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0 死神と呼ばれる理由
俺の二つ名は死神らしい
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15歳で孤児から冒険者となった俺、チャッピー。
最初の仲間は孤児院からの腐れ縁たちだった。
薬草採取やゴブリン退治など地道に依頼をこなし、NランクからFランクへと昇格した直後。
森からウルフやゴブリンの群れがあふれ出した、そうスタンピートに遭遇してしまったんだ。
なんせ1000を超える魔物の群れだ、徹底抗戦の末、仲間たちは一人、また一人と倒れていき、俺一人となって自分の番が来たと覚悟を決めた時、その地域を治める侯爵軍が俺を発見してくれ、何とか生き残った。
『仲間たちはスタンピートの中、その命をかけ、勇敢に戦い、散っていった。君が生き残れたのは運が良かったからだ。悔やむことはないが、仲間たちに生かされたその命を大切にするんだぞ』
侯爵軍の小隊長にそう言われ、涙をこらえていると ポンっと肩を叩かれ、
『仲間のために流す涙は恥ずかしいものではない!今は、悲しむがいい。涙がかれたらまた前を向いて生きていくんだ』
その一言で、我慢していた涙が流れ、大声で泣いた。
俺が泣いている間に、スタンピートは、侯爵軍が抑え込み、町はスタンピートから逃れることが出来た。
それから2年ほどソロで依頼をこなす日々を送っていた。
ある日、魔物の姿がほとんど見えなくなったという報告がギルドに入り、薬草採取で森に入っている俺と欠員が出たBランクパーティで、森の調査に行くことになった。
といっても、俺は案内役だったけど
森の調査は、初日、二日目と何事もなかったが、三日目の夜、それは起こった。
突然、大きな地響きとうなり声が鳴り響いた。
『スタンピートだぁぁぁぁ、スタンピートの信号弾を上げて、とっとと逃げるぞ』
Bランクパーティーのリーダーが叫びながら、信号弾を空へ打ち上げた。
俺は、最低限の荷物をつかみ、パーティーの後を追うように逃げ出した。
途中、襲ってくるウルフを躱しながら逃げているうちに、Bランクパーティーとはぐれてしまった。
だが、はぐれたと気づいた場所は、薬草採取で休憩している横穴の近くだった。
無我夢中で横穴めがけて走り、飛び込んだ。
孤児あがりの俺が高等な魔法なんて使えるわけもなく、横穴の入り口から人ひとりがかろうじて通れる場所まで逃げ、1匹、また1匹と入り組んでくる魔物を倒し続け、気づけば魔物の死体で入り口が塞がれてしまっていた。
どれだけの時間が経っただろうか。
地響きが治まり、うなり声も聞こえなくなった所で、魔物の死体をどけ、横穴から抜け出ると、森の木々は倒れ、魔物の影も見えない。
近くの川に向かい、乾いた喉を潤し、町へと急いだ。
町は半壊状態で、ギルドの建物も崩壊していたが、救護所があった
そこには二度と戦えないような大けがを負ったBランクパーティのリーダーがいた。
リーダー曰く、信号弾で町は防衛ラインを引いたが、魔物の数が多く、柵が破られ、全滅を覚悟したところで、侯爵軍がどうにか到着し、魔物を撃退したと。
メンバーは、森を抜けた後、町にたどり着く前に追いつかれ、なぶり殺しにあったと。
リーダーだけは、どうにか助け出されたが、右足を食いちぎられたそうだった。
そう、俺は2度のスタンピートに巻き込まれ、無傷とはいかないが、生還していた。
俺以外の多くの命が失われた中で…
そんなことがあったせいだろうか…
俺の二つ名がついたのは、そう【死神】と
最初の仲間は孤児院からの腐れ縁たちだった。
薬草採取やゴブリン退治など地道に依頼をこなし、NランクからFランクへと昇格した直後。
森からウルフやゴブリンの群れがあふれ出した、そうスタンピートに遭遇してしまったんだ。
なんせ1000を超える魔物の群れだ、徹底抗戦の末、仲間たちは一人、また一人と倒れていき、俺一人となって自分の番が来たと覚悟を決めた時、その地域を治める侯爵軍が俺を発見してくれ、何とか生き残った。
『仲間たちはスタンピートの中、その命をかけ、勇敢に戦い、散っていった。君が生き残れたのは運が良かったからだ。悔やむことはないが、仲間たちに生かされたその命を大切にするんだぞ』
侯爵軍の小隊長にそう言われ、涙をこらえていると ポンっと肩を叩かれ、
『仲間のために流す涙は恥ずかしいものではない!今は、悲しむがいい。涙がかれたらまた前を向いて生きていくんだ』
その一言で、我慢していた涙が流れ、大声で泣いた。
俺が泣いている間に、スタンピートは、侯爵軍が抑え込み、町はスタンピートから逃れることが出来た。
それから2年ほどソロで依頼をこなす日々を送っていた。
ある日、魔物の姿がほとんど見えなくなったという報告がギルドに入り、薬草採取で森に入っている俺と欠員が出たBランクパーティで、森の調査に行くことになった。
といっても、俺は案内役だったけど
森の調査は、初日、二日目と何事もなかったが、三日目の夜、それは起こった。
突然、大きな地響きとうなり声が鳴り響いた。
『スタンピートだぁぁぁぁ、スタンピートの信号弾を上げて、とっとと逃げるぞ』
Bランクパーティーのリーダーが叫びながら、信号弾を空へ打ち上げた。
俺は、最低限の荷物をつかみ、パーティーの後を追うように逃げ出した。
途中、襲ってくるウルフを躱しながら逃げているうちに、Bランクパーティーとはぐれてしまった。
だが、はぐれたと気づいた場所は、薬草採取で休憩している横穴の近くだった。
無我夢中で横穴めがけて走り、飛び込んだ。
孤児あがりの俺が高等な魔法なんて使えるわけもなく、横穴の入り口から人ひとりがかろうじて通れる場所まで逃げ、1匹、また1匹と入り組んでくる魔物を倒し続け、気づけば魔物の死体で入り口が塞がれてしまっていた。
どれだけの時間が経っただろうか。
地響きが治まり、うなり声も聞こえなくなった所で、魔物の死体をどけ、横穴から抜け出ると、森の木々は倒れ、魔物の影も見えない。
近くの川に向かい、乾いた喉を潤し、町へと急いだ。
町は半壊状態で、ギルドの建物も崩壊していたが、救護所があった
そこには二度と戦えないような大けがを負ったBランクパーティのリーダーがいた。
リーダー曰く、信号弾で町は防衛ラインを引いたが、魔物の数が多く、柵が破られ、全滅を覚悟したところで、侯爵軍がどうにか到着し、魔物を撃退したと。
メンバーは、森を抜けた後、町にたどり着く前に追いつかれ、なぶり殺しにあったと。
リーダーだけは、どうにか助け出されたが、右足を食いちぎられたそうだった。
そう、俺は2度のスタンピートに巻き込まれ、無傷とはいかないが、生還していた。
俺以外の多くの命が失われた中で…
そんなことがあったせいだろうか…
俺の二つ名がついたのは、そう【死神】と
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