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プロローグ 勇者召喚
第十九話 メンバーとデジャヴと
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確認したメンバーは、顔は見覚えがあるからどんな奴だかある程度分かったが、名前についてはとんと記憶にない。
颯太はクラスメイト達に話しかけた。
「俺まだクラス全員の名前覚えてないんだ。悪いけど自己紹介してもらっても良いか?」
すると、その中で政人以外のもう一人の男子が答えてくれた。
「俺は杉田猛。立花と話すの初めてだよな?」
「俺の事は知ってるのか?」
「お前結構有名だぜ?今や勇者様の、あの江川と一宮さんの腰巾着だって」
(なるほど…傍目にはそう見えんのか)
「知らなかった」
「まあ大体はお前に嫉妬してる奴らの言うことだから、気にしなくて良いだろ」
そしてニカッと笑う猛。
政人と似てて良い奴みたいだな、と颯太は思いながら自分も微笑み返す。
その様子を見ていた女子の内の一人が、おずおずと前に出てきた。
「わ、私は塚原希美。よろしくね立花君」
「ああ。こちらこそよろしく」
希美は、自分も名前を言えたことにホッと安心したように笑う。
颯太は自分に対する希美の態度やその仕草から、彼女があまりコミュニケーションをとる事が得意ではないが、それを改善しようと努力していると分かった。
すると、同じ女子が自己紹介をしたことで勢いがついたのか、また別の女子が話しかけてきた。
「ウチは平朱莉や。よろしゅう頼みますで立花はん!」
「あ、ああ」
颯太でもこの子には見覚えがあった。
この関西弁の訛りのある特徴的な喋り方。
三ヶ月程前の、一学期の半ば頃に関西から来た転校生だったな、と颯太が記憶の中から掘り起こした情報はこれだけだが、この人懐っこさと明るさからクラスに馴染んでいたのは見て取れる。
悪い人ではなさそうだが、颯太はこういったグイグイくる女性は苦手だった。
「……」
最後は一人だけだったが、その女子は颯太を睨むだけでなかなか口を開こうとはしない。
しかも颯太と目が合うと思い切り逸らされた。
見かねた朱莉がその子の後ろに回って、背中から押してこちらの輪に近づけて、代わりに紹介してくれた。
「この子は深川伊澄ちゃんや!ちょっと照れ屋で口悪いけど、悪い子やないけん、仲良うしたって」
「……」
「ああ。よろしく深川」
「……よろしく」
伊澄はそれだけ言ってまた目を逸らす。
こういうタイプは周囲から誤解されがちだが、颯太にとっては割と分かりやすく仲良く出来そうな感じがした。
政人以外の全員の名前を確認した颯太は、礼儀として自分も名乗る。
「知ってる人も居るみたいだけど、俺は立花颯太。これからパーティーとしてよろしく頼むよ」
「おい颯太ー皆ー。自己紹介終わったなら申請しに行こうぜー!」
共通の友人で、いつの間にか一人だけ除外されていた政人が少し不機嫌そうな声で言ってくる。
皆暫く話を続けながら政人の側に行き、ジョンの所へ申請に行く。
「ジョンさーん。俺らこのメンバーで行きまーす」
「ん?おお、お前らも決まったか。マサト、ソータ、タケル、イズミ、アカリ、ノゾミの六人か。それでリーダーは誰なんだ?」
「リーダー?」
「そのパーティーの責任者だが、決まってないのなら今決めてくれないか?」
自己紹介をしていた為決めていない。
決まったらまた言いに来てくれ、とジョンは言い残してどこかに行ってしまった。
その後、政人と颯太の部屋に引き上げて、どうしようか話し合っていた時、不意に政人が手を上げた。
「はいはい!」
「政人やってくれるの?」
「いんや、推薦」
「誰々?」
「颯太!やってくんね?」
「「「「えっ?」」」」
「は?」
完全に予想外を突かれた事に驚いている四人と、自分に回ってくるとは微塵も思っておらず空気とかしていた颯太。
「……なんで俺?」
「颯太ならパーティーを上手く纏めてくれそうな気がしてさ。頼むよ~」
「……」
政人は屈託のない笑顔で颯太に頼む。
颯太は目立ちたくない。
故に凄い形相で政人を睨んでしまっていることに、颯太自身は気付かなかった。
そしてそれを見てパーティー全体が引いたことも。
「…俺、あんま目立つことしたくないんだけど」
「だ、大丈夫大丈夫!パーティーリーダーっていっても、やること少ないし目立たないって……多分」
「た、立花君ってあんな風に怒るんだ…」
「顔めっちゃ怖ぇ…てか恐ろしい」
「なんか肌寒くなってきよった…こない寒かったか今日…?」
「……」
こんな会話が外野側から聞こえてきたり、何も言わないが青ざめているであろう伊澄が居たりしているのも颯太は分かっているが、なんとしてもこれは回避したかった。
どうやって逃げ切ろうか思考を全力で回転させていたせいで、彼らの接近に気がつけなかった颯太は数分後、大いに後悔する事となる。
…ドタドタドタドタ、バンッ!
「「そーーたぁぁぁぁぁ‼」」
「「「「「「!?」」」」」」
ドスッ!
「うおっ!」
「「まじなんで颯太と一緒のパーティー組めねぇんだ!最悪だぁ!」」
「はぁ!っくそ!離れろ二人共!」
「「やだ!」
「やだでもいやでもねぇ!離れろ!」
「「NO‼」」
「おい!」
『( ゚д゚)ポカーン』
「…あはははは」
盛大に足音をたてながら部屋に駆け込んできた、この世界の勇者で、学校でも人気者の綾乃と大輝の二人は、いきなり飛び込んできたかと思うと二人して颯太に抱きつき駄々をこねている。
颯太は驚いて、突然乱入して抱きついてきた二人を引き剥がそうと躍起になっている。
そんな三人の様子を見て呆気にとられている四人と、もう大分慣れてきたが、久しぶりの二人の溢れる颯太大好きオーラに乾いた笑いを出すのが精一杯の政人。
場がカオスだ。
「え、え?何これどゆこと?」
「落ち着け猛。あれが事実だ」
「え?つまりは、立花はんがあの人気者二人と一緒におるんやなくて……あの二人が、立花はんと一緒におるって事かいな?」
「…あんな一宮さんと江川君、初めて見た…」
「…私も…」
「~~っ!いい加減に、しろ‼」
ゴスッ‼
「「んぎゃ‼」」
取り敢えず二人に、颯太からキツめの拳骨が落とされたことで、ようやく場が収まった。
「「…ごめんなさい…」」
二人して土下座。
椅子に腕と足組んで黒い笑顔で座り、そんな二人を見下ろす颯太。
政人はちょっとデジャヴを感じた。
他四人はドン引いている。
「……」
(((((((いや無言怖ぇよ!)))))))
その場で颯太以外の心の声が一致した瞬間であった。
「…はぁ…」
「「Σ(・∀・;)」」
徐ろに溜息をつく颯太に、何故か怒られていない他のメンバーも驚いて身を引く。
颯太は気にせず口を開く。
「あのさぁ…お前らここに何しに来たの?」
「「…たまたま散歩中に通りかかったので…」」
「本当は?」
「「颯太に会いに来ましたごめんなさい」」
やっぱりか、といった顔をする颯太と、カラカラとまた乾いた笑いの政人と、呆然と成り行きを見守るその他四人。
「…会いに来るのは良いとしてさぁ…部屋の入り方、どうなの?」
「「はい、海より深く反省しております!」」
「……今日の夜、綾乃は素振り、大輝は突き、それぞれ二千回追加」
「「謹んでお受けします!」」
二人のペナルティを定めた所で、颯太は立ち上がって政人に言った。
「やっぱ政人がやって。リーダー」
「あ、うん」
色々と散々な事になったが、リーダーの任からは逃れられたので颯太は少し機嫌を直した。
颯太はクラスメイト達に話しかけた。
「俺まだクラス全員の名前覚えてないんだ。悪いけど自己紹介してもらっても良いか?」
すると、その中で政人以外のもう一人の男子が答えてくれた。
「俺は杉田猛。立花と話すの初めてだよな?」
「俺の事は知ってるのか?」
「お前結構有名だぜ?今や勇者様の、あの江川と一宮さんの腰巾着だって」
(なるほど…傍目にはそう見えんのか)
「知らなかった」
「まあ大体はお前に嫉妬してる奴らの言うことだから、気にしなくて良いだろ」
そしてニカッと笑う猛。
政人と似てて良い奴みたいだな、と颯太は思いながら自分も微笑み返す。
その様子を見ていた女子の内の一人が、おずおずと前に出てきた。
「わ、私は塚原希美。よろしくね立花君」
「ああ。こちらこそよろしく」
希美は、自分も名前を言えたことにホッと安心したように笑う。
颯太は自分に対する希美の態度やその仕草から、彼女があまりコミュニケーションをとる事が得意ではないが、それを改善しようと努力していると分かった。
すると、同じ女子が自己紹介をしたことで勢いがついたのか、また別の女子が話しかけてきた。
「ウチは平朱莉や。よろしゅう頼みますで立花はん!」
「あ、ああ」
颯太でもこの子には見覚えがあった。
この関西弁の訛りのある特徴的な喋り方。
三ヶ月程前の、一学期の半ば頃に関西から来た転校生だったな、と颯太が記憶の中から掘り起こした情報はこれだけだが、この人懐っこさと明るさからクラスに馴染んでいたのは見て取れる。
悪い人ではなさそうだが、颯太はこういったグイグイくる女性は苦手だった。
「……」
最後は一人だけだったが、その女子は颯太を睨むだけでなかなか口を開こうとはしない。
しかも颯太と目が合うと思い切り逸らされた。
見かねた朱莉がその子の後ろに回って、背中から押してこちらの輪に近づけて、代わりに紹介してくれた。
「この子は深川伊澄ちゃんや!ちょっと照れ屋で口悪いけど、悪い子やないけん、仲良うしたって」
「……」
「ああ。よろしく深川」
「……よろしく」
伊澄はそれだけ言ってまた目を逸らす。
こういうタイプは周囲から誤解されがちだが、颯太にとっては割と分かりやすく仲良く出来そうな感じがした。
政人以外の全員の名前を確認した颯太は、礼儀として自分も名乗る。
「知ってる人も居るみたいだけど、俺は立花颯太。これからパーティーとしてよろしく頼むよ」
「おい颯太ー皆ー。自己紹介終わったなら申請しに行こうぜー!」
共通の友人で、いつの間にか一人だけ除外されていた政人が少し不機嫌そうな声で言ってくる。
皆暫く話を続けながら政人の側に行き、ジョンの所へ申請に行く。
「ジョンさーん。俺らこのメンバーで行きまーす」
「ん?おお、お前らも決まったか。マサト、ソータ、タケル、イズミ、アカリ、ノゾミの六人か。それでリーダーは誰なんだ?」
「リーダー?」
「そのパーティーの責任者だが、決まってないのなら今決めてくれないか?」
自己紹介をしていた為決めていない。
決まったらまた言いに来てくれ、とジョンは言い残してどこかに行ってしまった。
その後、政人と颯太の部屋に引き上げて、どうしようか話し合っていた時、不意に政人が手を上げた。
「はいはい!」
「政人やってくれるの?」
「いんや、推薦」
「誰々?」
「颯太!やってくんね?」
「「「「えっ?」」」」
「は?」
完全に予想外を突かれた事に驚いている四人と、自分に回ってくるとは微塵も思っておらず空気とかしていた颯太。
「……なんで俺?」
「颯太ならパーティーを上手く纏めてくれそうな気がしてさ。頼むよ~」
「……」
政人は屈託のない笑顔で颯太に頼む。
颯太は目立ちたくない。
故に凄い形相で政人を睨んでしまっていることに、颯太自身は気付かなかった。
そしてそれを見てパーティー全体が引いたことも。
「…俺、あんま目立つことしたくないんだけど」
「だ、大丈夫大丈夫!パーティーリーダーっていっても、やること少ないし目立たないって……多分」
「た、立花君ってあんな風に怒るんだ…」
「顔めっちゃ怖ぇ…てか恐ろしい」
「なんか肌寒くなってきよった…こない寒かったか今日…?」
「……」
こんな会話が外野側から聞こえてきたり、何も言わないが青ざめているであろう伊澄が居たりしているのも颯太は分かっているが、なんとしてもこれは回避したかった。
どうやって逃げ切ろうか思考を全力で回転させていたせいで、彼らの接近に気がつけなかった颯太は数分後、大いに後悔する事となる。
…ドタドタドタドタ、バンッ!
「「そーーたぁぁぁぁぁ‼」」
「「「「「「!?」」」」」」
ドスッ!
「うおっ!」
「「まじなんで颯太と一緒のパーティー組めねぇんだ!最悪だぁ!」」
「はぁ!っくそ!離れろ二人共!」
「「やだ!」
「やだでもいやでもねぇ!離れろ!」
「「NO‼」」
「おい!」
『( ゚д゚)ポカーン』
「…あはははは」
盛大に足音をたてながら部屋に駆け込んできた、この世界の勇者で、学校でも人気者の綾乃と大輝の二人は、いきなり飛び込んできたかと思うと二人して颯太に抱きつき駄々をこねている。
颯太は驚いて、突然乱入して抱きついてきた二人を引き剥がそうと躍起になっている。
そんな三人の様子を見て呆気にとられている四人と、もう大分慣れてきたが、久しぶりの二人の溢れる颯太大好きオーラに乾いた笑いを出すのが精一杯の政人。
場がカオスだ。
「え、え?何これどゆこと?」
「落ち着け猛。あれが事実だ」
「え?つまりは、立花はんがあの人気者二人と一緒におるんやなくて……あの二人が、立花はんと一緒におるって事かいな?」
「…あんな一宮さんと江川君、初めて見た…」
「…私も…」
「~~っ!いい加減に、しろ‼」
ゴスッ‼
「「んぎゃ‼」」
取り敢えず二人に、颯太からキツめの拳骨が落とされたことで、ようやく場が収まった。
「「…ごめんなさい…」」
二人して土下座。
椅子に腕と足組んで黒い笑顔で座り、そんな二人を見下ろす颯太。
政人はちょっとデジャヴを感じた。
他四人はドン引いている。
「……」
(((((((いや無言怖ぇよ!)))))))
その場で颯太以外の心の声が一致した瞬間であった。
「…はぁ…」
「「Σ(・∀・;)」」
徐ろに溜息をつく颯太に、何故か怒られていない他のメンバーも驚いて身を引く。
颯太は気にせず口を開く。
「あのさぁ…お前らここに何しに来たの?」
「「…たまたま散歩中に通りかかったので…」」
「本当は?」
「「颯太に会いに来ましたごめんなさい」」
やっぱりか、といった顔をする颯太と、カラカラとまた乾いた笑いの政人と、呆然と成り行きを見守るその他四人。
「…会いに来るのは良いとしてさぁ…部屋の入り方、どうなの?」
「「はい、海より深く反省しております!」」
「……今日の夜、綾乃は素振り、大輝は突き、それぞれ二千回追加」
「「謹んでお受けします!」」
二人のペナルティを定めた所で、颯太は立ち上がって政人に言った。
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