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(第3話)キャティ・マーチ!
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カンカン照りの八月、午後三時。東京・代々木公園通りでは、夏の恒例パレード「カラーパレード・キャティマーチ」が始まろうとしていた。
先頭に立つのは、真紅のユニフォームに金の飾りをあしらった、チアリーダー風のパフォーマンスチーム《CATTY》。今年のリーダーは、両腕のない少女、神谷レイだった。
生まれつき両上肢を欠損していたレイは、義手をつけることを選ばず、訓練をすべて脚と声、そして姿勢で乗り越えてきた。彼女の美しいポージングと、完璧なタイミングのステップは、他のどんなメンバーよりも観客の視線をさらっていた。
「キャティ!いきます!」
合図と共に、重低音のドラムが鳴り響き、彼女たちは一糸乱れぬ動きで前へ進む。スパンコールの衣装が陽光を反射し、通りを赤金の光で満たす。
沿道の観客は息を呑む。レイの笑顔は揺るがず、むしろどこか誇らしげだった。
「不自由なのは体じゃない。気持ちだよね」
これは彼女の口癖。去年まで引っ込み思案だった後輩のユミが、その言葉に背中を押されて今、彼女のすぐ後ろを踊っている。
フィナーレの音が鳴る。最後の一列ステップを揃えた瞬間、観客席からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。腕はなくとも、レイの存在は誰よりも大きく、華やかだった。
その日、SNSでは「#キャティマーチ」「#腕がなくても華がある」がトレンド入りし、レイの写真が拡散された。
でも彼女は、パレードが終わったあと、そっと口元に手足を持っていき、こう呟いた。
「見てて。来年はもっとすごくなるから」
そう言って、白いブーツのかかとを鳴らしながら、仲間と笑い合っていた。
先頭に立つのは、真紅のユニフォームに金の飾りをあしらった、チアリーダー風のパフォーマンスチーム《CATTY》。今年のリーダーは、両腕のない少女、神谷レイだった。
生まれつき両上肢を欠損していたレイは、義手をつけることを選ばず、訓練をすべて脚と声、そして姿勢で乗り越えてきた。彼女の美しいポージングと、完璧なタイミングのステップは、他のどんなメンバーよりも観客の視線をさらっていた。
「キャティ!いきます!」
合図と共に、重低音のドラムが鳴り響き、彼女たちは一糸乱れぬ動きで前へ進む。スパンコールの衣装が陽光を反射し、通りを赤金の光で満たす。
沿道の観客は息を呑む。レイの笑顔は揺るがず、むしろどこか誇らしげだった。
「不自由なのは体じゃない。気持ちだよね」
これは彼女の口癖。去年まで引っ込み思案だった後輩のユミが、その言葉に背中を押されて今、彼女のすぐ後ろを踊っている。
フィナーレの音が鳴る。最後の一列ステップを揃えた瞬間、観客席からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。腕はなくとも、レイの存在は誰よりも大きく、華やかだった。
その日、SNSでは「#キャティマーチ」「#腕がなくても華がある」がトレンド入りし、レイの写真が拡散された。
でも彼女は、パレードが終わったあと、そっと口元に手足を持っていき、こう呟いた。
「見てて。来年はもっとすごくなるから」
そう言って、白いブーツのかかとを鳴らしながら、仲間と笑い合っていた。
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