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第二章 藍と学校
109. “雷神”エレクトラ Elektra, The God of Thunder
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先程オイディプスに向けていた慈愛に満ちた笑顔から一転して、ヘラヘラと相手を嘲笑うエレクトラ。
「……黙りなさい。私は確かに裏切り者だけど、自分の信念を裏切ったことはないわ。それに……今回先に裏切ったのは貴女でしょう……?エレクトラ。」
「おいおい、そりゃあおれが始めた人間体差別のことか?あれは確かに始めたのはおれだがぁ……その後勝手にそれに乗っかったのは誰だ?……民衆だ。
つまり、皆常に自分より下に追いやれる誰かを得て安心したいんだよ。だからおれが差別思想を持ち込めばあっという間に皆それを叩き棒にする。
ほんとうに世界がそんなに清廉なら、差別思想を吹聴してまわったおれが袋叩きにあうはずだろ?
でも現実はどうだ?
……ほらこの通り、おれぁピンピンしてる。
民衆は自分より弱ぇ奴しか叩けねぇからだ。
そうやって自分を慰めるのが、こころに余裕のない、自分の現状に満足できない……そんな奴らの“唯一の生き甲斐”なんだよ。それを奪おうってのはァ……随分とぉ残酷じゃあねぇか?」
◇◆◇
「――だから私が皆に代わって貴女に鉄槌を下す。誰もやらないなら、私がやるしかない。民衆は確かに弱いわ……そして群れると考え無しでもある……でも一人一人は馬鹿じゃあないわ。
貴女は地獄の概念を持ち込んで、それを利用して時代の風雲児にでもなった気でいるかも知れないけど、いつか必ず民草がそれに気がつく日が来るわ。
『この世界は歪められてしまった。』
と……そう気がつく。そうしたらどうなると思う?そうしたら民衆がこの世の悪だと、自分たちの敵だと標的にするのは……貴女よ、エレクトラ。
それに民衆は群れると容赦しなくなる、一人一人は理性を持っていても、“皆やっているんだから”という免罪符を手に入れたら……彼らは権威や権力でも制御できないわ。
そうしたら、皆が貴女にとって“最悪の標的”を選ぶ。……つまり、貴女自身じゃなくて、貴女の夫……オイディプス様や、貴女の子ども……ゲアーター君よ。
そういった時、貴女……彼らを守りきれるの?
この世でもっとも恐ろしいもの……地獄から堕ちてきた……地球人共の“悪意”から……!
貴女は地獄から“賢者の贈り物”でも見つけた気がしているかも知れないけれど……それはただの“原罪”よ。
いつか、貴女の身を滅ぼす時が来るわ。」
黒い砂塵の心をバチバチと響かせながら、アデライーダが忠告する。
「盛り上がってるとこワリィが……おれが身を滅ぼすことはねぇ……そして、誰にも俺のオイディプスに手を出させはしねぇ。
……おれは《命を懸けて夫を護る》と誓った。彼奴に結婚を申し込んだときにな。」
エレクトラがチラリと敵から目を逸らして、後ろに離れた夫を見遣る。
――その瞬間だった。
エレクトラが視線を戻すと、砂塵と化したアデライーダの拳が既に眼前に迫っていた。それが、エレクトラの頬に触れた瞬間に、エレクトラの顔面が爆発する。
◇◆◇
エレクトラは大きく仰け反り、アデライーダは爆風から逃れる為に後ろに飛び受け身を取る。
「オイオイオイ……人が愛しい夫に見惚れてるうちに不意打ちかぁ……?
やっぱりロイヤル王国仕込の“高貴”さは随分と質がいいみてぇだなァ……?」
「黙りなさい。忠実なる騎士の……ロイヤル王国の、ロイヤルとは“忠実さ”のことよ……“高貴さ”なんてのは貴女みたいな勘違い野郎が言ってるだけよ。」
「“忠実さ”、ねぇ……2回も裏切ったやつが言うには随分と安い言葉だなぁ?
忠実なやつが裏切りなんかするかぁ?」
「そうやってペラペラ喋って、相手の心を乱すのは貴女の得意技だけど……私には効かないわ。
私はいつだって自分の信念に“忠実に”生きてきたからね。
……触れると爆発する心……いつの間にそんなの身につけたの?
お得意の雷撃は……“雷霆”はどうしたのよ?」
クククッとエレクトラが愉快そうに笑う。
「これは地獄の爆発反応装甲を参考に作った技だ。敵がおれに触れりゃ自動的に爆発し、敵の攻撃の勢いを殺して、防御と反撃を同時に行える。」
アデライーダはなるべく相手に喋らせて、長く時間を稼いでいる間に、頭を回転させてどうやってあの爆発の装甲を突き破るかを考えていた。
「……オマエ……時間稼ぎしてんだろ?」
「なんの話よ?」
「知ってっかぁ?戦いってのぁ、必ず悪い奴が勝つようにできてる。相手が使えねぇ汚い手を使えるからさ。」
「……だから、なんの話よ?」
◇◆◇
「なんでおれが、仮にも昔このおれと三日三晩戦り合えたぐれぇつえぇテメェとの決闘を受けたと思う?
敵が糞雑魚ならともかく……万が一でも負け筋の残る勝負をおれがすると思うか?えぇ?“砂神”アデライーダさんよぉ?
流石におれが“雷神”エレクトラ様とはいえ、“砂神”ともし正面から戦いやぁ……ただじゃあすまねぇもなあ……?」
相手を嘲笑う、しかしアデライーダの実力は認めた瞳で話すエレクトラ。
「……卑怯な手を使うと宣言されて、私がそれに、まんまと引っかかるとでも?」
「バレても十分効果があるからバラしてんだよ、馬鹿……死んどけ。」
「流石の貴女でも、身体の全てを私の砂塵で覆われたらどうなるかしらねぇ?」
《――砂漠の黒死病》
アデライーダが両腕前に突き出して、両手を握り込む。すると黒い砂塵が二つの波となって、エレクトラに近づき、周りをぐるぐると回り、一つの大きな球となり、彼女を包みこんだ。
砂塵のなかでエレクトラに触れた部分から爆発していき、その度に砂神の球が轟音とともに不自然に膨らんではまた元の形に戻る。
アデライーダは自身の心の流動に反応して両手が離れそうになるたびに、しっかりと握り直して、決して逃げ道を与えないようにする。
「ぐっ……!!」
爆発の衝撃が大きすぎて、アデライーダの砂塵がドンドンと広がっていく。それは心に呼応して彼女の指に少し隙間ができた瞬間だった。
砂塵の中から右手が爆炎と共に突き出てきた。アデライーダの砂塵が爆風で散らされていく。
そこから現れたのは、白かった目は黒く染まり、銀色だった髪は紅く爆発しているエレクトラだった。
◇◆◇
「!?……貴女……何よ、その姿……!?」
「あぁ……いいだろう?これ。
オマエはおれが得意な心が雷だってことも知ってるし、対処法だって知ってる……だからその対策はしてくるだろうと思ってなぁ……。
地獄の影響かは知らねぇが……今のおれはどうにも怒りが抑えらんねぇ……それもこれまで感じた事のなかった……地獄的な……いや、人間的な怒りだぁ……。
これは、地球っつう糞の塊の、その上を這いずり回る害虫どもの感情なんだろう……。
あぁ……気分いいぜぇ……“原罪”を背負う代わりに手に入れたら、“他人を害して悦に入る”っていう地球人共特有の悦楽を手に入れたんだ……!!」
「……貴女……そこまで堕ちたのね……!
……いい?……地獄の深淵に近づくということは、自分自身もその深さに飲み込まれる危険を常に孕んでいるのよ!!
しかも、“原罪”は一度知ってしまったら二度と文学界の……“無垢”な存在には戻れない……!!」
「あーあーあー、羽虫がブンブンとうるせぇなぁ……イライラしてくるぜぇ……この人間的な強さを手に入れたおれにもう敵はねぇ……!!
だってこんなクソみてぇな気持ち、ゴミみてぇな心は……地球人にしか生み出せねぇ……。
地球人は便器にこびりついた糞と同じだ。
生まれたときから、親の同情を得るために泣き、きょうだいがいれば親の愛情独り占めする為に蹴落とし、気に入らねぇやつがいれば徒党を組んで虐める。
こんな心があるかぁ?
……こんなに強いこころがよぉ……!!」
「……黙りなさい。私は確かに裏切り者だけど、自分の信念を裏切ったことはないわ。それに……今回先に裏切ったのは貴女でしょう……?エレクトラ。」
「おいおい、そりゃあおれが始めた人間体差別のことか?あれは確かに始めたのはおれだがぁ……その後勝手にそれに乗っかったのは誰だ?……民衆だ。
つまり、皆常に自分より下に追いやれる誰かを得て安心したいんだよ。だからおれが差別思想を持ち込めばあっという間に皆それを叩き棒にする。
ほんとうに世界がそんなに清廉なら、差別思想を吹聴してまわったおれが袋叩きにあうはずだろ?
でも現実はどうだ?
……ほらこの通り、おれぁピンピンしてる。
民衆は自分より弱ぇ奴しか叩けねぇからだ。
そうやって自分を慰めるのが、こころに余裕のない、自分の現状に満足できない……そんな奴らの“唯一の生き甲斐”なんだよ。それを奪おうってのはァ……随分とぉ残酷じゃあねぇか?」
◇◆◇
「――だから私が皆に代わって貴女に鉄槌を下す。誰もやらないなら、私がやるしかない。民衆は確かに弱いわ……そして群れると考え無しでもある……でも一人一人は馬鹿じゃあないわ。
貴女は地獄の概念を持ち込んで、それを利用して時代の風雲児にでもなった気でいるかも知れないけど、いつか必ず民草がそれに気がつく日が来るわ。
『この世界は歪められてしまった。』
と……そう気がつく。そうしたらどうなると思う?そうしたら民衆がこの世の悪だと、自分たちの敵だと標的にするのは……貴女よ、エレクトラ。
それに民衆は群れると容赦しなくなる、一人一人は理性を持っていても、“皆やっているんだから”という免罪符を手に入れたら……彼らは権威や権力でも制御できないわ。
そうしたら、皆が貴女にとって“最悪の標的”を選ぶ。……つまり、貴女自身じゃなくて、貴女の夫……オイディプス様や、貴女の子ども……ゲアーター君よ。
そういった時、貴女……彼らを守りきれるの?
この世でもっとも恐ろしいもの……地獄から堕ちてきた……地球人共の“悪意”から……!
貴女は地獄から“賢者の贈り物”でも見つけた気がしているかも知れないけれど……それはただの“原罪”よ。
いつか、貴女の身を滅ぼす時が来るわ。」
黒い砂塵の心をバチバチと響かせながら、アデライーダが忠告する。
「盛り上がってるとこワリィが……おれが身を滅ぼすことはねぇ……そして、誰にも俺のオイディプスに手を出させはしねぇ。
……おれは《命を懸けて夫を護る》と誓った。彼奴に結婚を申し込んだときにな。」
エレクトラがチラリと敵から目を逸らして、後ろに離れた夫を見遣る。
――その瞬間だった。
エレクトラが視線を戻すと、砂塵と化したアデライーダの拳が既に眼前に迫っていた。それが、エレクトラの頬に触れた瞬間に、エレクトラの顔面が爆発する。
◇◆◇
エレクトラは大きく仰け反り、アデライーダは爆風から逃れる為に後ろに飛び受け身を取る。
「オイオイオイ……人が愛しい夫に見惚れてるうちに不意打ちかぁ……?
やっぱりロイヤル王国仕込の“高貴”さは随分と質がいいみてぇだなァ……?」
「黙りなさい。忠実なる騎士の……ロイヤル王国の、ロイヤルとは“忠実さ”のことよ……“高貴さ”なんてのは貴女みたいな勘違い野郎が言ってるだけよ。」
「“忠実さ”、ねぇ……2回も裏切ったやつが言うには随分と安い言葉だなぁ?
忠実なやつが裏切りなんかするかぁ?」
「そうやってペラペラ喋って、相手の心を乱すのは貴女の得意技だけど……私には効かないわ。
私はいつだって自分の信念に“忠実に”生きてきたからね。
……触れると爆発する心……いつの間にそんなの身につけたの?
お得意の雷撃は……“雷霆”はどうしたのよ?」
クククッとエレクトラが愉快そうに笑う。
「これは地獄の爆発反応装甲を参考に作った技だ。敵がおれに触れりゃ自動的に爆発し、敵の攻撃の勢いを殺して、防御と反撃を同時に行える。」
アデライーダはなるべく相手に喋らせて、長く時間を稼いでいる間に、頭を回転させてどうやってあの爆発の装甲を突き破るかを考えていた。
「……オマエ……時間稼ぎしてんだろ?」
「なんの話よ?」
「知ってっかぁ?戦いってのぁ、必ず悪い奴が勝つようにできてる。相手が使えねぇ汚い手を使えるからさ。」
「……だから、なんの話よ?」
◇◆◇
「なんでおれが、仮にも昔このおれと三日三晩戦り合えたぐれぇつえぇテメェとの決闘を受けたと思う?
敵が糞雑魚ならともかく……万が一でも負け筋の残る勝負をおれがすると思うか?えぇ?“砂神”アデライーダさんよぉ?
流石におれが“雷神”エレクトラ様とはいえ、“砂神”ともし正面から戦いやぁ……ただじゃあすまねぇもなあ……?」
相手を嘲笑う、しかしアデライーダの実力は認めた瞳で話すエレクトラ。
「……卑怯な手を使うと宣言されて、私がそれに、まんまと引っかかるとでも?」
「バレても十分効果があるからバラしてんだよ、馬鹿……死んどけ。」
「流石の貴女でも、身体の全てを私の砂塵で覆われたらどうなるかしらねぇ?」
《――砂漠の黒死病》
アデライーダが両腕前に突き出して、両手を握り込む。すると黒い砂塵が二つの波となって、エレクトラに近づき、周りをぐるぐると回り、一つの大きな球となり、彼女を包みこんだ。
砂塵のなかでエレクトラに触れた部分から爆発していき、その度に砂神の球が轟音とともに不自然に膨らんではまた元の形に戻る。
アデライーダは自身の心の流動に反応して両手が離れそうになるたびに、しっかりと握り直して、決して逃げ道を与えないようにする。
「ぐっ……!!」
爆発の衝撃が大きすぎて、アデライーダの砂塵がドンドンと広がっていく。それは心に呼応して彼女の指に少し隙間ができた瞬間だった。
砂塵の中から右手が爆炎と共に突き出てきた。アデライーダの砂塵が爆風で散らされていく。
そこから現れたのは、白かった目は黒く染まり、銀色だった髪は紅く爆発しているエレクトラだった。
◇◆◇
「!?……貴女……何よ、その姿……!?」
「あぁ……いいだろう?これ。
オマエはおれが得意な心が雷だってことも知ってるし、対処法だって知ってる……だからその対策はしてくるだろうと思ってなぁ……。
地獄の影響かは知らねぇが……今のおれはどうにも怒りが抑えらんねぇ……それもこれまで感じた事のなかった……地獄的な……いや、人間的な怒りだぁ……。
これは、地球っつう糞の塊の、その上を這いずり回る害虫どもの感情なんだろう……。
あぁ……気分いいぜぇ……“原罪”を背負う代わりに手に入れたら、“他人を害して悦に入る”っていう地球人共特有の悦楽を手に入れたんだ……!!」
「……貴女……そこまで堕ちたのね……!
……いい?……地獄の深淵に近づくということは、自分自身もその深さに飲み込まれる危険を常に孕んでいるのよ!!
しかも、“原罪”は一度知ってしまったら二度と文学界の……“無垢”な存在には戻れない……!!」
「あーあーあー、羽虫がブンブンとうるせぇなぁ……イライラしてくるぜぇ……この人間的な強さを手に入れたおれにもう敵はねぇ……!!
だってこんなクソみてぇな気持ち、ゴミみてぇな心は……地球人にしか生み出せねぇ……。
地球人は便器にこびりついた糞と同じだ。
生まれたときから、親の同情を得るために泣き、きょうだいがいれば親の愛情独り占めする為に蹴落とし、気に入らねぇやつがいれば徒党を組んで虐める。
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