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第八話
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「何してるんだよ、尚にぃ。タマちゃんから離れろ!」
意地悪なことを言いながら私に近づこうとする尚先生を止めたのは、意外な人物だった。
「翔くん? どうしてここに?」
「それはこっちのセリフだ、タマちゃん。どうして尚にぃの部屋にいるわけ?」
「えっと……これには深い深い事情が」
私ににじり寄っていた尚先生から慌てて離れて、部屋の扉を背に腕組みをしている翔くんに取りなす。
但馬翔くん、二十歳。私が住んでいるマンションの隣に一軒家があるのだが、そこのお宅の男の子だ。
茶髪にピアス、Tシャツとデニムをラフに着こなす様は“いまどきの大学生”といった感じだ。
スラリと高い身長、整った顔。これは絶対大学で人気者だろうと断言できる容姿。
最初は少しだけ怖かったけど打ち解けたらすごく良い子だとわかり、良好なご近所づきあいをしているのだ。
どうして彼がここにいるのか。疑問はたくさんあるが、今はこの救世主に縋り付こう。
一方、動きを止めざるを得なかった尚先生の口から舌打ちする音が聞こえた。
よかった。このまま尚先生と二人きりの空間なんかにいたら、我が身がどうなっていたかわからない。
ホッとして翔くんに駆け寄る私を見て、尚先生は面白くなさそうだ。
「翔、人の部屋に入るときぐらいノックしてくださいね」
「俺の動物的勘が察知したんだよ。タマちゃんが危ないってな」
「大人の男と女が密室にいる。色々と察してもらいたいものだね」
クスッと余裕の笑みを浮かべる尚先生に対し、翔くんは目をつり上げて私の手を掴んできた。
「しょ、翔くん?」
「来いよ、タマちゃん。下に母ちゃんもいるし、じいちゃんもばあちゃんもいるから」
「えっと、え?」
「尚にぃの近くにいたら、タマちゃんが食われる」
「く、く、食われるって……!!!」
何を言い出したのか、この子は。目を白黒させる私を見て、翔くんはとびきりの笑顔を向けてきた。
「俺がタマちゃんを幸せにするって決めてんだからよ、尚にぃには近づくな」
この子はまた……そんな優しい事ばっかり言っていると、可愛い彼女が泣くというのに。
翔くんはいつも優しいなぁと私も彼に笑顔を向けた。
だが、その様子が気に入らないのか。尚先生の言葉は辛辣だ。
「誰を選ぶかは珠美さんが決めること。お子様の翔は、キレイで可愛い年上のお姉さんに憧れているだけかもしれないよ」
なんだか雲行きが怪しい。二人に挟まれオロオロしていると、第二の救世主が現れた。
翔くんのお母さんである真奈美さんだ。
「アンタたち! タマちゃんが困っているでしょう。ほら、こちらにいらっしゃい、タマちゃん」
「真奈美さん!」
真奈美さんに縋り付く私を見て、男二人は不服そうな表情だ。そんな彼らを真奈美さんは睨み付けたあと、私の顔を覗き込んできた。
「大丈夫よ、タマちゃん。尚は別室に寝ていたんだから」
「そうなんですか!」
「ええ。尚がなんて言って貴女を混乱させたのか知らないけどね。それより気分はどう? 昨夜はかなり酔っ払っていたそうよ。うちのお父さんが言っていた」
なんでも真奈美さんと翔くんはさきほど澤田家にやってきたらしく、私がお邪魔していると聞いてびっくりしてこの部屋に飛んできたらしい。
「大丈夫です。えっと、その……澤田先生と奥様は」
「下にいるわよ。朝ご飯が出来たから、調子が良かったら食べていって」
「と、とんでもないです。昨夜ご迷惑をおかけしたのでお詫びだけでも……」
恐縮しまくる私に対し、真奈美さんはいつもどおりカラリと笑ってみせた。
「お詫び言う元気があれば、ご飯食べることができるでしょ? ほら、行きましょう」
「えっと、真奈美さん!」
強引に腕を掴まれ、真奈美さんに連れてこられた先はダイニングのようだ。
そこにはいつもどおりニコニコと優しげな笑みを浮かべた澤田先生が珈琲を飲んでいた。
「ああ、木佐さん。久しぶりだね」
「ご無沙汰しております。昨夜は本当に申し訳ありませんでした!」
勢いよく頭を下げると、頭上でクスクスと柔らかい笑い声が聞こえる。たぶん澤田先生の奥様だ。
「ほら、木佐さん。頭を上げてちょうだい。今、しじみのお味噌汁ができたところよ。二日酔いにはよく効くから食欲なくても一口だけ飲んでいってね」
「奥様……本当にスミマセン。ご迷惑をおかけして」
いいのよ、と朗らかに笑う奥様。本当にこのお二方はいつお会いしても優しい方だ。
商工会の集まりや、ボーナス時期の積み立てのお知らせを配りにくるときぐらいしかお会いしないが、こうして私の名前を覚えてくれている。本当にありがたい。
そんな方たちに私は昨夜迷惑をかけてしまった。誠心誠意込めて謝らなければ。
何度も頭を下げていると、いつの間にか翔くんもダイニングに来ていて口を挟んできた。
「タマちゃんは悪くない。スケベ心全開の尚にぃが強引に連れてきただけだから」
「しょ、翔くん!?」
それは間違いだ。私があのとき御神酒を一気に煽ってしまったことが敗因である。
必死に説明をする私に、澤田先生は残念そうにため息をついた。
「私も総おどり行きたかったなぁ~。今年も木佐さんと祭り談義をしたかったよ」
「あ……先生、腰の具合はいかがですか? 起き上がっていても大丈夫なんですか」
祭り大好きな澤田先生が今年の総おどりを断念した理由。それはぎっくり腰をしてしまったからだった。
心配する私に、澤田先生は朗らかに笑った。
「ああ、大丈夫。来年こそは出るからね。よろしく頼むね、木佐さん」
「はい! でも私、かなり古株ですから……そろそろ後輩に譲ることになるかもです」
「そうなのかい? それは寂しいなぁ。じゃあ、木佐さんは信用金庫からじゃなくて、うちから出れば良いよ」
「へ……?」
そんなことって可能なのだろうか。祭り好きな私としては願ったり叶ったりではある。
でも私は信用金庫に勤めているわけだし、同じ商工会仲間だといっても澤田税理士事務所から出ることは難しいと思うんだけど。
ポケッと突っ立っている私を奥様は椅子に座らせ、満面の笑みで頷いた。
「そうね。それがいいわよ、木佐さん」
「は、はぁ……?」
訳が分からない私は奥様にしじみのお味噌汁を手渡され、この状況についていけずに首を傾げる。
呆気にとられている私に代わり、二人に噛みついたのは翔くんだった。
「何言ってんだよ、じいちゃん、ばあちゃん。尚にぃの嫁にする気満々じゃねえかよ!」
「嫁っ!?」
白目を剥きだし、しじみのお味噌汁を零すところだった。
嫁って何、一夜にして何が起こったのか。慌てふためく私を気の毒そうに見つめていた真奈美さんは私の手からお椀を取り、テーブルに置いてくれた。
大きくため息をついたあと、澤田家の面々に厳しい視線を向ける。
「タマちゃんだって選ぶ権利というものがあるわ。うちのバカ息子は自立していないからダメ。出直してこい」
「ひでぇ、母ちゃん」
「尚はタマちゃん苛めるからダメ。アンタ昨夜、タマちゃんをどうする気だったの? まさかとんでもないことしていないわよね。アンタならやりかねない」
「姉さん、相変わらず毒舌ですね」
アンタに言われたくはない! と尚先生の反論をピシャリとはねつけ、真奈美さんは私の隣にドカッと座りこんだ。
「ほら、タマちゃん。体調が大丈夫ならご飯食べちゃいな」
「えっと、はい。ありがとうございます」
箸とお味噌汁のお椀を渡された私がお礼を言うと、真奈美さんは小さく呟いた。
「タマちゃんには包容力がある男がいいと思うんだけどな」
「真奈美さん」
私にほほ笑んだ真奈美さんは困った表情を浮かべたあと、お味噌汁に手をつけた。
真奈美さんは知っているのだ。私が妄想恋愛をし始めた理由を――――。
しじみのお味噌汁に口を付ける。心と体が温まる気がして、少しだけ涙腺が緩んだ。
意地悪なことを言いながら私に近づこうとする尚先生を止めたのは、意外な人物だった。
「翔くん? どうしてここに?」
「それはこっちのセリフだ、タマちゃん。どうして尚にぃの部屋にいるわけ?」
「えっと……これには深い深い事情が」
私ににじり寄っていた尚先生から慌てて離れて、部屋の扉を背に腕組みをしている翔くんに取りなす。
但馬翔くん、二十歳。私が住んでいるマンションの隣に一軒家があるのだが、そこのお宅の男の子だ。
茶髪にピアス、Tシャツとデニムをラフに着こなす様は“いまどきの大学生”といった感じだ。
スラリと高い身長、整った顔。これは絶対大学で人気者だろうと断言できる容姿。
最初は少しだけ怖かったけど打ち解けたらすごく良い子だとわかり、良好なご近所づきあいをしているのだ。
どうして彼がここにいるのか。疑問はたくさんあるが、今はこの救世主に縋り付こう。
一方、動きを止めざるを得なかった尚先生の口から舌打ちする音が聞こえた。
よかった。このまま尚先生と二人きりの空間なんかにいたら、我が身がどうなっていたかわからない。
ホッとして翔くんに駆け寄る私を見て、尚先生は面白くなさそうだ。
「翔、人の部屋に入るときぐらいノックしてくださいね」
「俺の動物的勘が察知したんだよ。タマちゃんが危ないってな」
「大人の男と女が密室にいる。色々と察してもらいたいものだね」
クスッと余裕の笑みを浮かべる尚先生に対し、翔くんは目をつり上げて私の手を掴んできた。
「しょ、翔くん?」
「来いよ、タマちゃん。下に母ちゃんもいるし、じいちゃんもばあちゃんもいるから」
「えっと、え?」
「尚にぃの近くにいたら、タマちゃんが食われる」
「く、く、食われるって……!!!」
何を言い出したのか、この子は。目を白黒させる私を見て、翔くんはとびきりの笑顔を向けてきた。
「俺がタマちゃんを幸せにするって決めてんだからよ、尚にぃには近づくな」
この子はまた……そんな優しい事ばっかり言っていると、可愛い彼女が泣くというのに。
翔くんはいつも優しいなぁと私も彼に笑顔を向けた。
だが、その様子が気に入らないのか。尚先生の言葉は辛辣だ。
「誰を選ぶかは珠美さんが決めること。お子様の翔は、キレイで可愛い年上のお姉さんに憧れているだけかもしれないよ」
なんだか雲行きが怪しい。二人に挟まれオロオロしていると、第二の救世主が現れた。
翔くんのお母さんである真奈美さんだ。
「アンタたち! タマちゃんが困っているでしょう。ほら、こちらにいらっしゃい、タマちゃん」
「真奈美さん!」
真奈美さんに縋り付く私を見て、男二人は不服そうな表情だ。そんな彼らを真奈美さんは睨み付けたあと、私の顔を覗き込んできた。
「大丈夫よ、タマちゃん。尚は別室に寝ていたんだから」
「そうなんですか!」
「ええ。尚がなんて言って貴女を混乱させたのか知らないけどね。それより気分はどう? 昨夜はかなり酔っ払っていたそうよ。うちのお父さんが言っていた」
なんでも真奈美さんと翔くんはさきほど澤田家にやってきたらしく、私がお邪魔していると聞いてびっくりしてこの部屋に飛んできたらしい。
「大丈夫です。えっと、その……澤田先生と奥様は」
「下にいるわよ。朝ご飯が出来たから、調子が良かったら食べていって」
「と、とんでもないです。昨夜ご迷惑をおかけしたのでお詫びだけでも……」
恐縮しまくる私に対し、真奈美さんはいつもどおりカラリと笑ってみせた。
「お詫び言う元気があれば、ご飯食べることができるでしょ? ほら、行きましょう」
「えっと、真奈美さん!」
強引に腕を掴まれ、真奈美さんに連れてこられた先はダイニングのようだ。
そこにはいつもどおりニコニコと優しげな笑みを浮かべた澤田先生が珈琲を飲んでいた。
「ああ、木佐さん。久しぶりだね」
「ご無沙汰しております。昨夜は本当に申し訳ありませんでした!」
勢いよく頭を下げると、頭上でクスクスと柔らかい笑い声が聞こえる。たぶん澤田先生の奥様だ。
「ほら、木佐さん。頭を上げてちょうだい。今、しじみのお味噌汁ができたところよ。二日酔いにはよく効くから食欲なくても一口だけ飲んでいってね」
「奥様……本当にスミマセン。ご迷惑をおかけして」
いいのよ、と朗らかに笑う奥様。本当にこのお二方はいつお会いしても優しい方だ。
商工会の集まりや、ボーナス時期の積み立てのお知らせを配りにくるときぐらいしかお会いしないが、こうして私の名前を覚えてくれている。本当にありがたい。
そんな方たちに私は昨夜迷惑をかけてしまった。誠心誠意込めて謝らなければ。
何度も頭を下げていると、いつの間にか翔くんもダイニングに来ていて口を挟んできた。
「タマちゃんは悪くない。スケベ心全開の尚にぃが強引に連れてきただけだから」
「しょ、翔くん!?」
それは間違いだ。私があのとき御神酒を一気に煽ってしまったことが敗因である。
必死に説明をする私に、澤田先生は残念そうにため息をついた。
「私も総おどり行きたかったなぁ~。今年も木佐さんと祭り談義をしたかったよ」
「あ……先生、腰の具合はいかがですか? 起き上がっていても大丈夫なんですか」
祭り大好きな澤田先生が今年の総おどりを断念した理由。それはぎっくり腰をしてしまったからだった。
心配する私に、澤田先生は朗らかに笑った。
「ああ、大丈夫。来年こそは出るからね。よろしく頼むね、木佐さん」
「はい! でも私、かなり古株ですから……そろそろ後輩に譲ることになるかもです」
「そうなのかい? それは寂しいなぁ。じゃあ、木佐さんは信用金庫からじゃなくて、うちから出れば良いよ」
「へ……?」
そんなことって可能なのだろうか。祭り好きな私としては願ったり叶ったりではある。
でも私は信用金庫に勤めているわけだし、同じ商工会仲間だといっても澤田税理士事務所から出ることは難しいと思うんだけど。
ポケッと突っ立っている私を奥様は椅子に座らせ、満面の笑みで頷いた。
「そうね。それがいいわよ、木佐さん」
「は、はぁ……?」
訳が分からない私は奥様にしじみのお味噌汁を手渡され、この状況についていけずに首を傾げる。
呆気にとられている私に代わり、二人に噛みついたのは翔くんだった。
「何言ってんだよ、じいちゃん、ばあちゃん。尚にぃの嫁にする気満々じゃねえかよ!」
「嫁っ!?」
白目を剥きだし、しじみのお味噌汁を零すところだった。
嫁って何、一夜にして何が起こったのか。慌てふためく私を気の毒そうに見つめていた真奈美さんは私の手からお椀を取り、テーブルに置いてくれた。
大きくため息をついたあと、澤田家の面々に厳しい視線を向ける。
「タマちゃんだって選ぶ権利というものがあるわ。うちのバカ息子は自立していないからダメ。出直してこい」
「ひでぇ、母ちゃん」
「尚はタマちゃん苛めるからダメ。アンタ昨夜、タマちゃんをどうする気だったの? まさかとんでもないことしていないわよね。アンタならやりかねない」
「姉さん、相変わらず毒舌ですね」
アンタに言われたくはない! と尚先生の反論をピシャリとはねつけ、真奈美さんは私の隣にドカッと座りこんだ。
「ほら、タマちゃん。体調が大丈夫ならご飯食べちゃいな」
「えっと、はい。ありがとうございます」
箸とお味噌汁のお椀を渡された私がお礼を言うと、真奈美さんは小さく呟いた。
「タマちゃんには包容力がある男がいいと思うんだけどな」
「真奈美さん」
私にほほ笑んだ真奈美さんは困った表情を浮かべたあと、お味噌汁に手をつけた。
真奈美さんは知っているのだ。私が妄想恋愛をし始めた理由を――――。
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