24 / 32
第2章「統治」
第六話-②「秘書の仕事」
しおりを挟む
ボクが部屋から出た魔王様を追いかけていた。
外に出たと思えばその脚を止めることはなく、街中を歩いていた。
ボクも早足で追いかけているが、魔王様はボクとの差を感じさせない速度で歩いているため中々追いつくことが出来ない。
魔王様が何の目的があって行動しているのか分からないので必死に追いかけている。
だが目的地が遠いのかかなり長いこと歩いていた。
だから脚がパンパンになった。
「あ、あの魔王様一体どちらに向かわれるのでしょうか?」
ボクが気になっていることを聞くと魔王様はピタリと止まった。
急に止まるものだからボクはすぐに止まることが出来ずに前で止まる魔王様にぶつかってしまった。
「す、すみません……」
ボクが咄嗟に謝罪の言葉を発すると魔王様はゆっくりと口を開いた。
「農業区画の方に向かっています」
魔王様が目的を言うとすぐに歩みを始めた。
ボクが何故農業区画に向かうのか疑問を考える暇すら与えずすぐに魔王様の後を追った。
「で、では何故農業区画に向かうのか教えてください。あ! 歩きながらで話してください」
先程のようにぶつかるように念押ししておく。
そして魔王様はボクの言われた通りに歩みを止めずに理由を話し出した。
「農業区画の収穫量が伸び悩んでいると報告書を見ましたので視察をしようと動いています」
確かにアクセスを手に入れてから街に色んな産業の区画を作った。
しかし始めたばかりでそれらに疎い街の人間たちでは1以上を増やすことに苦戦していた。
今までは遠い街から資源を確保していたから知識を持っている住民がいなかった。
(とはいえわざわざ魔王様が自ら出向くなんて)
今までの魔王様たちの活動記録から考えると異例を言えるだろう。
書面では良い印象に感じられる文章だが、紅蓮の魔王様での秘書課の扱いを考えると誰かが代わりに頑張ってくれたようにしか考えられなかった。
(その意味合いも含めて貴方のしっぽを掴んでみせる!)
そんな風に息巻いていたがボクは魔王様の実力をまだ全然知らなかった。
いや見せて欲しいと言わなかったからだろう。
これからボクが見るものは今まで生きて来た人生で驚きの連続に自分の寿命を削る、逆に健康になって長生きしそうになることも起きることをボクはこの先知ることになるだろう。
外に出たと思えばその脚を止めることはなく、街中を歩いていた。
ボクも早足で追いかけているが、魔王様はボクとの差を感じさせない速度で歩いているため中々追いつくことが出来ない。
魔王様が何の目的があって行動しているのか分からないので必死に追いかけている。
だが目的地が遠いのかかなり長いこと歩いていた。
だから脚がパンパンになった。
「あ、あの魔王様一体どちらに向かわれるのでしょうか?」
ボクが気になっていることを聞くと魔王様はピタリと止まった。
急に止まるものだからボクはすぐに止まることが出来ずに前で止まる魔王様にぶつかってしまった。
「す、すみません……」
ボクが咄嗟に謝罪の言葉を発すると魔王様はゆっくりと口を開いた。
「農業区画の方に向かっています」
魔王様が目的を言うとすぐに歩みを始めた。
ボクが何故農業区画に向かうのか疑問を考える暇すら与えずすぐに魔王様の後を追った。
「で、では何故農業区画に向かうのか教えてください。あ! 歩きながらで話してください」
先程のようにぶつかるように念押ししておく。
そして魔王様はボクの言われた通りに歩みを止めずに理由を話し出した。
「農業区画の収穫量が伸び悩んでいると報告書を見ましたので視察をしようと動いています」
確かにアクセスを手に入れてから街に色んな産業の区画を作った。
しかし始めたばかりでそれらに疎い街の人間たちでは1以上を増やすことに苦戦していた。
今までは遠い街から資源を確保していたから知識を持っている住民がいなかった。
(とはいえわざわざ魔王様が自ら出向くなんて)
今までの魔王様たちの活動記録から考えると異例を言えるだろう。
書面では良い印象に感じられる文章だが、紅蓮の魔王様での秘書課の扱いを考えると誰かが代わりに頑張ってくれたようにしか考えられなかった。
(その意味合いも含めて貴方のしっぽを掴んでみせる!)
そんな風に息巻いていたがボクは魔王様の実力をまだ全然知らなかった。
いや見せて欲しいと言わなかったからだろう。
これからボクが見るものは今まで生きて来た人生で驚きの連続に自分の寿命を削る、逆に健康になって長生きしそうになることも起きることをボクはこの先知ることになるだろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる