178 / 297
人界編
柊士の通告
しおりを挟む
「落ち着いたか?」
「…………うん、ごめん…………」
あれからしばらく布団に突っ伏していたが、顔を上げてみると心配そうな面々の視線を一身に浴びていて、別の意味で布団に潜り込みたくなった。
いい年して人目も憚らずに泣いていたことを改めて自覚して、恥ずかしくて仕方がない。
「あーーー、あの、それで、柊ちゃんはあんな芝居までして、何をしようとしてたの?」
大丈夫かと確かめるようにじっと見つめられるのに耐えられずに視線を逸らすと、柊士が仕方がなさそうに口を開いた。
「さっき言った通り、姿を消した湊を誘き出す」
「……何で転換の儀が湊を誘き出す事に繋がるの?」
「お前が気づいたように、一連の事件の湊の動機の一つが亘への報復だからだ」
……いや、確かに報告のときに俺から柊士にそう伝えたけど、その前まで周囲への情報はかなり絞って伝えていた。不自然に情報を隠しているとは思われていても、他から見たら全容はわからないハズだし、ましてや亘に恨みが向いているなんて掴めないだろう。
だからといって、俺のあの場の説明を聞いただけで準備できた訳ない。どう考えてもその前から動いていたハズだ。
今度は俺のほうがじっと柊士をみつめると、ハアと小さく溜息をつかれた。
「わかってる、ちゃんと説明する」
俺がコクリと頷くと、柊士は少し前、柊士の母の墓参りに行っているところから話を始めた。
墓参りの最中に子どもに声をかけられて探し物に付き合った話は村田に聞いた通り。
ただ、子どもに連れられて行った神社で縁の下に引きずり込まれ、民家の一室で手足を拘束された状態で目を覚ましたらしい。
「俺を支配するつもりがあったからだろうが、お前に聞いたあいつの企みを、得意げに聞かされたよ。亘と結の父親への恨みも、それを晴らすために白月と鬼の体を取り替えたことも、亘にそれを殺させようとしたことも、転換の儀をお前に受けさせようとしたことも」
「……支配って……」
「お前の言う『鬼の血』を飲まされた。『鬼の血』には、飲んだ者をその血に依存させ、あいつの母親とあいつ自身に従わせる力があるそうだ。狙いは、俺に転換の儀の承認をさせること。だから、あいつの言いなりになった状態で俺は西の里に帰された」
それはつまり、柊士が正気に戻っていなかったら、今回の件は演技では済まなかったということだ。
先ほどまでの状態を思い出して、背筋が寒くなる。
「それでよく、正気に戻れたね」
「いち早く淕が匂いに気づいて、吐くほど一気に妖界の温泉水を飲まされた。おかげで大事な薬が一部無駄になった」
その時の淕の慌てようが目に浮かぶようだ。
柊士がジロリと淕を睨むと、淕はそっと視線を逸らした。
「でも、遥斗も同じように鬼の血を飲まされたはずなのに、未だに目を覚ましてないんだけど……」
「飲まされた量が違うんだろ。聞いた話だけでも、そいつの行動はあまりに異常だ」
確かに、依存状態はかなり激しかった。
「温泉水を飲んで正気に戻ったはいいが、今度は湊の足取りがつかめなくなった。那槻《なつき》と葛《かずら》に探させても結局見つからず仕舞いだ」
「こっちも柾に探してもらってるけど、見つかったとは聞いてない」
柊士はそれに首肯する。
「どこに隠れているかは知らない。ただ、日本全国探すわけにはいかないし、民家に潜んでたら探しようがない」
「柊ちゃんが捕まってた場所は?」
「探した。でももぬけの殻。俺を誘導した子どもも見つかってない」
「……それって、まさか……」
もしも、湊に利用された上で殺されでもしていたら……
そう思いキツく拳を握りしめると、柊士はゆっくり首を横に振った。
「殺されているとも限らない。利用価値があると思われていれば、まだ生きている可能性もある。とにかく湊を見つけないことには、正確なことはわからない」
生きていてほしい。俺は祈るような気持ちで頷いた。
「子どもは別で探すとして、逃げ隠れしている湊に関しては、こっちから探しても見つからないなら向こうから来てもらうしかない。湊は転換の儀を使って亘の手で奏太を殺させようとしていた。だから、転換の儀をあいつの望む通りに行って誘き出すのが一番だと思った。あれだけ亘を恨んで、ここまで仕込んだんだ。転換の儀が失敗したあと、絶対に亘の顔を見に来るだろ」
「え、ちょ、ちょっとまってよ。失敗ってどういうこと?」
転換の儀の話はわかる。でも、なんで失敗なんて言葉が出てくるのだろう。
「湊が転換の儀の話に触れた時、儀式の失敗を仄めかしてた。だから何か裏があると思って調べさせたんだ。可能性があるのは儀式への乱入か、儀式の道具への細工。亘の手でお前を殺させたいなら、後者で自然に見せるのが一番手っ取り早い」
「……道具の細工?」
「転換の儀に使う焼き印の一部が欠けていることがわかった。焼き印は転換の儀の一番の要だ。陣が正しく動作しなければ、人から妖に転じることはできない。ただいたずらに地中にお前と依代の動物を閉じ込めて生き埋め状態で殺すのと同じだ」
湊の周到さにゾッとした。
あのまま儀式を強行していたとして、待っているのが儀式の失敗だったとしたら……そんなの、救いがどこにもない。
「俺のミスだ。あいつを信用して、儀式の道具が収められている管理庫への入室を定期的に許していた。恐らくその時に細工をしたんだろう」
「…………本当に、淕が柊ちゃんの異変に気づいてくれてよかったよ…………」
もしもそれが無かったら、本当に、俺にとっても、亘と汐にとっても、待っているのは絶望だけだっただろう。
そして、湊はそれを望んだのだ。
「とにかく、主犯の確保を優先させるために、俺は操られているふりをして親父と粟路、都築を巻き込んで偽の転換の儀を執り行えるように整えた。真実を知っているのは、その三名と俺の護衛役と栞だけだ。あとは噂が勝手に広がる。儀式が終わったところで、奴がのこのこ出てくるのを待てば良い」
柊士はそう言って、フンと鼻を鳴らした。柊士もまた、今回の件は相当腹に据えかねているのだろう。
「妖界はどうなったの? ハクは……」
「妖界から書状が来たのは本当だ。ひとまず、鬼の魂を抜き出し体に水晶玉をいれることには成功した、白月が目覚めるまで巽を預かるってな。意味がわからなかったが、お前の説明でようやく理解した。ああ、あと、水晶玉の入手方法はあとでキッチリ説明してもらうからな」
俺は、はぁ~と、大きく息を吐き出した。
水晶玉の入手方法に関しては置いておくとして、ハクが死んでしまったわけではなくて、心底ホッとした。
……また、涙が出そうだ。
「……本当に、よかった…………」
そんな掠れた声がでた。
俺達がハクを殺したわけじゃなかった。ちゃんと、命を助ける道筋をつけられたんだ……。
「……でも、巽を預かるっていうのは?」
「様子をしばらく見たいってことだろ」
「……目覚めるのを待つだけなら、巽は必要ないと思うんだけど……」
「そんなの、向こうに聞けよ。送り出したのはお前だろ」
「……そうだけど……」
あとで手紙でも書いて、早めに返してもらえるように伝えようかな……巽が居たほうが助かるし……
そんな事を思っていると、柊士は今度は亘に目を向ける。
「亘、白月の件は、誰がなんと言おうと、お前が奏太を守る為に最適な行動をとった結果だ。奏太が止めようが、相手が何者だろうが、お前が守るべきは奏太の命だ。外敵を前に迷うなよ」
じっと亘を見据えて言い聞かせるように言った柊士を、亘は真っ直ぐに見返してからスッと頭を下げた。
「肝に銘じます」
「……あの、柊士様、それだと転換の儀について触れた時点で、柊士様が亘に害されかねませんが……」
恐る恐る淕が意見を述べると、柊士は少しだけ肩を竦めた。
「敵が誰かの判別くらいできるだろ。それに、万が一のことがあれば、お前が何とかしてくれ」
「…………亘の場合、相手が柊士様であっても敵と判断しそうなので申し上げたのですが…………」
淕は何だかゴニャゴニャ言っているが、正直俺もそう思う。あと、亘は俺が止めたところで止まらない。ひとまず、亘の良心と淕の腕に任せた方がいいだろう。これに関してはいったん棚上げだ。
「ひとまず、転換の儀を執り行う予定の七日後まで、お前はここでゆっくりしてろ。スマホは返せないが、本くらいなら差し入れしてやる。あと、明日からは偽装のために精進料理になるが、叔母さんの弁当は必要か?」
「食べるよ。今は、なんか母さんの料理が食べたい気分だ」
俺が言うと、淕がニコリと笑って了承してくれた。
「じゃあ、何かあれば食事を運んできたときに、淕達に伝えろ。柾は借りるぞ」
「わかった。後で巽に手紙を書きたいんだ。こっそり妖界に届けてくれるとありがたいんだけど」
「紙とペンは机の中のを使え。淕に渡せば、こっちで届けておく」
柊士はそう言うと、椅子から立ち上がった。
部屋を出ていこうとしたとき、亘はガッと淕の二の腕のあたりを乱暴に掴んで引き止めた。
「淕、今日のこと、覚えておけよ」
「栞、私も一生忘れないから」
汐もまた、冷たい目で栞のことを見据えていた。相当怒っているときの目だ。関係が決裂するような姉妹喧嘩にならないと良いけど……
亘と汐の様子に対して、淕は何も言わずに肩を竦め、栞はキレイな笑みを汐に向けていた。
俺はチラと柊士を見る。
すると柊士は、仕方がないとばかりに大きくハァと息を吐き出した。
「お前も、忘れなくて良い。こっちの借りってことにしとく」
「…………うん、ごめん…………」
あれからしばらく布団に突っ伏していたが、顔を上げてみると心配そうな面々の視線を一身に浴びていて、別の意味で布団に潜り込みたくなった。
いい年して人目も憚らずに泣いていたことを改めて自覚して、恥ずかしくて仕方がない。
「あーーー、あの、それで、柊ちゃんはあんな芝居までして、何をしようとしてたの?」
大丈夫かと確かめるようにじっと見つめられるのに耐えられずに視線を逸らすと、柊士が仕方がなさそうに口を開いた。
「さっき言った通り、姿を消した湊を誘き出す」
「……何で転換の儀が湊を誘き出す事に繋がるの?」
「お前が気づいたように、一連の事件の湊の動機の一つが亘への報復だからだ」
……いや、確かに報告のときに俺から柊士にそう伝えたけど、その前まで周囲への情報はかなり絞って伝えていた。不自然に情報を隠しているとは思われていても、他から見たら全容はわからないハズだし、ましてや亘に恨みが向いているなんて掴めないだろう。
だからといって、俺のあの場の説明を聞いただけで準備できた訳ない。どう考えてもその前から動いていたハズだ。
今度は俺のほうがじっと柊士をみつめると、ハアと小さく溜息をつかれた。
「わかってる、ちゃんと説明する」
俺がコクリと頷くと、柊士は少し前、柊士の母の墓参りに行っているところから話を始めた。
墓参りの最中に子どもに声をかけられて探し物に付き合った話は村田に聞いた通り。
ただ、子どもに連れられて行った神社で縁の下に引きずり込まれ、民家の一室で手足を拘束された状態で目を覚ましたらしい。
「俺を支配するつもりがあったからだろうが、お前に聞いたあいつの企みを、得意げに聞かされたよ。亘と結の父親への恨みも、それを晴らすために白月と鬼の体を取り替えたことも、亘にそれを殺させようとしたことも、転換の儀をお前に受けさせようとしたことも」
「……支配って……」
「お前の言う『鬼の血』を飲まされた。『鬼の血』には、飲んだ者をその血に依存させ、あいつの母親とあいつ自身に従わせる力があるそうだ。狙いは、俺に転換の儀の承認をさせること。だから、あいつの言いなりになった状態で俺は西の里に帰された」
それはつまり、柊士が正気に戻っていなかったら、今回の件は演技では済まなかったということだ。
先ほどまでの状態を思い出して、背筋が寒くなる。
「それでよく、正気に戻れたね」
「いち早く淕が匂いに気づいて、吐くほど一気に妖界の温泉水を飲まされた。おかげで大事な薬が一部無駄になった」
その時の淕の慌てようが目に浮かぶようだ。
柊士がジロリと淕を睨むと、淕はそっと視線を逸らした。
「でも、遥斗も同じように鬼の血を飲まされたはずなのに、未だに目を覚ましてないんだけど……」
「飲まされた量が違うんだろ。聞いた話だけでも、そいつの行動はあまりに異常だ」
確かに、依存状態はかなり激しかった。
「温泉水を飲んで正気に戻ったはいいが、今度は湊の足取りがつかめなくなった。那槻《なつき》と葛《かずら》に探させても結局見つからず仕舞いだ」
「こっちも柾に探してもらってるけど、見つかったとは聞いてない」
柊士はそれに首肯する。
「どこに隠れているかは知らない。ただ、日本全国探すわけにはいかないし、民家に潜んでたら探しようがない」
「柊ちゃんが捕まってた場所は?」
「探した。でももぬけの殻。俺を誘導した子どもも見つかってない」
「……それって、まさか……」
もしも、湊に利用された上で殺されでもしていたら……
そう思いキツく拳を握りしめると、柊士はゆっくり首を横に振った。
「殺されているとも限らない。利用価値があると思われていれば、まだ生きている可能性もある。とにかく湊を見つけないことには、正確なことはわからない」
生きていてほしい。俺は祈るような気持ちで頷いた。
「子どもは別で探すとして、逃げ隠れしている湊に関しては、こっちから探しても見つからないなら向こうから来てもらうしかない。湊は転換の儀を使って亘の手で奏太を殺させようとしていた。だから、転換の儀をあいつの望む通りに行って誘き出すのが一番だと思った。あれだけ亘を恨んで、ここまで仕込んだんだ。転換の儀が失敗したあと、絶対に亘の顔を見に来るだろ」
「え、ちょ、ちょっとまってよ。失敗ってどういうこと?」
転換の儀の話はわかる。でも、なんで失敗なんて言葉が出てくるのだろう。
「湊が転換の儀の話に触れた時、儀式の失敗を仄めかしてた。だから何か裏があると思って調べさせたんだ。可能性があるのは儀式への乱入か、儀式の道具への細工。亘の手でお前を殺させたいなら、後者で自然に見せるのが一番手っ取り早い」
「……道具の細工?」
「転換の儀に使う焼き印の一部が欠けていることがわかった。焼き印は転換の儀の一番の要だ。陣が正しく動作しなければ、人から妖に転じることはできない。ただいたずらに地中にお前と依代の動物を閉じ込めて生き埋め状態で殺すのと同じだ」
湊の周到さにゾッとした。
あのまま儀式を強行していたとして、待っているのが儀式の失敗だったとしたら……そんなの、救いがどこにもない。
「俺のミスだ。あいつを信用して、儀式の道具が収められている管理庫への入室を定期的に許していた。恐らくその時に細工をしたんだろう」
「…………本当に、淕が柊ちゃんの異変に気づいてくれてよかったよ…………」
もしもそれが無かったら、本当に、俺にとっても、亘と汐にとっても、待っているのは絶望だけだっただろう。
そして、湊はそれを望んだのだ。
「とにかく、主犯の確保を優先させるために、俺は操られているふりをして親父と粟路、都築を巻き込んで偽の転換の儀を執り行えるように整えた。真実を知っているのは、その三名と俺の護衛役と栞だけだ。あとは噂が勝手に広がる。儀式が終わったところで、奴がのこのこ出てくるのを待てば良い」
柊士はそう言って、フンと鼻を鳴らした。柊士もまた、今回の件は相当腹に据えかねているのだろう。
「妖界はどうなったの? ハクは……」
「妖界から書状が来たのは本当だ。ひとまず、鬼の魂を抜き出し体に水晶玉をいれることには成功した、白月が目覚めるまで巽を預かるってな。意味がわからなかったが、お前の説明でようやく理解した。ああ、あと、水晶玉の入手方法はあとでキッチリ説明してもらうからな」
俺は、はぁ~と、大きく息を吐き出した。
水晶玉の入手方法に関しては置いておくとして、ハクが死んでしまったわけではなくて、心底ホッとした。
……また、涙が出そうだ。
「……本当に、よかった…………」
そんな掠れた声がでた。
俺達がハクを殺したわけじゃなかった。ちゃんと、命を助ける道筋をつけられたんだ……。
「……でも、巽を預かるっていうのは?」
「様子をしばらく見たいってことだろ」
「……目覚めるのを待つだけなら、巽は必要ないと思うんだけど……」
「そんなの、向こうに聞けよ。送り出したのはお前だろ」
「……そうだけど……」
あとで手紙でも書いて、早めに返してもらえるように伝えようかな……巽が居たほうが助かるし……
そんな事を思っていると、柊士は今度は亘に目を向ける。
「亘、白月の件は、誰がなんと言おうと、お前が奏太を守る為に最適な行動をとった結果だ。奏太が止めようが、相手が何者だろうが、お前が守るべきは奏太の命だ。外敵を前に迷うなよ」
じっと亘を見据えて言い聞かせるように言った柊士を、亘は真っ直ぐに見返してからスッと頭を下げた。
「肝に銘じます」
「……あの、柊士様、それだと転換の儀について触れた時点で、柊士様が亘に害されかねませんが……」
恐る恐る淕が意見を述べると、柊士は少しだけ肩を竦めた。
「敵が誰かの判別くらいできるだろ。それに、万が一のことがあれば、お前が何とかしてくれ」
「…………亘の場合、相手が柊士様であっても敵と判断しそうなので申し上げたのですが…………」
淕は何だかゴニャゴニャ言っているが、正直俺もそう思う。あと、亘は俺が止めたところで止まらない。ひとまず、亘の良心と淕の腕に任せた方がいいだろう。これに関してはいったん棚上げだ。
「ひとまず、転換の儀を執り行う予定の七日後まで、お前はここでゆっくりしてろ。スマホは返せないが、本くらいなら差し入れしてやる。あと、明日からは偽装のために精進料理になるが、叔母さんの弁当は必要か?」
「食べるよ。今は、なんか母さんの料理が食べたい気分だ」
俺が言うと、淕がニコリと笑って了承してくれた。
「じゃあ、何かあれば食事を運んできたときに、淕達に伝えろ。柾は借りるぞ」
「わかった。後で巽に手紙を書きたいんだ。こっそり妖界に届けてくれるとありがたいんだけど」
「紙とペンは机の中のを使え。淕に渡せば、こっちで届けておく」
柊士はそう言うと、椅子から立ち上がった。
部屋を出ていこうとしたとき、亘はガッと淕の二の腕のあたりを乱暴に掴んで引き止めた。
「淕、今日のこと、覚えておけよ」
「栞、私も一生忘れないから」
汐もまた、冷たい目で栞のことを見据えていた。相当怒っているときの目だ。関係が決裂するような姉妹喧嘩にならないと良いけど……
亘と汐の様子に対して、淕は何も言わずに肩を竦め、栞はキレイな笑みを汐に向けていた。
俺はチラと柊士を見る。
すると柊士は、仕方がないとばかりに大きくハァと息を吐き出した。
「お前も、忘れなくて良い。こっちの借りってことにしとく」
0
あなたにおすすめの小説
神木さんちのお兄ちゃん!
雪桜 あやめ
キャラ文芸
✨ キャラ文芸ランキング週間・月間1位&累計250万pt突破、ありがとうございます!
神木家の双子の妹弟・華と蓮には"絶世の美男子"と言われるほどの金髪碧眼な『兄』がいる。
美人でカッコよくて、その上優しいお兄ちゃんは、常にみんなの人気者!
だけど、そんな兄には、何故か彼女がいなかった。
幼い頃に母を亡くし、いつも母親代わりだったお兄ちゃん。もしかして、お兄ちゃんが彼女が作らないのは自分達のせい?!
そう思った華と蓮は、兄のためにも自立することを決意する。
だけど、このお兄ちゃん。実は、家族しか愛せない超拗らせた兄だった!
これは、モテまくってるくせに家族しか愛せない美人すぎるお兄ちゃんと、兄離れしたいけど、なかなか出来ない双子の妹弟が繰り広げる、甘くて優しくて、ちょっぴり切ない愛と絆のハートフルラブ(家族愛)コメディ。
果たして、家族しか愛せないお兄ちゃんに、恋人ができる日はくるのか?
これは、美人すぎるお兄ちゃんがいる神木一家の、波乱万丈な日々を綴った物語である。
***
イラストは、全て自作です。
カクヨムにて、先行連載中。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
異世界で農業を -異世界編-
半道海豚
SF
地球温暖化が進んだ近未来のお話しです。世界は食糧難に陥っていますが、日本はどうにか食糧の確保に成功しています。しかし、その裏で、食糧マフィアが暗躍。誰もが食費の高騰に悩み、危機に陥っています。
そんな世界で自給自足で乗り越えようとした男性がいました。彼は農地を作るため、祖先が残した管理されていない荒れた山に戻ります。そして、異世界への通路を発見するのです。異常気象の元世界ではなく、気候が安定した異世界での農業に活路を見出そうとしますが、異世界は理不尽な封建制社会でした。
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる