陰キャラモブ(?)男子は異世界に行ったら最強でした

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プロローグ 勇者召喚

第二話 ステータスと干渉と

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 突如現れた国王に、アストレアと男達は慌てて駆け寄り何やら説明を初めた。
 いきなりこの世界一の国の王様が現れた事で、良輔達クラスメイトも大輝も綾乃も固まっている。
 そんな中、一人だけさっさと老人の正体を見抜き達観していた颯太は、思考を巡らせ国王の出方を伺う。

「異界の者達よ、よくぞ参られた。儂はこの国の王、バルザド・フォン・レイドナルクという。お主達に求めるのはただ一つ、魔王を倒し世界の平和を取り戻す事だ。失敗することは許さぬ、良いな?」

 ……訂正しよう。国王(笑)だった。

『は、はい‼』

 皆は少し緊張した面持ちで元気よく返事をしていたが、この身勝手極まりない挨拶は、三人の顔を曇らせる結果となった。
 同時に颯太は、自分のクラスメイト達にも呆れた。

(少しは考えてから返事しろよ……明らかにこっちに拒否権がないっていうのに)

 『失敗は許さない』
 アストレアのように演技でも頭を下げる事さえせずに、ただこうしろ、と上からな態度の命令口調。
 だが生憎この発言が、こちらの事情などまるで無視の命令である事に気が付いたのは、颯太以外に一緒に居る大輝と綾乃二人だけだった。
 二人も、国王の横暴な態度には苛立ちを覚えていた。

「いきなり命令かよ」
「この世界では、あれが人にものを頼む時の態度なの?」
「気持ちは分かるけど、表に出したら駄目だぞ?」
「「分かってる」」

 そうは言っても二人共顔が怖い。
 颯太はなんとか二人の気持ちを鎮めるため試行錯誤しながら国王(笑)なる人物の言葉に耳を傾けた。

「それでは異界の者達よ、早速だが全員、「ステータスオープン」と唱えてみてくれ。お主らのステータス…つまりは能力が見られる筈だ」

 ステータス…いきなりファンタジー要素が顔を出した。
 漫画やアニメでも異世界ものといったら絶対に出てくると言っても過言ではない。
 クラスメイトは興奮した様子で、言われた通り口々に「ステータスオープン!」と唱え出した。
 ある人は本当にステータスと思しきものが出現した事に興奮し、またある人は自分のステータスを見て喜んでいる。
 別に反発する理由もなかったので、ここは颯太も素直に従っておく。

「ステータスオープン」

***************************************

【ソウタ・タチバナ】 Lv.1

種族:人族
職業:なし (剣士Lv.MAX)

魔力量:100(35000)
魔力強度:50(5000)

スキル
 剣術 体術 鑑定 (槍術 棒術 弓術 隠密 投擲 生命術 手加減 物理攻撃耐性 気配感知 見切 隠蔽 裁縫 薬草調合 神託 世界辞書)

ユニークスキル

 退魔の光 (神の剣)

加護

 なし (七大神の加護)

称号

 異世界人 (神々に愛されし者)


(やっほーソウタ君!私はこの世界の神だよ、よろしくね☆突然だけど君のステータス、少しイジらせてもらったよ♥規格外すぎて勇者の称号は要らないかな~って思って外しちゃったテヘペロ☆( )の中が隠蔽してある本当の数値やスキルだよ。君以外には見えないから安心して!お詫びに色々特典も付けといたから♥…私以外の加護は知らないけど…数値は平均的なのにしといたから後は上手くやりな!)

***************************************

(…神のノリ…軽っ…)

 目の前に現れた透明なパネルのようなものに書かれたメッセージを見て、颯太はまずそう思った。
 だがすぐに( )の中の数値やスキルの数をみて、神(?)の勝手な隠蔽に納得した。

(なるほど…高い、な…)

 他のを見なくても分かる。
 初っ端から魔力量も魔力強度も千超えは明らかにおかしい。
 初期ステータスにしては数値が高すぎしスキルも多い。
 スキルに関しては、ほとんどがあっちの世界での祖父との修行の成果だろう。
 しかし分からないのはその上のユニークスキル。
 「退魔の光」となっているが、実際は「神の剣」。
 ここはどうして変える必要があったのだろうか。

(何かあるのか?)

 訳が分からずその部分をジッと眺めていると、不意にステータスの上に新たなパネルが出現し、そこに何かの文章が綴られていた。

***************************************

【ユニークスキル】

 所有者特有のスキル。このスキルを二つ以上持っている者はまずいない。(←君が初だよ!おめでとう!)

【退魔の光】

 召喚された異世界人が必ず持つとされるユニークスキル。魔の者を絶つことが出来る光を纏うことが出来る。(ちなみにこのスキルも使えるからね)

【神の剣】

 ソウタ・タチバナ専用のユニークスキル。□●☆▶▽…〈今のレベルではこれ以上表示することは出来ません〉

***************************************

 どうやら見つめていたスキルの説明文のようだ。
 そしてここでも神(?)のノリは軽かった。
 ツッコみたい衝動をどうにか抑え込みながら、颯太は文章を読みそれぞれのスキルの説明に違和感を感じた。

(「専用」?ユニークスキル事態が個人専用じゃないのか?)
『勿論違うよ』
「!?」

 突然頭に響いてきた幼い少年のような明るい声に、颯太はガラにもなく飛び上がってしまった。

「?どうした颯太、何かあったのか?」

 目敏くその様子を捉えた大輝が不思議そうな表情で尋ねてくる。
 どうにか心を落ち着かせた颯太は、声が震えないように注意しながら答える。

「…いや、なんでもない」
「?そっか」

 あまり納得できてないようだったが、大輝は深追いしてこなかった。
 長い付き合いでここら辺の間合いを分かってくれている親友に、密かに感謝した颯太はケタケタ笑ってる声に尋ねた。

(…この声が聞こえてるのは、俺だけなのか?)
『あはは~いやーごめんごめん。そこまで驚くと思ってなくてさ。君の言う通り、今私の声が聞こえるのは君だけだよ』

 口に出さずとも謎の声との会話が成立した事で颯太はある仮説を立てる。

(心を呼んでるのか?)
『そうだよ。正確には呼んでるっていうより聞いてる、の方が正しいかな』

 あっさりと肯定され、颯太は逆に警戒を募らせる。

(聞いてる?)
『私が居るのは、君達に聖域せいいき…または神域しんいきと呼ばれる所さ。だから実際に相手と対面して行う〈読心どくしん〉とは違うのさ』
(神域……じゃああんたは、神、なのか?)
『せいか~い』

 コロコロ笑う神(自称)。
 ステータスのメッセージを見た時も思ったが、この神様は初対面?なのに随分と軽々し……フレンドリーなようだ。
 毒気を抜かれた颯太は少し考え、取り敢えずこの声を信用してみる事にした。

(分かりました。今は貴方を信用することにします。それで何ですか?)
『結構ドライだね~君。ていうか敬語じゃなくても良いよ。寧ろ普通にタメ口で話してくれた方が嬉しいし。』
(…はあ)
『じゃあ改めて、はじめましてタチバナ・ソウタ君。私はゼノス。君らでいうところの創造神そうぞうしんって奴かな』

 思ったよりポピュラーな神だったことに驚くも、颯太は自分のペースを崩す事なく応対する。

(…分かった。じゃあゼノスって呼ぶな。こちらこそよろしく)
『適応が早くて助かるよ。でも良いのかい?簡単に私を信用しても』
(こっちにはステータスでの恩があるし、声を聞く限りじゃ嘘をついてるようには聞こえないからな)

 はっきりと言い切った颯太の声を聞き、創造神ゼノスはクスリと笑って、先程とは打って変わった威厳溢れる声音で話し始めた。

『私がわざわざ君に話しかけたのは他でもない、君のステータスの事さ』
(やっぱりか。そんな事だろうとは思ってたけど…)

 最初にある程度予想していたので驚く事はなかった。
 しかし、バグだったのか?ぐらいにしか考えていなかった颯太は、すぐにそれが甘い考えだと思い知らされる。

『今から話す事は、君にとってこれからの運命を左右する』
(…どういう事だ?)

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