ユイは緊張しないのかい?」
緊張どころか楽しそうにしてる優依にカインが問いかけた。
「特に緊張はないかな。どうせ緊張したって試合にのめり込んだら忘れるし。それに……」
……それに?
「決勝戦なら相手も強いでしょ?ちょっとは練習になるかなぁ…って思って。」
……やっぱり、本気じゃなかったよ……僕も、ハッキリ言ってレベルが低いとは思ってた。こう言っちゃなんだけど、僕でも余裕で勝てるレベルだもん。優依が本気になるわけないよね……今までの対戦相手は軽くあしらわれてただけみたい……そんなつもりはないんだろうけど……なんか可哀想……
「ハハハ……可哀想だな…」
クロノスさんも同じことを思ったみたい。
「だって、ルークでも余裕で勝てるレベルなんだもん。」
「なんというか……練習相手ならなくてごめんなさい……」
ふと、周りを見渡すと近くにいた人達は優依を見て固まっていた。……絶対さっきの「『ちょっとは』練習になるよね?」に驚愕してるよね……
途中、注目を集めたものの……試合が始まった。
優依の対戦相手は紺色に近い色の髪を腰まで伸ばし、一つに纏めている凛とした雰囲気の袴が似合う女性だった。名前は……カレン…だったかな。
「「よろしくお願いします。」」
序歌が詠まれて二人は身構えた。
『め…』
ヒュッ!
と札が飛ぶ音がした。畳を叩く音はなかった。でも、確実に飛ばした。
『ぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな くもがくれにし よわのつきかな』
飛んだ札を取りに来たのは、対戦相手の方だった。つまり、優依が取られた。
「流石、閃光だ……」
観客席で見ていた一人の男性が小声で呟く。
……閃光って呼ばれてるんだね、あの人。随分と余裕そうだけど………まだ、優依は本気出してないから気を付けた方がいいよ?
『む…』
ヒュッ!
と、次も札が飛ぶ音がした。これも、畳を叩く音はなかった。
『らさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あさのゆうぐれ きりたちのぼる あさのゆうぐれ』
次、札を取りに来たのは優依だった。
僕と対戦してる時はバンッと畳を叩く音がするけど、それは優依が手を抜いてる証拠だよ。前世の大会で本気になったらいつも、音がしなかったんだ。優依は水が流れるイメージで取ってるって言ってたよ。……よく分かんないけど……ま、まぁ…極端な話、優依が本気出し始めたよって話!
試合はかなり接戦で、実際に対戦してる二人は楽しそうだった。見てるこっちも楽しかったよ!
「「ありがとうございました。」」
結果は七枚差で優依の勝ちだった。
「ユイ…だったかな。ありがとう。楽しかった。」
「こちらこそ。久しぶりに楽しい試合だったよ。また、機会があれば試合しよ?」
「そうだな。その時は勝たせてもらうよ。」
「次も負けないからね。」
こうして、百人一首の決勝戦は幕を閉じたのだった。
「おはようさん。相変わらず早いな?」
「おはよう。今日も朝風呂行こうと思って。」
「よし、一緒に行くか。」
「うん!」
まだ、皆寝てるからクロノスさんと小声で話す。クロノスさんは微笑んでてどこか嬉しそうだった。
「何か良いことでもあったの?」
「いや…そういうわけじゃないが……お前と過ごす時間が楽しいと思ってな。」
「……うん。僕も一緒だよ。」
……前世でお父さんと一緒だったらこんな感じで温泉とか一緒に入ったりしたのかな?
僕達が温泉から戻ると皆が待っていた。
「あっ!お帰り!また、朝風呂?」
起きてすぐだったみたいで優依は髪を整えながら出迎えてくれた。
「ただいま。うん!クロノスさんと行ってきたよ!」
「ホント、お風呂好きだね~」
「うん!」
「ふふ。ルーク君は温泉が好きなのね。覚えておくわ。」
僕達は朝ごはんを食べて出かける準備をする。
「お前ら、準備出来たか?」
「大丈夫だよ!」
「よし!なら、出発だ!」
『お~!』
最初は優依の百人一首決勝戦を見に行くよ!
会場に着くと、そこには決勝戦を見ようと多くの人が集まっていた。ちなみに、優依は昨日の夜中にコッソリ創造魔法で作った袴を着てるよ!久しぶりに優依の袴姿を見たよ!
「流石、決勝戦!人がたくさん!なんか今までの対戦相手はイマイチだったけど、やる気出てきた!」
……イマイチって……まさか本気じゃなかったの…?優依からしたら余裕で勝てる人しかいなかったし…仕方ないのかな……?でも…ちょっと可哀想かも…………ま、まぁ……やる気が出たなら…いい、よね?
「ユイは緊張しないのかい?」
緊張どころか楽しそうにしてる優依にカインが問いかけた。
「特に緊張はないかな。どうせ緊張したって試合にのめり込んだら忘れるし。それに……」
……それに?
「決勝戦なら相手も強いでしょ?ちょっとは練習になるかなぁ…って思って。」
……やっぱり、本気じゃなかったよ……僕も、ハッキリ言ってレベルが低いとは思ってた。こう言っちゃなんだけど、僕でも余裕で勝てるレベルだもん。優依が本気になるわけないよね……今までの対戦相手は軽くあしらわれてただけみたい……そんなつもりはないんだろうけど……なんか可哀想……
「ハハハ……可哀想だな…」
クロノスさんも同じことを思ったみたい。
「だって、ルークでも余裕で勝てるレベルなんだもん。」
「なんというか……練習相手ならなくてごめんなさい……」
ふと、周りを見渡すと近くにいた人達は優依を見て固まっていた。……絶対さっきの「『ちょっとは』練習になるよね?」に驚愕してるよね……
途中、注目を集めたものの……試合が始まった。
優依の対戦相手は紺色に近い色の髪を腰まで伸ばし、一つに纏めている凛とした雰囲気の袴が似合う女性だった。名前は……カレン…だったかな。
「「よろしくお願いします。」」
序歌が詠まれて二人は身構えた。
『め…』
ヒュッ!
と札が飛ぶ音がした。畳を叩く音はなかった。でも、確実に飛ばした。
『ぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな くもがくれにし よわのつきかな』
飛んだ札を取りに来たのは、対戦相手の方だった。つまり、優依が取られた。
「流石、閃光だ……」
観客席で見ていた一人の男性が小声で呟く。
……閃光って呼ばれてるんだね、あの人。随分と余裕そうだけど………まだ、優依は本気出してないから気を付けた方がいいよ?
『む…』
ヒュッ!
と、次も札が飛ぶ音がした。これも、畳を叩く音はなかった。
『らさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あさのゆうぐれ きりたちのぼる あさのゆうぐれ』
次、札を取りに来たのは優依だった。
僕と対戦してる時はバンッと畳を叩く音がするけど、それは優依が手を抜いてる証拠だよ。前世の大会で本気になったらいつも、音がしなかったんだ。優依は水が流れるイメージで取ってるって言ってたよ。……よく分かんないけど……ま、まぁ…極端な話、優依が本気出し始めたよって話!
試合はかなり接戦で、実際に対戦してる二人は楽しそうだった。見てるこっちも楽しかったよ!
「「ありがとうございました。」」
結果は七枚差で優依の勝ちだった。
「ユイ…だったかな。ありがとう。楽しかった。」
「こちらこそ。久しぶりに楽しい試合だったよ。また、機会があれば試合しよ?」
「そうだな。その時は勝たせてもらうよ。」
「次も負けないからね。」
こうして、百人一首の決勝戦は幕を閉じたのだった。
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