78 / 140
第77話 共に歩み、共に進む
しおりを挟む
私達の体は宙を舞う。
それはほんのひと時だけの解放。
いずれは大地の腕に抱かれる事が分かっていたとしても、私達の意思を示すために自ら選んだ選択だった。
不安定な空中にあるからか、私とグラジオスの間に僅かながら隙間が生まれる。
私も、そしてグラジオスも。互いが離れることなど認められないとでも言うかのように両腕に力を籠めて抱きしめ合った。
私達はやがて来るであろう衝撃に備えて身を固くして――。
「――あれ?」
いつまで経ってもそれが訪れない事に疑問を抱いた。
私はいつの間にか閉じてしまっていた目をうっすらと開けて――。
「落とすなよ!」
「大丈夫ですか、殿下」
「少年もよく殿下を守ってくれたな」
私達は大勢の人々によって受け止められていた。
彼らは口々に私達へと声をかける。
その中にはちょっとだけ聞き捨てならない言葉もあったけれど、今は不思議と腹も立たない。
私とグラジオスはこの状況が全く飲み込めず、二人して顔を見合わせて目をぱちくりさせていた。
「せーのっ」
掛け声と共にゆっくりと体が下降して地面に下ろされる。
私の体と、それから多分グラジオスの体にも傷は一つも付いていないだろう。
殿下、殿下と口々にグラジオスの身を案じる声が上がる。
人々は心からグラジオスの事を心配している様だった。
「殿下が怪我してらっしゃるぞ。誰か包帯を」
「この手ぬぐい使って」
誰かが先ほど刺された所の治療を始めた様だ。
誰かの手が、私の肩に置かれる。
「君、立てるかい?」
「あ、は、はい」
私は戸惑いながらもグラジオスの体から離れようとして……。
「うにっ?」
「つぅっ」
背中に何かが当たってがしゃりと音を立てた。同時にグラジオスも苦悶の声を上げる。
私は手枷を填められたグラジオスの腕の中にすっぽりと納まっていたのだが、それを忘れて立ち上がろうとしたために手枷を強く引っ張ってしまった様だった。
「ご、ごめん」
私は謝罪しながら体を折って、グラジオスの腕をそれ以上引っ張らないようにする。
「い、いや、大したことじゃない。だいじょう……ぶ……」
何故かグラジオスの言葉が途中で止まってしまった。
理由は分からないが、顔を赤くしてじっとこちらを――いや、少し視線は下がって私の胸元を見つめているようで……。
私はグラジオスの視線を追って自分の胸を見下ろして――気付く。
私の服は、カシミールによって真ん中から切り裂かれており、私の胸部を隠すという一番大事な役目を果たす力を失っていた。
つまりグラジオスは私の胸からお腹まで、全てを余すところなくじっくり観察できたという事で――。
「バカバカ、グラジオスのエッチ! スケベ! 変態!」
私は慌てて胸の前で服をかき寄せる。
「なんで見てるのよ、バカ!」
グラジオスに見られてしまった。しかも穴が開くほどじっくりと。
それを理解した時、私の頭に血が上っていくのを感じた。
羞恥で全身は真っ赤に染まり、見られてしまったという事しかほとんど考えられなくなっていた。
私は思わず手を振り上げてグラジオスに叩きつけようとしたが、ひとかけら残った理性でそれを抑え込む。
一応、曲がりなりにも私を庇おうとしてくれたんだし、と空中で私を抱きしめてくれた事を思い出して……私は自分の体温が更に上がっていくのを感じた。
「仕方ないだろ、事故だ!」
「目は閉じられたでしょ、このドスケベ!」
「ぐっ」
グラジオスを黙らせた私は、這うようにして彼の腕の中から脱出する。
途中、その……うん。ちょっと大きくしていたことは見逃しておく。
でもしっかりと脳内の『あとでする制裁メモ』に書き残しておいた。
私とグラジオスは人の手を借りて立ち上がると、脱出したばかりのバルコニーを見上げる。
そこにはカシミールが手すりから身を乗り出し、怒りで全身を震わせながらこちらをきつく睨みつけていた。
私とグラジオスは周りのみんなに礼を言い、カシミールと対峙する。
「貴様ら、その反逆者どもに手を貸した貴様らだ」
カシミールは私達から視線を外さないまま、周りの人たちを指さす。
彼らは私達が追い詰められている事に気付いて、わざわざ受け止めるために集まってくれた人たちだ。
何故か。それは問うまでもない。
すべてはグラジオスがやってきたことの結果だった。
民のみんなに寄り添い、その場に行って直接話を聞いて人々の不満を吸い上げる。そんな地味な事をずっと続けたうえで培われた信頼。
民の為に歌い、音楽を奏でた事で築かれた絆。
カシミールにはないグラジオスだけのものだ。
「貴様たちには罰を与える。貴様たちの家族もだ。だが、そいつらを捕らえてここに連れてくればその罪を免じてやろう」
カシミールが脅す。だがそんなもので壊れるほどこの関係性はちゃちなものではない。
「更に褒美をくれてやる。そいつらがお前達から巻き上げた金は、金貨数万枚を超える。それをくれてやろう。ただし一番初めにそいつらを連れて来た者にだけだ」
いくら上乗せしても、みんな一ミリたりとも動かない。誰一人として私達を捕らえようとはせず、ただ冷めた瞳でカシミールを見つめていた。
もう、分かっていた。
それが答えだと。
私は、私達は、今更それに気付いた事を少し恥じる。
私とグラジオスは、一番大切な仲間の存在を忘れていたのだ。
「グラジオス」
「……ああ」
私はグラジオスの袖を引っ張り合図を送ると、グラジオスは何も言わなくとも私の体を持ち上げ、人々の方へと振り向いてくれた。
グラジオスの肩に乗った私からは、一人ひとりの顔がよく見える。
彼ら、彼女たちは何も言わずにじっと見返してくれていた。私達と、カシミールを。
「ここに居る全ての人達に問う!」
私は高らかに声を上げる。
「あなた達は如何なる王を望む!?」
腕を振り上げ、カシミールを示す。
「あなた達の上に君臨し、力で支配する王を望むかそれとも――」
グラジオスの頭に手を乗せ、共に人々を見る。
「あなた方と共に歌う王を望むか!?」
私は深く、深く息を吸い込む。最後の言葉を、最大の選択を突きつけ、問いかけるために。
「あなた達一人ひとりが決めろっ!!」
グラジオスが歩き出す。
人々に背を向けて。
だがそれは人々に反するためではない。
共に歩むためだ。
一歩一歩、大地を踏みしめるたびに、グラジオスの足に着けられた鎖が鈴の様な音を奏でる。
私には、それがまるで――。
――紅蓮の弓矢――
歌えと言っているように聞こえた。
だから歌い出す。
グラジオスと共に。
抗うために。
意志を示すために。
反逆の歌を。
解放の歌を!
「進めぇー!!」
「俺達の手で新しい王をお守りしろー!」
誰かが自らの意志を、選択を口にする。
誰かが私達と同じ歌を口にする。
みんなが私達と共に歩き出す。
カシミールへ向かって。
人々は拳を握り締め、私達を追い越し我先にと王宮の中になだれ込んでいく。
すべてはグラジオスを新しい王にするために。
王宮は陥落した。その国に住まう人々の手によって。
そして、同じ人々の手によって新しい王が生まれたのだった。
それはほんのひと時だけの解放。
いずれは大地の腕に抱かれる事が分かっていたとしても、私達の意思を示すために自ら選んだ選択だった。
不安定な空中にあるからか、私とグラジオスの間に僅かながら隙間が生まれる。
私も、そしてグラジオスも。互いが離れることなど認められないとでも言うかのように両腕に力を籠めて抱きしめ合った。
私達はやがて来るであろう衝撃に備えて身を固くして――。
「――あれ?」
いつまで経ってもそれが訪れない事に疑問を抱いた。
私はいつの間にか閉じてしまっていた目をうっすらと開けて――。
「落とすなよ!」
「大丈夫ですか、殿下」
「少年もよく殿下を守ってくれたな」
私達は大勢の人々によって受け止められていた。
彼らは口々に私達へと声をかける。
その中にはちょっとだけ聞き捨てならない言葉もあったけれど、今は不思議と腹も立たない。
私とグラジオスはこの状況が全く飲み込めず、二人して顔を見合わせて目をぱちくりさせていた。
「せーのっ」
掛け声と共にゆっくりと体が下降して地面に下ろされる。
私の体と、それから多分グラジオスの体にも傷は一つも付いていないだろう。
殿下、殿下と口々にグラジオスの身を案じる声が上がる。
人々は心からグラジオスの事を心配している様だった。
「殿下が怪我してらっしゃるぞ。誰か包帯を」
「この手ぬぐい使って」
誰かが先ほど刺された所の治療を始めた様だ。
誰かの手が、私の肩に置かれる。
「君、立てるかい?」
「あ、は、はい」
私は戸惑いながらもグラジオスの体から離れようとして……。
「うにっ?」
「つぅっ」
背中に何かが当たってがしゃりと音を立てた。同時にグラジオスも苦悶の声を上げる。
私は手枷を填められたグラジオスの腕の中にすっぽりと納まっていたのだが、それを忘れて立ち上がろうとしたために手枷を強く引っ張ってしまった様だった。
「ご、ごめん」
私は謝罪しながら体を折って、グラジオスの腕をそれ以上引っ張らないようにする。
「い、いや、大したことじゃない。だいじょう……ぶ……」
何故かグラジオスの言葉が途中で止まってしまった。
理由は分からないが、顔を赤くしてじっとこちらを――いや、少し視線は下がって私の胸元を見つめているようで……。
私はグラジオスの視線を追って自分の胸を見下ろして――気付く。
私の服は、カシミールによって真ん中から切り裂かれており、私の胸部を隠すという一番大事な役目を果たす力を失っていた。
つまりグラジオスは私の胸からお腹まで、全てを余すところなくじっくり観察できたという事で――。
「バカバカ、グラジオスのエッチ! スケベ! 変態!」
私は慌てて胸の前で服をかき寄せる。
「なんで見てるのよ、バカ!」
グラジオスに見られてしまった。しかも穴が開くほどじっくりと。
それを理解した時、私の頭に血が上っていくのを感じた。
羞恥で全身は真っ赤に染まり、見られてしまったという事しかほとんど考えられなくなっていた。
私は思わず手を振り上げてグラジオスに叩きつけようとしたが、ひとかけら残った理性でそれを抑え込む。
一応、曲がりなりにも私を庇おうとしてくれたんだし、と空中で私を抱きしめてくれた事を思い出して……私は自分の体温が更に上がっていくのを感じた。
「仕方ないだろ、事故だ!」
「目は閉じられたでしょ、このドスケベ!」
「ぐっ」
グラジオスを黙らせた私は、這うようにして彼の腕の中から脱出する。
途中、その……うん。ちょっと大きくしていたことは見逃しておく。
でもしっかりと脳内の『あとでする制裁メモ』に書き残しておいた。
私とグラジオスは人の手を借りて立ち上がると、脱出したばかりのバルコニーを見上げる。
そこにはカシミールが手すりから身を乗り出し、怒りで全身を震わせながらこちらをきつく睨みつけていた。
私とグラジオスは周りのみんなに礼を言い、カシミールと対峙する。
「貴様ら、その反逆者どもに手を貸した貴様らだ」
カシミールは私達から視線を外さないまま、周りの人たちを指さす。
彼らは私達が追い詰められている事に気付いて、わざわざ受け止めるために集まってくれた人たちだ。
何故か。それは問うまでもない。
すべてはグラジオスがやってきたことの結果だった。
民のみんなに寄り添い、その場に行って直接話を聞いて人々の不満を吸い上げる。そんな地味な事をずっと続けたうえで培われた信頼。
民の為に歌い、音楽を奏でた事で築かれた絆。
カシミールにはないグラジオスだけのものだ。
「貴様たちには罰を与える。貴様たちの家族もだ。だが、そいつらを捕らえてここに連れてくればその罪を免じてやろう」
カシミールが脅す。だがそんなもので壊れるほどこの関係性はちゃちなものではない。
「更に褒美をくれてやる。そいつらがお前達から巻き上げた金は、金貨数万枚を超える。それをくれてやろう。ただし一番初めにそいつらを連れて来た者にだけだ」
いくら上乗せしても、みんな一ミリたりとも動かない。誰一人として私達を捕らえようとはせず、ただ冷めた瞳でカシミールを見つめていた。
もう、分かっていた。
それが答えだと。
私は、私達は、今更それに気付いた事を少し恥じる。
私とグラジオスは、一番大切な仲間の存在を忘れていたのだ。
「グラジオス」
「……ああ」
私はグラジオスの袖を引っ張り合図を送ると、グラジオスは何も言わなくとも私の体を持ち上げ、人々の方へと振り向いてくれた。
グラジオスの肩に乗った私からは、一人ひとりの顔がよく見える。
彼ら、彼女たちは何も言わずにじっと見返してくれていた。私達と、カシミールを。
「ここに居る全ての人達に問う!」
私は高らかに声を上げる。
「あなた達は如何なる王を望む!?」
腕を振り上げ、カシミールを示す。
「あなた達の上に君臨し、力で支配する王を望むかそれとも――」
グラジオスの頭に手を乗せ、共に人々を見る。
「あなた方と共に歌う王を望むか!?」
私は深く、深く息を吸い込む。最後の言葉を、最大の選択を突きつけ、問いかけるために。
「あなた達一人ひとりが決めろっ!!」
グラジオスが歩き出す。
人々に背を向けて。
だがそれは人々に反するためではない。
共に歩むためだ。
一歩一歩、大地を踏みしめるたびに、グラジオスの足に着けられた鎖が鈴の様な音を奏でる。
私には、それがまるで――。
――紅蓮の弓矢――
歌えと言っているように聞こえた。
だから歌い出す。
グラジオスと共に。
抗うために。
意志を示すために。
反逆の歌を。
解放の歌を!
「進めぇー!!」
「俺達の手で新しい王をお守りしろー!」
誰かが自らの意志を、選択を口にする。
誰かが私達と同じ歌を口にする。
みんなが私達と共に歩き出す。
カシミールへ向かって。
人々は拳を握り締め、私達を追い越し我先にと王宮の中になだれ込んでいく。
すべてはグラジオスを新しい王にするために。
王宮は陥落した。その国に住まう人々の手によって。
そして、同じ人々の手によって新しい王が生まれたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる