織田信長の妹姫お市は、異世界でも姫になる

猫パンダ

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第一章 異界からの姫君

第六話

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 桜色の空が、濃い緑色に染まり、夜が訪れる。二つあった太陽は沈み、橙色に輝く星と白銀色の月が空を飾った。薄暗くなった廊下を照らす、輝かしいシャンデリア。その輝きに負けない美しい白銀色の髪を靡かせた男が、ゆったりとした足取りで歩いていた。

 首元まである真っ赤な布地には、龍の絵が刺繍されており、同色のスボンも同様だ。黒い靴を履き、チャイナ服に身を包んだ男は、サラサラとした自身の銀髪をかき上げた。一重の切れ長の瞳は、髪と同じ銀色をしている。男はその銀を細めて、目の前にいる誰かを睨み付けた。

 「誰かと思えば、シュッタイト帝国のエイサフ王子じゃないか」

 「そなたは、帝国の晧月こうげつ皇子か。まさか、敵国の皇子にこのようなところでバッタリ会おうとはな」

 エイサフは、冷たげな青い瞳を鋭くさせ、晧月を見据える。その鋭い眼差しは、氷のように冷え冷えとしており、目が合えば凍り付きそうだ。しかし、晧月はその眼差しを受け止めて、薄暗い笑みを浮かべた。

 「異界からの姫君はどうだった?俺、召喚の儀式の際は眠っていてね。姫君達の姿は少ししか見れなかったんだ」

 「寝ていただと……?」

 言われてみれば、この男……壁にもたれ掛かりながら、目を閉じていたように思う。しかし、まさか大切な儀式の時に眠るなど。

 ーー相変わらず、雲のように掴めない男よ。

 エイサフは、ふっと唇を吊り上げた。隣国である渼帝国とは、何度か戦になったことがある。その時にこの男とも、剣を交えた。お互いの父親である王が、好戦的なため、どうしても戦になってしまうのだ。また、両王とも仲が悪かった。異界からの姫君の召喚をすると告知されてからは、冷戦状態である。これもまた、姫君を各国に王妃として迎え入れれば、すぐに王は戦を開始するだろう。姫君が白薔薇宮殿に滞在している間のみ、各国は戦をしてはならない。それは昔から、決められていたことだった。

 「それで?気に入った姫君はいるのかい?」

 晧月の問いに、エイサフは市の姿を思い浮かべた。だが、それを口に出すことはしない。

 「さぁ、どうであろうな。三人とも、魅力的だったために、何とも言えぬ」

 「へぇ。そう。まぁ、俺は敵国の皇子だし、簡単に教えてはくれないか」

 「何のことだ?私はどの姫も魅力的だと申しただろう」

 とぼけるエイサフに、晧月は目を鋭く光らせた。

 「忘れたのか、シュッタイトの王子よ。俺のこの瞳は、相手の頭の中を覗けるんだよ」

 エイサフは、表情を変えないまま、僅かに眉を寄せた。忘れた訳では無い。だからこそ、あまり頭の中で市のことを考えないようにしていたのに。一瞬でも思い浮かべたのが悪かった。晧月は、黒髪の美しい姫の残像をしっかりと銀の瞳に焼き付けたのだ。

 「そんなに、その姫が気に入ったのかい?面白いね。氷の王子と呼ばれたお前が……」

 晧月は、玩具を見つけた子供のような顔をした。長年、敵対してきた男の興味を引いた女……。一体どんな姫なのか。晧月は、エイサフが鉄仮面で、女の匂いを一切させない生真面目な男であると知っていた。まぁ、自分も同じように、女よりも血の匂いをプンプンさせていた自信はあるが。エイサフよりは、女の扱いは上だという自信もあるわけだ。

 「晧月皇子。あの姫は、私が目を付けた姫。その事を、くれぐれもお忘れなきよう」

 「そうだな。仮に俺もその姫を気に入ると、お前とは更に敵対する事になるだろう。頭の片隅にでも、留めておくよ」

 ニヤリと笑った晧月に、エイサフは嫌な予感を覚えた。きっとこの男とは、女の事でも争う事になる。そんな気がした。



 真っ白な部屋の中で、市は窓からの景色を眺めていた。その姿は、着物姿ではなく、薄い生地のネグリジェとなっている。胸元にリボンがつき、所々にフリルがあしらわれたそれは、市によく似合っていた。腰まである黒髪は、ラビアにより緩く三つ編みに結わえられている。

 ーーこちらの夜空は、緑なのだな。そして、星は夕焼けのような橙色だ。月の色は……あまり、変わりないが。

 今日という一日を終え、市の胸にどうしようもない寂しさが広がる。今朝まで、自分は城に居て……兄やマツと共に居たというのに。訳の分からない世界に呼ばれて、見知らぬ男と結ばれろと言われる。市からすれば、なんて身勝手なのだろうと思う。勝手に呼んでおいて、当然のようにこの世界に留めようとする。それに明日からは、男達との顔合わせ週間が始まるらしい。拒否権など無いらしく、市は不満げに唇を噛んだ。

 「兄上様にお会いしたい……兄上様が恋しい……」

 ホームシックというやつだ。市は、大好きな信長の高笑いを懐かしく思った。マツの厳しい声まで、恋しく思ってしまう。

 「こんばんは、お嬢さん。眠れないのかい?」

 上から降ってきた声に、市はハッとして顔を上げた。すると、男の顔がぶらんと目の前に現れて、市の瞳がみるみる丸く見開かれていく。男は、ーー悲鳴を上げられるかな、それなら黙らせよう、と物騒な事を考えたが、予想に反して市は悲鳴を上げなかった。

 バクバクと鳴る心臓を落ち着かせて、市はそろりと瞳を動かす。どうやら、近くにあった木の枝に、逆さまになってぶら下がっているようだ。男は整った唇に笑みを乗せると、くるんと回転して、市のいる部屋に飛び移った。まるで大道芸人のような軽やかさで、床にストンと着地する。暗がりで見えなかった男の顔が、部屋の中でぼんやりと浮かび上がった。

 空に浮かぶ月のような、白銀色の髪。前髪をぱつんと切り揃えた短髪は、クセがあるのか、トゲのようにあちこちに跳ねていた。一重の切れ長の瞳は、大きくて、銀色に光る宝石のよう。市にとって、馴染み深い象牙色の肌に、桜色のふっくらとした唇。少し幼さの残る顔をしているが、体つきは中々に凶暴だ。チャイナ服の上からでもわかる、鍛えられた体。市は、信長の筋肉をぼんやりと思い出してしまった。

 「初めまして。俺は渼帝国の第一皇子、渼晧月び こうげつ。君の名前は、なんていうんだい?」

 堂々と不法侵入しておきながら、悪びれもなく自己紹介を始める晧月。市は、呆気に取られながら、どこか既視感を覚えていた。この、空気を読まないところは、誰かを連想させる。

 「……市と申しまする」

 「そう。市っていうんだ。もっと、よく顔を見せて」

 晧月の男らしい指が、市の顎に触れた。くいと持ち上げられ、サラリと流れる黒髪の中に、白い可憐な顔立ちが現れる。月や星の輝きに照らされた市の顔は、どこか神々しくもあった。

 「文句無しの美人だね」

 淡々と感想を述べ、晧月は目を細める。あのエイサフが気に入った姫だ。顔が美しいという理由だけで、気に入ったとは思えない。しかし、この姫は、あまり動じないらしい。無礼だの何だのと騒ぐこともなく、晧月を見て頬を染める訳でも無い。市が今、何を考えているのか、晧月は興味を持った。ほんの興味本位で、〝 見透かしの瞳〟の力を使ってみたのだ。すると、どうだろう。顎髭を生やした、むさ苦しい男の顔が浮かび上がるではないか。

 ーー誰こいつ。

 晧月は、ぱしぱしとまばたきを繰り返した。顎髭のむさ苦しい男とは、市の兄である信長の顔なのだが、晧月が知るはずもない。

 「そろそろ、お手を離して下さいませ」

 「うん」

 市の言葉に、晧月は素直にすんなりと手を離した。……と、思いきや、市の体がふわりと浮く。突然の事に、市は目を白黒させた。晧月は軽々と市を姫抱きにし、窓枠に手をかける。市の体は、男らしい晧月の体に包まれていた。厚い胸板に頬をくっつける形になり、ほのかに白檀の香りが鼻先を擽る。

 「なにを……っ」

 「デートしよう」

 突拍子もない発言に驚く間もなく、市の体は宙を浮いた。否、落下した。

 「ひっ……」

 「あ、悲鳴は我慢してね。後々面倒臭いから」

 窓から飛び下りた晧月は、にこやかに市の口を塞いだ。女一人を抱いているにもかかわらず、楽々と着地をすると、スタスタと歩き出す。

 「別に降ろさなくていいよね。俺が抱いて歩いた方が早いし」

 足にまったくダメージを受けていないのか、晧月はピンピンとしていた。市は、あまりの展開に頭が追い付かず、どうにか深呼吸をする事で気持ちを落ち着かせている。ラビアから聞いた話によると、デートとは逢い引きのことを言うらしい。何故、この男は自分とデートなるものをしたいと言い出したのか。

 ーー思い立ったら即行動という、突拍子もない振る舞い……やはり、兄上様にそっくりじゃ……!

 ここまで失礼な行動をされて、市が怒らないのは、敬愛して止まない信長を連想させるからかもしれない。

 「どこへ行くのです?」

 「内緒。着いてからのお楽しみさ。それにしても君、随分と軽いね。体が小さいからかな」

 小さいと言われて、市はムッと唇をへの字に曲げた。

 「私が小さいのではありませぬ。あなたが大きいのです!」

 「何で怒ってるの?可愛いと思うよ、君くらいのサイズ」

 不満顔の市を不思議そうに見返す晧月。そんな晧月に毒気を抜かれた市は、ふぅと息を吐き出した。

 晧月の腕に抱かれたまま、市は先程の落下を思い出す。ラビア曰く、市の部屋は三階だったはず。そこから飛び降りて、何事も無いとは、この男の足腰はどうなっているのだろう。しかし……なかなか、楽しかったと市は口元を緩ませた。平成に生まれていたならきっと、大のジェットコースター好きになっていただろう。

 「ねぇ、市」

 晧月は、当然のように市を呼び捨てた。市は、細かい事を気にしない性質のため、素直に返事を返す。

 「はい。何でしょう」

 「君の事を、知りたいんだ。何でもいいから、教えてよ」

 「そう言われましても……」

 「例えばさ、好きな食べ物とか。趣味とか……」

 和やかな雰囲気が流れる。それを市は不思議に思った。拉致るような形で、初対面の男に抱かれているというのに、嫌悪感が全く無い。晧月の瞳に、下心を感じないからだろうか……。

 「そうですね……私は甘味が好きでございまする。特に、団子が大好きです」

 「へぇ。女の子って、ほんと甘い物好きだよね……でも、団子って、なかなか婆臭いモン好きなんだね」

 「な、婆臭いとは……失礼ではありませぬか!?」

 ヘラヘラと無害そうな顔で、なんて失礼な事を言うのだろう。市は、子供みたいに頬を膨らませた。白い両頬がプクッと饅頭のように膨らむ。ツンと尖った唇に、不満げにつり上がった眉。晧月は、目を丸くした。大人しい姫かと思えば、そうでも無いらしい。子供のように、表情豊かではないか。誘われるように、その白い頬を突くと、赤い唇から空気がぷしゅうと抜けた。

 「痛いです……」

 濡れた漆黒の瞳が、恨めしげに晧月を見上げる。自然と、晧月は唇に弧を描いていた。

 「君が、そんな顔をするから……。つついて下さいって言っているようなものじゃないか」

 「……いけずな方」

 兄に、そっくりだ。市は今までに何度も、信長に頬をつつかれてきた。所々、晧月は信長に似ている。

 「若君の好きな食べ物は、何なのですか?」

 「俺はね……何でも好きだけど。強いて言うなら肉かな」

 「肉……でございますか?」

 市に顔を近づけて、晧月は猛禽類のように目を光らせた。それはまるで、得物を狙う鷹のように……。市は、ゴクリと唾を飲み込む。

 「そう。俺、肉食系なんだよ」

 つり上がった唇から、綺麗に揃った白い歯が覗く。鋭い瞳と目を合わせた時からーー市の息が止まってしまいそうだった。赤い唇を震わせて、市は目を逸らせないままに、晧月を見上げる。宝石のような美しい銀色の虹彩。それを縁取る、白銀色のすだれのような睫毛。形の良い唇から、僅かな吐息を感じる。市の頬が、薔薇色に染まった。蜂蜜のような甘い顔立ちの筈なのに、表情は野性的で、男らしい……。

 ーー私、どうしたのだろう。

 市の唇から、吐息が漏れた。鼓動が早い。柳眉を八の字に垂らし、ぎゅっと唇を噛む。剥き出しになった、市の小さな耳まで、淡く染まっていく。

 「……はは、可愛い」

 晧月は笑みを零すと、市の頭をポンポンと優しく撫でた。ビクッと肩を震わせる市に、また笑みを零す。

 「お戯れは……よして下さいませ」

 「うん。ごめん」

 ぷるぷると震える市を見て、晧月は笑いを噛み殺す。口元を手で覆い隠して、片手で市の体を抱きながら、晧月はエイサフの顔を頭に浮かべた。この、可愛い姫を自分のものにすれば、あの鉄仮面はどんな顔をするだろう。好敵手である奴の、悔しがる顔が見れるなら、そんな愉快な事は無い。

 「着いたよ」

 晧月は足を止めると、市の体を降ろして、その小さな手を握った。市の手が緊張から固くなるが、晧月は気にすること無くある一点を指差す。

 「ほら、見てみな」

 宮殿の庭にある小さな池に、蛍が沢山飛んでいた。市の知っている蛍は黄色い光を帯びているが、ここでの蛍は桜色に光っている。まるで、桜の花びらが散っているかのようで、市は感激のため息を漏らした。

 「綺麗……」

 「でしょ。俺のお気に入りの場所なんだ」

 無数の蛍に見惚れる市に、晧月は嬉しそうに破顔した。さっきとは打って変わって、宝物を見せびらかした子供のような顔に、市の胸がドキリと鳴る。

 「とても……とても、美しいです」

 絞り出すように呟いた言葉は、か細く震えていた。何だか、晧月によって調子が崩されている。でも、不思議と嫌じゃない。市の頬はずっと赤いままだ。

 「そろそろ、帰さないとバレそうだな。帰ろっか」

 「え……」

 再び晧月に姫抱きにされ、ぼーっとしていた市は舌を噛んだ。来た時と違って、晧月は軽やかに速度を上げる。

 「あ、喋んないでね。舌噛むから」

 もう遅い。恨めしげな市の視線など気にせずに、晧月は物凄いスピードでビュンビュンと走り出した。ごおごおと風を感じて、市の眼球が空気により乾いていく。涙を滲ませながらも、市は笑った。こんなに、早く移動したことは無い。馬よりも早いのではないだろうか。まるで、忍のようだ。

 あっという間に、市の部屋が見えて来た。だが、その部屋は三階のため、随分と高い位置にある。木に登って行くつもりなのだろうか?だが、晧月はスピードを緩めないまま、片手で市を支えると、壁の半分まで駆け上がった。

 「ひゃっ……」

 「黙ってて」

 市は、出かけた悲鳴を呑み込んだ。晧月は壁を強く蹴って、市の開けっ放しになっていた部屋の窓枠に手を伸ばした。そこからは、腕一本の力で、軽々と部屋の中へと飛び移る。あまりにスリル満点な晧月の行動に、市は硬直していた体の力を抜いた。すると、どうだろう。何故か、ホッとすると笑いが込み上げてくる。

 「ふふふっ!」

 いきなり笑い出した市を、晧月はギョッと見つめた。頭でもぶつけたのだろうか。しかし、市の顔があまりに楽しそうで、晧月は何も言えないまま、まばたきを繰り返す。

 「すっごく、楽しかったです!あんなに、緊張感と恐怖を味わったのは初めて!とても、ドキドキしました……!」

 漆黒の瞳をキラキラさせて、市は飛び切りの笑顔で晧月を見つめた。子供のようにはしゃぐ市に、晧月はくすりと微笑する。

 「変わったお姫様だね。普通なら、怖がったり、泣いたりするんだろうに」

 「面白うございました!」

 「……ほんと、変なお姫様」

 花のような市の笑顔に、晧月は気分が高揚した。自分のした事で、この姫が喜んでくれるのが、何故か嬉しい。薔薇色に染まった白い頬に、そっと手を伸ばす。

 「じゃあ……また。顔合わせの時に会おう」

 今日で何回か嗅いだ白檀の香りが、市の鼻先をふわりと擽った。頬にふにゃりと、柔らかく暖かいものが触れる。それが、晧月の唇だと気付いた時には、晧月は窓枠に手をかけていた。

 「おやすみ。俺の天使ティエンシー

 優しく輝く銀の瞳が、市に向けられる。淡い月のような彼の微笑に見蕩れると、まばたきをした瞬間に……彼は窓から飛び降りていた。

 「……口付け泥棒」

 市は、真っ赤な顔で悪態をつく。キスをされたのは頬なのだが、恋愛慣れしない市にとっては大事件だった。ベッドに転がり、ぼすんと枕に顔を埋める。この熱はどうしたら、消えてくれるのだろう。この鼓動は、どうしたら収まってくれるのだろう。この頬の感触は、いつまで残るだろう……。市は、目を閉じた。暗闇の中で銀色の男が、自分を見つめて笑っていた……。
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